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【弁護士監修】離婚協議書の書き方まとめ!サンプル・テンプレート付きで解説

【弁護士監修】離婚協議書の書き方まとめ!サンプル・テンプレート付きで解説

離婚協議書(りこんきょうぎしょ)とは、夫婦が離婚する際の財産分与・子どもの親権・養育費・慰謝料などの離婚条件や約束事をまとめた書面のことです。

協議離婚する際に口約束で済ませてしまうと、離婚後に相手が約束を守らなかったりして「言った言わない」のトラブルに発展するおそれがあります。

離婚後のトラブルを避けるためにも離婚協議書の作成は必要ですが、作成する際は各条項を明確かつ具体的に記載し、ミスや不足がないように注意しなければいけません。

本記事では、離婚協議書の書き方や作成の流れ、離婚協議書のサンプルや各条項の例文、公正証書にする際の作成方法などを解説します。

離婚協議書の書き方に不安がある方へ

離婚協議書を適切に作成できていないと、のちのち条項の解釈について争いになったり、取り決めどおりに慰謝料を回収できなかったりなど、十分な効力を発揮しないおそれがあります。

離婚協議書の書き方について不安な方は、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットが望めます。

  • 離婚協議書の正しい書き方をアドバイスしてくれる
  • どのような文言がよいかアドバイスしてくれる
  • 自分の代わりに適切な離婚協議書を作成してくれる
  • 公正証書化の手続きもサポートしてくれる など

当サイト「ベンナビ離婚」なら、離婚問題を得意とする全国の弁護士を一括検索できます。

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目次

離婚協議書とは

離婚協議書とは、夫婦間での協議離婚が成立した際に作成する書面のことです。

たとえば「親権はどちらが持つのか」「財産分与では何をどれだけ受け取るのか」「面会交流はどのような方法でおこなうのか」など、夫婦間での合意内容を漏れなく記載します。

