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【2026年最新】シングルマザーの手当一覧:いくらもらえる?申請方法も解説

【2026年最新】シングルマザーの手当一覧:いくらもらえる?申請方法も解説

離婚してシングルマザーになると、収入や子どもの教育費に不安を抱える人は少なくありません。

そんなときに支えとなるのが、国や自治体が用意している手当や支援制度です。児童手当・児童扶養手当をはじめ、医療費の助成や税金の軽減など、利用できる制度は数多くあります。

ただし、その多くは自分から申請しないと受け取れません。制度を知らないまま、本来もらえるはずのお金を逃してしまうケースもあります。

本記事では、シングルマザーが受け取れる手当を一覧で整理し、子どもの人数・年収別に月額いくらもらえるかをシミュレーションします。申請方法や、支給が止まってしまうケースについても解説します。

2026年4月には児童扶養手当が増額され、高校の授業料支援も所得制限が撤廃されました。最新の制度をもとに、受け取れる支援を漏れなく確認していきましょう。

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目次

シングルマザー(母子家庭)の多くは経済的に厳しい状況にある

シングルマザーにとって、手当などの公的支援は生活を支える大きな柱になります。母子家庭は父子家庭よりはるかに数が多く、平均的な収入も高いとはいえないためです。

こども家庭庁の「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」によると、母子世帯は約119.5万世帯、父子世帯は約14.9万世帯で、母子世帯は父子世帯の約8倍にのぼります(いずれも推計値)。

令和3年度全国ひとり親世帯等調査

こうした母子世帯が生まれる理由として最も多いのが離婚で、全体の約8割を占めます。 次いで未婚、死別と続きます。

母子世帯が生まれる理由

母親自身の平均年間収入は272万円ですが、これは手当などを含めた金額です。働いて得た収入だけを見ると236万円にとどまります。就業者の約4割はパート・アルバイトなどの非正規雇用で、収入が伸びにくい状況にあります。

平均年間収入

さらに、養育費を現在も受け取れているのは28.1%にすぎず、7割以上は受け取れていません。養育費を十分に受け取れていない家庭が多いからこそ、シングルマザーにとっては養育費以外の手当や支援を漏れなく受け取ることが、生活を安定させる大きな助けになります。

シングルマザー(母子家庭・ひとり親)がもらえる手当・支援制度の一覧

ひとり親家庭が利用できる制度は、国の手当・自治体独自の手当・負担軽減の3つが柱です。これに、生活保護や遺族年金など、特定の状況で使える支援が加わります。

これらの制度の多くは、自分から申請しないと受け取れません。まずは全体像をつかみ、子どもの人数・年収・住む地域・離婚か死別かといった自分の状況に当てはまる制度を確認しておきましょう。

区分 制度名 概要 主な窓口
国 児童手当 高校生年代までの子どもを育てる全世帯に支給 市区町村役場
児童扶養手当 ひとり親家庭に支給される中心的な手当 市区町村役場
特別児童扶養手当 障害のある20歳未満の子どもを養育する家庭に支給 市区町村役場
障害児福祉手当 重度障害のある20歳未満の子ども本人に支給 市区町村役場
自治体 児童育成手当 東京都独自のひとり親向け手当(類似制度のある自治体も) 市区町村役場
住宅手当・家賃補助 家賃の一部を補助(実施は自治体による) 市区町村役場
負担軽減 ひとり親家庭等医療費助成 親子の医療費の自己負担分を助成 市区町村役場
子ども医療費助成 子どもの医療費の自己負担分を助成 市区町村役場
ひとり親控除 所得税・住民税が軽くなる所得控除 勤務先・税務署
保育料・国民健康保険料・国民年金保険料の軽減 所得に応じて軽減・免除 市区町村役場・年金事務所
交通・水道・粗大ごみなどの減免 児童扶養手当受給者などを対象に割引・減免 各窓口
教育支援(就学援助・就学支援金・修学支援) 学用品費や授業料の負担を軽減・補助 教育委員会・学校・市区町村役場
その他 生活保護 生活が困窮した場合に最低限度の生活を保障 福祉事務所
遺族年金 配偶者と死別した場合に受け取れる年金 年金事務所・市区町村役場
自立支援教育訓練給付金 資格取得の受講費用を補助 市区町村役場
高等職業訓練促進給付金 資格取得中の生活費を支援 市区町村役場
母子父子寡婦福祉資金貸付 就学・就職などの資金を無利子・低利で貸付(借りる制度) 市区町村役場

※制度の名称や内容、実施の有無は自治体によって異なります。詳細はお住まいの市区町村にお問い合わせください。
※児童手当・児童扶養手当・特別児童扶養手当は保護者(養育者)が受給者ですが、障害児福祉手当は子ども本人が受給者となる点が異なります。
※母子父子寡婦福祉資金貸付は受け取る手当ではなく、無利子または低利で借りる制度です。くわしくは【その他】の章で触れます。

特に生活の支えになる児童手当・児童扶養手当・自治体の手当などは、このあと詳しく解説します。

【国の手当】シングルマザーが受け取れる主な制度

国が実施する手当は、大きく3種類あります。全世帯が対象の児童手当、ひとり親家庭が対象の児童扶養手当、そして障害のある子どもを対象とする手当です。なかでも児童扶養手当は、母子家庭の生活を支える中心的な手当といえます。

それぞれ対象者・金額・支給時期が異なるため、まずは全体を比較して確認しておきましょう。

手当名 対象 支給額(月額) 支給時期
児童手当 高校生年代までの子どもがいる全世帯 1万円〜3万円 年6回(偶数月)
児童扶養手当 ひとり親家庭など 全部支給:4万8,050円(第1子)ほか 年6回(奇数月)
特別児童扶養手当 障害のある20歳未満の子どもを養育する方 3万8,930円(2級)〜5万8,450円(1級) 年3回(4月・8月・12月)
障害児福祉手当 重度障害のある20歳未満の子ども本人 1万6,560円 年4回(2月・5月・8月・11月)

