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調停委員とは?役割や選任方法、味方につけるポイントを解説

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調停委員とは、中立の立場で当事者間の話し合いをサポートする人物のことです。

弁護士や豊富な社会経験を持つ人などが選任されることになっています。

基本的には親身に対応してくれるはずですが、「当たり外れがある」「最悪だった」という声が多いのも事実です。

そのため、調停に臨むにあたって、調停委員とのやり取りに不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、調停委員の役割や選任方法、調停委員を味方につけるためのポイントなどを解説します。

調停委員の言動がおかしいと感じた場合の対処法などもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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目次

調停委員とは

調停委員とは、裁判所でおこなわれる調停において、当事者間の話し合いに介入する人物です。

双方の合意による解決を目指せるように、仲介役として関与します。

以下では、調停委員の具体的な役割や選任方法について詳しく解説します。

役割|中立の立場で当事者間の話し合いをサポートする

調停委員の主な役割は、当事者間の話し合いをサポートすることです。

対立する双方の言い分を公平に聞き取り、妥協点を探りながら和解へ導きます。

離婚問題などを扱う家事調停では、男女1名ずつの調停委員がペアで担当するのが一般的です。

当事者は交互に調停室へ呼ばれ、それぞれの主張や事情を調停委員に直接伝える形で進行します。

ただし、調停委員は裁判官のように強制力のある判決を下す権限を持っていません。

どちらか一方の味方をするのではなく、あくまでも中立的な仲介役にすぎない点に注意しておきましょう。

選任方法|弁護士や豊富な知識・経験を持つ者が裁判所から任命される

調停委員は、最高裁判所が任命する非常勤の国家公務員です。

一般市民の良識を調停に反映させるため、社会生活上の豊富な知識・経験を持つ人の中から任命されます。

明確な線引きはありませんが、原則40歳以上70歳未満で以下のいずれかを満たしていることが求められます。

  1. 弁護士となる資格を有する者
  2. 民事・家事の紛争解決に役立つ専門的知識・経験を有する者
  3. 社会生活において豊富な知識・経験を有する者

公益財団法人日本調停協会連合会の統計(令和7年4月1日現在)によると、以下のような職業の人が調停委員に選任されています。

家事調停委員の内訳(職業別)|令和7年4月1日現在
職業 割合
公認会計士・税理士・不動産鑑定士など 22.7%
弁護士 14.5%
会社・団体の役員・理事  8.0%
会社員・団体の職員 6.5%
公務員 2.9%

調停委員の任期は2年で、再任されるケースもあります。

離婚調停で調停委員が質問する内容

離婚調停では、調停委員から事実関係や双方の意向に関するさまざまな質問を受けます。

質問内容は、調停を申し立てた側と申し立てられた側で異なるため、以下で詳しく解説します。

調停を申し立てた側への質問内容

調停を申し立てた側は、以下のような内容を聞かれるケースが一般的です。

  • 離婚を決意した理由や具体的なきっかけ
  • 婚姻期間や別居の有無・時期
  • 夫婦間での話し合いの結果
  • 親権・養育費・財産分与・慰謝料などの希望条件
  • 子どもの生活状況や監護実績
  • 現在の収入や資産状況
  • 調停が不成立に終わった場合の対応方針

調停委員は上記の質問を通じて、申立人の主張や事情を把握していきます

感情的になって相手の悪口を並べるだけでは、調停委員の心証を損ねるおそれがあるため、客観的な事実を冷静に説明できるよう準備しておきましょう。

調停を申し立てられた側への質問内容

調停を申し立てられた側に対する主な質問内容は以下のとおりです。

  • 申立人が主張する離婚理由に対する認識
  • 離婚に応じる意思があるかどうか
  • 夫婦関係を修復する意思や具体的な改善策
  • 親権・養育費・財産分与・慰謝料に対する意見
  • 現在の収入や生活状況
  • 子どもとの関わり方や今後の養育方針

