​協議離婚で公正証書を作るベストタイミングとは|費用や作り方

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​協議離婚で公正証書を作るベストタイミングとは|費用や作り方を解説

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協議離婚をする際は、必ず公正証書を作成しておくことをおすすめします。なぜなら、話し合いによって決めた慰謝料や養育費などの支払いが滞ったときに、裁判手続きを経ることなく夫(妻)の給料や財産の差し押さえができるためです。

 

 

慰謝料などが支払われないといったトラブルを防ぐためにも、協議内容をまとめた書面は強制力のある公正証書にしておくことが大切なのです。

 

  • 公正証書 :協議離婚で決めた内容に対し法的な効力を持つ書面、公証人が作成
  • 離婚協議書:協議離婚で定めた内容をまとめた書面、個人または弁護士などが作成

 

【公正証書の定義】

公正証書とは,私人(個人又は会社その他の法人)からの嘱託により,公証人がその権限に基づいて作成する文書のことです。

引用:法務省

 

公正証書はどのタイミングで、どのように作成すれば良いのでしょうか。また、かかる費用なども気になるところです。

 

そこで今回は、協議離婚で公正証書を作成するベストタイミングと作り方や費用などについてご紹介します。

 【目次】
用意するもの
費用
作り方
公正証書に記載すべき内容|離婚協議書との違い
1.離婚に合意したという記述
2.財産分与
3.慰謝料
4.親権・監護権
5.養育費
6.面会交流権
7.年金分割
8.その他の取り決め|住所変更の通知・清算条項など
公正証書と離婚協議書の違い
公正証書は離婚前に作るのがベスト
離婚成立後でも作成可能か?
協議離婚で公正証書を作成するメリットデメリット
メリット
デメリット
まとめ

公正証書の作り方とかかる費用

まず始めに、公正証書の作り方とかかる費用など基本的なことについて確認していきましょう。

 

公正証書は、自分で作成することはできません。公証人と呼ばれる公務員が作成する必要があるため、あなたが住んでいる地域を管轄している公証役場に行って作成手続きを進めましょう。(※最寄りの公証役場検索はこちら

 

【公証役場の受付時間】

 

平日の午前9時~午後4時30分

※午前11時30分~13時までは交代で休憩をとっているため混みやすい

 

このとき、話し合いの内容をまとめた離婚協議書があると手続きがスムーズに進みます。事前準備として離婚協議書の作成をしておくと良いでしょう。作り方については、「離婚協議書の書き方とサンプル|離婚後に約束を守らせる方法」をご覧ください。

用意するもの

公正証書を作成する際は、離婚協議書に加えて戸籍謄本などの証明書を用意する必要があります。

 

さらに、財産分与などの取り決めについても書面に残すときは、不動産登記簿謄本(ふどうさんとうきぼとうほん)などの証明書もあわせて用意してください。

 

  • 離婚協議書
  • 夫婦それぞれの印鑑と印鑑登録証明(発行から3ヶ月以内のもの)
  • 戸籍謄本(発行から3ヶ月以内のもの)
  • その他必要に応じた証明書
    • 財産分与
      • 不動産登記簿謄本
      • 固定資産評価証明
      • 住宅ローンの書類
      • 自動車ローンの書類
    • 年金分割
      • 夫婦それぞれの年金手帳

費用

公正証書の作成にかかる費用は、公証人手数料令第9条に定められた内容に基づいて支払うことになります。もし慰謝料額が100万円だった場合、手数料は5,000円となります。

 

また証書が4枚以上となった場合、1枚につき250円の手数料がかかります。記述内容が多いとその分手数料も高くなるため注意が必要です。

 

  • 証書が4枚以上になる場合(横向きの書面は3枚)、1枚超えるごとに250円(手数料令25

 

