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うつ病で離婚が認められる場合とは?慰謝料は?離婚する際の留意点
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2019.8.23

うつ病で離婚が認められる場合とは?慰謝料は?離婚する際の留意点

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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パートナーのうつ病を理由に離婚したいと感じても、その悩みを人に相談するのには抵抗がありますよね。

 

完治に時間がかかるうつ病という病気、そして一緒にいる家族がどれだけ大変なのか、当事者にしかわからないつらさがあります。

 

また、パートナーと一緒にいることで、ご自身も精神的に不安定になってしまったという方もいるのではないでしょうか。

 

うつ病の離婚率について、正確な統計はありません。本記事で詳しくご紹介しますが、単に配偶者がうつ病であることだけを理由にした離婚は基本的には認められないと考えてよいと思います。

 

また、2017年の司法統計でも、離婚理由の中に精神的な疾患は含まれていません。

 

離婚調停や裁判でもうつ病の離婚率が高いといったようなインターネット上の情報は鵜呑みにすべきではないかと思われます。

 

この記事では、うつ病で離婚ができるのかどうか、うつ病で離婚する際のポイント、体験談をご紹介します。

 

うつ病の方はなかなか頭が働かない状況もあるかと思いますが、気楽な気持ちでご覧いただいて、参考にしてみてください。

 

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うつ病を理由とした離婚は認められるのか

鬱配偶者のうつ病を理由に離婚したいと考えた場合、まず検討するべきはそもそも配偶者の精神疾患を理由とした離婚が認められるのかどうかという点です。

 

この点、相手が離婚に同意するのであれば、離婚届を提出することで一応離婚することはできます(後々、精神疾患を理由に離婚意思の有無(同意の有効性)が争われる可能性はありますが)。

 

一方、パートナーが離婚を拒否した場合に離婚ができるのか、重要なのはむしろそちらです。

 

この場合、それでも離婚を望むのであれば離婚調停を申し立て、それでも協議がまとまらなければ離婚訴訟へと進むことになります。

 

結論としてお伝えしておきたいのは、このようなケースでは裁判所は離婚を認めることにかなり消極的であるということです。

 

しかし、相手配偶者が重度の精神疾患にかかっていることは法定離婚事由の一つとして挙げられていますので、離婚が可とされる場合も実際にはあります。

 

本記事では、配偶者のうつ病を理由とする離婚について、参考となる情報を記載していきます。

 

夫婦には助け合う義務がある

夫婦は、相互に扶助・協力をする、つまり、協力し、助け合いながら夫婦関係を維持・継続する義務が法律で定められています(民法 第752条)。

 

配偶者が病気になったとしても、まずはその義務を果たして、相手配偶者をサポートすることが求められます。

 

うつ病になっていない配偶者が行うべきは支援であり、縁を切ることではないということです。

 

裁判所が、精神疾患を理由とした離婚請求を簡単に認めないのは、夫婦間の扶助協力義務と矛盾することとなってしまうからです。

 

しかし、お伝えした通り、相手配偶者が重度の精神疾患にかかっていることは法定離婚事由の一つとして挙げられていますので、離婚が認められるケースも実際にはあります。

 

強度の精神病で回復の見込みがない

法律では、一方的な離婚が認められる条件を定めています(これを法定離婚事由といいます)。

 

例えば、配偶者の不倫は離婚原因となることは一般的に知られていますよね。不倫は法定離婚事由の一つである「配偶者に不貞な行為があったとき」に該当するからです。

 

法定離婚事由

(裁判上の離婚)

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

引用元:民法 第770条

 

相手配偶者がうつ病になってしまった場合、その状態が重度であって軽快する可能性が乏しいのであれば、形式的には「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」に該当しそうです。

 

しかし、単に強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとしても、裁判所が消極的であるのはお伝えした通りです。離婚が認められるには、夫婦の義務を尽くすことが必要となってきます。

 

