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離婚に必要な条件とは?成立要件や法定離婚事由、決めるべき項目を解説

離婚に必要な条件とは?成立要件や法定離婚事由、決めるべき項目を解説

離婚は、必ずしも裁判所を通す必要はありません。実際、離婚する夫婦の約9割が話し合いによる協議離婚を選んでいます。

しかし、話し合いが決裂すれば、最終的に裁判で決着をつけることになるでしょう。そのため、裁判で離婚が認められるかどうかの見通しを持っておくことが重要です。見通しが立てば、相手の要求に妥協せず、有利な条件で交渉を進めやすくなります。

本記事では、裁判の判決で離婚を認めてもらうための条件を解説します。離婚時に取り決めるべき条件の例や、交渉を有利に進めるコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

離婚が認められる4つの条件

離婚には、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3つの手続きがあります。協議離婚や調停離婚は、配偶者の合意があれば成立します。

配偶者の合意が得られない場合、裁判で離婚を認めてもらうには、4つの条件(法定離婚事由)のいずれかが必要です。

  1. 配偶者に不貞な行為があった
  2. 配偶者から悪意で遺棄された
  3. 配偶者の生死が三年以上明らかでない
  4. その他婚姻を継続し難い重大な事由がある

各条件の内容を詳しく見ていきましょう。

配偶者に不貞行為があった

配偶者に不貞行為があった場合、裁判で離婚を請求できます。

不貞行為とは、配偶者以外の者と自由な意思で肉体関係を持つ行為です。肉体関係には、性交に限らず、口淫や肛門性交などの性交類似行為も含まれます。

キスやハグなどのスキンシップだけでは、原則として不貞行為にはあたりません。また、不貞行為の前から夫婦関係がすでに破綻していた場合は、離婚事由として認められないケースもあります。

不貞行為で離婚を請求する際は原則証拠が必要です。配偶者が他の人と肉体関係を持っている写真や音声などがあれば、不貞行為が立証される可能性が高まります。

配偶者から悪意で遺棄された

配偶者から悪意で遺棄された場合も、裁判で離婚を請求できます。

悪意の遺棄とは、正当な理由なく夫婦の同居・協力・扶助義務を履行しないことです。

たとえば、以下のような行為は悪意の遺棄に該当する可能性があります。

  • 正当な理由なく同居を拒否する
  • 十分な収入がありながら生活費を渡さない
  • 配偶者を家から追い出す

ここでいう悪意とは、夫婦関係を破綻させる意図がある、または破綻してもかまわないと容認する意思を指します。単身赴任や病気療養など正当な理由がある別居は、悪意の遺棄に該当しません。

配偶者の生死が3年以上明らかでない

配偶者の生死が3年以上不明な場合、裁判で離婚が認められます。

生死不明とは、生存も死亡も確認できない状態です。居場所はわからないが生存が推測できる行方不明とは異なります。

起算点は、最後に生存が確認された時点です。最後に連絡が取れた日から3年以上が経過している必要があります。

その他婚姻を継続し難い重大な事由がある

ほかの法定離婚事由に該当しない場合でも、婚姻を継続し難い重大な事由があれば、裁判で離婚が認められる可能性があります。

婚姻を継続し難い重大な事由とは、婚姻関係が破綻しており、共同生活の回復の見込みがない状態です。どのような事情をもって婚姻破綻を認定するかは、裁判官の自由な裁量に委ねられています。

以下では、裁判所が婚姻破綻の事実を認定した代表的な類型を紹介します。

DV(暴行・虐待)・モラハラ(精神的虐待)

配偶者からのDVは、婚姻を継続し難い重大な事由と判断されることが多いです。

ありふれた夫婦げんか程度の暴力のときは、暴力行為自体が離婚原因と認定されるケースは少ないです。不貞・飲酒癖・ギャンブルなどのその他の事情を総合考慮して、婚姻を継続し難い重大な事由に該当すると判断される傾向があります。