※児童手当の金額は、子どもの年齢と人数によって変わります。3歳未満は1万5,000円、3歳〜高校生年代は1万円、第3子以降は年齢を問わず3万円です。
※金額は改定される場合があります。最新の支給額は、こども家庭庁またはお住まいの市区町村の公式サイトでご確認ください。

①児童手当|高校生年代まで全員が受け取れる

児童手当は、0歳から高校生年代(18歳到達後最初の3月31日)までの子どもを養育する全ての世帯が受け取れる手当です。ひとり親かどうかにかかわらず支給されます。

2024年10月施行の改正により、所得制限が撤廃され、支給対象が高校生年代まで延長されました。あわせて第3子以降の支給額も増額されています。改正で新たに対象になった人は、申請が必要な場合があるため注意しましょう。

支給額は、子どもの年齢と人数によって決まります。

子どもの年齢 1人あたりの月額
3歳未満 1万5,000円(第3子以降は3万円)
3歳〜高校生年代 1万円(第3子以降は3万円)

第3子以降は、0歳から高校生年代まで一律3万円です。この「第3子」の数え方には注意が必要です。 兄弟姉妹のうち、22歳到達後最初の3月31日までの子も、第何子かを数える対象に含まれます。

たとえば21歳・14歳・7歳の3人を養育している場合、7歳の子が第3子として月3万円の対象になります(経済的負担があるなどの要件を満たす場合)。22歳までを含めて数えるこの仕組みは、2024年10月の改正で変わったもので、以前より対象が広がりました。

支給は偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の年6回で、前月までの2ヵ月分がまとめて振り込まれます。

②児童扶養手当(母子手当)|ひとり親の生活を支える中心の手当

児童扶養手当は、ひとり親家庭に支給される、母子家庭支援の柱となる手当です。母子手当と呼ばれることもあります。

対象となるのは、18歳到達後最初の3月31日まで(障害のある子どもは20歳未満)の子どもを養育するひとり親です。離婚だけでなく、死別や未婚の場合も対象になります。母子家庭に限らず、父子家庭も対象です。

支給額には、前年の所得に応じた全部支給と一部支給の2種類があります。2024年11月の改正で第3子以降の加算額が第2子と同額に引き上げられ、さらに2026年4月には物価変動を反映して手当額が増額されました。

子どもの人数 全部支給(月額) 一部支給(月額)
1人目 4万8,050円 1万1,340円〜4万8,040円
2人目以降(1人につき加算) 1万1,350円 5,680円〜1万1,340円

たとえば全部支給で子どもが2人いる場合、4万8,050円+1万1,350円=月5万9,400円が支給額となります。

支給は奇数月(1月・3月・5月・7月・9月・11月)の年6回で、前月までの2ヵ月分がまとめて振り込まれます。実際にいくら受け取れるかを左右する所得制限や養育費の扱いは、このあと詳しく解説します。

児童扶養手当は全部支給かゼロかではありません。限度額を超えても、超えた分に応じて少しずつ減る一部支給になります。少し働きすぎたら手当が全部消えると心配しすぎなくて大丈夫です。

③特別児童扶養手当・障害児福祉手当|障害のある子どもが対象

障害のある子どもを養育している場合は、特別児童扶養手当や障害児福祉手当を受け取れます。

特別児童扶養手当は、精神または身体に一定の障害がある20歳未満の子どもを養育する父母などに支給される手当です。支給額は障害の程度に応じて1級・2級にわかれます。

障害児福祉手当は、重度の障害があり、日常生活で常に介護を必要とする在宅の20歳未満の子ども本人に支給される手当です。児童手当や児童扶養手当が保護者に支給されるのに対し、障害児福祉手当は子ども本人が受給者となる点が異なります。

手当名 対象 支給額(月額) 支給時期
特別児童扶養手当(1級) 重度の障害がある20歳未満の子どもを養育する父母など 5万8,450円 年3回(4月・8月・12月)
特別児童扶養手当(2級) 中程度の障害がある20歳未満の子どもを養育する父母など 3万8,930円 年3回(4月・8月・12月)
障害児福祉手当 重度障害があり常時介護が必要な20歳未満の子ども本人 1万6,560円 年4回(2月・5月・8月・11月)

※12月分は11月に支払われる場合があります

いずれも所得制限があり、本人や配偶者、扶養義務者の前年の所得が一定額以上の場合は支給されません。一方で、児童手当や児童扶養手当と併せて受け取ることが可能です。

金額や認定基準は改定される場合があるため、最新の情報はお住まいの市区町村の窓口で確認してください。

児童扶養手当はいくらもらえる?金額が決まる条件

児童扶養手当は、前年の所得に応じて全部支給・一部支給・不支給のいずれかにわかれます。

判定に使われるのは、額面の年収そのものではなく、給与所得控除などを差し引いたあとの所得です。この所得が、扶養している子どもの人数に応じた限度額を下回るかどうかで支給額が決まります。

さらに、同居している家族の所得や、受け取っている養育費も判定に影響します。児童扶養手当の金額は、次の3ステップで決まります。

ステップ 内容
①受給資格の確認 ひとり親であるか、対象年齢の子どもを養育しているか
②所得の算定 本人の所得+養育費の8割を加算(同居家族の所得も確認)
③支給額の決定 所得制限限度額と照らし、全部支給・一部支給・不支給を判定

ここからは、いくら受け取れるかを左右する3つのポイントを順に解説します。

子どもの人数と所得でいくらもらえるかが決まる

児童扶養手当は、扶養する子どもの人数ごとに、全部支給・一部支給それぞれの所得制限限度額が定められています。

前年の所得が全部支給の限度額以下なら満額、それを超えて一部支給の限度額未満なら所得に応じた減額支給、一部支給の限度額以上なら不支給です。

限度額は、源泉徴収票などの数字と照らし合わせられるよう、収入ベースと所得ベースの両方で確認しておくと安心です。

扶養親族の数 全部支給(収入/所得) 一部支給(収入/所得)
1人 約190万円/107万円 約385万円/246万円
2人 約244.3万円/145万円 約432.5万円/284万円
3人 約298.6万円/183万円 約480万円/322万円

