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回復の見込みのない精神病|離婚に関する基礎知識

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
回復の見込みのない精神病|離婚に関する基礎知識

回復の見込みのない強度の精神病は、民法770条第1項で定められた法定離婚原因のひとつです。

配偶者の精神的疾患が非常に強く、かつ回復の見込みがない場合、法定離婚原因として認められます。

 

しかし、夫婦というのは、基本的にお互いに協力し支え合わなければならない義務があります。それは精神病にかかってしまった場合も同様です。

精神病の程度と回復の見込みについて専門医の診断を得た上で、精神病を患った配偶者の離婚後の生活についてある程度の見込みを立てる必要があります。
 

アルコール中毒、薬物中毒、劇物中毒、ヒステリー、ノイローゼといった状態は健康に関するもので精神病ではなく、法定離婚原因としては認められないため、裁判ではなく協議もしくは調停で離婚手続きを続けることが重要です。

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この記事に記載の情報は2023年11月15日時点のものです

回復の見込みのない強度の精神病と認められるもの

回復の見込みのない強度の精神病と認められるものには、以下のような病名があげられます。

  • 統合失調症

  • 早発性痴呆

  • 麻痺性痴呆

  • 偏執病

  • 躁鬱病

  • 初老期精神病

  • 認知症

  • アルツハイマー病

  • 重度の身体障がい者


専門医の意見や診断書を提出する必要ですが、このような症状に当てはまる場合は、離婚を認められる可能性が高いと言えます。
 

ただし、回復の見込みのない強度の精神病を理由に、裁判で離婚を認めてもらうには、これまでの治療経過や入退院の回数・期間などについての説明も必須です。

その他にも、今までの看護経過や離婚後の治療内容、離婚した後の日常生活は誰が面倒を見るのか等も裁判の判決を左右する条件となります。

なぜなら、離婚するという判決を出してしまうことで、病人が適切な治療を受けられなくなってしまうだけではなく、実家の親族に負担を押し付けたりすることになってしまう可能性があるからです。

 

そのため、誠実な看護を行ってきた事実や病人への将来的な配慮があるかも判断基準のひとつになります。

なお、法律で認められてはいますが、実際問題この離婚事由での離婚はかなり難しく判例自体もかなり少ないのが実情です。


昭和45年に最高裁判所で、回復の見込みのない重大な精神病で離婚を認めた判例が出ました。

認められた要因は、病人の実家が資産家で申し立て人も将来の治療費を払い続けることを表明していることなどが総合的に鑑みられ、非常に稀なケースとして離婚が認められました。

ご自身のケースが該当するかどうかは、弁護士に相談することをおすすめします。

回復の見込みのない強度の精神病と認められないもの

一方で、以下のようなケースでは回復の見込みのない強度の精神病として認められない可能性があります。

  • アルコール中毒

  • 薬物中毒

  • 劇物中毒

  • ヒステリー

  • ノイローゼ

  • 精神衰弱

このようなケースでは、回復の見込みのない強度の精神病とは認められません。しかし、婚姻を継続しがたい重大な事由として主張することは可能なケースもあります。

また、裁判では認められませんが協議離婚や離婚調停では、上記のような理由でも離婚できるため、話し合いで離婚手続きを進めることがポイントです。

相手が精神病を患っており、どう接したらいいのか、自分もストレスでおかしくなりそうな人は、まずメンタルカウンセリングを受けてみることをおすすめします。

相手に判断能力がない場合

離婚の裁判では相手側も出頭し主張を行うことが必要ですが、この離婚事由に該当する場合はそれだけの判断能力がないケースも散見されます。

その場合、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらい訴訟を起こす必要があります。成年後見人には親、兄弟姉妹などが選ばれることが多いようです。

まとめ

重度の精神病は、相手側に原因があるとはいえ、相手側も望んで精神病になったわけではありません。容易に離婚を認めてしまうケースが多発すると人権の問題にも発展しますし、自分勝手な人間からの主張を認めるべきではないという見解もあります。

離婚事由として、独立したものではありますが実際にはその他の事情なども含めて総合的に判断されるため、この離婚事由のみで離婚が認められるケースは少なく裁判所自体もあまり積極的ではありません。また、相手の親族ともよく相談することが重要です。

どうしても離婚したい場合、この他にも離婚に至る原因などの準備が必要になるでしょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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