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【弁護士監修】離婚協議書の書き方をサンプル・テンプレート付きで解説

【弁護士監修】離婚協議書の書き方をサンプル・テンプレート付きで解説
  • 「離婚協議書の書き方がわからない」
  • 「離婚協議書を自分で作成する際に、参考にできるサンプルが欲しい」
  • 「離婚協議書を公正証書にすべきかどうか判断できない」

離婚協議書の作成時に、上記のような疑問を抱える方は少なくありません。

記載内容が曖昧だったり不備があったりすると離婚協議書が無効になるおそれがあります。トラブルを防ぐためにも、離婚協議書の正しい書き方を理解しましょう。

本記事では、離婚協議書の書き方をひな形・テンプレート付きで解説します。離婚公正証書の作り方や費用や弁護士費用の相場も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

離婚協議書とは|協議離婚をする夫婦が作成・締結する書面

離婚協議書とは、夫婦双方が話し合いを経て離婚に合意した旨や夫婦間で取り決めた離婚条件をとりまとめた書面です。協議離婚をする夫婦が、合意内容を証拠として残すために作成・締結します。

離婚協議書を作成する目的

離婚協議書は、夫婦間の合意を明確にし、将来の紛争を未然に防ぐために作成します。離婚時には、財産分与・年金分割・慰謝料・養育費・親子交流などの取り決めをするのが一般的です。

離婚に関する合意は口約束でも有効に成立しますが、書面がなければ合意の事実や内容を証明する手段がありません。相手が約束を守らなかったり、取り決め自体を否定したりした場合、泣き寝入りになるおそれもあります。

離婚に関する合意内容を書面化しておけば、トラブルに発展した際も、裁判などによる解決を目指せます。文字に起こす過程でお互いの責任と義務も明確となるため、認識のずれも事前に解消できるでしょう。

離婚協議書の効力

双方が署名・押印した離婚協議書は、契約書と同じ効力を持ちます。当事者双方は、書面に記載した内容を守らなければなりません。離婚協議書があれば、相手が取り決めを守らない場合でも、合意の事実を証明する根拠として使えます。

ただし、離婚協議書の効力には限界があります。財産分与や慰謝料の支払いについては、相手が約束を破ったとしても、離婚協議書だけでは直ちに強制執行に移れません。

養育費以外の金銭の支払いについて、裁判を経ずに強制執行を可能とするには、強制執行認諾文言付きの公正証書にする必要があります。

【重要】法改正により協議書による養育費の強制執行が可能に!

2026年4月1日施行の改正民法では、養育費債権に一般先取特権が付与されました。一般先取特権とは、債務者の財産からほかの債権者よりも優先して弁済を受けられる権利です。

改正前は、養育費の不払いに対して強制執行を申し立てるには、強制執行認諾文言付き公正証書や調停調書などの債務名義が必要でした。改正後は、離婚協議書など父母間で作成した合意文書があれば、債務名義なしで強制執行を申し立てられるようになっています。

一般先取特権に基づく差し押さえは、子ひとりあたり月額8万円が上限です。協議書に記載した養育費が子ひとりあたり月額8万円以内であれば、裁判を経ずに強制執行に移れます。

なお、月額8万円を超える部分を強制執行で回収する場合は、従来どおり、債務名義が必要です。

離婚協議書の作成に向けての準備3つ

離婚協議書を作成する前に、希望する離婚条件を整理し、夫婦間で十分に話し合っておきましょう。書き方によっては協議書の一部または全部が無効になるケースもあるため、無効リスクをあらかじめ把握しておくことも大切です。

希望する離婚条件を整理する

離婚協議書を作成する前に、希望する離婚条件を整理しておきましょう。整理しておくべき主な項目は、以下のとおりです。

項目

検討事項

親権者

共同親権と単独親権のどちらを希望するか
【単独親権を希望する場合】どちらを親権者とするか
【共同親権を希望する場合】監護権者を一方に指定するか、監護を分掌するか

養育費

希望する金額・支払い期間・支払い方法

親子交流

希望する頻度・場所・受け渡し方法

財産分与

・婚姻中に夫婦が協力して取得・形成した財産の範囲
・希望する分け方
・2分の1ルールの調整の要否

年金分割

・希望する按分割合(0.5が上限)
・第3号被保険者の場合は3号分割の手続きの要否

慰謝料

・有責行為の有無
・希望する金額・支払い方法

自分が希望する条件のほか、各項目の相場・基準をあらかじめ把握しておきましょう。たとえば養育費の金額は、裁判所が公表する算定表を参考に目安を確認できます。

夫婦が互いに納得できるまで話し合う

離婚協議書は、夫婦が互いに納得できるまで十分に話し合ったうえで作成しましょう。双方が自由な意思のもとで合意した内容でなければ、あとから協議書の効力を争われるおそれがあります。

たとえば、詐欺または強迫によって協議書に署名・捺印させた場合、合意の意思表示が取り消される可能性があります。当事者間の話し合いは感情的になりやすいため、論点を一つずつ整理しながら冷静に進めましょう。