人格否定や侮辱的な言動などのモラハラも、夫婦関係が破綻し、回復の見込みがないと客観的にいえる場合には離婚原因となり得ます。

犯罪行為・服役

配偶者の犯罪行為や服役などの事情も、婚姻を継続し難い重大な事由に該当する可能性があります。

ただし、犯罪行為や服役の事実だけでは、婚姻を継続し難い重大な事由に該当するとはいえません。犯罪行為や服役により、相手方配偶者の名誉を傷つけたり、家族の生活に支障を及ぼしたりした場合などは婚姻破綻の原因となり得ます。

婚姻を継続し難い重大な事由に該当するかどうかは、以下のような事情を総合的に考慮して判断されます。

  • 犯罪行為の内容・軽重
  • 服役刑期
  • 家族の生活状況
  • 勤労意欲の欠如・怠惰な生活態度

勤労意欲の欠如・浪費・多額の借金

配偶者の勤労意欲の欠如・浪費癖・多額の借金は、婚姻を継続し難い重大な事由に該当し得ます。

働く能力があるにもかかわらず就労せず、家計を圧迫し続ける行為は、夫婦の協力・扶助義務に反します。ギャンブルや投資による浪費を繰り返す場合や、配偶者に無断で多額の借金を抱えるケースも同様です。

婚姻を継続し難い重大な事由に該当するかどうかは、以下のような事情を総合的に考慮して判断されます。

  • 勤労意欲の有無
  • 浪費や借金の程度・期間
  • 家計への影響の深刻さ
  • 改善に向けた努力の有無

継続的な性交渉の拒否・性的異常

継続的な性交渉の拒否や性的異常は、婚姻を継続し難い重大な事由にあたる場合があります。

以下のような事情がある場合は、離婚事由として認められにくい傾向です。

  • 出産後の体調不良
  • 病気や加齢による身体的事情
  • 性関係を重視しないという当事者間の合意

相手方の嫌がる性生活を強要した場合も、婚姻を継続し難い重大な事由となり得ます。過去の裁判例では、過度の性交を要求したうえ、性行為の際に必ず靴を履くことを強要した事案で離婚が認められています。

親族との不和に対する配偶者の無関心・加担

親族との不和に対する配偶者の無関心・加担は、婚姻を継続し難い重大な事由があるとして離婚が認められる可能性があります。

親族との不和自体は、直接の破綻原因にはなりません。ただし、以下のような事情によって婚姻の継続が難しくなった場合には、婚姻を継続し難い重大な事由に該当し得ます。

  • 配偶者が問題に無関心で不和の解消に協力しない
  • 円満な夫婦関係を実現するために努力する態度が見られない

配偶者自身が義父母と一緒になって嫌がらせをしている場合は、より認められやすくなるでしょう。

性格の不一致に起因した別居・喧嘩・無視

性格の不一致に起因して婚姻関係が修復不能なまでに破綻すれば、婚姻を継続し難い重大な事由に該当し得ます。

性格の不一致だけでは、原則として婚姻を継続し難い重大な事由には該当しません。ただし、性格の不一致が原因で長期間の別居や日常的なけんか、無視が続いている場合は、婚姻関係の破綻と判断される可能性があります。

たとえば、性格の不一致が原因で一方が家を出て数年以上別居が続いている状態であれば、破綻が認められやすいでしょう。同居中でも、会話や食事、寝室を完全に別にしている家庭内別居が長期間続いていれば、実質的な別居と同視される場合もあります。

もっとも、別居期間が短い場合や、一時的なけんかにとどまる場合は認められにくいのが実情です。

【2026年4月改正】「回復の見込みのない強度の精神病」は削除予定

改正後は、配偶者が精神疾患に罹患しているという事実だけでは、離婚を請求できません。

削除の背景には、精神疾患を独立した離婚事由として規定すること自体が、差別や偏見を助長するとの批判がありました。また、現代の精神医療の進歩により、従来は不治と考えられていた疾患でも回復が見込まれるケースが増えています。

ただし、離婚がまったく認められなくなったわけではありません。精神疾患に起因した暴力・長期間の別居などがある場合には、婚姻を継続し難い重大な事由として離婚が認められる可能性があります。