申し立てられた側は表面的な意向だけでなく、その裏にある本音も掘り下げて聞かれる傾向があります。

どちらの立場であっても、自分が何を最も優先したいのかを整理しておくことが大切です。

調停委員が「当たり外れがある」「最悪」と言われる3つの理由

調停委員は「当たり外れがある」「最悪だった」と言われることも少なくありません。

ここでは、調停委員に対する否定的な意見が多い理由を解説します。

担当委員の性格や価値観と相性が合わないこともある

調停委員も人間である以上、担当者によって性格や価値観はさまざまです。

そのため、相性が合わず、不満を感じるケースは少なからずあります。

例えば、年配の調停委員から「夫婦なんだから我慢すべき」という価値観を押しつけられると、反発したくなることもあるでしょう。

また、話を遮るタイプの調停委員や、一方の肩ばかり持つように見える調停委員に対して不信感を抱く人もいます。

ただし、調停委員には中立の立場で手続きを進める義務があり、意図的に偏った対応をすることは基本的にありません。

自分の主張が通らないことへの不満を調停委員にぶつけるのは控えましょう。

全員が法律の専門家ではないため法的な助言が不十分になりやすい

調停委員の中には弁護士資格を持つ者もいますが、全員が法律の専門家とは限りません

人生経験や社会的知見は豊富であっても、法的な論点を正確に整理する能力には個人差があるのが実情です。

そのため、慰謝料請求の可否や親権問題で争っている場合など、法律知識が求められる場面では十分な助言を受けられない可能性があります。

法的に正確な判断を求める場合や複雑な争点を抱えている場合は、弁護士に依頼したうえで調停に臨むのが得策です。

また、弁護士に同席してもらえば、調停委員の知識不足を補ってくれるので、適切な主張を展開できます。

早期解決を優先して和解を強く勧めてくる場合がある

調停委員が早期解決を重視するあまり、一方の当事者に譲歩を迫るケースがあることも、不満の声が上がる要因のひとつです。

調停は合意を前提とした手続きであるため、双方が歩み寄らなければ成立しません。

そのため、調停委員によっては「もう少し譲ったほうがいい」「この条件で手を打ったほうが得策」などと和解案を提示し、合意を迫ろうとすることがあります。

しかし、調停委員の提案に無条件で従う必要はありません。

納得できない条件を提示された場合は、はっきりと拒否することが大切です。

一度担当になった調停委員は原則として変更できない

一度選ばれた調停委員を途中で交代させることは原則としてできません。

変更が認められるのは、調停委員が一方の親族や利害関係者だった場合など、特別な事情があるときに限られます。

「価値観が合わない」「態度が気に入らない」などの理由で交代を要求しても、裁判所に受け入れてもらえる可能性は低いといえます。

調停委員の変更を求めることに労力を費やすよりも、どう向き合うかに意識を向けましょう

調停委員を味方につけるための5つのポイント

調停委員は原則として変更できない以上、担当委員との関係をうまく築くことが調停を有利に進める鍵となります。

ここでは、調停委員を味方につけるための5つのポイントを解説します。

礼儀を正して調停委員に敬意を示す

調停委員の信頼を得るためには、礼儀を正し、敬意をもって接することが重要です。

調停委員も人間である以上、敬意を払ってくれる相手には好意的に接しやすくなります

まず、派手な服装やだらしない格好は避け、オフィスカジュアル程度の清潔感のある身だしなみで臨みましょう。

第一印象で常識のある人物だと認識してもらえれば、その後の主張にも説得力が増します。

また、調停委員の多くは40歳以上の社会経験豊富な人物です。

タメ口で話したり、横暴な態度を取ったりすれば、悪い印象を持たれかねません。

質問を受けた際は相手の目を見て丁寧に回答し、社会人としての基本的な礼儀を示すことが大切です。

自分の主張を簡潔にまとめて伝える

調停委員に対しては、自分の主張を簡潔にまとめて伝えましょう。

1回の調停で調停委員と話せる時間は、30分~1時間程度にすぎません。

思いつくままに長話をすると論点がぼやけ、主張が正確に伝わらなくなります。

効果的な方法は、事前にメモを作成しておくことです。

離婚に至るまでの過程や希望する条件などをメモにまとめて持ち込めば、落ち着いて話すことができ、伝え漏れも防げます。

また、言い分などについて記載した書面を裁判所に提出することも可能になっていますので、口頭で説明するのが苦手な方は、このような方法を利用することも一つです。

証拠を提示して説得力を高める

調停委員に対して客観的な証拠を提示すれば、自らの主張の正当性を理解してもらいやすくなります。

調停委員は中立の立場にあるため、口頭だけの主張では、どちらの言い分が事実に即しているのか判断しきれません。

一方、証拠があれば、事実関係を正確に把握できるようになり、合理的な解決案を導き出す材料となります。

具体的には、以下のような証拠を準備しておくと効果的です。

争点 有効な証拠の例
不貞行為(浮気・不倫) LINEやメールの履歴、写真、探偵の調査報告書など
DV・モラハラ 医師の診断書、負傷時の写真、録音データなど
財産分与 通帳のコピー、不動産登記簿、証券口座の明細など
養育費・婚姻費用 源泉徴収票、給与明細、確定申告書など
親権 育児日記、保育園の連絡帳、子どもとの生活状況がわかる写真など