年収200万〜350万円の世帯では、一部支給に該当するケースが多くなります。

会社員の場合、所得の目安になるのは源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」です。給与所得控除後の金額から、社会保険料相当額(一律8万円)や給与所得者への控除(10万円)などを差し引いた額が、限度額と比較されます。

自分がどの区分に当てはまるかわからないときは、市区町村の窓口で確認してください。

実家暮らしは同居する親や家族の所得も影響する

実家に戻って親と同居する場合は、自分の所得だけでなく、同居している親や兄弟姉妹の所得も児童扶養手当の審査対象になります。

児童扶養手当では、同居している直系血族(親や祖父母)や兄弟姉妹が扶養義務者として扱われ、その所得も判定に使われます。そのため、自分の所得が限度額以下であっても、同居する親などの所得が扶養義務者の限度額を超えていると、手当は支給されません。

判定対象 所得の限度額(扶養1人の場合) 判定の仕組み
本人 全部支給107万円/一部支給246万円 所得に応じて支給額が決まる
扶養義務者 (同居の親など) 274万円 限度額以上なら支給停止

※いずれも扶養親族が1人の場合の所得ベースの額です。限度額は「その人自身の扶養親族の数」に応じて決まるため、本人と扶養義務者で扶養人数が異なれば、適用される限度額も変わります。両者はそれぞれ別に判定されます。

注意したいのは住民票を分けていても、生活実態によっては同居と判断される場合がある点です。二世帯住宅などで生計が別と認められるケースもありますが、判断は自治体によります。

実家での同居を考えている場合は、事前に窓口で扶養義務者の所得がどう扱われるかを確認しておくと安心です。

受け取った養育費の8割が所得に加算される

元配偶者から受け取っている養育費は、その年間総額の8割相当額が、児童扶養手当の所得計算に加算されます。そのため、養育費を受け取ると判定上の所得が上がり、手当が減ったり止まったりする場合があります。

判定される所得=本人の所得+(1年間の養育費総額×0.8)-各種控除

養育費をもらわないほうが得なのではと考える人もいるかもしれません。しかし、基本的には養育費を受け取ったほうが世帯全体の収入は増えます。

養育費が加算されて手当が多少減ったとしても、減る手当の額より受け取る養育費のほうが大きいためです。差し引きで見れば、世帯の手取りは増えるのが一般的といえます。

また、受け取った養育費を申告しないことは認められません。あとから発覚すると不正受給とみなされ、手当の返還を求められるおそれがあります。養育費は正しく申告したうえで、手当と合わせて生活設計を立てましょう。

【子どもの人数・年収別】シングルマザー手当の総額シミュレーション

受け取れる手当の総額は、子どもの人数と年収によって大きく変わります。ここでは、児童手当と児童扶養手当を軸に、年収200万円・300万円・350万円のシングルマザーが受け取れる月額の目安を、子どもの人数別に紹介します。

前提条件
子どもは全員3歳以上〜高校生年代
養育費の受け取りはなし
年収は給与収入(源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除以外の控除は考慮しない

児童扶養手当は一部支給の場合、所得に応じて10円単位で金額が変わるため、おおよその目安として示しています。実際の受給額は、お住まいの自治体や個別の控除、養育費の有無によって変動します。

なお、東京都内にお住まいの場合は、これに児童育成手当(子ども1人につき月1万3,500円)が加算されます。

子ども1人の場合の手当総額の目安

子ども1人の場合、児童手当と児童扶養手当を合わせた月額の目安は次のとおりです。

年収 児童手当 児童扶養手当(1人分) 1ヵ月あたりの総額目安
200万円 1万円 約4万6,200円(一部支給) 約5万6,200円
300万円 1万円 約2万7,700円(一部支給) 約3万7,700円
350万円 1万円 約1万8,500円(一部支給) 約2万8,500円

※上記はひとり親控除などの控除を考慮しない目安です。実際にはひとり親控除(所得から35万円)などが適用され、手当額が表より多くなる場合があります。

子ども1人の場合、全部支給の限度額は年収190万円程度(所得107万円)です。そのため年収200万円でも一部支給となり、年収が上がるほど児童扶養手当は段階的に減っていきます。年収385万円を超えると不支給です。

ただし、一部支給といっても限度額を少し超えた程度なら、減額はわずかです。上の表の年収200万円のケースも、全部支給(4万8,050円)とほぼ変わらない水準で受け取れます。一部支給は10円単位で細かく減っていく仕組みのため、限度額を1円でも超えたら大幅に減るというものではありません。

これに加えて、ひとり親家庭等医療費助成なども適用されるため、実際の生活費負担はさらに軽くなります。

子ども2人の場合の手当総額の目安

子ども2人の場合は、児童手当が2人分になり、児童扶養手当にも第2子の加算が加わるため、総額がさらに大きくなります。

年収 児童手当 児童扶養手当(2人分) 1ヵ月あたりの総額目安
200万円 2万円 5万9,400円(全部支給) 約7万9,400円
300万円 2万円 約4万7,500円(一部支給) 約6万7,500円
350万円 2万円 約3万6,800円(一部支給) 約5万6,800円

子ども2人になると、全部支給の限度額が年収244万円程度(所得145万円)まで上がります。そのため年収200万円なら児童扶養手当を満額(5万9,400円)受け取れます。

子ども1人のケースと比べると、児童手当が1万円増えるだけでなく、児童扶養手当も第2子加算(月1万1,350円)が上乗せされるため、総額の差は月2万円以上になります。

子ども3人の場合の手当総額の目安

子ども3人の場合は、児童手当の第3子加算(月3万円)と児童扶養手当の第3子加算が加わり、総額が大きく上がります。

年収 児童手当(3人分) 児童扶養手当(3人分) 1ヵ月あたりの総額目安
200万円 5万円 7万750円(全部支給) 約12万750円
300万円 5万円 約7万400円(一部支給) 約12万400円
350万円 5万円 約5万8,300円(一部支給) 約10万8,300円

