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公開日:2018.12.19  更新日:2021.1.25

好きな人ができたから離婚したい|デメリットと離婚のためにできること

新日本パートナーズ法律事務所
池田康太郎 弁護士
監修記事
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パートナー以外に好きな人ができてしまい、離婚するかどうか迷っているという方もいるのではないでしょうか。

一生添い遂げることを誓ったはずなのに、一緒に生活をしてみれば相手の嫌なところが目にいてしまって、だんだんと愛がなくなってしまうことも珍しくありません。

また、とくに不満はないけれど、一緒に生活をしていてぜんぜん楽しくないといった人もいるでしょう。

そうなったとき、他の素敵な人に出会ってしまったら心が動いても仕方ないことなのかもしれません。

ただ、『好きな人ができた』といった理由で離婚することに、世間の目や自分の倫理観がネックになって躊躇する人もいるでしょう。

この記事では、『好きな人ができた』ことを理由に離婚するデメリットや、離婚できるのかどうか、離婚するためにできることについて解説します。

この記事に記載の情報は2021年01月25日時点のものです

『好きな人ができた』を理由に離婚するデメリット

『好きな人ができた』といった理由で離婚する場合には、デメリットやリスクがあります。

どういったものがあるのかここで確認してみましょう。

慰謝料や養育費などを払う可能性がある

離婚した場合には、慰謝料や養育費などの経済的な負担が発生する可能性があります。

パートナー以外に好きな人ができた場合、すでにその人と肉体関係を持っているケースもあるでしょう。そうなった場合、不貞行為を根拠に慰謝料を支払わなければならない可能性があります。

慰謝料の相場は100万円~300万円(ケースによってはさらに増額することもあります)と高額で、分割などにした場合には、長期に渡って支払わなければならないこともあります。

また、養育費に関しても同様です。養育費とは、未成年の子供が生活するために支払われる費用のことです。

離婚後、子供の親権者がパートナーだった場合、あなた自身と同じ水準で子供が生活できる程度を、養育費として支払わなければなりません。

ケースによってはあなたの生活を圧迫しかねないでしょう。

子供の親権が取れない可能性がある

離婚する夫婦に子供がいる場合には、夫婦の一方を親権者として決めなければなりません。

夫婦のどちらを親権者にするかは、話し合いで決めることもできますが、調停や裁判となった場合、次の3つの事情を考慮して決定されます。

  1. 現実に子供を育てている人を優先
  2. 乳幼児については母親優先
  3. 子供が15歳以上の場合は子供の意思を尊重

不貞行為の有無が親権に直接影響することはないため、『好きな人ができた』ことを理由に離婚する場合、あなたが親権を獲得できない可能性は低いかもしれません。

しかし、夫婦のどちらが親権者になるかについてはケースバイケースです。話し合いの場や調停・裁判などで、パートナーに親権が渡る可能性がないとは言い切れません

どうしても親権を獲得したい人は一度弁護士に相談するとよいでしょう。

また離婚する可能性がある

離婚してパートナーと別れ、再婚できたから『めでたしめでたし』といったわけではありません。

再婚後、またパートナーへの愛情がなくなってしまうこともあるかもしれません

恋愛をしている場合、その相手しか目に入らないといった人もいるでしょう。けれど、いざ再婚して時間が経っても、永遠にそのパートナーを愛し続けられるという保証はありませんし、再婚して時間が経てば、また新たに好きな人ができてしまうかもしれません。

離婚は、結婚するよりも労力のいることです。何度も離婚する可能性があることについて、十分検討した方がよいでしょう。

世間から冷たい目で見られる可能性がある

好きな人ができて離婚することをよしとしない人もいるでしょう。ケースによっては『略奪愛』などと言われ批判されてしまうこともあります。

親戚や友人、近所の人などが、あなたの離婚を機に連絡を絶つということもあるかもしれませんし、連絡を絶たないまでも、接したときの態度がそれまでとは変わってしまうかもしれません。