慰謝料や養育費などの金額

手数料

100万円以下

5000円

100万円を超え200万円以下

7000円

200万円を超え500万円以下

11000円

500万円を超え1000万円以下

17000円

1000万円を超え3000万円以下

23000円

3000万円を超え5000万円以下

29000円

5000万円を超え1億円以下

43000円

1億円を超え3億円以下

4万3000円に5000万円までごとに1万3000円を加算

3億円を超え10億円以下

9万5000円に5000万円までごとに1万1000円を加算

10億円を超える場合

24万9000円に5000万円までごとに8000円を加算

 

引用:日本公証人連合会

作り方

話し合いの内容をまとめた離婚協議書と各種証明書などを用意し、あなたが住んでいる地域の公証役場に行きます。

 

そこで、離婚協議書の内容を元に公正証書の内容を確認し作成依頼を行います。この手続きは30分~1時間ほどかかります。

 

作成依頼から7~10日後、再び公証役場へ行き、完成した公正証書の内容を確認していきます。このとき、夫婦そろって役場へ行き内容を確認しなければなりません。

 

内容に問題がなければ、夫婦と公証人がそれぞれ公正証書に署名と押印を行い、手数料を支払えば手続きが完了となります。

公証人に出張してもらうか弁護士などの代理人にお願いする方法もある

忙しくて自分で手続きする時間がないという方は、公証人に出張してもらい作成する方法と、弁護士などの代理人に依頼する方法があります。

 
交渉に出張してもらう場合

公証人に出張してもらう場合は、日当や交通費などの負担が必要です。日当は、4時間までで10,000円、1日あたり20,000円となります。

 

さらに、証書作成にかかる基本手数料が1.5倍となるため費用負担が大きくなることは避けられません。しかし、何かしらの事情で公証役場に行けない方にはおすすめの方法です。

 
弁護士など代理人に依頼する場合

夫婦どちらかが公証役場に行くのが難しい場合、委任状を用意すれば代理人を立てて公正証書の作成手続きを進めることができます。(夫婦両方に代理人を立てて手続きすることはできません。)

 

代理人を弁護士に依頼すると50,000~80,000円ほどの費用がかかりますが、面倒な手続きは弁護士が対応してくれるため、忙しい方におすすめの方法でしょう。

公正証書に記載すべき内容|離婚協議書との違い

次に、公正証書に記載すべき事項について確認していきましょう。主に、財産分与・慰謝料・養育費・親権など夫婦で合意を得た内容を記載していきます。

 

1.離婚に合意したという記述

離婚に合意したことを記載します。場合によっては、離婚届を提出する日や誰が提出するかなどを記載することもあります。

 

2.財産分与

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で築いた貯金や不動産などの財産を分割することを言います。夫婦で半分ずつ分けるのが一般的ですが、貢献度などによって配分がかたよることも少なくありません。

 

後に言った言わないのトラブルを起こさないためにも、合意した財産分与の内容について記載しておきます。

 

3.慰謝料

慰謝料とは、相手の不貞行為やDVなどにより受けた精神的苦痛に対して支払われるお金のことです。話し合いにより、慰謝料の支払いについて取り決めをした場合はその内容も記載しておきましょう。

 

4.親権・監護権

夫婦に未成年の子供がいた場合、どちらが親権を持つか監護権は別にするのかなどの取り決めもしなければなりません。

 

基本的には、親権を持った親が監護者も兼任することがほとんどですが、話し合いにより夫婦で役割を分ける場合はその旨も記載します。

 

5.養育費

親権者を決めたら、養育費の支払いについても取り決めをしなければなりません。基本的には毎月○万円といった形で一定額を支払ってもらうことになりますが、一括で支払うケースもあります。

 

子供がいくつになるまで支払うのか、いつ振り込むのかなど、具体的な期日とともに支払う金額を記載します。

 

6.面会交流権

親権が獲得できなかった場合でも、子供に会う権利は認められています。子供と会う機会を求められる権利が面会交流権です。

 