※児童手当は、1万円×2人+第3子3万円で計算。

ポイントは、年収200万円と300万円で総額がほとんど変わらない点です。総額が横ばいになるのは、子どもの人数が増えると全部支給の限度額も上がるためです。

児童扶養手当は、所得が全部支給の限度額を超えると、超えた分だけ満額から減額されます(一部支給)。子ども3人の場合、全部支給の限度額は所得183万円(年収約299万円)です。年収300万円の人の所得は184万円ほどで、限度額を超えるのはわずか1万円のため、減額も数百円にとどまります。

同じ年収でも子ども1人だと、限度額は107万円。所得184万円は限度額を大きく超えるため、2万円以上減額されます。子どもが多い世帯ほど、年収が上がっても手当が減りにくい仕組みです。

加えて2024年の改正で、児童手当は第3子以降が一律3万円に増額され、児童扶養手当も第3子以降の加算が第2子と同額に引き上げられました。多子世帯ほど支援が手厚くなっています。

一方で、子どもが多いほど教育費もかさみます。受け取った手当の一部を計画的に貯めておくと、将来の進学費用に備えやすくなります。

【自治体の手当】ひとり親家庭が地域で使える支援と相談窓口

国の手当に加えて、住んでいる自治体によっては独自の手当や支援制度があります。ただし、制度の有無・名称・金額は地域によって大きく異なるため、お住まいの市区町村の窓口で確認しましょう。

自治体独自の支援は、次の手順で調べられます。

手順 内容
①市区町村のサイトで検索 「〇〇市 ひとり親 支援」「〇〇市 母子家庭 手当」などで検索する
②使える制度を確認 児童育成手当・住宅手当・医療費助成などの支給要件を確認する
③窓口で相談 子育て支援課やひとり親家庭の相談窓口で、自分が使える制度をまとめて聞く

自分で調べるのが難しい場合は、③の窓口相談から始めても構いません。状況を伝えれば、担当者が使える制度をひととおり案内してくれます。ここからは代表例として、東京都の児童育成手当と、住宅手当を実施している自治体の例を紹介します。

東京都の児童育成手当(月額1万3500円)

東京都内のひとり親家庭は、国の手当とは別に児童育成手当を受け取れます。児童扶養手当と併せて受給できるため、都内在住のシングルマザーにとって大きな支えになります。

項目 内容
支給額 児童1人につき月額1万3,500円(障害手当は1万5,500円)
対象 18歳到達後最初の3月31日まで(障害手当は20歳未満)の子どもを養育するひとり親
支給月 年3回(2月・6月・10月)
所得制限 あり(扶養1人:所得404万1,000円未満)

支給は年3回で、それぞれの前月分までがまとめて振り込まれます。

所得制限は扶養親族の人数に応じて設定されており、令和7年6月分から限度額が引き上げられました(扶養1人の場合、398万4,000円→404万1,000円)。これまで対象外だった人も申請できる場合があるため、あらためて確認する価値があります。

なお、児童育成手当は東京都独自の制度ですが、ほかの自治体でも名称の異なる類似の制度を設けている場合があります。制度の有無・名称・金額は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村のひとり親支援窓口で確認してください。

住宅手当・家賃補助がある自治体の例

家賃の一部を補助する住宅手当を独自に設けている自治体もあります。金額は月額数千円〜数万円程度と幅があり、家賃の上限や所得などの条件が設けられているのが一般的です。

自治体 制度名 支援内容の例
東京都世田谷区 ひとり親世帯家賃低廉化補助 対象住宅の家賃を月額最大4万円減額(最長10年)
東京都国立市 ひとり親家庭住宅費助成 家賃の3分の1(上限月1万円)
千葉県浦安市 ひとり親家庭住宅手当 家賃1万円を超えた額に対し月1万5,000円を上限に補助
兵庫県神戸市 ひとり親世帯家賃補助 月額1万5,000円(最長6年)+家賃債務保証料の補助

制度には、それぞれ独自の条件があります。たとえば国立市は「市内に3年以上居住していること」、神戸市は「公営住宅に申し込んで落選したこと」が要件です。金額だけでなく、条件も必ず確認しましょう。

制度の有無や金額は自治体によって大きく異なり、改廃されることもあります。引っ越しや離婚を考えている場合は、転居先の候補も含めて、各市区町村の窓口で最新の内容を確認してください。

【負担軽減】ひとり親家庭が手当以外に使える制度

現金で支給される手当のほかにも、生活の固定費や子どもの学費を下げる減免・割引制度が数多くあります。

分野 主な制度
医療 ひとり親家庭等医療費助成・子ども医療費助成
税金・保険 ひとり親控除、保育料・国民健康保険料・国民年金保険料の軽減
インフラ・交通 上下水道料金の減免・粗大ごみ手数料の減免・交通機関の割引
教育 就学援助・高校の就学支援金・大学などの修学支援

これらの制度の多くは、自分から申請しないと適用されません。知らないまま手続きをしていないと、本来払わなくてよい費用を払い続けることになります。分野ごとに、主な制度を確認していきましょう。

①ひとり親家庭等医療費助成・子ども医療費助成

医療機関を受診した際の自己負担分が助成され、医療費の負担が大きく軽くなります。ひとり親家庭が使える医療費助成には、次の2つがあります。

制度名 対象 所得制限
ひとり親家庭等医療費助成 ひとり親本人と子ども あり
子ども医療費助成 指定年齢までの子ども全員 設けていない自治体が多い

ひとり親家庭等医療費助成は、ひとり親家庭の親と子どもの医療費の自己負担分を助成する制度です。親自身の医療費も対象になる点が大きな特徴で、東京都ではマル親の通称で知られています。対象年齢や助成内容は自治体によって異なり、所得が限度額を超えると対象外になります。

一方、子ども医療費助成は子どもの医療費を助成する制度で、所得制限を設けていない自治体が多くあります。ただし、対象年齢・自己負担の有無・所得制限の設定は自治体によって大きく異なります。中学生までを対象とする自治体もあれば、高校生年代まで拡大している自治体もあり、通院1回あたり数百円の自己負担が必要な場合もあります。