夫婦の義務を尽くすことが必要になる

夫婦の義務はお伝えした通りですが、法定離婚事由である「強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」とは、その義務を尽くしたとしてもなお夫婦関係の維持・継続が困難であると客観的に認められる場合を意味すると考えるべきでしょう。

 

例えば、相手配偶者がうつ病になったというだけでは足りず、

 

  1. うつ病になった後、相当期間にわたって、看病・介護などを尽くしてきた
  2. その上でなお軽快することがない状態である
  3. その疾患により夫婦の共同生活が事実上困難な状態が常態化している
  4. 夫婦関係の維持・継続を強いることが酷である

 

というようなケースであれば、当該法定離婚事由に該当する可能性はあるかと思われます。

 

どういった病気で、どのような状態であれば、最終的に一方的な離婚が認められるかについて、一概にはいえません。

 

例えば、次のような病気や障害で離婚が認められた事例があるようですが、いずれにせよケースバイケースと言わざるを得ないでしょう。

 

  • アルツハイマー病(脳疾患、記憶・思考能力の低下などがみられる)
  • 重度の昏睡状態(植物状態)
  • 重度の身体障害
  • 双極性障害(躁うつ病)
  • 認知症
  • 統合失調症

 

参考

認知症フォーラムドットコム|認知症とアルツハイマー病はどう違う?

MSDマニュアル家庭版|植物状態

厚生労働省|双極性障害(躁うつ病)

ベネッセスタイルケア|認知症の症状と原因

 

なお、法定離婚事由に該当するかどうかは、離婚を求める側で主張・立証する必要があります。

 

そのため、最終的に離婚協議が成立せずに離婚訴訟となった場合、次のような内容を証拠によって立証しなければなりません。

 

  1. 相手配偶者がうつ病にであること
  2. うつ病の程度が重度であること
  3. 配偶者に対する扶助義務を尽くしたこと
  4. それでも夫婦関係の維持・継続が困難な事情があること

 

例えば、うつ病であるかどうかや、うつ病の状態については、医学的観点からの立証が必須ですので、担当主治医や専門医の理解・協力を要する場合も多いと思われます。

 

また、相手配偶者に対して看病・介護などの必要なサポートを尽くしてきたことについては、以下のような立証手段が考えられますが、これに限定するものではありません。

 

  • 相手配偶者の通院に同行したことが分かる記録(カルテ等)
  • 相手配偶者の看病・介護について記録した日記
  • 相手配偶者の看病・介護について第三者に継続的に相談したことが分かる資料(Email等)

 

パートナーが離婚後に深刻な状態に置かれないことも重要になる

上記で解説したように、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」に該当する場合は極めて限定的です。

 

仮にこれに当てはまっても、裁判所は一切の事情を考慮して、婚姻継続を相当と認める場合は、離婚の請求を棄却することができます。

 

そして、このようなケースでは、離婚を求められた配偶者が離婚により酷な立場に置かれることがないかどうかも重視されます。

 

そのため、もし本記事のようなケースで離婚を求めるのであれば、以下のような方法も検討しながら相手配偶者の離婚後の生活についても一定の配慮が必要でしょう。

 

  1. 離婚をしても生活できるよう考慮した財産分与を行う
  2. パートナーの面倒を見られる家族に同居をしてもらう
  3. 精神障害者保健福祉手帳を交付してもらい、離婚後の生活に困らないようにする
  4. 障害年金を受け取れるよう手続きをしておく
  5. 入通院する病院、今後の治療の目途が立っている

 

【参考】

うつ病 こころとからだ|うつ病への支援やサポート制度

NPO法人 障害年金支援ネットワーク|うつ病と障害年金

 

協議離婚を目指す方法もある

上記のように、相手配偶者の精神疾患を理由とした離婚請求は、一般的にハードルがかなり高いです。

 

そのため、離婚を求めるのであれば、まずは相手配偶者の理解を得ながら協議離婚を成立させることを目指すべきでしょう。

 