なお、離婚協議書は法律などで作成が義務付けられているわけではありません。

口約束のみで済ませることも可能ですが、離婚協議書がないと離婚後にトラブルが生じて不利益を被るおそれがあるため、作成しておくことをおすすめします。

離婚協議書の効力

離婚協議書は契約書にあたり、夫婦は書面にまとめた取り決め内容を守る義務があります。

離婚後に夫婦間で養育費などについて揉め事が起きた際は、証拠としても有効です。

ただし注意点として、離婚協議書には強制執行力まではありません。

たとえ相手が合意内容を無視して養育費などを支払わないからといって、離婚協議書をもとに強制的に財産を差し押さえたりすることはできません。

万が一のケースに備えておきたい場合は、離婚協議書を公正証書化するのが効果的です。

公正証書の必要性やメリット・デメリットについては「離婚協議書は公正証書で作成するのがおすすめ」で後述します。

離婚協議書の作成方法

ここでは、離婚協議書の作成方法について解説します。

離婚協議書を作成するタイミング

基本的に、離婚協議書は離婚届を提出する前に作成しておくことをおすすめします。

離婚協議書には作成期限などはないため、離婚前でも離婚後でも作成可能です。

ただし、離婚後に連絡を取って話し合ったりするのは負担になることもありますし、なかなか時間が合わずに作成が遅れてしまうこともあります。

なお、離婚による慰謝料や財産分与などには時効が定められているため、もし離婚後に作成する場合は余計なトラブルを避けるためにもなるべく速やかに作成しましょう。

離婚協議書を作成する人

離婚協議書は、基本的に離婚当事者である夫婦が作成します。

ただし、弁護士や行政書士などに作成を依頼することも可能です。

当サイト「ベンナビ離婚」では、離婚協議などの離婚手続きが得意な全国の弁護士を掲載しているので、自力での作成が不安な方は相談してみることをおすすめします。

初回相談無料・電話相談可能・夜間休日対応などの法律事務所も多くあるので、気軽にご相談ください。

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離婚協議書の作成費用

離婚協議書の作成費用は、自分で作成する場合は0円です。

弁護士に依頼する場合は、弁護士費用として5万円~10万円程度かかるのが一般的です。

なお、公正証書を作成する場合は、離婚時に取り決めた金銭の総額に応じて「作成手数料」が発生します。

公正証書の作成費用については「離婚協議書を公正証書で作成する場合の流れ」で後述します。

【ケース別】離婚協議書のサンプル・テンプレート

ここでは、離婚協議書のサンプル・テンプレートをケースごとに紹介します。

ただし、夫婦の財産状況などの個々の事情によっても細かい書き方は異なるため、あくまでも参考程度にご覧ください。

1.離婚協議書(子どもなし・慰謝料なし)のテンプレート

「子どものいない夫婦が、慰謝料の支払い無しで離婚する」というような場合、離婚協議書の作成例は以下のとおりです。

離婚協議書

 

○○ ○○(以下「甲」という。)と□□ □□(以下「乙」という。)は、甲乙間の協議離婚について以下のとおり合意し、本協議書を取り交わす。

第1条(離婚の合意)
甲と乙は、協議によって離婚することを確認し、本協議が成立してから〇日以内に離婚届を提出することに合意する。

第2条(財産分与)
1 甲は乙に対し、財産分与として金○万円を支払うことを認める。支払いは○回分割とし、令和○年○月から令和○年○月まで、毎月末日に金○万円を乙の指定口座へ送金する。
2 振込手数料は甲の負担とする。

第3条(年金分割)
甲および乙は、婚姻期間中の年金分割について按分割合を0.5とすることに合意し、そのために必要となる手続きに協力する。

第4条(清算条項)
甲および乙は、本協議書に定める内容をもって相互の財産関係を全面的に解決したものとし、今後、財産分与や慰謝料その他いかなる名目でも財産上の請求をおこなわないことを約束する。

令和○年○月○日

【甲】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

【乙】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

2.離婚協議書(子どもなし・慰謝料あり)のテンプレート

「子どものいない夫婦が、慰謝料の支払いをおこなったうえで離婚する」というような場合、離婚協議書の作成例は以下のとおりです。

離婚協議書

 

○○ ○○(以下「甲」という。)と□□ □□(以下「乙」という。)は、甲乙間の協議離婚について以下のとおり合意し、本協議書を取り交わす。

第1条(離婚の合意)
甲と乙は、協議によって離婚することを確認し、本協議が成立してから〇日以内に離婚届を提出することに合意する。

第2条(慰謝料)
1 甲は乙に対し、本件離婚の慰謝料として金○万円を支払う義務があることを認める。その支払方法は○回の分割払いとし、令和○年○月から令和○年○月まで、毎月末日限り金○万円を乙指定の口座に振込送金する。
2 振込手数料は甲の負担とする。

第3条(財産分与)
1 甲は乙に対し、財産分与として金○万円を支払うことを認める。支払いは○回分割とし、令和○年○月から令和○年○月まで、毎月末日に金○万円を乙の指定口座へ送金する。
2 振込手数料は甲の負担とする。

第4条(年金分割)
甲および乙は、婚姻期間中の年金分割について按分割合を0.5とすることに合意し、そのために必要となる手続きに協力する。

第5条(清算条項)
甲および乙は、本協議書に定める内容をもって相互の財産関係を全面的に解決したものとし、今後、財産分与や慰謝料その他いかなる名目でも財産上の請求をおこなわないことを約束する。

令和○年○月○日

【甲】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

【乙】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

3.離婚協議書(子どもあり・慰謝料なし)のテンプレート

「子どものいる夫婦が、慰謝料の支払い無しで離婚する」というような場合、離婚協議書の作成例は以下のとおりです。

離婚協議書

 

○○ ○○(以下「甲」という。)と□□ □□(以下「乙」という。)は、甲乙間の協議離婚について以下のとおり合意し、本協議書を取り交わす。

第1条(離婚の合意)
甲と乙は、協議によって離婚することを確認し、本協議が成立してから〇日以内に離婚届を提出することに合意する。

第2条(親権者)
甲乙間の未成年の長女○○(平成○年○月○日生、以下「丙」)、次女○○(平成○年○月○日生、以下「丁」)の親権者・監護権者を乙と定め、乙において監護養育するものとする。