なお、所得制限でひとり親家庭等医療費助成を受けられない場合も、子ども分は子ども医療費助成でカバーできることがあります。

2つの制度は、名称や条件がお住まいの自治体ごとに異なります。離婚成立後は早めに市区町村の窓口で確認し、医療証の交付申請をおこないましょう。

②ひとり親控除など税の軽減

シングルマザーは、税制上の優遇措置であるひとり親控除を受けられます。所得税・住民税の計算のもとになる所得から35万円が控除され、その分だけ税金が安くなります。

控除の種類 対象 控除額(所得税)
ひとり親控除 未婚・離婚・死別を問わず、生計を一にする子がいる合計所得500万円以下のひとり親 35万円
寡婦控除(離婚) 離婚後に再婚しておらず、扶養親族がいる合計所得500万円以下の女性 27万円
寡婦控除(死別) 死別後に再婚していない合計所得500万円以下の女性(扶養親族の有無は問わない) 27万円

ひとり親控除は、未婚のシングルマザーも対象です。似た制度に寡婦控除がありますが、両方を併用することはできません。シングルマザーの場合は、基本的にひとり親控除の適用を検討することになります。

注意したいのが、「生計を一にする子」の所得要件が令和7年分から変更された点です。従来は子の合計所得が48万円以下でしたが、58万円以下に引き上げられました。子どもがアルバイトをしている場合、以前は対象外だったケースでも控除を受けられる可能性があります。

会社員は年末調整で、個人事業主は確定申告で申告すると、手取り収入が増えます。あわせて、児童扶養手当を受給している人などは、元本350万円までの預貯金などの利子が非課税になる非課税貯蓄制度(マル優)も利用できます。

③保育料・国民健康保険料・国民年金保険料の軽減

保育料の無償化や保険料の減免によって、毎月の固定費を抑えられます。

制度 支援内容の目安
幼児教育・保育の無償化 3〜5歳児は原則無償。住民税非課税世帯は0〜2歳児も無償
国民健康保険料の軽減 所得に応じて均等割額などが2割〜7割軽減される場合がある
国民年金保険料の免除・納付猶予 所得が一定基準以下の場合、全額または一部が免除・猶予される

保育料については、ひとり親家庭などを対象に独自の軽減をおこなう自治体もあります。

注意したいのは、これらの制度は自動的に適用されるわけではない点です。特に国民年金保険料は、未納のまま放置すると将来受け取る年金額が減り、障害年金や遺族年金を受け取れなくなる可能性もあります。

免除の申請をしていれば、その期間も年金額に一部反映されます。保険料の支払いが難しいときは、放置せず早めに市区町村の窓口や年金事務所に相談してください。

④交通・水道・粗大ごみなどの減免

児童扶養手当を受給している世帯は、交通機関の割引や、水道・粗大ごみなどの減免を受けられる場合があります。

減免・割引の対象 内容の例
JR通勤定期乗車券の割引 定期券が割引価格で購入できる
都営交通の無料乗車券 都営バス・都営地下鉄などが無料になる(東京都)
上下水道料金の減免 基本料金などが減免される
粗大ごみ処理手数料の減免 処理手数料が免除される

いずれも児童扶養手当の受給を証明する書類が必要になることが多く、申請時には児童扶養手当証書などを求められます。

自治体によって実施の有無や内容が異なり、申請しなければ適用されません。児童扶養手当の証書が手元に届いたら、まとめて手続きを済ませてしまうのが効率的です。窓口で「ほかに使える減免はありますか」と聞けば、ひととおり案内してもらえます。

⑤教育支援(就学援助・高校の就学支援金・大学などの修学支援)

子どもの教育費も、進学段階に応じた制度で負担を軽くできます。

教育段階 主な制度 支援内容
小・中学校 就学援助 学用品費・修学旅行費などの一部を補助
小学校 学校給食費の負担軽減 食材費を月5,200円まで支援(2026年4月〜/公立小学校のみ)
高校 高等学校等就学支援金 授業料を支援。2026年度から所得制限なし(公立:年11万8,800円/私立:年45万7,200円)
高校生等奨学給付金 教科書代・通学費など授業料以外の教育費を支援
大学・専門学校など 高等教育の修学支援新制度 授業料・入学金の減免+給付型奨学金

小・中学生には就学援助があり、学用品費・修学旅行費・入学準備金などが補助されます。申請は学校または教育委員会で受け付けています。

2026年4月からは、公立小学校の給食費が軽くなりました。 国が食材費を児童1人あたり月5,200円まで支援する仕組みで、所得制限はなく手続きも原則不要です。ただし食材費が基準額を超える分は保護者負担で、中学校は対象外です。

高校は2026年4月に制度が大きく変わり、就学支援金の所得制限が撤廃されました。 世帯年収にかかわらず授業料の支援を受けられ、上限は公立が年11万8,800円、私立が年45万7,200円(従来の39万6,000円から引き上げ)です。入学金・教材費・制服代などは自己負担ですが、これらは高校生等奨学給付金でカバーできます。

大学・専門学校などへは、高等教育の修学支援新制度で授業料の減免と給付型奨学金がセットで受けられます。いずれの制度も申請しなければ支援を受けられません。学校から届く案内を見落とさないよう注意してください。

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【その他】特定の状況で使える支援制度(死別・困窮・資格取得など)

ここまで紹介した手当や減免のほかにも、状況に応じて利用できる支援制度があります。対象になる人は限られますが、当てはまれば生活を大きく支えてくれます。

状況 使える制度
生活が困窮している 生活保護
配偶者と死別した 遺族年金
資格を取りたい 自立支援教育訓練給付金
資格取得中の生活費が不安 高等職業訓練促進給付金

※遺族年金は、婚姻関係にある配偶者と死別した場合の制度です。離婚後に元配偶者が亡くなっても、原則として本人は対象になりません(子どもに遺族基礎年金が支給される場合はあります)。

それぞれの制度を順に見ていきましょう。

なお、資金が一時的に不足する場合は、母子父子寡婦福祉資金貸付を利用する方法もあります。就学・就職などの資金を無利子または低利で借りられる制度で、詳しくは市区町村の窓口で確認できます。

①生活保護|最低限度の生活を保障する制度

手当を活用し、働いてもなお生活費が足りない場合は、最後のセーフティーネットとして生活保護を利用できます。生活保護は、世帯の収入が国の定める最低生活費を下回るときに、その差額が保護費として支給される制度です。