例えば、相手配偶者に対して現状では夫婦関係の維持・継続が困難であることを十分に説明した上で、相手配偶者の離婚後の生活に対して金銭的な援助を申し出るなどして理解を得るなどが考えられます。

 

例えば、月々いくら程度支払い、援助をしていくといったことを約束し、その代わりに離婚に同意してもらうという方法です。

 

もちろん、そのような方法を取ったからと言って相手の不安が完全に払拭されるわけではないでしょうし、ましてや離婚に同意してもらえるかどうかは不透明です。

 

どのような形で関係を精算するべきかは夫婦によって異なるでしょうから、慎重な判断・検討が必要でしょう。

 

POINT:

法律上は、強度の精神病で回復の見込みがなければ、離婚することはできる

しかし、夫婦には助け合う義務があるので、看病・介護などを尽くしても、快方に向かわず、夫婦の義務を尽くすのが酷な状態で

離婚後にも、うつ病を患っているパートナーの生活が成り立ち、困窮にならないよう配慮されていれば

認められる可能性もある

 

【参考】(2014)『図解とQ&Aでわかる 浮気調査から財産分与、養育費、親権まで 離婚をめぐる法律トラブルとトラブル解決相談129』梅原 ゆかり監修、株式会社三修社

 

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うつ病になった側からの離婚について

上記は相手配偶者がうつ病になった場合の話でしたが、うつ病になった側の配偶者からの離婚について簡単に解説します。

 

相手が離婚に同意する場合は離婚可能

うつ病になってしまった配偶者から離婚を求めた場合も、相手配偶者が同意するのであれば離婚届を提出して離婚できます。

 

相手が離婚に同意せず、かつ離婚調停での協議も成立しない場合は、上記と同様、離婚訴訟を申し立てて離婚を認めてもらう必要があります。

 

この場合も、上記と同様、法律で定められた離婚理由(法定離婚事由)に当てはまる事実が、裁判所において認められなければなりません。

 

法定離婚事由は、上記のとおりですが一応、重ねて記載しておきます。

 

(裁判上の離婚)

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

引用元:民法 第770条

【関連記事】
法定離婚事由とは|裁判離婚で必要な5つの条件

 

ご自身がうつ病であることは、法定離婚事由に直接関係するものではありませんが、間接的に作用することもあります。

 

例えば、相手があなたに対して当然に求められる程度の看病・介護すらせず、ネグレクトのような状態にあるということであれば、これは「悪意の遺棄」や「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するという評価はあり得るでしょう。

 

こういった事実を訴えて、離婚を認めてもらう方法も考えられます。

 

離婚する際のポイント

ここではうつ病にという観点を離れて、仮に相手配偶者と離婚をしたいとお考えの場合に、押さえておくべきポイントを簡単に説明します。

 

  1. 離婚後の準備をしておく
  2. パートナーに有責行為があれば慰謝料を請求することを検討する
  3. 自分で対応が難しいなら法テラスなどで弁護士に相談する

 

1:離婚後の準備をしておく

離婚をした場合、今まで共同で経済的に助け合いながら生活していた状態が、単身での生活に切り替わります。

 

また、離婚それ自体にも財産分与などの費用が発生することがあります。そのため離婚後にも問題なく生活ができるよう、最低限準備をしておきましょう

 

特にうつ病になってしまった配偶者から離婚を求めるのであれば、今後の治療のことについても慎重かつ十分な検討と準備が必要です。

 

例えば、病院や役場などで、生活保護を受けたり、障害年金を受け取れる準備をしたり、家族など頼れる人と同居する準備をすることが考えられます。

 

ナビ子

自分だけでは何をしたらよいかさっぱりわからないという場合は、役所の相談窓口に相談したり、主治医に相談してくださいね。

 

まずは、病気を緩和するための状態をつくることが大切です。

POINT:離婚後の生活や治療に困らないように、準備をしておきましょう。

 

  1. 生活保護を受ける
  2. 障害年金を受け取る
  3. 家族など頼れる人と同居する など

 