また、条件が折り合わないまま先に離婚届を提出してしまうと、離婚後に相手が協議に応じなくなるリスクがあります。離婚協議書の作成は、離婚届の提出前に済ませましょう。

離婚協議書が無効になるケースをあらかじめ把握する

離婚協議書が無効になるケースを事前に把握しましょう。離婚協議書は、内容や作成経緯によって全部または一部が無効となる場合があります。

協議書全体が無効となるのは、離婚自体が無効または取り消された場合です。夫婦の一方が離婚に合意していないまま離婚届が提出された場合や、詐欺・強迫によって離婚に同意させられた場合が該当します。

一部が無効となる主なケースは、以下のような内容が記載されている場合です。

  • 養育費・親子交流の請求権を放棄させるなど、子どもの福祉・利益に反する内容
  • 再婚禁止など、離婚後の行動を強く制限する内容
  • 立場によって異なる解釈ができる抽象的・不明確な内容

各条項は具体的かつ明確に記載し、双方の認識にずれがないか確認したうえで署名・押印しましょう。

離婚協議書は誰が作る?3つの作成方法

離婚協議書は、夫婦が自分で作成することも、公証役場や弁護士に依頼することも可能です。自分で作成すれば費用はかかりませんが、内容に不備があるとトラブルの原因になります。それぞれの方法の特徴を理解したうえで、自分の状況に合った方法を選びましょう。

夫婦の一方または双方が自分で作成する

離婚協議書は、夫婦の一方または双方が自分で作成できます。法律で定められた書式や形式はなく、専門家に依頼する義務もありません。

手書きでもパソコンでも作成できます。インターネット上のひな形を参考にする場合は、個々の事情に合わせた修正・加筆が必要です。ひな形をそのまま流用すると、自分たちの状況に合わない内容が含まれたり、必要な項目が漏れたりするおそれがあります。

完成した協議書は2通作成し、夫婦双方が署名・捺印のうえ、各1通を保管します。実印を使用する場合は、印鑑証明書も添付しましょう。

なお、自分で作成する場合の費用は、用紙・印刷代や印鑑証明書の取得費用を含めても数百円〜千円程度で済む場合が多いです。

公証役場で公正証書を作成してもらう

公証役場で公正証書を作成してもらう方法もあります。公正証書とは、公証人が法律に基づいて作成する公文書です。夫婦双方が公証役場に出向き、公証人の面前で内容を確認したうえで、署名・押印して締結します。

公正証書の原本は公証役場で保管されるため、紛失や改ざんのリスクがありません。なお、公正証書の作成には、数万円程度の手数料がかかるのが一般的です。

弁護士に離婚協議書・公正証書の作成を支援してもらう

弁護士に離婚協議書や公正証書の作成をサポートしてもらうのも可能です。自分で作成した協議書のチェックから、協議書の作成・相手方との交渉代理・公正証書化の手配まで、必要な範囲で依頼できます。

なお、数ある士業の中で、代理人として相手と交渉できるのは、弁護士のみです。専門的な判断が必要な場合や話し合いが難航している場合は、交渉段階から弁護士に依頼するのがスムーズです。

離婚協議書の内容|書いたほうがいいこと・書き方の例

離婚協議書の書き方に法律上の決まりはありませんが、離婚後のトラブルを防ぐために書いておくべき項目があります。以下では、各項目の書き方と文例を解説します。

協議離婚に合意した旨

離婚協議書の冒頭には、夫婦双方が離婚に合意した旨を記載します。併せて、離婚届の提出期限や提出者についても定めておくとよいでしょう。一般的には、婚姻により改姓した側が離婚届を提出するケースが多いです。

記載例

第○条(離婚の合意)
甲および乙は、本日協議離婚することに合意する。乙は、本協議成立後○日以内に離婚届を提出するものとする。

親権者・監護者

未成年の子どもがいる場合は、親権者・監護者の定めを離婚協議書に記載します。未成年の子どもがいる夫婦は、離婚する際に必ず親権者を指定しなければなりません。

2026年4月1日施行の改正民法により、離婚後の親権について単独親権と共同親権のいずれかを選択できるようになりました。共同親権を選択する場合は、以下の事項も父母間で協議し、合意内容を協議書に記載しましょう。

  • 主たる監護者(主に子どもと生活する者)を定めるか
  • 日常の世話・教育を父母間でどのように分担するか
  • 進学・医療・居所変更などの重要事項をどのように決定するか
記載例:単独親権の場合

第○条(親権)
甲乙間の長女○○(○年○月○日生)および長男○○(○年○月○日生)の親権者を乙と定め、乙において監護養育する。

記載例:共同親権の場合

第○条(親権)
1 甲および乙は、甲乙間の長女○○(○年○月○日生・以下「丙」という)および長男○○(○年○月○日生・以下「丁」という)の親権者を甲および乙(共同親権)と定める。
2 丙および丁の主たる居所は乙の住所とし、乙が日常的な監護および教育(食事や被服・習い事・学校との連絡・短期間の国内旅行・予防接種など)を単独でおこなうものとする。
3.丙および丁の進学・留学・居所の変更・緊急を要しない手術などの重要事項については、甲および乙が誠実に協議して決定する。

