セックスレスが長く続くと、異性としての自信もなくなり、このまま終わるのであれば離婚したいと思う人も珍しくありません。
避妊具の製造会社であるジェクス株式会社が行った調査では、約51%の夫婦がセックスレスであることを発表しています。
セックスレスになる原因は、夫婦によってさまざまです。しかし、長期間この問題を放置してしまうと、離婚や不倫に発展してしまうリスクがあります。
なかには、「子供が欲しいと知っているはずなのに協力してくれない」「性欲がないと拒まれるのにアダルトビデオはこっそり見ている」配偶者に対し、離婚したいと思っている人もいるでしょう。
この記事では、セックスレスで離婚できるか、慰謝料は請求できるのかなどについて紹介します。
セックスレスが原因で離婚を検討中の方へ
セックスレスが原因の離婚の場合、相手に慰謝料を請求することが可能です。
しかしセックスレスで慰謝料請求をするには、セックスができたのに相手が拒んでいたことを証明しなければなりません。
セックスレスが原因で離婚を検討している方は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談すれば、
- あなたの状況で慰謝料が請求できるか
- セックスレスの証拠は何になるのか
- 自身のセックスレスが法定離婚事由に該当するのか など
を知ることが可能です。
さらに依頼すると、財産分与・養育費などの離婚交渉から慰謝料請求手続きまで、任せることが可能です。
初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。
この記事に記載の情報は2023年12月01日時点のものです
『セックスレス』を理由に離婚できる?慰謝料は?
『セックスレス』で離婚したいと思っても、実際にそのような理由で離婚できるのか疑問に思うでしょう。ここでは、離婚の可否や慰謝料についてご紹介します。
セックスレスを理由に離婚できる?
話し合って離婚の可否を決める協議離婚や調停離婚であれば、どのような理由でも離婚することが可能です。
厳密な法律論を戦わせる場というよりは、夫婦間の話し合いをしていく場である以上、法定離婚事由を充足していなくても合意解決はありえるからです。
ただし、相手が離婚請求に合意した場合に限ります。
相手が離婚に合意しないと、裁判になります。しかし、離婚裁判の場合、以下のような『法定離婚事由』に該当しない場合は離婚が認めらません。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
(引用:民法第770条)
もちろん、セックスレスは1号から4号には列挙されていません。しかし、5号の『その他婚姻継続し難い重大な事由』に該当する可能性は十分にあります。
しかし、その期間の長さや、配偶者に誘いを拒否された回数などによっては、認められないこともあるでしょう。離婚を決意したら、一度弁護士に相談することをおすすめします。
セックスレスを理由に慰謝料請求は可能?
セックスレスは双方の問題になるので、どちらが悪いと決めつけるのは困難です。そのため、請求が認められない可能性は高いでしょう。
しかし、慰謝料が認められた判例も存在します。
婚姻期間はわずか3ヶ月ですが、その間一切の性交渉がないことなどから、原告(妻)が離婚を求めた事件です。(参考:文献番号1990WLJPCA0614000)
- 被告(夫)が結婚生活について真面目に考えていなかった
- 被告の状況(性交渉や夫婦関係)を改善する努力がみられなかった
- 原告が、結婚のために10年かけて築いた仕事などを手放すことになった
などのことから500万円の慰謝料が認められました。
このように、状況によっては慰謝料を認められる可能性があります。自分のケースで慰謝料を請求できるかについては弁護士に無料相談してみましょう。
セックスレスになると考えられる4つの原因
ここでは、一般的に考えられるセックスレスの4つの原因をご紹介します。
1:相手に異性としての魅力を感じないから
結婚して一緒に生活すると、今まで見えていなかった部分も見えてきます。
また、年齢をとるとともに、相手に感じていた異性的な魅力がなくなってしまうこともあるでしょう。