どうしていいかわからない場合は、

  1. 役所で相談する
  2. 主治医地に相談する

 

必ず誰かに相談して、一人で抱え込まないでください。行政、医師はあなたを支援してくれます

 

2:パートナーに慰謝料を請求する

相手配偶者に違法な権利侵害行為があり、それが原因となり離婚に至ったような場合には、相手に対して慰謝料を請求できる可能性があります。

 

例えば、相手配偶者に以下のような行為があれば、慰謝料請求を検討してみても良いかもしれません。

 

  1. パートナーが不倫をしていた
  2. パートナーに暴力を振るわれた・精神的な虐待(モラハラ)を受けた
  3. パートナーが正当な理由なく生活費を負担しなかった
  4. パートナーが正当な理由なく同居を拒否し続けていた

 

3:自分で対応が難しいなら法テラスなどで弁護士に相談する

相手が離婚に同意するのであれば、離婚することについて弁護士に依頼する必要性はそこまで高くはありません。

 

しかし、相手が離婚に応じない・相手に対して慰謝料を請求したいという場合は、弁護士への相談・依頼も積極的に検討したほうがよいでしょう。

 

このようなケースでは、相手に対する請求を法的に理由づけながらこれを行う必要がありますが、素人では難しい部分も多々あります。

 

調停や訴訟となった場合、自分だけで対応するのは時間的・労力的にも負担が重い場合も多いです。

 

弁護士に相談・依頼して的確な法的サポートを受けることで、相手に対する請求をスムーズに行える可能性があります。

 

弁護士に依頼すれば手続はすべて一任できますので、調停や訴訟などの煩雑な手続の負担も減らせます

 

ナビ子

もし費用の負担に経済的な不安があるのであれば、各地にある「法テラス」の無料相談を受けたり、弁護士費用の立替利用ができる場合があります。

 

生活保護を受給している場合は、弁護士費用が免除される可能性があります。まずは相談してみましょう。

【参考】

法テラス|お近くの法テラス(地方事務所一覧)

 

【関連記事】

法テラスで離婚相談する方法!無料相談の利用条件と活用のポイント

 

うつ病を患っている配偶者に対して離婚を求める際の留意点

相手配偶者がうつ病を患っている場合、離婚を切り出すのは難しい問題が多いです。うつ病の症状には自己肯定感の低下や自責感の増大などがあります。

 

また、重いケースでは希死念慮(自殺願望)がある場合もあります。

 

そのため、うつ病で精神的につらい状況の中、相手配偶者から突然離婚を持ちかけられた場合、精神的に大きなダメージを負ってしまう可能性は十分にありますし、最悪の場合、それをきっかけとして自殺に至るということも十分考えられます。

 

相手配偶者に離婚を切り出すにあたり、相応の配慮は不可欠です。

 

少なくとも担当主治医に対して、現時点で離婚を切り出すことは、病状にどのように影響するかについて確認をするなどの配慮をしましょう。この他、一般的に留意すべき点を簡単解説します。

 

うつ病の状態を明確にすること

まず、相手配偶者の健康状態を確定することが大切です。

 

例えば、相手配偶者が「うつっぽい」「うつである」と言っていても、医学的に本当にうつ病に罹患しているのか、うつ病に罹患しているとしてどの程度重症であるのかは、専門医(精神科医)でなければ判断できません。

 

そのため、医学的な確定診断を受けていないのであれば、まずは相手配偶者に専門医を受診してもらい、実際の健康状態について医学的な確定診断を受けましょう。

 

また、離婚するにしろ、しないにしろ、自身も相手配偶者に同行して医師から健康状態について説明を受けることも大切です。

 

そして、確定診断を受けた場合には、まずは専門医のアドバイスを十分に受けながら、継続的治療を開始することが何よりも優先されます。

 

離婚後の生活について十分に協議すること

うつ病にかかっている相手配偶者に対して離婚を求める際は、上記のとおり、病状に十分に配慮しつつ、協議を持ちかけるようにしてください。

 