養育費の金額・支払い方法・期間

未成年の子どもがいる場合は、養育費の金額・支払い方法・支払い期間を具体的に記載します。金額は、裁判所が公表する養育費算定表を参考に決めるのが一般的です。

支払い期間は「満20歳に達する日が属する月まで」のように年齢で明記するか、「令和○年○月まで」のように年月で明記します。「大学卒業まで」といった表記は解釈が曖昧になるため避けましょう。

私学への通学・大学への進学・怪我や病気にかかる医療費など、特別な費用が発生した場合の負担方法も定めておくのが望ましいです。

記載例

第○条(養育費)
1 甲は、乙に対し、丙及び丁の養育費として、令和○年○月から丙及び丁がそれぞれ満20歳に達する日が属する月まで、毎月末日限り、一人あたり金○万円ずつを乙の指定する口座に振り込む方法により支払う。ただし、振込手数料は甲の負担とする。
2 甲は、丙及び丁の進学・病気その他特別な事情による費用の負担が生じた場合には、その費用の合計額の2分の1を負担する。

親子交流の頻度・方法

未成年の子どもがいる場合は、親子交流の頻度や方法についても、協議書に記載しましょう。

親子交流は、子の福祉・利益を最優先に考慮して取り決める必要があります。日時・場所・方法は都度協議する形でも問題ありませんが、父母の関係性によっては頻度や方法を具体的に定めるのが望ましい場合もあります。

宿泊を伴う面会交流や祖父母などの第三者の同伴の可否も、事前に協議・決定しておくと安心です。なお、2026年4月施行の改正民法では、かつて「面会交流」と言われていたものは「親子交流」へと名称が変更されています。

記載例:日時・場所・方法などを都度協議する場合

第○条(親子交流)
1 乙は、甲が丙・丁と1ヵ月に1回程度、親子交流することを認める。
2 親子交流の具体的な日時・場所・方法その他必要な事項は、丙・丁の福祉と利益を第一に考慮し、甲乙で協議して定める。

記載例:日時・場所・方法などを具体的に定める場合

第○条(親子交流)
乙は、甲が丙・丁と、次のとおり、親子交流することを認める。
⑴ 頻度および日程  毎月1回、第○日曜日
⑵ 親子交流時間   午前○時から午後○時まで
⑶    代替日  丙・丁の病気や学校行事などのやむを得ない事情で上記日程で親子交流が実施できない場合は、第○土曜日
⑷ 連絡方法 当事者双方は、メールその他適宜の方法にて連絡を取り合うこととする。

記載例:宿泊付き親子交流を認める場合

乙は、甲が丙・丁の春休み・夏休み・冬休み期間中に、丙・丁と一泊までの宿泊を伴う親子交流をすることを認める。具体的な日時・場所・方法などは、子の福祉を尊重し、当事者間で協議して定める。

記載例:第三者の同席を禁止する場合

甲は、乙の承諾なく甲以外の第三者(甲の親族を除く。)を親子交流に同席させないことを確約する。

財産分与の分け方

財産分与の対象となる財産と分け方を、離婚協議書に記載します。分与対象財産は、婚姻中に夫婦が共同で形成した財産(預貯金・不動産・自動車・退職金など)です。

分け方は、金銭で清算する方法と、不動産や自動車などの現物を一方が取得する方法などがあります。不動産に住宅ローンが残る場合は、ローンの負担者・名義変更の時期・登記手続きなども定めておきましょう。

記載例:金銭による分与の場合

第○条(財産分与)
甲は、乙に対し、財産分与として金○万円の支払い義務があることを認め、これを令和○年○月○日限り、乙の指定する口座に振り込む方法により支払う。ただし、振込手数料は甲の負担とする。

記載例:自動車を分与する場合

1 乙は、甲に対し、財産分与として、別紙自動車目録記載の乙名義の自家用自動車の所有権を譲渡することとし、これを令和○年○月○日限り、△△にて引き渡す。
2 乙は、甲に対し、前項の自家用自動車の登録名義変更手続に協力する。ただし、登記手続費用は、甲の負担とする。

記載例:不動産を分与する場合

1 甲は、乙に対し、財産分与として、別紙物件目録記載の土地建物を譲渡する。
2 甲は、乙に対し、前項の土地建物につき、本日付財産分与を原因とする所有権移転登記手続をする。ただし、登記手続費用は乙の負担とする。
物件目録(略)

記載例:住宅ローン付き不動産を分与する場合

1 甲は、乙に対し、財産分与として別紙物件目録記載の土地建物を譲渡することとし、本日付財産分与を原因とする所有権移転登記手続をする。
2 乙は、甲が○○銀行に負担する別紙債務目録記載の令和○年○月○日現在の残債務金○○万円の履行を引き受ける。
物件目録(略)
債務目録(略)

年金分割の割合

婚姻中に厚生年金に加入していた夫婦は、年金分割の取り決めを協議書に記載しておきましょう。

年金分割には、夫婦の合意で按分割合を決める合意分割と、2008年4月以降の第3号被保険者期間が対象で合意不要の3号分割があります。合意分割の按分割合は0.5(折半)が上限で、一般的には0.5で合意するケースが多いです。