月に何回子供と会うのか、1回の面会は○時間までといったように細かい取り決めを行い、その内容を証書に記載します。

 

7.年金分割

年金分割とは、婚姻期間中に支払った年金の納付記録を夫婦で半分ずつに分けることを言います。離婚時に、年金が受け取れるものではありません。

 

公正証書に年金分割の合意を得たことを記載しておくと、後から年金分割請求することができます。そのため協議離婚を行う際は、年金分割についても話し合っておくことをおすすめします。

 

8.その他の取り決め|住所変更の通知・清算条項など

 

その他、以下のような内容を証書に記載しましょう。

 

  • 住所変更などの通知義務の有無
  • 証書に定めた以外の金銭要求はしないという清算条項
  • 支払いなどが滞った場合は、給与の差し押さえなど強制執行を受けても異論はないという内容の強制執行認諾

などがあります。特に執行受諾文言は公正証書を作成する最大のメリットであるため、必ず記載しましょう。

 

公正証書と離婚協議書の違い

公正証書と似た書面に離婚協議書というものがあります。どちらも離婚の話し合いで決めた内容を記載した書面ですが、大きな違いがあります。

 

それは、作成者が夫婦または弁護士か公証役場にいる公証人かどうかの違いに加え、万が一、慰謝料などの支払いが滞った場合、離婚協議書はこれに基づいて訴訟を起こして「勝訴」を勝ち取らなければならないのに対し、公正証書(執行受諾文言のあるもの)は裁判手続きを経ることなく強制執行が可能であるという点です。

 

 

離婚協議書

公正証書

作成者

当事者

公証人

備考

支払いが滞り相手に請求する場合、訴訟を起こし「勝訴」しなければならない。

支払いが滞った場合、訴訟を起こさなくても裁判所を通じて相手の給料や財産を差し押さえできる。

 

公正証書は離婚前に作るのがベスト

公正証書を作るベストタイミングはいつでしょうか。それは、離婚前です。離婚に向けた話し合いを行い、慰謝料や財産分与などの取り決めが完了したら作成にとりかかるのがベストです。

離婚成立後でも作成可能か?

公正証書は離婚成立後でも作成できます。

協議離婚で公正証書を作成するメリットデメリット

最後に、協議離婚で公正証書を作成するメリットデメリットについて確認していきましょう。公正証書は後のトラブル抑止に役立つものですが、作成に手間や費用がかかります。よく検討した上で作成することをおすすめします。

メリット

公正証書を作成するメリットには、慰謝料などの取り決めを書面に残しておけること、支払いなどが滞った場合に強制執行できることが挙げられます。離婚協議書よりも、相手にプレッシャーを与えられるという意味でも作成するメリットがあります。

 

文書の成立が真正であるかどうかに争いがある場合,公文書であれば真正であるとの強い推定が働きますので,これを争う相手方の方でそれが虚偽であるとの疑いを容れる反証をしない限り,この推定は破れません。

引用:法務省

デメリット

公正証書を作成するデメリットは、費用と労力がかかることや当事者双方が公証役場に出頭する必要がありハードルが高い場合があることでしょう。費用は最低でも5,000円はかかります。

 

また、作成依頼をしてから完成するまでに7~10日かかるため、簡単に作成できるとは言えません。しかし、いざというときあなたを守ってくれるものですから、離婚後も安心して生活を送るために公正証書は作成しておく方が良いでしょう。

まとめ

協議離婚で公正証書を作成する場合、離婚届を出す前に手続きを行うのが一般的です。ただし、公証役場の公証人しか作成できないため、あなたのお金・時間・労力を消費することは避けられません。

 

お金に余裕がある方や、自分で手続きを行うことに不安がある方は公証人の出張サービスや弁護士に依頼して代理対応してもらうのもひとつの方法です。離婚後にトラブルが起きて頭を悩ませることのないよう、離婚前に公正証書の作成をしておきましょう。

 

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お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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