第3条(養育費)
1 甲は乙に対し、丙および丁の養育費として、令和●年●月より各子が満22歳に達する月まで、1人あたり毎月●万円を支払う義務を負うことを認める。
2 前項の養育費は、毎月末日までに●銀行●支店に開設された乙名義の普通預金口座(口座番号●●)へ振込送金する。
なお、振込手数料は甲が負担する。
3 子どもの進学や医療等により通常を超える特別な費用が発生する場合は、甲乙で協議のうえ負担割合を決めるものとする。
 

第4条(財産分与)
1 甲は乙に対し、財産分与として金○万円を支払うことを認める。支払いは○回分割とし、令和○年○月から令和○年○月まで、毎月末日に金○万円を乙の指定口座へ送金する。
2 振込手数料は甲の負担とする。

第5条(面会交流)
1 乙は、甲が丙・丁と1ヵ月に1回程度、面会交流をおこなうことを認める。
2 面会交流の具体的な日時・方法・場所その他必要な事項は、丙・丁の福祉と利益を第一に考慮し、甲乙で協議して定める。

第6条(年金分割)
甲および乙は、婚姻期間中の年金分割について按分割合を0.5とすることに合意し、そのために必要となる手続きに協力する。

第7条(清算条項)
甲および乙は、本協議書に定める内容をもって相互の財産関係を全面的に解決したものとし、今後、財産分与や慰謝料その他いかなる名目でも財産上の請求をおこなわないことを約束する。

令和○年○月○日

【甲】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

【乙】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

4.離婚協議書(子どもあり・慰謝料あり)のテンプレート

「子どものいる夫婦が、慰謝料の支払いをおこなったうえで離婚する」というような場合、離婚協議書の作成例は以下のとおりです。

離婚協議書

 

○○ ○○(以下「甲」という。)と□□ □□(以下「乙」という。)は、甲乙間の協議離婚について以下のとおり合意し、本協議書を取り交わす。

第1条(離婚の合意)
甲と乙は、協議によって離婚することを確認し、本協議が成立してから〇日以内に離婚届を提出することに合意する。

第2条(親権者)
甲乙間の未成年の長女○○(平成○年○月○日生、以下「丙」)、次女○○(平成○年○月○日生、以下「丁」)の親権者・監護権者を乙と定め、乙において監護養育するものとする。

第3条(養育費)
1 甲は乙に対し、丙および丁の養育費として、令和●年●月より各子が満22歳に達する月まで、1人あたり毎月●万円を支払う義務を負うことを認める。
2 前項の養育費は、毎月末日までに●銀行●支店に開設された乙名義の普通預金口座(口座番号●●)へ振込送金する。
なお、振込手数料は甲が負担する。
3 子どもの進学や医療等により通常を超える特別な費用が発生する場合は、甲乙で協議のうえ負担割合を決めるものとする。

第4条(慰謝料)
1 甲は乙に対し、本件離婚の慰謝料として金○万円を支払う義務があることを認める。その支払方法は○回の分割払いとし、令和○年○月から令和○年○月まで、毎月末日限り金○万円を乙指定の口座に振込送金する。
2 振込手数料は甲の負担とする。

第5条(財産分与)
1 甲は乙に対し、財産分与として金○万円を支払うことを認める。支払いは○回分割とし、令和○年○月から令和○年○月まで、毎月末日に金○万円を乙の指定口座へ送金する。
2 振込手数料は甲の負担とする。

第6条(面会交流)
1 乙は、甲が丙・丁と1ヵ月に1回程度、面会交流をおこなうことを認める。
2 面会交流の具体的な日時・方法・場所その他必要な事項は、丙・丁の福祉と利益を第一に考慮し、甲乙で協議して定める。

第7条(年金分割)
甲および乙は、婚姻期間中の年金分割について按分割合を0.5とすることに合意し、そのために必要となる手続きに協力する。

第8条(清算条項)
甲および乙は、本協議書に定める内容をもって相互の財産関係を全面的に解決したものとし、今後、財産分与や慰謝料その他いかなる名目でも財産上の請求をおこなわないことを約束する。

