夫がEDであるという理由だけで一方的に離婚をすることは難しいでしょう。しかし、EDをきっかけとして夫婦間の信頼関係が喪失されてしまったような特別なケースであれば、法定離婚事由があると評価され、離婚できる可能性もあります。まずは、あなたのご状況をお聞かせください。
EDの夫と離婚したい!辛い!|離婚理由になる?あなたが考えるべき事とは


「夫のEDを理由に離婚を考えるのは、夫が可愛そう…」
「だけど、EDでセックスレスになっているこの状況は耐えられない…」
夫のED(※)が原因で離婚を考えるというケースもあるそうです。
※ED=勃起不全のことで、勃起機能が低下している状態。専門的には「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない、もしくは勃起状態を維持できない症状が継続すること」とされています。勃起が起こらないケースはもちろんのこと、硬さが不十分だったり、勃起状態が維持できなかったりというケースもEDとされています。 【参考】EDケアサポート/旭川泌尿器科クリニック |
この記事では、EDを原因に離婚を考えてしまう妻側の心理、そもそもEDを理由に離婚できるのかどうか、慰謝料の支払は発生するのかについて解説します。
また、EDを理由に離婚を決意する前に考えてほしいことについてもお伝えしますので、離婚するかどうか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
EDの夫と離婚したいと思う女性の心理
EDが原因でセックスレスになっている状態はとても辛いですよね。セックスだけがすべてではないとは理解しつつも、やはり大切なコミュニケーションが取れていない気がしてしまうと思います。ここでは、EDの夫と離婚したいと思ってしまう女性の心理について解説します。
【関連記事】セックスレスが原因で離婚したい人が知るべき3つの知識
「愛されている自覚が持てない」
セックスは子供をつくるための行為であると同時に、愛情を確認し合うという意味でも夫婦間で大切なコミュニケーションの一つです。
セックスを通して相手からの愛情を感じ取っている女性も多いですよね。EDが原因でセックスレスになってしまうと、この愛情確認ができなくなってしまうので、愛されている実感が持てずにどんどん夫から心が離れてしまうこともあるかもしれません。
「性欲が満たされない」
性欲が強いのは男性だと思われがちですが、女性でも性欲が強い人もいますし、性欲が強くなる期間があります。
特に、女性の性欲は30代から40代にかけてピークが来ると言われていますので、EDの夫とセックスレスになってしまうと、妻も苦しい思いをしてしまうこともあるかもしれません。
「子供が欲しいのにできない」
子供を作らずに夫婦二人の生活を満喫しているカップルも増えていますが、やはり愛して結婚した男性との子供を作りたい、育てたいと考えている女性は多いでしょう。
夫がEDでは子供を作れる可能性が格段に下がってしまいます。子供が欲しいと考える女性からすれば、離婚して他のパートナーを見つけたほうがいいのではと考えてしまうのも無理はないでしょう。
EDだけを理由に一方的に離婚するのは難しい
夫婦が離婚に同意する「協議離婚」であれば、どのような理由でも離婚可能です。しかし、一方が離婚を拒否する場合は最終的に裁判所が離婚を可としない限り、一方的な離婚はできません。
そして、裁判所が離婚を可とするかどうかは、以下のような法定離婚事由があるかどうかがまず問題となります。
- 配偶者に不貞な行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
夫のEDが原因でセックスレスになっている場合は、5つ目の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するかどうかの問題です。一般的には、EDだけで婚姻を継続しがたいと判断されることはまずありません。したがって、相手がEDであるという理由限りで一方的に離婚することは難しいと言わざるを得ません。
もっとも、相手の性的不能により、夫婦の性生活が全くなく、その改善に向けた努力や協議も一切行われない状況が長年に亘り継続し、夫婦間の信頼関係が喪失されてしまったような特別なケースであれば、法定離婚事由があると評価される可能性はゼロではないと思われます。
【関連記事】離婚時に必要な5つの離婚事由|裁判離婚で必要な法的理由
慰謝料の支払いについて
EDを理由に離婚することは基本難しいことは既にご説明しました。これは慰謝料の請求も同じです。
離婚慰謝料は夫婦関係の破綻に有責な相手配偶者に対して請求するものですが、相手がEDであるという理由だけで直ちに有責ということにはなりません。
むしろ、相手がEDであることを責め立て、これが離婚のきっかけとなったような場合は、むしろ責め立てた妻側に慰謝料支払義務が認められる可能性すらあります。
一方、EDである夫との間で、今後の治療や夫婦生活について協議を求めたにも拘らず、夫が激高したり無視したりと一方的にこれを拒絶し、問題の解決に至らず、結果として夫婦関係が破綻したという場合、夫には夫婦関係の破綻に責任があるといえそうです。
この責任はEDであることによる責任ではなく、EDを乗り越えるために夫婦間で協力する義務を怠ったことによる責任です。このような場合は、夫側に慰謝料支払義務が認められる可能性はあります。
EDを理由に離婚する前に考えてほしいこと
EDを理由に離婚をする前に考えてほしいことがあります。離婚した後に「大切な人を失ってしまった」と後悔しないよう、一度立ち止まって考えてみてくださいね。
EDを治療できないかどうか
EDは病気なので、治療することが可能です。最近はED治療を専門にしているクリニックも増えてきていますし、治療方法もその人に合わせて行ってくれます。
もちろん、治療にはお金と時間がかかりますが、治療して一緒に乗り越えていけないかを話し合ってみてもいいのではないでしょうか。