魅力を感じなくなってしまう可能性のあるもの
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□1日中パジャマ・部屋着でいる
□身だしなみ(髪形・服装)が整っていない
□体重の増加・体型が崩れている
□体臭・加齢臭がきつくなる
□汗や油脂で湿っている
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また、仲が良くなりすぎて兄妹のような感覚になってしまったり、母親になる妻に対し、家族愛はあるけど異性として見れないなど、様々な理由があります。
2:性欲や体力が衰えたから
疲労やストレスにより、性欲や体力が衰え、誘われても面倒くさかったり、睡眠欲が勝ってしまったりする場合もあるでしょう。
結婚後は、仕事と家事の両立で精神的にも体力的にもキツくて、私が拒むようになってしまいました。(引用:23歳女性です。|Yahoo!知恵袋)
特に、性欲が淡白な人や体力がない人は要注意です。
仕事・家事・育児などで疲れた後には、したいと思えなくなってしまうのかもしれません。
3:セックスが嫌いだから
特に女性はセックスしても痛いだけ、セックスが嫌いな人も珍しくありません。セックスが嫌いな配偶者に対し何を言っても取り合ってもらえません。
せっかく誘っても「したくない」の一言で終わってしまうことも考えられます。
旦那はセックスが嫌いで、子作り以外は必要ない、考えの持ち主です。(引用:真面目に悩んでいます。|Yahoo!知恵袋)
主人のことは 心の底から愛していますし 主人からの愛情もこの上なく感じています。ただ セックスが嫌いなのです。(引用:セックスが嫌いです。|Yahoo!知恵袋)
一方的に誘うのではなく、嫌いな理由をしっかり突き詰めて、解決を提案することが必要です。
「そこまでしたいなら外でしてほしい」と言われる可能性もありますが、妻(夫)が好きだからしたいことをしっかり伝えましょう。
4:不倫・浮気をしていて性的欲求が満たされているから
不倫相手にのめり込んでしまうと、夫(妻)に触れてほしくないと思うようになる人も少なくないでしょう。ひどい場合は、相手に嫌悪感を持ってしまうこともあるようです。
触られると旦那に対して「さわるな!」と旦那に言ってしまいます。今ではレスになってしまっています。原因は好きな人がいることだと思ってます。不倫です。(引用:旦那に触られたくないです。|教えて!goo)
手を握ったりハグすることすら拒否される場合、一度不倫を疑ってみた方がいいかもしれません。
できるのであればスマホを確認しましょう。
セックスレスで離婚した方が幸せになれる5つのケース
「セックスレスだけで離婚するなんておかしい」「セックスレスで離婚して後悔しないか」と思う人もいると思います。
ただ、我慢を続けるより離婚してしまった方が幸せになれるケースもあります。
幸せになれるのは、主に以下のようなケースです。
- 配偶者と一緒にいたいと思えなくなってしまった
- 一人で生活できるだけの経済力がある
- 子供がいない
- 妊娠・出産を希望している
- 配偶者が不倫をしている など
特に妊娠や出産を希望している人は、離婚し子供を希望する人と再婚した方が幸せになれるでしょう。
再婚や妊娠・出産を希望する人は性別関係なく、できるだけ若いタイミングで離婚を決断する必要があります。
夫婦間のセックスは愛情確認などのためにも重要という考えはおかしくありません。
今後の人生でセックスレスに耐えられるか、慎重に考える必要があります。
離婚の切り出す方法と拒否された場合にすべきこと
どのように離婚を切り出すべきか、方法と拒否された場合にすべきことを紹介します。
セックスレスを理由に離婚を切り出す方法
まずは、2人きりで向き合う時間を設ける必要があります。離婚を決意しているのであれば、離婚届けを準備しておくといいでしょう。配偶者に対し、離婚が本気であることを伝えることが可能です。
切り出す際は、まず「離婚したい」ことを伝え「セックスレスにどう感じているか」を伝えましょう。相手によっては「おかしい」と否定してくるかもしれませんが、自分にとって拒否されることのつらさや夫婦で時間を持つことの大切さなどについて正直に話すことをおすすめします。