また、協議をする際も、可能な限り、相手配偶者の離婚後の不安を取り除くことができるような具体的な提案を心がけた方が、相手の納得を得られやすいかもしれません。

 

例えば、離婚後の生活をどのように成り立たせるのか、頼れる家族や、病院、公的支援があることを伝え、病状によっては精神障害者保健福祉手帳を交付してもらう、障害年金を受け取れるように協力するなどの具体的方策を提案するべきでしょう。

 

財産分与を多めに付与すること

財産分与とは、夫婦が婚姻生活を続ける中で共同で築いた財産を公平に分配することです。

 

対象となる共同財産は、預貯金はもちろん、有価証券や不動産・車・家財・購入した家なども含まれます(どちら名義であるかはあまり関係ありません。)。

 

例えば、うつ病を罹患している相手配偶者の不安を取り除く方法として、通常は50-50である財産分与の金額を若干多めに設定して提案するという方法は検討に値します。

 

 

【関連記事】

財産分与とは|相場以上の財産を獲得する方法と請求手順まとめ

離婚の財産分与が相談できる法律相談窓口一覧と弁護士の解決事例

 

子供がいる場合に留意すること

上記は、夫婦間で留意するべき事項を挙げましたが、子供がいる場合については、当然、子供との関係での配慮も不可欠です。

 

親権をどちらが持つかという問題はもちろんですが、親権を持たない側の子供との関わり方も重要です。

 

仮に、うつ病を患っている相手配偶者を非親権者とする場合、相手は離婚後も子供の人生に関わることができるのか大きな不安を覚えるかもしれません。

 

そのため、相手配偶者の不安を取り除くという観点からは、例えば、非親権者となる相手配偶者に対して、

 

  • 離婚後も相手配偶者と子供との面会交流を積極的に認めること
  • 具体的な面会交流の方法として考えていることなど

 

を提案してあげれば、幾分不安を取り除くことができるかもしれません。

 

なお、相手配偶者の病状により、子供との面会交流について不安があるという場合は、担当主治医に相談するなどして、面会交流の頻度や方法について調整したり、相手配偶者の親を同席させたりなどして、安心・安全な面会交流が実現できるよう慎重に検討しましょう。

 

【関連記事】

面会交流とは?取り決め方や面会交流の方法、相談窓口などを解説

 

離婚調停について留意すること

上記のとおり、離婚に同意しない場合、それでも離婚を求めるのであれば家庭裁判所に離婚調停を申し立てる必要があります。

 

離婚調停はあくまで裁判所の調停員を交えた話合いであり、協議による合意を目指す手続です。

 

そのため、相手配偶者は離婚調停に応じる義務はありませんし、応じたとしても離婚に同意する義務もありません。

 

また、裁判所が一方的に離婚を認めたり、命じるということも調停ではありません。

 

したがって、離婚調停を申し立てても、相手が同意しない限りは離婚が認められることはありません

 

なお、離婚調停はおおむね、月に1回程度の協議が繰り返されるため、離婚について争いがあれば当然時間がかかります

 

また、審理も平日の昼間に行われるため、平日に働いてる人は会社を休んで出頭する必要があります(代理人である弁護士に依頼すれば代わりに出頭してもらう事が可能です)。

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病気で離婚が認められた判例とうつ病の体験談

ここでは、相手配偶者の精神疾患を理由に離婚を認めた判例をご紹介します。

 

また、うつ病で離婚したい人の声、うつ病で離婚を求められた人の体験談としてインターネット上にあげられている投稿をご紹介します(あくまでインターネット上の記事ですので真偽は不明です。)。

 

精神病を患っていた妻と離婚が成立した裁判事例

1970年に精神病を患っていた妻と離婚が成立した最高裁判所の判例があります。離婚が成立した理由は次の通りです。

 

