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離婚したら健康保険の切り替えが必要?ケース別で手続き方法を解説

離婚したら健康保険の切り替えが必要?ケース別で手続き方法を解説

「離婚したら、健康保険ってどうなるの?」

「手元にある保険証は使えるのか、子どもの分はどうしたらいいのか」

離婚にともない、さまざまな手続きが発生しますが、そのうちのひとつに健康保険の切り替えがあります。

手続きをうっかり忘れてしまうと、高額な医療費や保険料を請求されてしまう可能性があるため、離婚したら、健康保険の切り替えを忘れずにおこないましょう。

本記事では、離婚後の健康保険はどうするべきなのか、状況に応じた切り替え手続きの方法などを解説します。

「知らなかった」と後悔するのを防ぐためにも、本記事をぜひ参考にしてください。

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目次

離婚後に健康保険の切り替え手続きをしないと医療費が10割負担になることも?

離婚後に健康保険の切り替え手続きをしないと、医療費が10割負担になることもあります。

普段は数千円で済む医療費が数万円ほどになるため、支払いが困難になる方もいるかもしれません。

それでは、離婚後の健康保険の切り替え手続きは、誰がおこなう手続きなのでしょうか。

ここでは、手続きをおこなわないことで起こりうるデメリットについて解説します。

健康保険(保険証)の切り替え手続きは自分でおこなう必要がある

まず、健康保険(保険証)の切り替え手続きは、自分でおこなう必要があります。

離婚したからといって、自動的に手続きがおこなわれるわけではないので気をつけましょう。

日本では「国民皆保険制度」が採用されており、国民全員が公的医療保険に加入しなければなりません。

たとえば、離婚前に配偶者の扶養に入っていた場合、離婚後は扶養が外れます。

そこで健康保険の切り替え手続きをおこなわないと、健康保険未加入(無保険)の状態になってしまいます。

健康保険未加入の状態で病院を受診すれば、医療費が10割負担となります。

しかし、健康保険の切り替え手続きにはある程度の時間がかかります。

切り替え手続きをしたとしても、完了する前に医療機関を受診することもあるでしょう。

その場合、一時的に満額の医療費を支払う必要がありますが、切り替え後に必要な手続きをすれば医療費の7割が返還されます。

また、健康保険の切り替えを忘れて放置してしまうと、未加入期間の保険料をあとからまとめて請求されるかもしれません。

最大2年分に遡って請求されるため、早めに切り替え手続きをしておくほうが安心です。

まずは自分が加入中の健康保険はどちらの種類か確認しよう

健康保険は、大きく分けて2つの種類があります。

加入中の保険によって、手続きの有無や方法も異なります。

切り替えをする前に、まずは自分が加入している健康保険の種類を確認しましょう。

健康保険 (社会保険)| 会社員や公務員などの被用者とその家族が加入

1つ目は、会社員や公務員などの勤め人やその家族が加入している健康保険です。

会社などの組織に雇われている人が加入しているので、「被用者健康保険」とも呼ばれています。

「被用者健康保険」には、組合健保や協会けんぽ、各種共済組合などの種類があり、所属している会社の規模や団体によって加入している健康保険も異なります。

国民健康保険 | 自営業者をはじめ健康保険などの未加入者が加入

2つ目は、国民健康保険です。

国民健康保険とは、自営業者をはじめ、健康保険などの未加入者が加入する公的な保険制度です。

健康保険に加入していない75歳以下の人が、加入の対象となっています。

国民健康保険は各都道府県が運営しているため、保険料も地域によって異なります。

そのほか、前年度の収入や世帯の人数なども考慮して、保険料が算定されます。

保険証を見れば、自分が加入している保険の種類がわかる

自分がどの健康保険に加入しているのかわからないというときは、保険証を確認しましょう。

保険証に記載された情報から、自分が加入している保険の種類を知ることができます。

保険番号で見分ける方法など、保険証での見分け方はいくつかあります。

中でもわかりやすいのが、保険証名で見分ける方法です。

お手持ちの保険証の左上に、保険証名が書かれています。

こちらに「健康保険被保険者証」と書かれていれば、加入中の保険は健康保険(社会保険)です。

一方、「〇〇県国民健康保険被保険者証」と書かれていれば、国民健康保険です。

「共済保険組合組合員証」と書かれていれば、共済組合保険に加入しているということになります。

さまざまな見分け方がありますが、左上の保険証名を見れば一目瞭然です。

加入中の健康保険が知りたい方は、ご自身の保険証をチェックしましょう。

【ケース別】離婚後の健康保険(保険証)切り替え手続きはどうする?