保護費=最低生活費-世帯の収入

ひとり親世帯には、基本額に加えて母子加算や児童養育加算が上乗せされるため、通常より受給額が手厚くなります。児童扶養手当などを受け取っていても、それを含めた収入が最低生活費を下回れば対象になります。

生活保護は国民の権利であり、利用をためらう必要はありません。 申請は本人が福祉事務所でおこないますが、不安がある場合は弁護士や法テラスのサポートを受けながら進めることもできます。

生活に行き詰まったときは、一人で抱え込まず、まずは福祉事務所に今の状況を話してみてください。

②遺族年金|配偶者と死別した場合に受け取れる

配偶者と死別してシングルマザーになった場合は、遺族年金を受け取れることがあります。

遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があり、亡くなった配偶者が加入していた年金の種類によって、受け取れるものが決まります。会社員だった配偶者が亡くなった場合は、両方を受け取れるケースもあります。

注意したいのは、遺族年金は死別の場合の制度である点です。離婚してシングルマザーになった場合、元配偶者が亡くなっても、原則として本人は遺族年金を受け取れません。ただし、子どもについては遺族基礎年金の対象になる場合があります。

受給できるかは個別の事情で変わります。年金事務所で早めに試算してもらいましょう。

③自立支援教育訓練給付金|資格取得の費用を補助

条件のよい仕事に就くために資格を取りたい場合は、自立支援教育訓練給付金が使えます。対象の教育訓練を受講・修了すると、かかった費用の一部が支給される制度です。支給額は、受講する講座の区分によって変わります。

講座の区分 支給額
一般教育訓練・特定一般教育訓練 受講費用の60%(上限20万円)
専門実践教育訓練 受講費用の60%(修業年数×40万円、上限160万円)
専門実践教育訓練(修了後1年以内に資格取得・就職した場合) 受講費用の85%(修業年数×60万円、上限240万円)

※いずれも支給額が1万2,001円を下回る場合は支給されません。雇用保険の教育訓練給付金を受け取れる人は、その差額が支給されます。

85%まで支給されるのは、専門実践教育訓練の講座を受け、修了後1年以内に資格を取得して就職した場合です。看護師や保育士など、専門資格を目指す長期の講座が該当します。

対象となるのは、20歳未満の子どもを養育するひとり親で、自立支援プログラムの策定などを受けている人です。

注意したいのは、受講前に事前相談と講座指定の申請が必要な点です。講座を申し込んでから相談しても対象になりません。講座選びの前に、その講座が対象になるか窓口で確かめておくと安心です。

④高等職業訓練促進給付金|資格取得中の生活費を支援

看護師や保育士などの資格を取るために養成機関で学ぶ間、生活費を支援してくれるのが高等職業訓練促進給付金です。前項の自立支援教育訓練給付金が受講費用の補助であるのに対し、こちらは修業中の生活費を支える制度です。両方の要件を満たせば併用できます。

世帯の状況 訓練期間中(月額) 最後の12ヵ月(月額) 修了時
住民税非課税世帯 10万円 14万円 5万円
住民税課税世帯 7万500円 11万500円 2万5,000円

※支給期間は修業期間に応じて、上限4年です。

たとえば3年制の看護学校に通う非課税世帯の場合、1〜2年目は月10万円、3年目は月14万円が支給され、修了時にさらに5万円を受け取れます。

対象となる要件

  • 20歳未満の子どもを養育するひとり親
  • 児童扶養手当を受給しているか、同等の所得水準にある(子ども1人なら年収385万円未満が目安)
  • 養成機関で6ヵ月以上のカリキュラムを修業し、資格取得が見込まれる
  • 仕事または育児と修業の両立が困難と認められる

対象となる主な資格は次のとおりです。

  • 看護師・准看護師
  • 介護福祉士
  • 保育士
  • 理学療法士
  • 歯科衛生士
  • 調理師

なお、受給中に所得が基準を超えても、1年間は引き続き対象になります。収入が増えたからといって、すぐに打ち切られるわけではありません。生活費のシミュレーションも兼ねて、早い段階で窓口に相談してみてください。

シングルマザーが手当を申請する方法と受給までの流れ

手当の多くは、申請しなければ受け取れません。離婚成立後にどこで・何を持って・いつ申請すればよいかを、早めに把握しておきましょう。ここでは、申請窓口・必要な書類・受給までの期間・そして早めに申請すべき理由を解説します。

申請窓口は市区町村の役所(子育て支援課など)

手当の申請は、原則として住んでいる市区町村の役所でおこないます。窓口の名称は子育て支援課・こども家庭課・ひとり親相談窓口など、自治体によってさまざまです。

手当の種類によって担当課がわかれているケースもあります。児童手当と児童扶養手当で窓口が違う、医療費助成は別の課、といった具合です。

効率よく進めるには、まず役所の総合案内で「ひとり親の手当をまとめて申請したい」と伝えるのがおすすめです。担当窓口を案内してもらえるほか、自分が使える制度をひととおり確認できます。

申請に必要な書類

申請に必要な書類は手当や状況によって異なりますが、一般的には次のようなものが必要になります。

必要書類 補足
戸籍謄本 離婚の事実がわかるもの
本人確認書類 マイナンバーカード、運転免許証など
振込先口座がわかるもの 申請者本人名義の預金通帳など
所得を証明する書類 前年の所得証明書など

状況によっては、賃貸借契約書や年金に関する書類などの追加提出を求められることもあります。

注意したいのが戸籍謄本です。離婚届を提出しても、戸籍に反映されるまで1〜2週間程度かかることがあります。反映前に請求しても、離婚の記載がない謄本しか取得できません。

必要書類は手当ごとに違います。何度も役所に足を運ばずに済むよう、申請前に電話やホームページで確認し、早めに準備しておきましょう。

申請から初回振込までの期間の目安

手当は、申請して認定を受けたあと、認定された月の翌月分から支給が始まります。

初回の振り込みは、手当ごとの支給月に合わせておこなわれます。児童扶養手当なら奇数月(1月・3月・5月・7月・9月・11月)、児童手当なら偶数月です。そのため、申請から実際の入金までには一定の期間がかかります。