体外受精できないか
どうしても子供が欲しい場合、体外受精や人工受精できないかを考えてみてもいいと思います。
EDは病気ですので、EDが原因でセックスレスになってしまっていることを病院で告げれば一番適した方法を提案してくれるでしょう。
※人工受精や体外受精で子供をつくる場合は、事前にお互いの卵子と精子が正常に働いていることを確認しておきましょう。
セックス以外の魅力は夫にないのか
セックスは夫婦にとって大切なコミュニケーションであることに違いはないのですが、それがすべてでもありません。夫との生活でセックス以外の魅力を考えてみてください。
一緒にいて居心地がいい、一緒にいると安心する、一緒にいるといつも笑っていられる、など人間的な魅力がたくさんあるはずです。
それらの魅力と、セックスレスになっている状況を天秤にかけてみて、本当に離婚すべきかどうかじっくりと考えてみてもいいと思います。
EDを理由に離婚を考えている方の相談窓口
もし実際に離婚することになった場合は誰に相談しながら進めていくのがいいのでしょうか。財産分与などの金銭的な問題もあるため、自分たちだけで進めるよりも法律の知識がある専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。
夫婦カウンセラー
夫婦カウンセラーや離婚カウンセラーは、離婚を進めていくうえでのアドバイスをくれるだけでなく、離婚せずにどうしたらいいか悩んでいる方に対しても適切なアドバイスをくれます。
場合によっては別の専門家を紹介してくれたりと、夫婦二人が第二の人生を円滑に始められるようにあらゆるサポートをしてくれます。
【おすすめ記事】
離婚アドバイザーとは|よくある離婚相談と活用すべき8つのケース
弁護士
弁護士は法律のプロですので、法的なアドバイスをくれるのはもちろんのこと、法律の知識がないと難しい手続きなどもスムーズに行ってくれます。
財産分与や親権問題、養育費の請求などもすべて法律の知識がないとできないので、弁護士に相談し手一任するのが賢明でしょう。
初回相談無料の法律事務所も増えてきていますので、自分に合った弁護士を見つけてくださいね。
まとめ
EDを理由に離婚できることはおわかりいただけたと思います。セックスレスについてちゃんと話し合いに応じてくれなかったり、ED治療に対して非協力的だったりした場合は離婚を考えてもいいでしょう。
しかし、離婚した後に「いい人を逃してしまった」と後悔しないよう、あなただからこそ見える夫の魅力について今一度目を向けてみてくださいね。


不動産の売却が伴う離婚のご依頼は、着手金0円で依頼可◎|【マイホームやマンション、土地などを売り、大きな財産を獲得したい方へ】不動産売却に注力してきた弁護士が、密な連携でサポートします【初回面談0円】
事務所詳細を見る
不動産の売却が伴う離婚のご依頼は、着手金0円で依頼可◎|【マイホームやマンション、土地などを売り、大きな財産を獲得したい方へ】不動産売却に注力してきた弁護士が、密な連携でサポートします【初回面談0円】
事務所詳細を見る
【不倫慰謝料/協議/財産分与/国際離婚(中国)/養育費/別居】など幅広く対応!<多額の財産分与・慰謝料・婚姻費用(養育費)を請求したい・請求された方/相手が資産をお持ちの方/離婚を決意した方>【初回相談:1時間無料】
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡

離婚原因に関する新着コラム
-
岐阜で浮気調査を行いたい方へ岐阜の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、岐阜で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてください。
-
滋賀で浮気調査を行いたい方へ茨城の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、滋賀で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてください。
-
岡山で浮気調査を行いたい方へ岡山の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、岡山で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてください。
-
群馬で浮気調査を行いたい方へ群馬の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、群馬で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてください。
-
兵庫で浮気調査を行いたい方へ兵庫の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、兵庫で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてください。
-
茨城で浮気調査を行いたい方へ茨城の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、茨城で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてください。
-
千葉で浮気調査を行いたい方へ千葉の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、千葉で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてください。
-
和歌山で浮気調査を行いたい方へ和歌山の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、和歌山で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてくだ...
