ホーム > 離婚コラム > 慰謝料 > 有責配偶者とは|離婚請求が認められる条件と離婚回避の対策
キーワードからコラムを探す
Sidebar writer recruit
2019.7.2

有責配偶者とは|離婚請求が認められる条件と離婚回避の対策

銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士
監修記事
Yuuseiki
「慰謝料」が得意な弁護士に相談して悩みを解決
「慰謝料」が得意な弁護士に相談して悩みを解決!

お悩み内容から探す

Free consult btn
この記事のPOINT
 こんなことがわかります
  • 有責配偶者とは、離婚の原因を作り、結婚生活を破たんさせた配偶者のことをいいます。
  • 有責配偶者からの離婚請求は原則認められていません。
  • 夫婦の別居期間がかなり長期間になる場合は、離婚が認められることがあります。
  • 有責配偶者から離婚を切り出されたが、離婚をしたくない方は今後の対策について弁護士に相談しましょう。
有責配偶者が弁護士に相談するメリット

有責配偶者からの離婚請求はお伝えした通り、困難です。また、離婚をしたくないと主張しても、認められる可能性があります。

有責配偶者だけど、離婚したい」あるいは「離婚したくない」とお考えなら、弁護士に相談すべきです。弁護士に相談することで、

離婚したい人

・パートナーに離婚を認めさせる方法を提案してもらえる

・慰謝料が減額できるか知ることができる

離婚したくない人

確実ではありませんが、離婚に至らずに済む方法を提案してもらえるかもしれません。

離婚弁護士ナビなら、平日19時以降相談可能、無料相談を受け付けている弁護士事務所も掲載しています。人に知られたくない方は、近くの地域で相談することもできます。こちらからご相談ください。

用語解説
有責配偶者とは(ゆうせきはいぐうしゃ)
有責配偶者とは、離婚の原因を作り、結婚生活を破たんさせた配偶者のことをいいます。

結婚生活を破たんさせる行為としては、不倫をしたり、暴力をふるったりといったことが挙げられるでしょう。

一般的に、有責配偶者が自ら離婚したいと請求することは、人道上認められない(CLEAN HANDSの原則)とされています。そのため、有責配偶者からの離婚請求によって裁判で離婚が成立することは、原則、ありません

ただし、近年ではその傾向が変化し、有責配偶者からの離婚請求が例外的に認められるケースが増えてきています。

この記事では、有責配偶者から離婚の請求をされているけれど、離婚を回避したいという人に向けて、有責配偶者からの離婚請求が例外的に認められてしまうケースや離婚を回避する方法について解説します。

有責配偶者とは

有責配偶者とは、離婚の原因を作った人であるとお伝えしました。では、離婚の原因には、一体どのようなものがあるのでしょうか?

実は、民法( 第770条 )では、裁判で離婚が認められる原因が定められています。

そして、この民法で決められた離婚の原因(法定離婚事由)を作った人を有責配偶者というのです。具体的な内容は次の表のとおりです。

離婚の原因

内容

不貞行為

配偶者以外の人と自由意思で性行為をすること

悪意の遺棄

配偶者と生活の協力や扶助、同居をしないこと

生死が3年以上不明

最後の音信、消息があった時から起算して3年経過しているか、生死不明であるという客観的な証拠があること

強度の精神病を患らい回復の見込みがない

早発性痴呆、麻痺性痴呆、偏執病、初老期精神病などにかかり、回復の見込みがないこと

その他婚姻を継続しがたい重大な理由

DV、長期間の別居、性の不一致、犯罪での服役など

もし、上記5つのうちどれかに当てはまっているなら、有責配偶者であるといえます。

関連記事

▶ 法定離婚事由とは|裁判離婚で必要な5つの条件

▶ 不貞行為とは結局どこから?不貞となる行為と離婚時に立証する証拠

▶ 悪意の遺棄となる行動と獲得できる慰謝料の相場

▶ 3年以上の生死不明とは|離婚に関する基礎知識

▶ その他婚姻を継続しがたい重大な事由|離婚に関する基礎知識

有責配偶者からの離婚は原則認められない

有責配偶者が協議離婚で配偶者と話し合いの場を設けることや、調停離婚を申し立てることは可能です。


しかし、離婚原因を作っている本人が、自分の都合で相手に離婚を求めることは、裁判所は原則的としてこれを許さない傾向にあります。

そのため、調停でも調停員が相手配偶者に離婚を強く勧めてくれることは考えにくいですし、訴訟に至った場合に離婚が認められる可能性はほとんどありません


これは、有責配偶者からの離婚請求は信義誠実の原則に反し、相手配偶者は婚姻関係を破たんさせられたうえで離婚まで認められては踏んだり蹴ったりで、公平を失するという裁判所の伝統的な考え方によるものです(実際、この考え方に基づいて離婚を認めない裁判例は数多くあります)。

常識的にも受け入れやすい考え方ですね。

ただし、当然ですが、協議、調停、訴訟において、相手配偶者が離婚に合意すれば、有責配偶者からの離婚の申し入れであっても離婚は成立します。要は、合意が必要だということです。