なお、年金分割の請求期限は、以下のとおりです。

  • 2026年4月1日以降に離婚した場合:離婚後5年以内
  • 2026年3月31日以前に離婚した場合:離婚後2年以内
記載例

第○条(年金分割)
甲および乙は、甲乙間の別紙記載の情報に係る年金分割についての請求すべき按分割合を0.5と定める。

慰謝料の金額・支払い条件

夫婦の一方の不貞(不倫)やDVなどが原因で離婚に至り、慰謝料の支払いの合意がある場合は、金額と支払い条件を協議書に記載します。

分割払いの場合は、支払いが滞った際に残額を一括で請求できる旨も記載しましょう。

記載例:一括払いの場合

第○条(慰謝料)
甲は、乙に対し、本件離婚による慰謝料として、金○○万円の支払い義務を認め、これを令和○年○月○日限り、乙の指定する口座に振り込む方法により支払う。ただし、振込手数料は甲の負担とする。

記載例:分割払いの場合

第○条(慰謝料)
1 甲は、乙に対し、本件離婚による慰謝料として、金○○○万円の支払い義務を認め、これを下記のとおり分割して、乙の指定する口座に振り込む方法により支払う。ただし、振込手数料は甲の負担とする。

 ⑴ 令和○年○月末日限り、金○○万円
 ⑵ 令和○年○月以降令和○年○月まで(△△回)毎月末日限り各金○万円
2 甲が前項記載の分割金の支払いを怠り、その額が○○万円に達したときは、当然に期限の利益を失い、甲は、乙に対し、前項記載の金員から既払い金を控除した残金を一括して支払う。

清算条項

取り決めるべき条件が全て反映されていれば、離婚協議書の末尾に清算条項を設けるのが一般的です。

清算条項とは、当事者間に離婚協議書に定めたもの以外に何らの債権債務が存在しない旨を確認する条項です。清算条項を含めた協議書への署名・押印後は、原則として追加請求ができなくなります。

なお、年金分割の請求権は公法上の権利であり、清算条項があっても請求できます。

記載例

第○条(清算条項)
甲および乙は、当事者間に本協議書に定めるほか何らの債権債務のないことを相互に確認し、財産分与・慰謝料その他の名目の如何を問わず、今後互いに金銭その他の財産上の請求をしないことを確約する。

離婚協議書のひな形・テンプレート

本章では、ケース別の離婚協議書のひな形・テンプレートを紹介します。ただし、夫婦の事情によって書き方は異なるため、あくまで参考程度にとどめてください。作成に少しでも不安がある場合は、弁護士への相談を強くおすすめします。

子どもなし|離婚の合意のみの協議書のひな形

夫婦間に子どもがおらず、財産分与・慰謝料などの金銭的な取り決めもない場合のひな形です。

離婚協議書

 

○○ ○○(○年○月○日生・以下「甲」という。)と □□ □□(○年○月○日生・以下「乙」という。)は、離婚について協議をした結果、以下のとおり合意した。

第1条(離婚の合意)
甲および乙は、本日協議離婚することに合意する。乙は、本協議成立後○日以内に離婚届を提出するものとする。

 

第2条(清算条項)

甲および乙は、当事者間に本協議書に定めるほか何らの債権債務のないことを相互に確認し、財産分与・慰謝料その他の名目の如何を問わず、今後互いに金銭その他の財産上の請求をしないことを確約する。

本協議の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙各1通ずつ保有する。

 

以上

令和○年○月○日

【甲】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

【乙】
住所:____________
氏名:____________ 印

財産分与・年金分割・慰謝料などを後日協議する場合のひな形は、以下のとおりです。

離婚協議書

 

○○ ○○(○年○月○日生・以下「甲」という。)と □□ □□(○年○月○日生・以下「乙」という。)は、離婚について協議をした結果、以下のとおり合意した。

第1条(離婚の合意)
甲および乙は、本日協議離婚することに合意する。乙は、本協議成立後○日以内に離婚届を提出するものとする。

 

第2条(協議事項)

甲および乙は、財産分与・年金分割・慰謝料その他の離婚給付については、本合意には含めず、別途協議することを確認する。

本協議の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙各1通ずつ保有する。

 

以上

令和○年○月○日

【甲】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

【乙】
住所:____________
氏名:____________ 印

子どもなし|離婚条件を詳細に定める協議書のひな形

夫婦間に子どもがおらず、財産分与・慰謝料・年金分割など取り決めがある場合のひな形は、以下のとおりです。

離婚協議書

 

○○ ○○(○年○月○日生・以下「甲」という。)と □□ □□(○年○月○日生・以下「乙」という。)は、離婚について協議をした結果、以下のとおり合意した。


第1条(離婚の合意)

甲および乙は、本日協議離婚することに合意する。乙は、本協議成立後○日以内に離婚届を提出するものとする。


第2条(財産分与)
甲は、乙に対し、財産分与として金○万円の支払い義務があることを認め、これを令和○年○月○日限り、乙の指定する下記口座に振り込む方法により支払う。ただし、振込手数料は甲の負担とする。