実際に離婚後に健康保険(保険証)の切り替え手続きをおこなうには、どうすればよいのでしょうか。

切り替え手続きの方法は、加入している保険の種類や、加入の状況によっても異なります。

ここからは、離婚後の健康保険(保険証)切り替え手続きの具体的な方法を、ケース別に解説しましょう。

配偶者が勤める会社の健康保険に被保険者として加入していた場合

ご自身が配偶者の扶養に入っており、配偶者が勤める会社の健康保険に被保険者として加入していた場合は、必ず健康保険の切り替え手続きをおこないましょう。

また、手続きの際には「資格喪失証明書」の取得が必要です。

ここでは、離婚後に想定できるパターン別に具体的な手続き方法を解説します。

離婚後は会社員として働き、就職先の健康保険に加入するパターン

1つ目は、離婚後は会社員として働くので、就職先の健康保険に加入するというパターンです。

この場合、取得しておいた「資格喪失証明書」を、新しい会社の人事部などに提出しましょう。

証明書を提出すれば、新しい会社の健康保険への加入手続きを進めてくれます。

離婚後は会社勤めをせず国民健康保険に加入するパターン

2つ目は、離婚後に会社勤めをせず、国民健康保険に加入するというパターンです。

国民健康保険の管轄は各自治体のため、手続きは市区町村でおこなう必要があります。

以前加入していた保険の資格喪失から14日以内に、「資格喪失証明書」をお住まいの市区町村へ提出し、国民健康保険の加入手続きを進めましょう。

離婚後は会社勤めをせず、親などの扶養に入るパターン

3つ目は、離婚後に会社勤めをせずに親などの扶養に入るパターンです。

たとえば離婚後に父親の扶養に入る場合、父親が会社員をしていれば、父親の勤務先の健康保険に加入できます。

その場合は、「資格喪失証明書」を父親の会社へ提出し、手続きを進めてもらいましょう。

ただ、父親が自営業者などで、国民健康保険に加入している場合は注意が必要です。

国民健康保険には、「扶養」という制度がありません。

たとえ世帯を同一にして親の扶養に入っても、国民健康保険は自分自身で加入しなければならないのです。

「会社勤めをせず、国民健康保険に加入するパターン」と同様、前の保険を抜けてから14日以内に市区町村へ「資格喪失証明書」を提出して手続きを進めましょう。

離婚前から被扶養者としてではなく、勤め先の健康保険に加入していた場合

離婚前から被扶養者としてではなく、ご自身の勤め先の健康保険に加入していた場合、新たに保険に加入したり脱退したりする手続きは必要ありません。

フルタイムの共働き夫婦などが、このケースに当てはまるでしょう。

ただ、離婚にともない苗字が変わるのであれば、別途手続きが必要な場合もあります。

勤務先に確認しておきましょう。

また、元配偶者がご自身の扶養に入っていたのであれば、扶養から外す手続きが必要です。

勤務先に伝えて「資格喪失証明書」を発行し、元配偶者へ渡しましょう。

離婚前から国民健康保険に加入していた場合

離婚前から国民健康保険に加入していた場合は、世帯主が誰だったのかによって手続き方法が変わります。

これは、国民健康保険は世帯主が保険料を納める仕組みになっているためです。

離婚前に元配偶者を世帯主とする国民健康保険に加入していたのであれば、新たにご自身を世帯主とした国民健康保険への加入が必要です。

世帯変更などの手続きを、お住まいの自治体の窓口でおこないましょう。

なお、離婚前からご自身を世帯主とする国民健康保険に加入していたのであれば、新たに加入や脱退をする必要はありません。

子どもの健康保険(保険証)も切り替える必要がある

離婚後は、子どもの健康保険(保険証)も切り替える必要があります。

しかし、子どもが元配偶者の扶養に入っていた場合、離婚したからといってすぐに保険証が使えなくなるというわけではありません。

たとえ離婚しても、元配偶者は子どもの扶養者です。

そのため子どもは、元配偶者の扶養家族として健康保険に加入し続けることも可能です。

この場合、子どもの健康保険の利用通知は、扶養者である元配偶者に届くことになります。