-
山梨で浮気調査を行いたい方へ青森の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、青森で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてください。
-
青森で浮気調査を行いたい方へ青森の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、青森で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてください。
離婚原因に関する人気コラム
-
本記事では、離婚の主な原因や離婚を回避するための対応策、離婚したくない時のNG行動などを具体的に解説します。
-
本記事では、日本の離婚実態を知るためにも、様々な角度からどのような夫婦が離婚しているのか解説します。
-
セックスレスが原因で離婚に至ってしまうこともあります。また、セックスレスが深刻になり、不倫などに発展してしまうこともあるでしょう。この記事では、セックスレスにな...
-
うつ病を理由とした離婚は認められるのでしょうか?この記事では、うつ病を理由とした離婚が認められる場合と、法定離婚事由、うつ病になった側からの離婚、うつ病を理由に...
-
産後クライシスになると、「育児ノイローゼ」や「産後ブルー」となり、夫婦仲に悪影響を及ぼすことも考えられ、最悪の場合離婚してしまう可能性もあります。そこで今回は、...
-
離婚前に別居するのは状況によってとても有効な方法です。ただし、必要期間や別居前に知っておくべきことを頭に入れておかないと、損をしてしまう可能性があります。この記...
-
夫や妻から突然離婚を切り出されたときに離婚したくない場合、どうすればよいのか、わからなくなってしまう人もいるでしょう。本記事では、離婚を回避するために今すぐすべ...
-
今回の記事では、男女によって異なる離婚したいと思う時を比較し、相手の性格別にオススメする離婚の伝え方、そして具体的な離婚の手順を紹介します。
-
【性格の不一致】とは何かを徹底解説!離婚したいという方の8割は「特に理由もない」というのが現状で、離婚原因ランキングの1位となっています。この記事では、性格の不...
-
離婚したいけど相手がなかなか同意してくれず、別居に踏み切る人も多いでしょう。では、どれくらいの期間にわたって別居を行えば法的な離婚理由として認められるのでしょう...
離婚原因の関連コラム
-
兵庫で浮気調査を行いたい方へ兵庫の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、兵庫で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてください。
-
ナシ婚とは結婚式を行わないことです。定番の流れと違い、結婚式を行わない夫婦が増えているという変化が起こっているのをご存知でしょうか?
-
滋賀で浮気調査を行いたい方へ茨城の探偵事務所を紹介します。探偵事務所ごとの特徴・料金をまとめているので、滋賀で探偵事務所を探している方はぜひ参考にしてください。
-
一般的に、新婚なのに離婚してしまった、結婚してまだ5年も経っていないのに離婚してしまったことをスピード離婚といいます。幸せな結婚をしたにもかかわらず、スピード離...
-
本記事では、離婚の主な原因や離婚を回避するための対応策、離婚したくない時のNG行動などを具体的に解説します。
-
夫婦どちらかが離婚を考えるきっかけのひとつが「借金」の問題です。そこで今回は、配偶者の借金が原因で離婚を考える際に知っておくべきことを紹介します。
-
大変な子育てを離婚してひとりで行うことはより大変でしょう。では、どのように障害児の育児と向き合い、離婚を回避すればいいのでしょうか。
-
深刻なセックスレスを理由に離婚に至る夫婦もいます。しかし、離婚後に後悔するケースも…。この記事では、セックスレス離婚で後悔するケース、後悔しないために大切なこと...
-
産後クライシスになると、「育児ノイローゼ」や「産後ブルー」となり、夫婦仲に悪影響を及ぼすことも考えられ、最悪の場合離婚してしまう可能性もあります。そこで今回は、...
-
婚姻を継続し難い重大な事由は、民法770条第1項で定められた法定離婚原因のひとつです。夫婦関係が破綻し関係回復が不可能なとき、裁判所がその事情を個別に検討して離...
-
既婚者なら誰しも「この結婚は失敗だった」と感じることがあるのではないでしょうか。この記事では、結婚に失敗したと感じる瞬間や結婚生活を改善する方法など、『結婚の失...
-
性の不一致で悩んでいる夫婦の中には、離婚を考えている方もいるかもしれません。 でも、そもそも性の不一致で離婚できるものなのか、慰謝料を貰えるのかなども気になる...

離婚原因コラム一覧へ戻る