○○銀行 ○○支店

普通預金 口座番号○○○○○○

口座名義 □□ □□


第3条(年金分割)
甲および乙は、甲乙間の別紙記載の情報に係る年金分割についての請求すべき按分割合を0.5と定める。


第4条(慰謝料)

甲は、乙に対し、本件離婚による慰謝料として、金○○万円の支払い義務を認め、これを令和○年○月○日限り、乙の指定する下記口座に振り込む方法により支払う。ただし、振込手数料は甲の負担とする。
 

○○銀行 ○○支店

普通預金 口座番号○○○○○○

口座名義 □□ □□


第5条(清算条項)
甲および乙は、当事者間に本協議書に定めるほか何らの債権債務のないことを相互に確認し、財産分与・慰謝料その他の名目の如何を問わず、今後互いに金銭その他の財産上の請求をしないことを確約する。

本協議の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙各1通ずつ保有する。

 

以上

令和○年○月○日

【甲】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

【乙】
住所:____________
氏名:____________ 印

子どもあり|養育費なし・面会交流なしの協議書のひな形

夫婦間に子どもがいる場合で、離婚成立のみを先行し、養育費・親子交流・財産分与などを後日協議する場合のひな形は、以下のとおりです。

離婚協議書

 

○○ ○○(○年○月○日生・以下「甲」という。)と □□ □□(○年○月○日生・以下「乙」という。)は、離婚について協議をした結果、以下のとおり合意した。

 

第1条(離婚の合意)

甲および乙は、本日協議離婚することに合意する。乙は、本協議成立後○日以内に離婚届を提出するものとする。

 

第2条(親権)

1 甲および乙は、甲乙間の長女○○(○年○月○日生・以下「丙」という)および長男○○(○年○月○日生・以下「丁」という)の親権者を甲および乙(共同親権)と定める。

2 丙および丁の主たる居所は乙の住所とし、乙が日常的な監護および教育(食事や被服・習い事・学校との連絡・短期間の国内旅行・予防接種など)を単独でおこなうものとする。

3.丙および丁の進学・留学・居所の変更・緊急を要しない手術などの重要事項については、甲および乙が誠実に協議して決定する。

 

第3条(協議事項)

甲および乙は、丙および丁の養育費・面会交流・財産分与・年金分割・慰謝料その他の離婚給付については、本合意には含めず、別途協議することを確認する。

本協議の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙各1通ずつ保有する。

 

以上

令和○年○月○日

【甲】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

【乙】
住所:____________
氏名:____________ 印

子どもあり|親権者・養育費・親子交流を定める協議書のひな形

夫婦間に子どもがおり、親権者・養育費・親子交流を定めるひな形は、以下のとおりです。

離婚協議書

 

○○ ○○(○年○月○日生・以下「甲」という。)と □□ □□(○年○月○日生・以下「乙」という。)は、離婚について協議をした結果、以下のとおり合意した。
 

第1条(離婚の合意)

甲および乙は、本日協議離婚することに合意する。乙は、本協議成立後○日以内に離婚届を提出するものとする。

 

第2条(親権者)

1 甲および乙は、甲乙間の長女○○(○年○月○日生・以下「丙」という)および長男○○(○年○月○日生・以下「丁」という)の親権者を甲および乙(共同親権)と定める。

2 丙および丁の主たる居所は乙の住所とし、乙が日常的な監護および教育(食事や被服・習い事・学校との連絡・短期間の国内旅行・予防接種など)を単独でおこなうものとする。

3.丙および丁の進学・留学・居所の変更・緊急を要しない手術などの重要事項については、甲および乙が誠実に協議して決定する。

 

第3条(養育費)

1 甲は、乙に対し、丙及び丁の養育費として、令和○年○月から丙及び丁がそれぞれ満20歳に達する日が属する月まで、毎月末日限り、一人あたり金○万円ずつを乙の指定する下記口座に振り込む方法により支払う。ただし、振込手数料は甲の負担とする。

 

○○銀行 ○○支店

普通預金 口座番号○○○○○○

口座名義 □□ □□

 

2 甲は、丙及び丁の進学・病気その他特別な事情による費用の負担が生じた場合には、その費用の合計額の2分の1を負担する。

 

第4条(親子交流)

1 乙は、甲が丙・丁と1ヵ月に1回程度、親子交流することを認める。

2 親子交流の具体的な日時・場所・方法その他必要な事項は、丙・丁の福祉と利益を第一に考慮し、甲乙で協議して定める。

 

第5条(財産分与)

甲は、乙に対し、財産分与として金○万円の支払い義務があることを認め、これを令和○年○月○日限り、乙の指定する下記口座に振り込む方法により支払う。ただし、振込手数料は甲の負担とする。

 

○○銀行 ○○支店

普通預金 口座番号○○○○○○

口座名義 □□ □□

 

第6条(年金分割)

甲および乙は、甲乙間の別紙記載の情報に係る年金分割についての請求すべき按分割合を0.5と定める。

 

第7条(慰謝料)