  1. 精神病を患っている妻の実家に資産があること
  2. 夫は生活に余裕がないなかで8年間治療費を払い続け、離婚後も援助を申し出ていること
  3. 長女を引き取り養育していること

 

裁判年月日 昭和45年11月24日 裁判所名 最高裁第三小法廷 裁判区分 判決

事件番号 昭45(オ)426号

事件名 離婚請求事件

参考:文献番号 1970WLJPCA11240004

 

うつ病で離婚したい・うつ病のパートナーから離婚を求められた体験談

家庭内別居でうつ病になった妻との離婚

結婚生活は20年にもなる男性ですが、仕事中心の生活、浮気などもあり、夫婦のすれ違いが続き、妻はうつ病になってしまった男性の体験です。

 

私は20年前に恋愛結婚し、子供が2人いる男性です。結婚当初、私は猛烈社員で、しかも単身赴任が長く続き、いわゆる家庭的な夫や父親ではありませんでした。

・・・

このような二重生活が続いた結果、結婚した前後は快活だった妻の心は堅く閉ざされ、完全に家庭内別居になりました。その後、妻にうつ症状が現れ、離婚したいと言われ続けてきました。普段は完全に無視されていて、食事も私は外食か、惣菜を買ってきて食べ、洗濯も自分でしています。たまに口をきくと、私といると病がこじれるから離婚してくれと懇願されるのです。

妻の病は私が原因なのに、病める妻の言い分を受け入れて離縁し、自分だけのうのうと暮らすことに、罪悪感があります。妻はこれ以上同居が続くと、自分自身がおかしくなりそうだと一歩も引かず、まるで離婚できたら全快しそうな勢いです。私自身、離婚に応じる考えに傾いていますが、卑怯でしょうか。

一部抜粋:東洋経済オンライン|浮気が原因で妻がうつ病に、どうすれば?

 

うつ病の妻から離婚したいと言われた

うつ病の妻を持つ30代の男です。子供はいません。

うつ病の妻から離婚したいと言われました。

昨年から妻はうつ病を患っており、状態が良くなればと思い実家に戻らせ一年位別居しています。この一ヶ月は家に戻ってきて一緒に暮らしていました。ただ、ここ最近は調子が悪くなり、また実家に戻っていました。

・・・

妻が言うには最近は調子が悪かったけど、実家にもどっていたこの数ヶ月で状態が良くなり冷静に考えられるようになったとのこと。そしていろいろと考えて離婚したいという結論に達したようです。

私としては妻のことを愛してますし、何とか離婚を回避したいと考えています。

ただ、妻からはあなたと一緒ご飯を食べたり一緒に寝たりするのも無理、できれば一緒の空間に居たくない言われてかなりショックを受けています。

一部抜粋:発言小町|うつ病の妻から離婚したいと言われました。

うつ病で離婚する際によくある疑問

ここでは、相手配偶者のうつ病を理由に離婚を求めるに当たって、疑問が生じやすい事項について簡単にお答えします。

 

うつ病での離婚、慰謝料は請求できる?

上記のとおり、相手配偶者に対して離婚に当たり慰謝料請求ができるのは、相手配偶者による違法な権利侵害行為があり、これによって離婚に至ったような場合です。

 

相手配偶者がうつ病に罹患したのは残念な事実かもしれませんが、それがただちに他方配偶者に対する違法な権利侵害とならないことは言うまでもありません。

 

したがって、単に相手配偶者がうつ病に罹患してしまったということだけで、相手配偶者に対して慰謝料を請求するということはあり得ないことです。

 

むしろ、相手配偶者がうつ病に罹患したことを理由に、相手配偶者に対する必要な看病・介護も尽くさないまま、離婚を一方的に切り出す行為は、相手配偶者に対する違法な権利侵害を構成する可能性が高いです。

 

したがって、相手配偶者がうつ病に罹患したからと相手配偶者に一方的な離婚を要求し、結果、夫婦関係が破綻したような場合は、離婚を求め側に慰謝料支払義務が生じる可能性がありますので、十分注意してください。

 

うつ病で離婚、親権はどうなる?