夫・妻に離婚を拒否された場合にすべきこと
夫や妻に「セックスレスだけで離婚できない」「考えなおしてほしい」などと拒否された場合、1回目の話し合いであれば強引に進めず、一旦話し合いを終わりにしましょう。
その後、相手がセックスレス解消のために動いてくれるのであれば、離婚を考えなおしてもいいかもしれません。
ただ、あなたの決意が強かったり、相手が解決のために動いてくれない場合、期間をおいて複数回離婚したいことを伝えましょう。
何度話しても夫や妻が応じない場合、別居が有効です。別居することで、夫婦関係が破綻していることを証明しやすくなります。また、夫や妻に承諾するしかないと思わせやすくなるでしょう。
また、話し合いに応じてもらえなかったり、逆上され難航してしまう場合は、弁護士へ話し合いの方法について相談することをおすすめします。
無料相談もありますので、離婚を切り出す前に相談してみてもいいかもしれません。
レスが長期化した場合のリスク
セックスレスが長期化してしまうと、夫婦間に修復できないほどの深い溝ができてしまうかもしれません。ここでは、セックスレスが長期化してしまった場合のリスクをまとめました。
不倫に走る
不倫をしているからセックスレスになることもありますが、逆に、セックスレスが原因で不倫がはじまるケースもあります。
この場合、不倫に走るリスクが高いのはご自身です。「絶対そんなことしない」と思っていても、セックスレスが長期化し、精神的につらいときに優しくされてしまったら、気持ちが傾いてしまうかもしれません。
不倫をしてしまったら、夫(妻)が拒否していたことが根本的な原因でも、ご自身の方が悪いと判断されるでしょう。当然、離婚の際は慰謝料を請求されてしまいます。
このようにならないためにも、セックスレスは早期の解決が重要です。なお、不貞行為は、さきほど見た770条1項1号に明確に記載されています。
相手への愛情が薄れる
誘っているのに拒否され続けると、虚しさから夫(妻)への愛情が薄れたり、好きか嫌いかわからなくなってしまったりするでしょう。また、愛情を疑い続けたままでは、仮面夫婦になってしまうかもしれません。
夫(妻)への愛情がないままで一緒に生活するのは、ストレスですよね。また、円満でない家庭は、子供に悪影響を与えてしまうでしょう。
離婚する
夫婦間のセックスは、夫婦関係を円満にするためには重要といえるでしょう。セックスレスになると、一方が常に我慢を強いられている状況になってしまいますよね。
今は我慢できても、精神的にストレスになり『離婚』を考えるようになってしまうのではないでしょうか。
まとめ
セックスレスは、長期化すればするほど、夫婦間の深い溝になりやすい深刻な問題です。話し合いをおすすめしますが、2人きりでは解決しない場合は、カウンセリングをおすすめします。
相手の不倫を疑った場合には探偵に、浮気調査を依頼することをおすすめします。離婚を決意した場合は、状況をまとめた上で、相談ください。
また、自分自身では、証拠にならないと思っているようなLINEのやりとりやメールなどでも、証拠にすることは十分考えられます。少しでも怪しい証拠があれば、弁護士に相談することも視野に入れてみましょう。
セックスレスが原因で離婚を検討中の方へ
セックスレスが原因の離婚の場合、相手に慰謝料を請求することが可能です。
しかしセックスレスで慰謝料請求をするには、セックスができたのに相手が拒んでいたことを証明しなければなりません。
セックスレスが原因で離婚を検討している方は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談すれば、
- あなたの状況で慰謝料が請求できるか
- セックスレスの証拠は何になるのか
- 自身のセックスレスが法定離婚事由に該当するのか など
を知ることが可能です。
さらに依頼すると、財産分与・養育費などの離婚交渉から慰謝料請求手続きまで、任せることが可能です。
初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。