甲は、乙に対し、本件離婚による慰謝料として、金○○万円の支払い義務を認め、これを令和○年○月○日限り、乙の指定する口座に振り込む方法により支払う。ただし、振込手数料は甲の負担とする。

 

第8条(清算条項)

甲および乙は、当事者間に本協議書に定めるほか何らの債権債務のないことを相互に確認し、財産分与・慰謝料その他の名目の如何を問わず、今後互いに金銭その他の財産上の請求をしないことを確約する。

本協議の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙各1通ずつ保有する。

 

以上

令和○年○月○日

【甲】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

【乙】
住所:____________
氏名:____________ 印

離婚協議書を自分で作成する際の注意点3つ

離婚協議書は自分で作成できますが、内容や形式に不備があると、後日効力が争われるおそれがあります。作成前に以下の3点を確認しておきましょう。

曖昧な表現を避け数字・日付を明記する

曖昧な表現を避け、数字や日付を明確に記載しましょう。「毎月養育費を支払う」「共有財産を折半する」といった表現では、後日解釈をめぐって争いになるおそれがあります。

養育費の不払いが生じた際、以下の事項を具体的に記載していないと、離婚協議書に基づく強制執行が認められない可能性もあります。

  • 金額
  • 支払い期間(始期および終期)
  • 支払い期日
  • 支払い方法

誰が読んでも解釈が同じになるよう、具体的かつ明確な表現で記載しましょう。

ひな形をそのまま流用しない

インターネット上のひな形を、そのまま流用するのは避けましょう。ひな形はあくまで一般的な例に過ぎず、個別の事情や将来のリスク対策を十分に反映できない場合が多いです。

たとえば、不動産や自動車を財産分与する場合、名義変更手続きへの協力義務が明記されていないと、手続きが滞るおそれがあります。面会交流も、宿泊を伴う交流や長期休暇中の取り決めが明記されていなければ、希望どおりに子どもに会えないかもしれません。

ひな形はあくまで参考にとどめ、自身の状況に合わせたアレンジが必要です。

記名ではなく署名・押印をする

離婚協議書には、署名・押印するのが望ましいです。協議書が本人の意思に基づいて作成されたのかが判然としない場合、将来紛争が生じた際の手続きに支障を及ぼす可能性があります。

たとえば養育費の支払いが滞ったときには、強制執行の申立てを検討する場合もあるでしょう。記名のみの協議書では、裁判所が義務者(支払う側)の意思に基づいて作成されたのか、無断で作成されたのかを判断できません。

一般先取特権の存在を証明する文書として不十分と判断されれば、離婚協議書に基づく強制執行が認められなくなるおそれがあります。

離婚協議書には、当事者双方が署名・実印による押印をし、印鑑証明書を添付しておくことをおすすめします。

離婚協議書は公正証書で作成するのがおすすめ

離婚協議書は、公正証書で作成するのがおすすめです。公正証書とは、公務員である公証人が権限に基づいて作成する公文書です。私文書に比べて証明力が高く、金銭の支払いが遅滞した場合に備えた文言も盛り込めます。

費用や手間はかかりますが、離婚に伴う取り決めに金銭の支払いが含まれる場合は、公正証書の作成を積極的に検討してください。

公正証書にするメリット

離婚協議書を公正証書にすると、私文書にはない強力な証拠力と強制執行力を備えた書面になります。

公正証書は、公正な第三者である公証人が作成するため、当事者の意思に基づいて作成されたという強い推定が働くのが特徴です。当事者のみで作成する私文書に比べて証明力が高く、合意の存在を証明しやすくなります。

金銭の支払いを含む場合には、強制執行認諾文言を盛り込むことで、遅滞や不払いに備えられます。強制執行認諾文言とは、金銭の支払い義務を負う当事者が、約束どおりに支払いをしない場合に直ちに強制執行に服する旨を陳述する文言です。

強制執行認諾文言付き公正証書を作成すれば、養育費・財産分与・慰謝料などの金銭の支払いが滞ったときに、直ちに強制執行に移れます。また、公正証書の原本は公証役場で20年間保管されるため、紛失や改ざんのリスクもありません。

公正証書にするデメリット

公正証書にするデメリットは、費用と手間がかかる点です。公正作成には、手数料がかかります。手数料は財産分与・慰謝料・養育費といった目的の価額によって異なります。

公証役場への出向や事前の書類準備など、時間的な負担もデメリットのひとつです。公証人に伝えた情報が外部に漏れることはありませんが、離婚に至った経緯を第三者に伝えるのに抵抗を感じる方もいるでしょう。

公正証書の作成に必要な書類

公正証書の作成に必要な書類は、以下のとおりです。

必要書類

備考

離婚協議書の原案

夫婦間で話し合いで合意した内容をまとめたメモでも可

戸籍謄本

▼離婚前に作成する場合

家族全員の記載のあるもの

▼離婚後に作成する場合

離婚後の除籍謄本・離婚後の戸籍謄本など

身分証明書

運転免許証・マイナンバーカード・印鑑証明書(発行後3ヵ月以内のもの)など

認印

作成日当日に持参

分与対象財産を確認できる資料(財産分与をする場合)