有責配偶者からの離婚請求が認められる条件

有責配偶者からの離婚請求は、原則として認められませんが、次の3つの条件をすべて満たした場合、例外的有責配偶者からの離婚請求が認められる傾向にあります

有責配偶者からの離婚請求が認められる条件
  1. 夫婦の別居期間が、それぞれの年齢や同居期間を比較してかなり長期間になる場合
  2. 当事者の間に未成熟の子供がいない場合
  3. 配偶者が離婚によって過酷な状況におかれない場合

ここでは、それぞれの内容について詳しく解説します。

①:夫婦の別居期間が、それぞれの年齢や同居期間を比較してかなり長期間になる場合

夫婦の別居期間がかなり長期に渡る場合は、そもそも結婚生活が完全に破たんしており、かつ修復の可能性もないため、敢えて離婚を認めないとすることは、相手配偶者の利益にならないですし、実態にもそぐわないと評価される可能性があります。


しかし、この「かなり長期」の期間は、当事者や裁判所の判断によって異なります。

これまで有責配偶者からの離婚請求が認められた判例での別居期間は、35年・22年・16年・10年などまちまちで、最短の例は6年間です。

別居期間が同様の事例であっても、これ以外の理由から離婚が認められない場合もあります

つまり、実際の別居年数だけが問題なのではなく、有責配偶者の責任に対する対応や当事者の間にある諸事情などが総合的に判断されるのです。

②:当事者の間に未成熟の子供がいない場合

子供が未成熟の場合には離婚を認めないとされています。これは、離婚後の子供への悪影響を考慮してのことでしょう。ただし、未成熟の子供とは、必ずしも年齢が判断基準になるわけではありません。


20歳未満でも結婚や仕事をしている子供もいれば、逆に20歳を超えても学生である場合や障害を抱えている場合など、親のサポートがなければ自活できない子供もいます。


実際に、2004年に下された判決では、高校2年生の子供がいる有責配偶者からの離婚請求が認められています。

このケースでは、夫婦の別居期間が約14年間と長期間に渡り続いており、その間有責配偶者がかかさずに養育費を毎月払い続けていたことが、こうした判決につながったと考えられます。

③:配偶者が離婚によって過酷な状況におかれない場合

有責配偶者の離婚請求が認められるには、離婚することによって、相手配偶者が精神的・社会的・経済的に大きなダメージを受けないことも条件となります。


離婚しても相手配偶者の生活が苦しくならない状況にあるか、離婚を認めても相手配偶者が精神的・経済的に過酷な状況に置かれないかが重要視されるのです。


なお、有責配偶者の収入によって家族の生活が支えられていた場合は、有責配偶者による継続的な経済的援助が必要だとされています。

どのような状態が『過酷な状況』かについても、やはりケースバイケースといえますが、財産分与や慰謝料などにより相手配偶者が離婚後に無理なく生活できる目途がある場合は、有責配偶者からの請求であっても離婚が認められる可能性はあるかもしれません。
 

【おすすめ】

離婚について相談したい男性必見!相談しやすい窓口とよくある離婚問題

有責配偶者からの離婚請求が認められる意義

有責配偶者からの離婚請求についてリーディングケースとなった最高裁判所の判例は昭和62年の9月2日の判例です。

有責配偶者からされた離婚請求であっても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて許されないとすることはできないものと解するのが相当である。

引用: 裁判所|昭和62年9月2日 最高裁判例

この判例の意義は、婚姻関係の事実を重要視するようになったことだといえるでしょう。

つまり、結婚の本質的な部分は、夫婦が死ぬまで精神的、肉体的につながりをもって共同して生活を営むことにあり、夫婦の少なくとも一方がそのような生活をする意思がなくなり、結婚生活が破たんしていて回復する見込みもない場合には、離婚する方が自然である、と考えられるようになったのです。

簡単に言えば、結婚生活が破たんした原因やその責任を問うよりも、結婚生活が破たんしているなら、離婚したほうが自然だと判断されるようになったということです。

ただし、破たんの事実を重視するようになったといっても、理不尽な離婚は認められません

結婚生活の破たんの面で非がない配偶者は、『信義誠実の原則(相互に相手の信頼を裏切ってはならないという法律の原則)』によって、これからも保護されるはずです。

簡単に有責配偶者からの離婚請求が認められることはないでしょう。

離婚を防ぐためにできること

有責配偶者からの離婚を切り出されたが、絶対に離婚したくないという場合は、どうしたらいいでしょうか。具体的には次の3つが挙げられます。

離婚を防ぐためにできること
  1. 離婚が認められる条件を満たさないようにする
  2. 離婚カウンセラーに相談する
  3. 弁護士に相談する

それぞれの内容について詳しく見てみましょう。

①離婚が認められる条件を満たさないようにする

有責配偶者からの離婚が認められる条件の1つが、長期の別居です。

そのため、別居を思いとどまらせたり、別居しても頻繁に交流を持ったりするなどして、婚姻関係が破たんしていると認められないような事実を作るよう努めてください

これによって、離婚が避けられることもあるでしょう。

ただし、『未成熟の子供がいない』、『結婚後に過酷な状況にならない』の2つの条件に関しては、コントロールが難しいといえます。

子供はいずれ成熟することが考えらえますし、有責配偶者が慰謝料や財産分与、養育費などをあなたに十分支払うと約束し、それが確実に守られる目処が立っているならば、上記2つの条件に関しては満たしていると裁判所に判断されかねません。