有責配偶者が離婚を請求できる条件

不貞やDVなど離婚の原因を作った側(有責配偶者)からの離婚請求は、原則として認められません。

自ら婚姻関係を破壊しておきながら離婚を求めるのは、他方配偶者にとって酷であり、信義則に反するためです。

ただし、本章で示す3つの条件を全て満たす場合に限り、例外的に離婚請求が認められる余地があります。

夫婦の年齢や同居期間と比べて別居が相当長期間に及ぶこと

夫婦の別居期間が相当の長期間に及んでいることです。

相当の長期間という要件を満たしているかどうかは、単純に年数だけで判断されるわけではありません。

夫婦双方の年齢や同居期間との比較など様々な事情を踏まえて評価されます。裁判例では、別居6年で長期と認められたケースがある一方、8年でも不十分とされたケースもあります。

婚姻関係が実質的に破綻しているかどうかがポイントです。別居が相当長期間に及んでいても、夫婦としての経済的・精神的交流が認められる場合は、離婚請求が棄却される傾向があります。

未成熟子(親から独立して生計を営めない子)がいないこと

夫婦の間に未成熟子がいないことです。

未成熟子とは、経済的・社会的に自立しておらず、親から独立して生計を営めない子を指します。未成年と同義ではありません。

離婚により子の家庭・養育環境や精神的・経済的状況がどれだけ悪化するかなど、子の福祉の観点から総合的に判断されます。

そのため、未成熟子がいるからといって、一律に離婚が認められないわけではありません。有責配偶者が別居中も養育費を欠かさず支払い、子の福祉が害されないと認められた場合には、離婚請求が認容される可能性もあるでしょう。

配偶者が精神的・社会的・経済的にきわめて苛酷な状態に置かれないこと

離婚によって相手方配偶者がきわめて苛酷な状態に置かれないことです。

たとえば相手方が病気療養中で収入がなく、離婚により生活基盤を完全に失ってしまうようなケースでは、離婚請求は認められにくいでしょう。一方、相手方に安定した収入や十分な資産がある場合は、離婚が認められやすくなります。

有責配偶者側が慰謝料や財産分与について相応の経済的給付を申し出ているかどうかも、裁判所の判断に影響します。離婚を求める以上、相手方の生活に対する誠実な配慮を示せるかが問われるといえるでしょう。

離婚時に決めるべき主な条件

離婚する際には、夫婦間でさまざまな条件を取り決めます。本章では、離婚時に決めるべき主な項目を解説します。

親権・監護権

現行の民法では、未成年の子がいる場合、夫婦のどちらが親権者になるかを必ず決めなければなりません。

親権とは、子の利益のために、身の回りの世話や教育、財産の管理をする権利・義務です。親権は、身上監護権と財産管理権の2つで構成されます。

身上監護権

子の生活全般を監督し、教育する権利

財産管理権

子の財産を管理し、法律行為を代理する権利

身上監護権は、監護権とも呼ばれます。
親権者と監護者を分けるケースは少ないです。ただし、夫婦双方が親権を希望して譲らず、離婚の話し合いが進まないときなどには、親権者と監護者を別に定める場合もあります。

なお、2026年4月1日施行の改正民法では、離婚後も父母双方が親権を持つ共同親権が導入されました。改正後は父母の協議により共同親権を選択できるようになります。

養育費

養育費とは、子を監護・教育するために必要な費用です。月々の支払い額は、裁判所が公表する養育費算定表を用いて決めるのが一般的です。夫婦双方の収入や子の人数・年齢をもとに算出します。