▼不動産

登記事項証明書・固定資産納税通知書または固定資産評価証明書

▼預貯金

通帳・残高証明書のコピーなど現在または離婚時の残高がわかるもの

▼自動車

自動車検査証のコピー

▼生命保険・学資保険

保険証券のコピー

▼債務

借用書・契約書・住宅ローンの設定に関する資料など

基礎年金番号を確認できる資料(年金分割をする場合)

年金手帳・情報提供通知書など夫婦それぞれの基礎年金番号がわかるもの

公正証書に含める内容によって異なる場合があるため、事前に公証人に確認しましょう。

公正証書の作成に必要な費用

公正証書作成手数料は、公証人手数料令により、次のとおり定められています。

目的の価額

手数料

50万円以下

3,000円

50万円を超え100万円以下

5,000円

100万円を超え200万円以下

7,000円

200万円を超え500万円以下

11,000円

500万円を超え1,000万円以下

17,000円

1,000万円を超え3,000万円以下

23,000円

3,000万円を超え5,000万円以下

29,000円

5,000万円を超え1億円以下

43,000円

1億円を超え3億円以下

4万3000円に超過額5,000万円までごとに

1万3,000円を加算した額

3億円を超え10億円以下

9万5000円に超過額5,000万円までごとに

1万1,000円を加算した額

10億円を超える場合

24万9,000円に超過額5,000万円までごとに8,000円を加算した額

算定不能のもの   

13000円

 

手数料算定の基礎となる目的の価額は、以下を基準に算定されます。

  • 慰謝料:支払い総額
  • 財産分与:支払い総額(現物による場合は評価額の総額)
  • 養育費:月々の支払い額 × 支払い回数(ただし、5年分が上限)
  • 年金分割:算定不能

 

上記のほかに発生する費用は、以下のとおりです。

費目

金額

正本・謄本の交付手数料

紙での交付:1枚につき300円

電磁的記録での交付:1件につき2,500円

証書の枚数による手数料の加算

(公証役場で保管する証書原本について)

A4横書きの場合4枚までは無料

4枚を超えるときは、超過枚数×259円が加算

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離婚協議書を公正証書にする際の手順・流れ

離婚協議書を公正証書にするには、公証役場での手続きが必要です。事前の準備から作成当日までの流れを把握しておくと、手続きをスムーズに進められます。

1.夫婦間の合意内容を反映したメモを作成する

夫婦間で合意した内容をメモにまとめましょう。

公証人との打ち合わせでは、親権・養育費・親子交流・財産分与・慰謝料・年金分割など、公正証書に盛り込む内容を具体的に伝える必要があります。金額・日付・振込先などを事前に整理しておくと、打ち合わせがスムーズに進みます。

すでに離婚協議書を作成している場合は、公証役場に持参すれば打ち合わせの資料として活用可能です。

2.公証証書の作成に必要な書類を準備する

公正証書の作成に必要な書類を準備します。公正証書に盛り込む内容によって、必要書類は異なります。事前に公証役場に連絡のうえ、必要書類と提出のタイミングを確認してください。

3.公証役場に連絡して事前打ち合わせをする

最寄りの公証役場に連絡し、打ち合わせの予約を取りましょう。打ち合わせには夫婦のどちらか一方が参加すれば足ります。

離婚協議書の原案や必要書類を持参またはメール・FAXで事前に送付しておくと、公証人が内容を確認したうえで草案を作成してくれます。書類が揃っていなくても打ち合わせは先に進められるため、まずは連絡して予約を取りましょう。

4.公証人が作成した公正証書の原案を確認する

打ち合わせの内容をもとに公証人が作成した公正証書の原案を確認します。原案はメールまたはFAXで送付されるのが一般的です。内容に誤りや不足がないか、合意した条件が正確に反映されているかを夫婦双方で確認しましょう。

修正が必要な場合は、公証役場に連絡のうえ、対応を依頼します。問題がなければ、公証人と公正証書作成日時の調整をします。

5.予約した日時に公証役場で公正証書を作成して費用を支払う

予約した日時に、夫婦双方で公証役場に出向きます。公証人の面前で公正証書の内容を確認し、間違いなければ、署名・押印をします。

完成後に作成手数料を支払い、公正証書の正本・謄本を受け取ると、手続きは終了です。所要時間は概ね20〜30分程度です。

協議離婚書や公正証書の作成を弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼すれば、夫婦の状況に合わせた不備のない書面を作成してもらえます。

親権や面会交流の形態・財産分与の方法など、離婚条件は夫婦によって異なります。個々の事情に応じた内容について、法的なアドバイスができるのは弁護士だけです。書面化の過程で相手との条件交渉が必要になった場合も、代理人として対応してもらえます。

公正証書を作成する場面でも、一貫したサポートを受けられます。原案の作成・公証人との事前打ち合わせも代行してもらえるため、内容の漏れや手続きのミスを防ぎやすくなるでしょう。