たとえば7月に申請して認定された場合、8月分から支給対象になりますが、実際の振り込みは9月です。書類の準備や審査にも時間がかかります。離婚が成立したら、できるだけ早く申請の段取りを窓口で相談しておきましょう。

離婚成立後はできるだけ早く申請する

手当は、申請した月の翌月分から支給されるのが原則です。過去にさかのぼって受け取ることはできません。手続きを後回しにすると、その間に受け取れたはずの手当を取りこぼしてしまいます。

児童扶養手当を全部支給で受けられる状況なら、申請が1ヵ月遅れるだけで約4万8,000円、半年遅れれば約29万円を失う計算です(子ども1人の場合)。

離婚が成立したら、できるだけ早く役所の窓口で、自分が受けられる手当を確認しましょう。準備で時間がかかりやすいのが戸籍謄本です。本籍地が遠方だと、郵送での請求に1〜2週間かかることも珍しくありません。

ただし、書類が揃うのを待つ必要はありません。まず窓口に相談しておけば、必要な手続きを計画的に進められます。

シングルマザーが手当をもらえない・支給停止になるケース

申請の要件を満たしていても、生活の実態や手続きの状況によっては、手当が減ったり止まったりすることがあります。

ケース 何が起こるか
交際相手との同棲・事実婚状態 受給資格を失う。隠していた場合は不正受給として返還を求められる
現況届の未提出 11月分以降の支給が止まる。2年間提出しない状態が続くと受給権が消滅する

とくに男性との交際は、事実婚と判断されると支給停止につながるため注意が必要です。

見落としやすい2つのケースを、順に解説します。

①彼氏との同棲・事実婚とみなされると支給停止になる

交際相手と同棲などにより事実婚と判断された場合、児童扶養手当は支給停止になります。注意したいのは、住民票を移していなくても事実婚とみなされる点です。生活の実態から判断されるため、次のような状況があると対象になりえます。

  • 交際相手が頻繁に宿泊している
  • 定期的に生活費の援助を受けている
  • 交際相手が自宅の鍵を持っている

自治体の実態調査や、周囲からの情報提供によって発覚することもあります。事実婚の状態を隠したまま受給を続けると、発覚した際に手当の返還を求められ、悪質な場合は不正受給として扱われるおそれがあります。

さかのぼって全額を一括返還することになれば、生活への打撃は大きくなります。交際相手との関係が受給に影響しそうな場合は、自己判断せず、事前に窓口で確認しておきましょう。

事実婚かどうかは、住民票だけで判断されるわけではありません。同居状況や生活費の負担など、生活実態を総合的に見て判断されます。状況に変化があった場合は自治体へ相談することが大切です。

②毎年8月の現況届を提出しないと止まる

児童扶養手当を継続して受け取るには、毎年8月に現況届を提出する必要があります。所得状況や生活実態に変化がないかを、自治体が確認するための手続きです。

現況届を提出しないと、その年の11月分以降の手当が差し止めになります。さらに、提出しないまま2年が経過すると、受給する権利そのものが時効で消滅します。

提出時期が近づくと、自治体から案内が郵送されます。引っ越しをして住所変更を届け出ていないと、この案内が届きません。 転居した際は、忘れずに手続きをしておきましょう。

必要な書類を事前に準備し、毎年8月の提出を確実に済ませてください。

シングルマザーが手当を受け取る前に知っておきたいこと

手当をめぐっては、「もらいすぎではないか」「離婚が成立するまで受け取れない」といった誤解が少なくありません。こうした思い込みから、本来受け取れるはずの手当を申請しそびれてしまう方もいます。

ここでは、検索でもよく見られる2つの疑問を取り上げ、正しい情報を整理します

シングルマザーは手当をもらいすぎは誤解

母子家庭の養育費の受給状況

「シングルマザーは手当をもらいすぎ」という声を見かけることがありますが、これは所得制限や受給条件を知らないことによる誤解です。令和3年度の全国ひとり親世帯等調査をもとに、実態を見てみましょう。

項目 実態
母親自身の平均年間収入 272万円(うち就労収入は236万円)
就業形態 正規48.8%、パート・アルバイトなど38.8%
養育費の受給状況 現在も受け取れているのは28.1%

母子世帯の母自身の平均年間収入は272万円ですが、これは手当や養育費などを含めた金額です。働いて得た収入だけなら236万円にとどまります。

養育費を現在も受け取れているのは28.1%で、7割以上は受け取れていません。多くのシングルマザーが働きながら、ぎりぎりの生活を送っているのが実態です。

また、児童扶養手当は所得が上がると減る仕組みです。手当だけで余裕のある暮らしができるわけではありません。手当や支援は、必要な人のために用意された正当な制度です。条件を満たして受け取ることに、罪悪感を持つ必要はありません。

離婚前・別居中でも受け取れるケースはある

児童扶養手当は離婚成立後に受け取るのが原則ですが、別居中でも受給できる例外があります。

ケース 内容
DV被害による保護命令 裁判所から保護命令が出ている場合は、離婚前でも児童扶養手当の対象になる
配偶者の遺棄・拘禁・生死不明 1年以上の遺棄、法令による1年以上の拘禁、生死が明らかでない場合も対象になりうる

DV被害で避難している場合、離婚が成立していなくても手当を受け取れる可能性があります。該当しそうな場合は、市区町村の窓口に相談してください。一方、単なる別居(離婚協議中)では、国の手当を受けるのは難しいのが実情です。

ただし、別居中は収入の少ない側が多い側に対して、生活費にあたる婚姻費用を請求できます。これは法律上の権利であり、離婚が成立するまでの生活を支える重要な手段です。

離婚前で生活費に不安がある場合は、婚姻費用の請求を検討しましょう。

離婚後の生活不安は弁護士に相談しよう

手当を漏れなく受け取ることに加えて、元配偶者からの養育費や財産分与を確保することが、離婚後の生活の安定につながります。手当には所得制限があり、子どもが18歳になれば支給も終わります。長期的に生活を支えるには、養育費の確保が欠かせません。