令和○年○月○日

【甲】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

【乙】
住所:____________
氏名:____________ 印

 

離婚協議書に書くべき8つの項目

離婚協議書を作成する際の記載事項としては、主に以下のようなものがあります。

  • 離婚の合意
  • 親権者
  • 養育費
  • 慰謝料
  • 財産分与
  • 面会交流
  • 年金分割
  • 清算条項 など

もし上記以外にも特別な事情があって取り決めをおこなった場合は、加えて記載しておきましょう。

ここでは、離婚協議書の記載事項や例文などを解説します。

1.協議離婚に合意した旨

夫婦が離婚に合意していることを記載します。

なお、「離婚届の提出日」や「誰が離婚届を役所に提出するか」などを記載する場合もあります。

第1条(離婚の合意)

甲と乙は、協議によって離婚することを確認し、本協議が成立してから〇日以内に離婚届を提出することに合意する。

 

2.親権者

未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合、親権者の指定が必要です。

離婚協議書には子どもの名前を記載しますが、場合によっては子どもの名前の前に「長男」「長女」などと記載することもあります。

なお、民法改正によって2026年4月1日以降は共同親権が導入され、離婚時には単独親権と共同親権のどちらか選択することが可能です。

第2条(親権者)

甲乙間の未成年の長女○○(平成○年○月○日生、以下「丙」)、次女○○(平成○年○月○日生、以下「丁」)の親権者・監護権者を乙と定め、乙において監護養育するものとする。

3.養育費

子どもがいる夫婦が離婚する際は、養育費についても記載しましょう。

養育費とは子どもを育てるために必要な費用のことで、衣食住の経費・教育費・医療費・最低限度の文化費・娯楽費など、子どもが自立するまでにかかる全ての費用が含まれます。

具体的には、以下のような内容を決めて記載しておきましょう。

  • そもそも養育費を支払うのか
  • 養育費の金額はいくらか
  • 養育費の支払い期限はいつからいつまでか
  • 養育費の支払い方法は一括払いか毎月払いか など

第3条(養育費)

1 甲は乙に対し、丙および丁の養育費として、令和●年●月より各子が満22歳に達する月まで、1人あたり毎月●万円を支払う義務を負うことを認める。

2 前項の養育費は、毎月末日までに●銀行●支店に開設された乙名義の普通預金口座(口座番号●●)へ振込送金する。なお、振込手数料は甲が負担する。

3 子どもの進学や医療等により通常を超える特別な費用が発生する場合は、甲乙で協議のうえ負担割合を決めるものとする。

4.慰謝料

夫婦の一方が不倫やDVなどの離婚原因を作った場合は、慰謝料の請求が可能です。

慰謝料については、以下のような内容を決めて記載しておきましょう。

  • 慰謝料はそもそも支払うのか
  • 慰謝料の金額はいくらか
  • 慰謝料の支払い期限はいつまでか
  • 慰謝料の支払い方法は一回払いか複数回払いか
  • 支払う際の振込手数料はどちらがもつのか など

第4条(慰謝料)

1 甲は乙に対し、本件離婚の慰謝料として金○万円を支払う義務があることを認める。その支払方法は○回の分割払いとし、令和○年○月から令和○年○月まで、毎月末日限り金○万円を乙指定の口座に振込送金する。

2 振込手数料は甲の負担とする。

5.財産分与

財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で築き上げた財産を分け合うことを指します。

具体的には、以下のような内容を決めて記載しておきましょう。

  • 財産分与の対象となる財産はどれか
  • 財産分与として譲り渡すものは何か
  • 財産分与の支払いはいつまでにおこなうか
  • 財産分与での支払い方法は一回払いか複数回払いか など

第5条(財産分与)

1 甲は乙に対し、財産分与として金○万円を支払うことを認める。支払いは○回分割とし、令和○年○月から令和○年○月まで、毎月末日に金○万円を乙の指定口座へ送金する。