協議離婚書の作成を弁護士に依頼する場合の費用相場

離婚協議書の作成にかかる弁護士費用は、協議書作成のみ5万円〜15万円程度、公正証書作成支援まで含めると10万円〜20万円程度が相場です。

依頼する範囲や法律事務所によって異なるため、事前に確認しましょう。

協議書作成のみの場合|5万円〜15万円程度

離婚協議書の作成のみを依頼する場合、弁護士費用の相場は5万円〜15万円程度です。依頼する法律事務所によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

費用を抑えたい場合は、自分で作成した離婚協議書を弁護士にチェックしてもらう方法もあります。チェックのみであれば、3万円〜5万円程度が相場です。

公正証書作成支援の場合|10万円〜20万円程度

公正証書の作成支援まで依頼する場合、弁護士費用の相場は10万〜20万円程度です。公証役場への代理出頭を依頼する場合は、別途日当として5万円程度が加算されることがあります。なお、公証役場に支払う公証人手数料が、別途発生します。

離婚協議書の作成は「ベンナビ離婚」で弁護士に相談

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離婚協議書の書き方に関するよくある質問

本章では、離婚協議書の書き方に関する疑問にQ&A形式で回答します。

Q. 離婚協議書を作成するタイミングはいつですか?

離婚届を提出する前に作成するのが一般的です。離婚届提出後は、相手が話し合いに応じなくなるケースがあるためです。離婚後でも作成できますが、財産分与・年金分割・慰謝料にはそれぞれ請求の期限があるため、早めに取り決めておきましょう。

Q. 離婚協議書はいつから効力が発生しますか?

夫婦双方が署名・押印し、合意が成立した時点で契約書としての効力を持ちます。なお、離婚自体が無効または取り消された場合は、離婚協議書全体が無効となります。離婚が無効になる典型例は、一方が相手の合意なく無断で離婚届を提出した場合です。

Q. 離婚協議書がなければどうなりますか?

口約束だけで協議離婚した場合、離婚後に財産分与を受けられなかったり、養育費が支払われなかったりするおそれがあります。合意内容を書面に残していなければ、後から相手に約束を否定された場合に対抗する手段がありません。

また、財産分与で不動産の名義変更をおこなう場合も、財産分与の内容を証明できる書面が必要となります。離婚後の生活を安定させ、トラブルを防ぐためにも、離婚協議書の作成をおすすめします。

Q. 離婚協議書を手書きで自作した場合も効力は変わりませんか?

手書きでも、夫婦双方の合意に基づいて正しく作成していれば、契約書としての法的効力をもちます。ただし、読みにくい文字や誤字脱字があると、当事者間で解釈に相違が生じたり、証拠としての信頼性が低くなったりするおそれがあります。

なお、手書きで作成する場合は、ボールペンなど消えない筆記具を使用してください。

鉛筆や消えるボールペンを使用すると、文字が消えたり書き換えられたりするおそれがあります。

Q. 離婚協議書の内容はあとから変更できますか?

夫婦双方が合意すれば変更できます。ただし、一度合意した内容の変更を相手が受け入れるとは限りません。変更後の内容が相手にとって不利になる場合は、拒否されるおそれが高くなります。作成段階で十分に協議し、納得のいく内容にしましょう。

なお、養育費や親子交流は、合意時に予測できなかった事情の変更が生じれば、家庭裁判所の調停・審判で変更が認められる場合があります。

Q. 離婚協議書の内容に違反した場合はどうなりますか?

違反した場合、協議書に違反時の定め(違約金・遅延損害金など)があれば、同規定に従わなければなりません。離婚協議書は契約書に該当するため、定めた条件を守る法律上の義務が互いに生じるためです。

協議書で違反時の定めをしていない場合は、まず当事者間の話し合いで解決を目指しましょう。まとまらない場合は、家庭裁判所の調停などで解決を図ります。養育費の支払いが滞った場合は、子ひとりあたり月額8万円までなら、協議書に基づく強制執行が可能です。

Q. 離婚協議書と誓約書の違いは何ですか?

誓約書は、一方の当事者のみが署名して相手に渡す書面で、主に不貞や暴力の再発防止を約束する場面で使われます。離婚協議書は夫婦双方が署名する契約書であり、離婚条件全般を定めるものです。

まとめ

離婚協議書は、夫婦間の合意内容を書面として残し、離婚後のトラブルを防ぐために作成します。口約束だけでは合意の事実を証明できず、養育費の不払いや財産分与をめぐる争いが生じた際に対抗する手段がありません。

協議書の内容が法的に有効で、夫婦双方が署名・押印していれば契約書としての効力を持ちます。ただし、強制執行力を持たせるには公正証書にしておく必要があります。2026年4月の民法改正により、私文書の協議書でも子ひとりあたり月額8万円を上限として養育費の強制執行が可能になりました。

書き方に不安がある場合や複雑な取り決めが含まれる場合は、「ベンナビ離婚」を活用のうえ、弁護士に相談することをおすすめします。

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この記事の監修者
東京新生法律事務所
濵門 俊也 (東京弁護士会)
常に依頼者様のお話に耳を傾け、お気持ちに寄り添うよう心がけています。ただの法律相談ではなく、カウンセリングのような面談をするようにしております。法律に関係のないことでもお気軽にお話ください。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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