ただ、ご自身が子どもを引き取ることになったのであれば、子どもが元配偶者の扶養に入ったままだと、手続き時に元配偶者と連携をとる必要があり、不便を感じることが予想されます。

離婚後に元配偶者に連絡を取りたくない、手続きを自分だけでスムーズにおこないたいのであれば、子どもを元配偶者の扶養から外し、新たな健康保険への加入手続きをおこないましょう。

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国民健康保険の保険料を支払うのが困難な場合は減免される場合も?

国民健康保険の保険料は、一般的な健康保険よりも高額になる傾向にあります。

離婚後、経済的に余裕がなく、保険料の支払いが困難な場合はお住まいの市区町村に相談してみましょう。

保険料の減額や免除といった措置をとってもらえる可能性があるため、支払いが困難だからといって、一方的に支払いを拒否するのは避けましょう。

保険料の滞納が続くと、延滞金が発生する、医療費が全額負担になるなどのデメリットがあります。

また、長きにわたり滞納が続くと、財産を差し押さえられてしまうおそれもあります。

国民健康保険の支払いが困難だと感じたら、早めに市区町村へ相談しましょう。

離婚後の健康保険についてよくある質問

ここからは、離婚後の健康保険について、よくある質問を3つ紹介します。

離婚した後、切り替えしないまま今まで使っていた保険証を使ったらどうなりますか?

健康保険の切り替えをせずに今までの保険証を使用してしまった場合、かかった医療費を返還しなければなりません。

元配偶者の扶養に入っていた場合、扶養から外れると保険証は無効となります。

無効にもかかわらず使用したことが発覚した場合には、かかった医療費の全額を後日支払わなければなりません。

健康保険の切り替え手続きには数日かかりますので、高額な医療費の支払いを避けるためにも、早めに手続きをおこないましょう。

病院を受診したいのに、健康保険の切り替えが間に合わない場合どうすればいいですか?

健康保険の切り替え手続き中に病院を受診することになった場合、かかった医療費は一旦全額負担しなければなりません。

切り替え手続き中は、いずれの保険にも加入していない無保険状態となります。

そのため、新たな保険証が届くまでの間、医療費は基本的に全額負担となります。

ただし、新たな保険への加入が完了したら、別途手続きをすることでかかった医療費を還付してもらうことも可能です。

健康保険切り替え手続き中にやむなく病院を受診したら、後日医療費の還付請求を忘れずにおこないましょう。

離婚後もしばらく元夫と同居しますが、元夫の扶養に入ったままでもよいですか?

離婚したのであれば、たとえ同居していても他人同士です。

戸籍上何のつながりもないですし、元夫の扶養に入ることもできないため、健康保険の切り替え手続きが必要です。

同居しているからといって離婚後に健康保険の手続きをしなければ、無保険状態となります。

医療費は全額負担となるので気をつけましょう。

さいごに | 離婚問題で困ったことがあったら弁護士に相談を!

離婚問題は、健康保険を始めとした手続きや、決めなければならないことがたくさんあります。

まず何から始めたらいいのかわからないという場合は、弁護士に相談しましょう。

離婚問題に慣れている弁護士なら、状況に応じた手続きの流れや方法を教えてくれます。

慣れない離婚手続きに混乱してしまうこともあるかもしれませんが、法律の専門家である弁護士は、困った時に頼もしいパートナーになってくれるはずです。

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この記事の監修者
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川越 悠平 (東京弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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