2 振込手数料は甲の負担とする。

6.面会交流

面会交流とは、離婚して子どもと離れて暮らしているほうの親が、定期的に子どもと会ったり連絡を取ったりして交流することを指します。

面会交流については、以下のような内容を決めて記載しておきましょう。

  • 面会交流の日時はいつにするか
  • 面会交流での交流時間はどうするか
  • 面会交流の頻度はどれくらいにするか
  • 面会交流の方法や取り決めはどうするか
  • 普段の連絡の取り方はどうするか など

第6条(面会交流)

1 乙は、甲が丙・丁と1ヵ月に1回程度、面会交流をおこなうことを認める。

2 面会交流の具体的な日時・方法・場所その他必要な事項は、丙・丁の福祉と利益を第一に考慮し、甲乙で協議して定める。

7.年金分割

年金分割とは、結婚している間に納めてきた保険料納付額に対応する厚生年金について、離婚する際に夫婦で分け合う制度のことです。

離婚協議書には、按分割合を0.5とすることを記載しておくのが一般的です。

第7条(年金分割)

甲および乙は、婚姻期間中の年金分割について按分割合を0.5とすることに合意し、そのために必要となる手続きに協力する。

 

8.清算条項

清算条項とは、離婚協議書にまとめた内容以外に、何ら権利や義務がないということをお互いに確認する条項のことを指します。

つまり「離婚協議書に書かれていないものは一切支払いません」という宣言を、お互いが認める一文だとお考えください。

第8条(清算条項)

甲および乙は、本協議書に定める内容をもって相互の財産関係を全面的に解決したものとし、今後、財産分与や慰謝料その他いかなる名目でも財産上の請求をおこなわないことを約束する。

 

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離婚協議書は公正証書で作成するのがおすすめ

協議離婚をおこなって離婚協議書を交わす際は、公正証書で作成することをおすすめします。

ここでは、公正証書の必要性やメリット・デメリットについて解説します。

公正証書とは

公正証書とは、公的業務をおこなう公証人が法律に則って作成する公文書のことです。

個人が作成する私文書と比べて、高い証明力や証拠力を有しているのが大きな特徴です。

作成する際は公証役場での手続きが必要で、戸籍謄本などの書類や手数料などもかかります。

なお、弁護士なら作成手続きの代行を依頼することも可能です。

公正証書にするメリット・デメリット

以下では、離婚協議書を公正証書にするメリット・デメリットについて解説します。

メリット

離婚協議書を公正証書にする大きなメリットは、相手が取り決めどおりに金銭を支払わなかった場合、迅速に強制執行をおこなって回収できるという点です。

強制執行とは、裁判所を通じて給料や預金などの財産を強制的に差し押える手続きのことです。

通常の離婚協議書の場合、相手が取り決めどおりに養育費などを支払わなかったとしても、強制執行をおこなうためには裁判での勝訴判決などが必要で、手間や費用がかかります。

一方、公正証書の場合は「養育費の支払いが滞った際は、ただちに強制執行を受けてもやむを得ない」という強制執行認諾文言を記載しておくことで、支払いが滞った際は裁判を起こさずに強制執行に移行できます。

ほかにも、公正証書の作成後は公証役場が約20年間も原本を保管してくれるため、紛失や改ざんなどの心配もないという点もメリットです。

デメリット

離婚協議書を公正証書にしておくデメリットは、作成に手間や費用がかかるという点です。

公正証書化せずに夫婦間で離婚協議書を交わすだけであれば0円で済みますし、必要書類などを準備して公証役場に行く必要もありません。

また、公正証書の作成に慣れていないと強制執行認諾文言を書き忘れることもあり、強制執行認諾文言がなければ、通常どおり裁判手続きが必要となってしまいます。

ただし、公正証書の作成は面倒ではあるものの、適切に作成できれば万が一のトラブルがあった際もスピーディな解決が望めます。

弁護士なら作成手続きの代行や抜け漏れのチェックなども依頼できるので、自力での作成が不安な方も、弁護士のサポートも得ながら公正証書を作成することをおすすめします。

離婚協議書を公正証書で作成する場合の流れ

離婚協議書を公正証書にする場合、基本的な手続きの流れとしては以下のとおりです。

  • 離婚協議書の原案を作成する
  • 公証証書の作成費用と必要書類を準備する
  • 公証役場に連絡して予約する
  • 公証人に原案を確認してもらう
  • 公正役場にて公正証書を完成させる