どちらにせよ、世間から冷たい目で見られることや、ときに批判されることは覚悟しましょう

配偶者の離婚しない意思が固い場合離婚は難しい

そもそも、『好きな人ができた』といった理由で離婚はできるのでしょうか。

答えから簡潔に述べますと、パートナーの了承がない場合には難しいというのが現実です。

離婚するには、主に次の3つの方法があります。

離婚の種類

内容

協議離婚

夫婦が話し合いで離婚する方法。互いに離婚に納得し、離婚届を提出すれば離婚が成立。

離婚調停

家庭裁判所で調停委員に間を取り持ってもらいながら離婚する方法。主に離婚の条件などについて話し合う。夫婦ともに離婚に合意しない限り離婚は成立しない。

離婚裁判

裁判で離婚を認めてもらう方法。後述する法定離婚事由に該当しない限り離婚は原則成立しない。

協議離婚は最も一般的な離婚の方法で、夫婦が話し合いを行い、ともに離婚に合意していれば離婚が成立します。

このとき、離婚の原因がなんであっても問題はありません。

つまり、あなたが『他に好きな人ができたから離婚してほしい』と言い、パートナーがそれに納得していれば、あとは離婚届を提出すれば離婚が成立するのです。

もし、パートナーが離婚に納得しない場合には調停・裁判へと移行します。

調停離婚では、調停委員(弁護士・医師・大学教授などの各分野で活躍した、社会やそれぞれの専門分野に豊富な経験・知識を持つ人が選ばれます)が夫婦のそれぞれの言い分を聞き、間を取り持って話し合いを行います。

調停といっても基本は話し合いです。パートナーが離婚に合意しない限り離婚は成立しません。

調停で話がまとまらなければ、最終的には裁判手続きに移行します。しかし、裁判で離婚が認められるのは、以下の5つの離婚事由に該当するときのみです。

(裁判上の離婚)

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

引用元:民法第770条

つまり、裁判においては、『好きな人ができた』といった理由だけで離婚が認められることは原則的にありません。

あなたが離婚したいのであれば、協議か調停でパートナーに離婚を納得してもらうしかないのです。

離婚するためにできること

好きな人ができて離婚するには、パートナーに離婚することを納得してもらわなければなりません。

ここでは、離婚するためにできることを解説します。

パートナーと交渉する

離婚するためには、パートナーに離婚に納得してもらうしか方法がないことはお伝えしました。

そのためには、離婚について話し合いをしなければなりません

このとき、離婚の条件についてできるだけパートナーの主張を認めましょう。そうすることで、納得してくれるかもしれません。

また、どうして離婚したいかについて話すといったことも重要です。パートナーへの不満を述べ、このままの生活に我慢できないことをきちんと説明できれば、離婚に応じてくれるかもしれません。

ただし、パートナーを悪者にすると、逆に話がこじれてしまうケースもあるかもしれません。主張すべきところと、我慢すべきところの見極めが重要です。

何が何でも離婚に応じてくれない場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てるべきでしょう。

別居をする

もし離婚に応じてもらえないなら、別居に応じてもらうことで離婚への一歩を進めることもあるかもしれません

別居をすることで状況を客観的に判断でき、パートナーが離婚に応じるケースもあるからです。

また、長期の別居は法定離婚事由の『その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき』に該当する可能性があります。

どれくらいの期間を長期というかに関しては、一概にはいいきれませんが、『5年~10年』が目安と言われています。

ただし、裁判で離婚が認められるには、一概に長期間別居すればよいというものでもありません。夫婦の状況によっては、別居をしても離婚が認められないこともあります。

また、勝手に出ていくと、法定離婚事由の『悪意の遺棄』に該当するケースもあるので注意が必要です。

あなた自身のケースで離婚が成立するかどうかについて詳しく知りたい人は、弁護士に相談してみるとよいでしょう。

不倫した配偶者からの離婚請求は原則認められない

もし好きな人と肉体関係を持っていることをパートナーが認識している場合は、原則離婚は認められません。

不倫は上で説明した法定離婚事由に該当し、不倫をした人からの離婚請求が認めることは、『信義誠実の原則(互いに相手の信頼を裏切らないという原則)』に背くからです。

ただし、例外もあります。

離婚原因を作った人からの離婚請求が認められなかったのは、『有責』というポイントに重点を置いていたからでした。

しかし、1987年9月2日の最高裁判決で、不倫した側からの離婚請求が認められました。これは、離婚を認めるポイントが『破綻主義』に変化してきたからだといえるでしょう。

不倫をした側からの離婚請求であっても、夫婦の事情を考慮し、夫婦関係が破綻しているのであれば婚姻を続ける意味がないとして、離婚が認められるケースも例外的に出てきたのです。