お金の確保手段 役割 特徴
各種手当・助成 短〜中期的な生活の支え 所得制限があり、子どもの年齢で終了する
養育費 長期的な子どもの教育費・生活費 算定表をもとに取り決め、毎月受け取る
財産分与・慰謝料 まとまった資金の確保 離婚時に一括または分割で請求する

相手との交渉や手続きに不安がある場合は、法律の専門家である弁護士に相談するのが確実です。

とくに養育費は、記事の冒頭で紹介したとおり、現在も受け取れているのは28.1%にとどまります。 取り決めをしないまま離婚したり、口約束で済ませたりすると、支払いが途絶えるリスクが高くなります。

ここでは、弁護士に相談・依頼するメリットを紹介します。

適正な養育費を確実に確保できる

弁護士に依頼すると、裁判所の算定表に基づいた適正な金額で養育費を取り決め、将来の未払いを防ぐ対策ができます。

弁護士は、相手の収入に応じた適切な金額を算定し、代理人として交渉します。当事者だけで話し合うと、相場より低い金額で合意してしまうケースも少なくありません。

さらに重要なのが、取り決めを法的効力のある形で残すことです。口約束ではなく、強制執行認諾文言付きの公正証書や調停調書を作成しておけば、万が一未払いが起きた際に、相手の給与や預貯金を差し押さえる手続きを取れます。

養育費を安定して確保できれば、児童扶養手当と合わせて、離婚後の生活の見通しが立てやすくなります。

財産分与・慰謝料の交渉を任せて負担を減らせる

護士に依頼すれば、財産分与や慰謝料の交渉を任せられ、精神的にも実務的にも負担を大きく減らせます。養育費以外にも、次のような財産で、まとまった資金を受け取れる場合があります。

  • 財産分与:婚姻期間中に築いた預貯金・退職金など
  • 慰謝料:相手に不貞行為やDVがあった場合に請求できる

これらの交渉には専門知識が必要です。弁護士に任せれば、法的な根拠に基づいて適切な金額を主張できます。さらに、弁護士が窓口になることで、元配偶者と直接やり取りする精神的な負担からも解放されます。

金額の話は感情的な対立に発展しやすく、当事者同士では話し合いが進まないことも少なくありません。費用が気になる場合は、初回無料相談や法テラスの立替制度を利用できる事務所もあります。まずは無料相談から始めてみましょう。

養育費や財産分与は、一度合意してしまうと後から変更が難しい場合があります。離婚条件に不安がある場合は、合意書に署名する前に一度弁護士へ相談することで、将来のトラブルを防ぎやすくなります。

手当の受給漏れも離婚条件もまとめて相談するなら「ベンナビ離婚」

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相談すれば、養育費をいくら請求できるか、財産分与で何を分けられるか、離婚後の生活をどう組み立てるかを聞けます。手当は生活を支える柱ですが、それだけでは足りません。養育費や財産分与を確実に確保することが、長期的な安定につながります。

まずは話だけという段階でかまいません。今の状況でどのような対応ができるか、無料相談で確認してみてください。

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シングルマザーの手当に関するよくある質問

手当の手続きや受給期間など、これまでに扱いきれなかった疑問について、弁護士がお答えします。気になるものがあればぜひチェックしてください。

Q. 児童手当と児童扶養手当は両方もらえる?

両方受け取れます。 名前は似ていますが、まったく別の制度です。児童手当は子どもを育てる全ての世帯が対象で、児童扶養手当はひとり親家庭が対象です。窓口が同じ役所内でも申請書類は異なるため、それぞれ手続きが必要です。

Q. 手当はいつまで(何歳まで)もらえる?

手当によって異なります。児童手当・児童扶養手当・ひとり親家庭等医療費助成は、いずれも原則として18歳到達後最初の3月31日まで(高校卒業の年度末まで)の子どもが対象です。障害のある子どもの場合、児童扶養手当と医療費助成は20歳未満まで延長されます。

Q. 実家暮らしだと手当はもらえない?

もらえないケースがあります。児童扶養手当では、同居する親や兄弟姉妹(扶養義務者)の所得も審査の対象になります。自分の所得が低くても、同居する家族の所得が限度額を超えていると支給されません。

仕組みの詳細は「児童扶養手当はいくらもらえる?金額が決まる条件」で解説しています。

Q. 再婚したら手当はどうなる?

原則として支給の対象外になります。児童扶養手当や自治体のひとり親向け手当は、ひとり親であることが前提の制度だからです。入籍していなくても、事実婚の状態とみなされた場合は対象外になります。

受給資格がなくなったら、速やかに役所へ届け出てください。届け出ずに受給を続けると、返還を求められます。

Q. 収入が増えたら手当はどうなる?

所得が上がると減額され、限度額を超えると支給されなくなります。

手当が減るのを避けるために働く時間を抑える人もいますが、長期的には収入を増やすほうが世帯の生活は安定します。児童扶養手当の一部支給は段階的に減る仕組みで、収入の増加分がそのまま手当の減額分で相殺されるわけではありません。

子どもの成長とともに教育費も増えます。手当はあくまで生活を支える一助と考え、無理のない範囲で収入アップを目指すのがおすすめです。

まとめ|シングルマザーの手当を漏れなく受け取ろう

シングルマザー(母子家庭)が受けられる手当や支援には、児童手当・児童扶養手当・児童育成手当・住宅手当・ひとり親家庭等医療費助成など、さまざまなものがあります。

これらの多くは、自分から申請しないと受け取れません。まずは自分の状況に当てはまる制度を確認し、漏れなく申請して、生活の土台を整えましょう。

制度の内容は自治体によって異なります。調べきれない場合は、お住まいの市区町村の窓口で「ひとり親の手当をまとめて申請したい」と伝えれば、使える制度をひととおり案内してもらえます。

そのうえで、養育費や財産分与など離婚にまつわるお金に不安がある場合は、弁護士への相談も検討してみてください。手当と養育費の両方を確保できれば、離婚後の生活は安定しやすくなります。

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この記事の監修者
東京桜の森法律事務所
川越 悠平 (東京弁護士会)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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