ここでは、各手続きの流れについて解説します。

1.離婚協議書の原案を作成する

まずは夫婦で離婚条件などを取り決めて、離婚協議書の原案を作成します。

親権者・養育費・慰謝料・財産分与・面会交流・年金分割などを明確かつ具体的に記載し、抜け漏れがないように注意しましょう。

2.公証証書の作成費用と必要書類を準備する

公正証書を作成する際は、各種書類や手数料が必要となります。

主な必要書類としては以下のとおりです。

  • 離婚協議書の原案
  • 家族全員が記載された戸籍謄本(離婚前の場合)、夫婦双方の戸籍謄本(離婚済みの場合)
  • 運転免許証マイナンバーカード・パスポートなどの本人確認書類、認印
  • 不動産の登記簿謄本、固定資産税納税通知書または固定資産評価証明書(不動産の財産分与をおこなう場合)
  • 年金手帳、年金情報通知書(年金分割をおこなう場合) など

作成時にかかる手数料は以下のとおりです。

目的の価額

手数料

50万円以下の場合

3,000円

50万円を超え100万円以下の場合

5,000円

100万円を超え200万円以下の場合

7,000円

200万円を超え500万円以下の場合

1万3,000円

500万円を超え1,000万円以下の場合

2万円

1,000万円を超え3,000万円以下の場合

2万6,000円

3,000万円を超え5,000万円以下の場合

3万3,000円

5,000万円を超え1億円以下の場合

4万9,000円

1億円を超え3億円以下の場合

4万9,000円に5,000万円までごとに1万5,000円を加算

3億円を超え10億円以下の場合

10万9,000円に5,000万円までごとに1万3,000円を加算

10億円を超える場合

29万1,000円に5,000万円までごとに9,000円を加算

【参考元】12 手数料|日本公証人連合会

3.公証役場に連絡して予約する

次に、最寄りの公証役場に連絡して予約を入れます。

公証役場は全国各地に設置されていて「公証役場一覧」から確認できます。

連絡する際は、念のため必要書類や手続きの流れなども確認しておきましょう。

なお、多くの公証役場は月曜日~金曜日の日中しか対応していないため、平日仕事している方はご注意ください。

4.公証人に原案を確認してもらう

連絡後は、公証人と打ち合わせをおこなって離婚協議書の原案を確認してもらいます。

もし問題点があれば公証人から指摘され、修正対応が必要となります。

公証人とのやり取りを終えたあとは、公正証書を完成させる日時を決定します。

5.公正役場にて公正証書を完成させる

決まった日時に夫婦で公証役場に行くと、公証人から公正証書が提示されます。

内容を確認して問題がなければ、署名押印や手数料の支払いなどを済ませて完成となります。

公正証書を作成したあとは、公証役場にて原本が約20年間保管されます。

離婚協議書の作成は弁護士に依頼するのがおすすめ

離婚協議書を作成する際は、弁護士にサポートしてもらうことをおすすめします。

弁護士のサポートを得ることで、主に以下のようなメリットが望めます。

  • 適切な形式で離婚協議書を作成できる
  • 煩雑な作成手続きを一任できる
  • 離婚手続きも代行してくれる

ここでは、離婚協議書の作成における弁護士の必要性について解説します。

1.適切な形式で離婚協議書を作成できる

弁護士に依頼すれば、適切な形式で離婚協議書を作成してくれます。

インターネット上には離婚協議書のひな形・テンプレートを掲載しているサイトもあるので、ダウンロードして自分達で作成することも可能です。

ただし、夫婦それぞれの状況によっても記載すべき内容は細かく異なるため、テンプレート通りに作成するだけではカバーしきれず、十分な効力を発揮しないおそれがあります。

弁護士なら、抜け漏れのない離婚協議書を作成してくれますし、すでに作成済みの場合は内容に問題ないかチェックしてもらうことも可能です。

2.煩雑な作成手続きを一任できる

弁護士に依頼すれば、煩雑な離婚協議書の作成手続きを一任できます。

離婚後のトラブルを避けるためにも離婚協議書を作成しておいたほうが安心ですが、素人が不備なく適切な形式で作成しようとすると、ある程度の時間や手間がかかります。

特に離婚協議書を公正証書化する場合は、公証役場との連絡も必要になりますし、お互いに予定を合わせて公証役場に行かなければならず、さらに多くの時間や手間がかかります。