②離婚カウンセラーに相談する

離婚カウンセラーとは、夫婦間の問題を解決するプロフェッショナルです。夫婦の心理にも精通しており、夫婦関係改善のためのサポートを行います。


根本的に離婚を回避する方法は、あなたのパートナーに離婚の意思がなくなることです。離婚カウンセラーに相談し、いろいろな対策を打つことで、パートナーが心変わりすることもあるかもしれません。


ただしカウンセラーは、調停を申し立てるなどの具体的なお手伝いができないので、留意してください。

【関連記事】

妻と離婚したくない夫が避けるべきNG行動5選と夫婦関係を修復させる方法

夫と離婚したくない妻がすべき行動と関係修復に使える円満調停とは

③弁護士に相談する

最終的に裁判となった場合、弁護士への相談は必要不可欠です。

この記事で紹介した3つの条件にあてはまれば離婚が成立する可能性がありますが、弁護士に相談し、事前にさまざまな対策を打つことで離婚を避けられるかもしれません。

いずれ裁判で離婚が認められてしまうのであれば、今、あなたに有利な条件で離婚するという選択肢にも目を向けることができるでしょう。

協議や離婚調停では、あなたが合意しないかぎり離婚が成立しないので、あなたは非常に有利な立場にあります。

ただし、離婚成立のために有責配偶者と交渉しなければなりませんし、離婚後に慰謝料や養育費などの条件が必ず守られるともかぎりません。


弁護士が間に入り、あなたに代わって交渉することで、よりよい条件を獲得できる可能性も高まりますし、法律的に有効な書面を作成してもらうことで、慰謝料などが支払われないといったリスクも未然に防げるのです。

【関連記事】

離婚弁護士の選び方マニュアル|優秀な弁護士を選ぶ8つのポイント

離婚に必要な弁護士費用はいくら?支払う際の3つの注意

まとめ

有責配偶者からの離婚請求は、原則認められません。仮に裁判になったとしても、離婚が成立するには厳しい条件が設けられています。

ただし、まったく離婚請求が認められないというわけではありません。

離婚を防ぎたい場合のみならず、将来の離婚成立を見据えて、今、有利な条件での離婚を考えるためにも、一度弁護士に相談するとよいでしょう。

今すぐ相談できます。

有責配偶者であっても、パートナーが有責配偶者である場合でも、まず弁護士に相談することをおすすめします。

有責配偶者の場合は、離婚の手順を知ることができますし、依頼すればパートナーと交渉してもらえます。

パートナーが有責配偶者の場合、事前に相談しておくことで、いざ離婚となった際に有利な条件で離婚できる可能性が高まるでしょう。

離婚弁護士ナビなら、無料相談を受け付けている弁護士事務所もちろん、19時以降に相談可能な弁護士事務所も掲載しています。

地域別・お悩み別でも探すことができますし、人に知られたくないという方は近隣の地域で相談することもできます。

まずは、下記からご相談ください。

10秒で検索!離婚・男女問題が得意な弁護士を検索
お住まいの都道府県を選ぶ
お悩みの問題を選ぶ
弁護士を検索する
離婚弁護士への依頼に備える弁護士費用保険

離婚問題を弁護士依頼すると、事務所にもよりますが50~100万円ほどの弁護士費用がかかります。いざ弁護士が必要になったとき、弁護士費用が払えなくて泣き寝入りすることも…。

そんなときに役立つのが弁護士費用保険メルシーです。

Cta_merci
  • 離婚したいけれども相手が応じず離婚できない
  • 養育費を払ってもらえなくなった
  • 不倫相手に慰謝料を請求したい

弁護士費用保険メルシーでは、このようなことが起き、弁護士へ解決を依頼したときの費用(着手金・報酬金)が補償されます。

離婚トラブルだけでなく、子供のいじめ、労働問題、相続トラブル等でも利用することができます。

保険料は月額2,500円。追加保険料0円で子供や両親も補償対象になります。

より詳しい内容について知りたい方は資料を取り寄せてみましょう。

弁護士費用保険メルシーに無料で資料請求する

KL2020・OD・037

この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
男女問わず不倫問題全般を得意とし、円満解決の実績もあり。不倫が原因の男女トラブル、離婚慰謝料の請求や親権獲得など、幅広い相談に対応している。

慰謝料に関する新着コラム

慰謝料に関する人気のコラム

編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

慰謝料コラム一覧へ戻る