たとえば、14歳未満の子一人と同居する妻が無収入で、会社員の夫が年収600万円の養育費の目安は月額6万円~8万円程度です。

支払い期間は、原則として子が成人するまでです。ただし、双方の合意があれば、大学を卒業する22歳までなど支払い終期を自由に設定できます。

面会交流

離れて暮らす親と子の面会交流についても、夫婦間であらかじめ話し合いましょう。

面会の頻度や方法は、子の年齢や生活状況を考慮して決めます。月1回程度の面会が一般的ですが、夏休みや年末年始に宿泊を伴う面会を設定するケースもあるでしょう。

以下の事項を具体的に定めておくとスムーズです。

項目

内容

面会の頻度

月に1回、2週間に1回など

面会の時間

1回あたりの時間、開始・終了時刻など

面会の場所

事前指定・都度協議・立入禁止場所の指定など

宿泊の可否

宿泊を認める場合の頻度・宿泊場所の制限など

日程調整などの連絡方法

連絡手段の指定、日程変更・キャンセル時のルールなど

子の意思も尊重しながら、柔軟なルール設定を心がけましょう。

財産分与

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で築いた財産を離婚時に分け合う制度です。

財産分与の対象となるのは、婚姻中に夫婦で協力して取得・形成した財産です。

財産分与

一般的には、別居時(別居していない場合は離婚時)に存在する共有財産を、離婚時の価値で清算します。

分与割合は原則2分の1です。ただし、夫婦の一方の特別の努力・能力によって高額の資産が形成された場合などには、分与割合を調整するケースもあります。

年金分割

年金分割とは、婚姻期間中の厚生年金記録を夫婦で分割する制度です。

年金分割には、合意分割と3号分割の2種類があります。

年金分割

年金分割を請求するには、離婚成立から2年以内に手続きが必要です。年金事務所で年金分割の情報通知書を取得し、按分割合を決めます。

合意ができない場合は、家庭裁判所に調停または審判を申し立てられます。年金分割は将来の年金額に影響するため、忘れずに手続きしましょう。

慰謝料

慰謝料とは、離婚原因を作った配偶者が支払う精神的苦痛に対する損害賠償です。

慰謝料が認められる典型例と相場は、以下のとおりです。

離婚原因

慰謝料の相場

不貞行為

150万円~300万円程度

悪意の遺棄

数十万円~300万円程度

DV・モラハラ

数十万円~300万円程度

慰謝料の金額は、以下のような事情を総合的に考慮して決められます。

  • 婚姻期間
  • 離婚原因となる不法行為が継続した期間
  • 未成熟子の有無
  • 不法行為の悪質性
  • 精神的苦痛の程度

話し合いがまとまらず裁判に発展した場合、証拠が不十分だと慰謝料請求が認められない可能性があります。万が一に備え、不貞行為であれば、ラブホテルへの出入りを示す写真や、肉体関係を示すメッセージなどを確保しておきましょう。

婚姻費用の分担

婚姻費用とは、夫婦が婚姻生活を維持するために必要な費用です。別居中でも、離婚が成立するまでは婚姻費用の分担義務が続きます。

収入の少ない配偶者は、多い配偶者に対して婚姻費用を請求できます。

婚姻費用の金額は、裁判所が公表する婚姻費用算定表を用いて決めるのが一般的です。養育費と同様、双方の収入や子の人数をもとに算出します。

たとえば、14歳未満の子一人と同居する妻が無収入で、会社員の夫が年収600万円の婚姻費用の目安は月額12万円~14万円程度です。

相手方が婚姻費用の支払いに応じない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てられます。調停でも合意できない場合は、審判により裁判官が金額を決定するでしょう。

婚姻費用の支払いは、請求した時点から発生します。別居後は速やかに請求し、支払いを受ける権利を確保しましょう。

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離婚条件の交渉・取り決め時のコツ

離婚条件の交渉では、事前準備と慎重な判断が欠かせません。本章では、交渉を有利に進めるためのポイントを解説します。

財産や離婚原因に関する証拠・資料を集める

交渉を有利に進めるうえで大切なのは、客観的な証拠や資料の収集です。

財産分与では、共有財産の全体像を正確に把握しておく必要があります。夫婦でも、お互いの財産を全て把握しているとは限りません。配偶者名義の預金がいくらあるのかわからない場合もあるでしょう。

財産隠しに備え、配偶者に離婚を切り出す前に共有財産を洗い出し、財産の存在と金額を裏付ける資料を確保しておくのが望ましいです。

配偶者に不貞行為やDV・モラハラがある場合は、離婚・慰謝料請求に備え、不法行為の証拠も集めましょう。有効な証拠の例は、以下のとおりです。

離婚原因(不法行為)