弁護士なら、原案作成・公証人との調整・必要書類の提出・公証役場でのやり取りなども代行してくれて、作成手続きにかかる負担を大きく軽減できます。

3.離婚手続きも代行してくれる

弁護士なら、離婚手続きを代行してもらうことも可能です。

夫婦の離婚手続きとしては、主に以下の3つがあります。

  • 協議離婚:夫婦同士で離婚の話し合いをおこなう手続き
  • 離婚調停:調停委員会が仲介役となり、家庭裁判所で離婚の話し合いをおこなう手続き
  • 裁判離婚:家庭裁判所で夫婦双方が争い、最終的には裁判官に判断を求める手続き

自分で対応しようとすると、協議離婚では感情的になってしまって揉めることもありますし、裁判手続きの際には慣れない場で緊張して思うように主張できないこともあります。

弁護士に代行してもらえば、協議離婚では相手方と顔を合わせずに進行できますし、裁判手続きでも冷静かつ論理的に主張を展開してくれて納得のいく形での離婚成立が望めます。

離婚協議書の書き方に関するよくある質問3選

ここでは、離婚協議書の書き方に関するよくある質問について解説します。

1.離婚協議書は自分で作成できる?

離婚協議書は自分で作成することも可能ですし、手書きでも問題ありません。

ただし、手書きの場合は記載ミスの修正が大変で手間がかかりますし、文字が読みにくければ内容を誤解して余計なトラブルに発展したりするおそれがあります。

基本的にはパソコンで作成し、自力での作成が難しそうであれば弁護士に依頼することも検討しましょう。

2.離婚協議書に書いた方がいいことは?

離婚協議書を作成する際の記載事項としては、主に以下のようなものがあります。

  • 離婚の合意
  • 親権者
  • 養育費
  • 慰謝料
  • 財産分与
  • 面会交流
  • 年金分割
  • 清算条項 など

ただし、個々の事情によっても記載しておくべき項目は異なります。

漏れなく適切に作成できるか不安な場合は、弁護士に一度ご相談ください。

3.離婚協議書の効力が無効になることはある?

離婚協議書を作成していても、なかには全て無効になったり、一部の条項だけが無効になったりすることもあります。

それぞれのケースをまとめると、以下のとおりです。

全て無効になるケース

一部の条項が無効になるケース

・夫婦の一方が離婚の意思がない状態で、離婚届が提出された場合

・配偶者や第三者から詐欺や脅迫を受けるなどして、サインをさせられた場合 など

・再婚を禁止する条項

・面会交流権を放棄する条項

・養育費の請求を放棄する条項

・離婚後に親権者の変更を申し立てない条項

・慰謝料の遅延損害金を違法金利に設定する条項 など

さいごに|離婚協議書を作成する際は、まずは弁護士に相談を

離婚協議書には、慰謝料や養育費などの合意内容を漏れなく記載する必要があります。

個々の状況によっても書き方は異なるため、記載事項の抜け漏れや解釈違いによるトラブルなどを回避するためにも弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士なら、離婚協議書の正しい書き方や文言などをアドバイスしてくれますし、代理人として離婚協議書の作成や公正証書の手続きをサポートしてもらうことも可能です。

当サイト「ベンナビ離婚」では、離婚手続きや離婚問題が得意な全国の弁護士を掲載しています。

お住まいの地域で対応可能な弁護士を一括検索でき、初回相談無料の法律事務所も多くあるので、トラブルなくスムーズに離婚を済ませたい方はぜひご利用ください。

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この記事の監修者
東京桜の森法律事務所
川越 悠平 (東京弁護士会)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。

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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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