親権者が決定する基準として、もっとも重視されるのは、いずれを親権者とするのが子の福祉(幸福)に資するのかという点です。

 

さまざまな要因を考慮して、どちらが子供の幸せにつながるのか、という観点で決定されます。

 

そのため、親の一方がうつ病に罹患しているかどうかは、親権の帰属には直接的には影響しません。

 

しかしながら、父または母がうつ病に罹患している場合、当人は健康面でも経済面でも苦しい状況であることも多く、子供を育成する能力が十分でない場合も少なくないと思われます。

 

このような場合、精神疾患を持つ親よりは健康な親の方が子の育成には望ましいという評価により、親権の帰属に大きく影響する可能性はあります。

 

そのため、うつ病に罹患しているかどうか、うつ病の状態がどのようなものかは、親権帰属に間接的には影響する可能性が高いといえます。

 

【関連記事】

離婚調停で子供の親権争いを有利に進める為の対策まとめ

 

離婚を切り出し、自殺に至った場合の法的責任は?

上記のとおり、相手配偶者がうつ病により精神的にも肉体的にも疲弊する中、離婚を切り出された場合、最悪のケースも十分に考えられます。

 

実際にそのようにして相手配偶者が自殺に至ってしまった場合、離婚を求めた側は何らかの責任を問われる可能性があるのでしょうか。

 

この点については、相手配偶者の病状、看病・介護の状況、従前の婚姻生活の状況、離婚提案の内容、態様、方法等諸般の事情を総合的に考慮して、離婚の要求が相手配偶者に対する違法な権利侵害行為を構成するか、相手配偶者の自殺と当該要求との間に因果関係が認められるかなどを慎重に検討する必要があります。

 

そのため、この場合に法的責任があるとかないとか一概にはいえません

 

なお、当然ですが、法的責任が生じないから相手配偶者に対して無配慮に離婚を切り出してよいということでは全くありません。

 

相手配偶者がうつ病に罹患したことは事故であって相手配偶者に責任のある事柄ではありません。

 

したがって、一方配偶者としては相手配偶者を追い込むようなことは控えるべきであり、離婚を切り出すにしても、相手配偶者に対して十分な配慮を尽くさなければならないことは当然のことと認識しましょう。

 

離婚後うつになったら…

ここまでは、うつ病を理由にした離婚について解説してきました。しかし、離婚後にうつ病になってしまうケースもあります。離婚はそれだけ、精神的な負荷が大きいのです。

 

もし、離婚後に何もする気が起きず、次のような症状が見られるのであれば、無理をせずに精神科・精神神経科・メンタルクリニックなどを受診してください。

 

不眠・早朝覚醒・食欲不振や体重減少・一切楽しい気持ちにならない・朝気持ちが落ち込む・過度な罪悪感・あるいは気分の落差が激しい・「消えてしまいたい」といった気持ちが沸き上がる など

 

【参考】こころの耳|うつ病とは

 

【相談先一覧】

自殺総合対策推進センター|命を支える相談窓口一覧

こころの耳|専門相談機関・相談窓口

うつ病とパニック障害の情報・サポートサイト こころの陽だまり|相談できる病院検索

非特定営利法人 メンタルケア協議会|困ったときに相談できるところ

 

まとめ

パートナーがうつ病になってしまった場合、うつ病の本人はもちろんですが、同居している家族も相当つらいものがあります。

 

パートナーを気にかけながら、生活を維持するために、働かなければなりません。いつ治るのかもわからず、何十年と闘病を続ける方もいます。

 

その間はまるで、出口の見えない暗いトンネルを延々と歩いてるような気持ちになり、離婚をしたいと感じてもやむを得ないこともあるでしょう。

 

パートナーのことを心配するあまりに、あなたまで精神的に失調してしまうことは避けるべきです。

 

あなた自身も気持ちがさえないというようなことがあるのであれば、誰かに相談しましょう

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

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