証拠の例

不貞行為

・肉体関係を直接示す写真や動画

・ラブホテルに出入りする様子がわかる写真

・肉体関係を疑わせるLINEやメールのやり取り

・二人きりでの宿泊や旅行がわかる写真・メッセージ

・探偵事務所の調査報告書

DV・モラハラ

・怪我の写真

・医師の診断書

・暴言・暴力を録画・録音したデータ

・侮辱的・脅迫的な内容のメールやLINE

・警察や配偶者暴力相談支援センターへの相談記録

離婚を切り出したあとでは、相手方が証拠を隠滅するおそれがあります。話し合いを始める前の段階で、できる限りの資料を確保しておきましょう。

希望する条件を具体的に書き出し、優先順位をつける

交渉に臨む前に、希望する離婚条件を具体的に整理しておくと、話し合いがスムーズに進みます。

離婚の前後に取り決めるべき事項は、以下のとおり、多岐にわたります。

  • 親権・監護権
  • 養育費
  • 面会交流
  • 財産分与
  • 年金分割
  • 慰謝料
  • 婚姻費用の分担

条件を書き出したら、絶対に譲れないものと、妥協できるものを整理するとよいでしょう。たとえば、親権は絶対に譲れないが、面会交流の頻度は相手方の希望に合わせてもよいなどの線引きをしておくと、冷静な判断がしやすくなります。

条件に納得できないときは離婚に合意しない

条件に納得できないうちは、離婚届に署名しない姿勢を保つのが大切です。

財産分与や慰謝料は離婚後にも請求できます。しかし、離婚が成立すると相手方には交渉に応じる動機がなくなるため、条件面で譲歩を引き出しにくくなるでしょう。

相手方が早期の離婚を望んでいるケースほど、合意を急がない姿勢が交渉上有利に働きます。焦って不利な条件を受け入れるのではなく、納得のいく条件が整うまで粘り強く交渉を続けましょう。

話し合いが平行線になった場合は、弁護士への依頼や調停手続の利用も検討してみてください。

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合意した離婚条件は公正証書で残す

離婚条件について合意したら、公正証書として書面に残すのがおすすめです。

合意内容を離婚協議書にまとめる方法もありますが、離婚協議書はあくまで私文書です。相手が約束を破っても、離婚協議書だけでは強制執行ができません。改めて裁判を起こす必要があります。

強制執行認諾文言付きの公正証書を作成しておけば、養育費や慰謝料の支払いが滞った場合に、裁判を経ずに相手方の給与や預貯金を差し押さえられます。

公正証書は公証人が作成する公文書であり、内容の不備や曖昧な表現が残りにくい点もメリットです。公正証書の存在自体が相手方への心理的な抑止力となり、支払いの滞りを未然に防ぐ効果も期待できます。

離婚条件の交渉を弁護士に依頼すべきケース

離婚条件の交渉は当事者同士でも行えますが、状況によっては弁護士の関与が望ましい場面もあります。

以下では、弁護士への依頼を検討すべき代表的なケースを解説します。

配偶者と冷静・対等に話し合いができない

配偶者と冷静・対等に話し合いができない場合は、弁護士への依頼を検討しましょう。

離婚の話し合いでは、過去の不満や怒りが噴き出し、建設的な話し合いが難しくなるケースが少なくありません。冷静さを欠いた状態では合理的な判断が難しくなり、不利な条件で合意してしまうおそれもあります。

また、離婚原因があなたにある場合、配偶者が高圧的な態度をとったり、一方的に条件を押し付けたりするケースもあるでしょう。

弁護士が代理人として交渉すれば、配偶者と直接顔を合わせずに済みます。法的な根拠に基づいた主張ができるため、感情に左右されない対等な交渉が可能です。

弁護士が交渉の窓口になると配偶者も無茶な要求をしにくくなり、建設的な話し合いが実現しやすくなるでしょう。

配偶者からDVやモラハラを受けている

配偶者からDVやモラハラを受けている場合は、自力での交渉は避けるべきです。

暴力や精神的な支配がある関係では、対等な話し合い自体が成り立ちません。恐怖心から自分の意見を伝えられず、自分に不利な条件をそのまま受け入れてしまうおそれがあります。無理に交渉を続けた結果、暴力がエスカレートする可能性も否定できません。

弁護士に依頼すれば、配偶者との連絡や交渉を全て代行してもらえます。保護命令の申立てや別居先の秘匿など、身の安全を確保するための法的措置などのサポートを受けられます。