なお、不倫した側からの離婚請求が認められるには、次の3つの条件を満たす必要があります。

  1. 別居が長期に渡る
  2. 夫婦間に未成熟の子供がいない
  3. 相手配偶者が離婚によって過酷な状況にならない

有責配偶者からの離婚が認められる条件などについては、次の関連記事を参考にしてください。

離婚が認められた裁判例・認められなかった裁判例

ここでは、好きな人ができた、つまり不倫をした側からの離婚請求が認められた、認められなかった裁判例を紹介します。

離婚が認められた裁判例

平成14年の6月26日の東京高等裁判所の判決では、別居期間6年で、不倫した夫からの離婚請求が認められました。

同居は22年していましたが、その後別居期間が6年間あったこと、2人の子供がどちらも成人していたこと、また、妻側に十分な収入があり、妻が住んでいる住居のローンも夫が払う条件を提示していたことが考慮されました。

上記の条件であれば、『信義誠実の原則』に反するとは言えないとして、このケースでは離婚が認められたようです。

参考
文献番号 2002WLJPCA06260003

離婚が認められなかった裁判例

平成9年2月20日の東京高等裁判の判決で、不倫した夫からの離婚請求が認められなかった裁判例です。

夫と妻は20年別居しており、その間夫は不倫相手と同居していました。

しかし、夫は別居中何度も妻の家に戻り、身の回りの世話をしてもらっていたり、妻にプレゼントを贈ったりしていました。

離婚調停を申し立てたときに夫婦間で交流があったことも考慮され、別居期間が20年であるにもかかわらず、夫婦関係は破綻していないとして、離婚は認められませんでした。

参考
文献番号 1997WLJPCA02200002

好きな人ができて離婚したいときの相談先

好きな人ができて離婚したい場合には、専門的な立場からのアドバイスが有効です。

離婚カウンセラー

夫婦間での話し合いで離婚を目指す場合には、離婚カウンセラーへの相談が有効です。

離婚カウンセラーは、夫婦の心理面や離婚問題などについて専門的な知識を持っており、具体的なアドバイスを用いてあなたに最善の解決策を導いてくれます。

離婚カウンセラーに相談することで、どのように話し合えば配偶者が離婚に納得してくれるかアドバイスをもらえるでしょう。

弁護士

どうしても離婚に応じてくれないといった場合には、弁護士に依頼することも検討しましょう。

弁護士は交渉のプロです。パートナーが話し合いで離婚に応じてくれないといった場合でも、離婚条件などの提示などを代わりにしてもらうことで、離婚に応じてもらえるかもしれません

また、調停や裁判といった場合には、豊富な法律知識が必要になることもありますし、さまざまな手続きを行なわなければなりません。

弁護士に依頼しておくことで、離婚の条件面を緩和できたり、煩雑な作業を代理してもらったりといったことも可能です。

ただし、あなたが不倫している場合、パートナーに離婚に応じてもらうにはあなた自身の『誠意』と大幅な経済的負担(財産分与や慰謝料など)といった、自分の努力が必要不可欠であることは覚悟しておくべきでしょう。

まとめ

好きな人ができたという理由で離婚することも不可能ではありません。

しかし、経済的に不利な状況になることや親権を取れないことなど多くのリスクが伴うことを覚悟しなければなりません。

また、もし好きな人と不倫していた場合には、あなたの離婚請求が認められないといったこともあります。

パートナーに離婚に応じてもらうには、相当な経済負担を必要とすることもありますので、大きな覚悟が必要になるかもしれません。

もし、ご自身での交渉が難しそうなのであれば、弁護士に依頼してみましょう。

具体的な条件を提案し、代わりに交渉することでパートナーが離婚に応じてくれることもあるかもしれません。

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弁護士費用保険のススメ
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離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
弁護士費用が払えなくて泣き寝入りすることも…。


  • 相手に親権を渡したくない
  • 養育費を払ってもらえなくなった
  • 不倫相手に慰謝料を請求したい

弁護士保険は、法律トラブルで弁護士に依頼したときの費用が補償されます。
離婚トラブルだけでなく、子供のいじめ、労働問題等でも利用することができます。

KL2020・OD・037

この記事の監修者
新日本パートナーズ法律事務所
池田康太郎 弁護士 (第二東京弁護士会)
弁護士登録以来一貫して離婚・不倫問題の解決に取り込んでいる。特に『配偶者から不倫慰謝料請求をされた方むけ』の相談に注力しており、多数の解決実績がある。

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本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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