DV・モラハラの被害を受けている方は、身の安全を最優先に考え、できるだけ早い段階で弁護士に相談してください。

共有財産が多い・配偶者の財産を把握できない

共有財産の種類が多い、配偶者が財産を開示しない場合も、弁護士への依頼が有効です。

財産分与の対象は、預貯金や不動産だけではありません。有価証券・生命保険の解約返戻金・退職金など、婚姻期間が長いほど財産の種類や金額が増える傾向があります。

配偶者が家計を管理しているケースでは、財産の全体像を把握できていない方も多いでしょう。配偶者が意図的に財産を隠している場合、自力で全容を明らかにするのは困難です。

弁護士に依頼すれば、弁護士法23条照会により、配偶者名義の財産を調査できる可能性があります。財産の評価方法や分与割合についても、過去の裁判例を踏まえた適正な金額を算出してもらえるため、交渉で不利益を被るリスクを抑えられます。

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離婚条件に関するよくある質問

離婚条件について、よく寄せられる質問にQ&A形式で回答します。

Q. 離婚条件に折り合いがつかないと離婚はできませんか?

条件が未確定でも、夫婦双方が離婚自体に合意していれば、離婚できる可能性はあります。

財産分与や慰謝料を決めなくても、離婚届は受理されます。離婚届の提出に最低限必要なのは、未成年の子がいる場合の親権者の指定だけです。調停や裁判を利用する場合も、離婚のみを請求する方法を取れます。

ただし、協議離婚や調停離婚は夫婦双方の合意が前提です。相手方が「条件面を決めてからでないと離婚しない」という立場を崩さない場合は、離婚自体が成立しません。

また、条件を定めないまま離婚を先行すると、相手方が離婚後の交渉に応じなくなるリスクがあります。トラブル防止の観点からも、離婚前に条件を取り決めておくのが理想です。

条件面の交渉が難航している場合は、弁護士への依頼を積極的に検討してください。

Q. 離婚条件を決めずに離婚した場合は後から請求できますか?

財産分与・慰謝料・年金分割は、以下の期限内であれば、離婚後でも請求できます。

項目

請求期限

財産分与

離婚成立日の翌日から起算して5年以内

(2026年3月31日以前に離婚が成立した場合は2年以内)

慰謝料

離婚成立日の翌日から起算して3年以内

年金分割

離婚成立日の翌日から起算して5年以内

(2026年3月31日以前に離婚が成立した場合は2年以内)

養育費は、子どもが経済的・社会的に自立するまでの間であれば、いつでも請求できます。

ただし、養育費の支払いは請求時点を始期とするのが実務上の扱いです。相手方が任意に合意しない限り、離婚時まで遡って支払いを求められません。

Q. 離婚条件以外で決めるべき事項はありますか?

代表的なものは、離婚後の氏(姓)と子の戸籍です。

婚姻時に氏が変わった側は、離婚すると旧姓に戻るのが原則です。ただし、離婚から3ヵ月以内に婚氏続称届を提出すれば、婚姻中の氏を名乗り続けられます。職場での呼称や子への影響を踏まえ、どちらを選ぶか事前に検討しておきましょう。

子の氏は、親が離婚しても自動的には変わりません。たとえば親権者となった母親が旧姓に戻っても、子は父親の氏のままです。母親と同じ氏に変更するには、家庭裁判所に子の氏の変更許可を申し立て、許可を得たうえで入籍届を提出する必要があります。

離婚条件の協議とあわせて、氏や戸籍の方針も早めに決めておきましょう。

まとめ|離婚条件で後悔しないためには弁護士に相談を

離婚を成立させるには、配偶者の合意が必要です。合意が得られない場合、裁判で離婚を認めてもらうためには法定離婚事由の存在を立証する必要があります。

離婚時に取り決めるべき条件は、親権・養育費・面会交流・財産分与・年金分割・慰謝料など多岐にわたります。条件を曖昧にしたまま離婚すると、後のトラブルにつながるため、離婚前に合意内容を固めておくのが重要です。

合意した内容は、強制執行認諾文言付きの公正証書として残しておきましょう。支払いが滞った際に、裁判を経ずに強制執行へ移れます。

交渉が難航している場合や、DVなどで直接話し合えない状況では、早めに弁護士に相談してください。弁護士が代理人として交渉を担えば、法的な根拠に基づいた主張が可能です。

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この記事の監修者
東京桜の森法律事務所
川越 悠平 (東京弁護士会)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。

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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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