ただし、相手のスマートフォンを無断で操作するなど、違法な手段で証拠を集めるとかえって自身の立場を悪化させるおそれがあります。

証拠の集め方に迷った場合は、事前に弁護士へ相談しておきましょう。

譲歩できる部分とできない部分を明確に示す

調停を円滑に進めるには、どうしても譲れない条件と、妥協してもよい条件の線引きを明確にしておくことも大切です。

調停はあくまで合意を目指す手続きであり、一方の主張だけが全面的に認められることはほとんどありません

全ての要求を100%通そうとすると、調停委員から「歩み寄る気がない」と判断され、調停が不成立になるリスクが高まります。

一方で、合理的な譲歩ができる人物だと評価されれば、調停委員も協力的になりやすくなります

例えば、「親権は絶対に譲らないが、面会交流の頻度は相手の希望に合わせる」といったように、柔軟な姿勢を持ちましょう。

一方的に相手を批判しない

調停の場で、一方的に相手の悪口を言ったり、人格を否定したりすることは避けましょう。

たとえ相手に非があっても、感情に任せて批判すれば、調停委員からの印象は悪くなってしまいます

相手の非を伝える際は、客観的な事実のみを淡々と述べてください。

「〇月〇日にこういう行為があった」という事実ベースの説明であれば、調停委員の理解も得られやすくなります。

調停委員の言動がおかしいと感じた場合の対処法3つ

調停委員は原則として変更できませんが、明らかに言動がおかしい場合はしかるべき対処を講じることが重要です。

具体的には3つの対処法があるので、詳しくみていきましょう。

家庭裁判所の担当書記官に相談する

調停委員の対応に不満がある場合は、裁判所の担当書記官に相談してみましょう。

書記官は調停手続の進行管理を担っており、調停委員とは別の立場で調停に関与しています。

調停委員に直接不満を伝えるのが難しくても、書記官であれば話を聞いてもらえるかもしれません。

場合によっては、書記官から調停委員に対して、当事者の意向をさりげなく伝達したり、進行の軌道修正を促したりしてくれることもあります。

家庭裁判所の総務課に苦情を申し出る

調停委員から暴言を受けたり、著しく偏った進行をされたりした場合は、家庭裁判所の総務課に苦情を申し出ることも検討しましょう。

苦情を申し出る際は、上申書を作成するケースが一般的です。

調停委員の不適切な発言や対応をできるだけ具体的に記載し、裁判所の窓口や担当裁判官宛てに提出してください。

上申書の内容が事実に即していることがわかれば、裁判官から調停委員に対して注意喚起がおこなわれる可能性があります。

調停取り下げ・不成立を選択する

裁判所に相談しても調停委員の態度が改善されない場合は、調停そのものを終了させるのもひとつの選択肢です。

調停は当事者の合意がなければ成立しないため、納得できない条件を無理に受け入れる必要はありません。

調停委員から不当な扱いが続くのなら、自ら申立てを取り下げるか、合意を拒否して不成立にしてもらいましょう。

通常、離婚については、調停が不成立になった場合には、裁判で争うことになり、別途提訴して、裁判官による客観的な判断を仰ぐことになります。

調停委員ではなく裁判官が事実と法律に基づいて判断を下すため、不公平な進行に悩まされる心配はなくなるでしょう。

調停の対応に不安がある場合は弁護士に相談しよう

調停委員とのやり取りを含め、調停の対応に不安がある場合は、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

弁護士を代理人に立てれば、調停に同席してもらい、その場で助言を受けられるようになります。

調停委員が法的に誤った見解を示した場合でも、弁護士が毅然と反論してくれるため、不利な条件で和解させられるリスクを大幅に抑えられるでしょう。

また、法律の専門家が味方についているというだけで、精神的なストレスも軽減されます。

相手方が弁護士をつけている場合はなおさら、交渉力の差を埋めるためにも弁護士の存在が不可欠です。

自力での対応が難しいと感じた時点で早めに相談することが、円滑な問題解決への近道となります。

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調停委員に関してよくある質問

最後に、調停委員に関してよくある質問に回答します。

疑問を解消し、安心して調停に臨むための参考にしてください。

調停委員の報酬は申立人が負担することになる?

調停委員に支払われる報酬(日当)は国の予算から支出されるため、当事者が負担する必要はありません

調停を利用する際にかかる費用は、裁判所に納める収入印紙代と郵便切手代の数千円のみです。

申し立てられた側に費用負担は一切発生しません。

ただし、弁護士費用はそれぞれの依頼者が自ら支払う必要があります。

なお、調停委員に謝礼や菓子折りを渡す行為は厳禁です。

調停委員は非常勤の国家公務員にあたるため、金品の授受は公務員の倫理規定に抵触するおそれがあります。

調停委員とのやり取りは裁判にも影響する?

調停での話し合い内容が、裁判の判決を直接左右する仕組みにはなっていません

例えば、調停で「養育費を月5万円まで下げてもよい」と譲歩した事実があっても、裁判では改めて適正額が算定されます。

ただし、裁判官が調停の記録を閲覧する可能性は否定できません。

また、規模の小さい裁判所では、調停を担当した裁判官がそのまま訴訟を受け持つケースもありえます。

何をどこまで話すべきか不安がある場合は、事前に弁護士と打ち合わせをしておくのがおすすめです。

調停委員が非開示情報を漏らした場合はどうすればいい?

調停委員が非開示情報を漏らした場合は、速やかに担当裁判官や書記官に申し出ましょう

調停委員には守秘義務が課されており、同意なく非開示情報を相手方に伝える行為は本来あってはなりません。

しかし、意図せず口を滑らせてしまうケースも完全には否定できないのが実情です。

担当裁判官や書記官を通じて状況を確認し、場合によっては上申書を提出して正式に問題提起することも検討すべきです。

特に身の安全に関わる情報が漏えいした場合は、弁護士に相談のうえ、適切な対応を取ることが重要です。

調停委員になるにはどうすればいい?

調停委員になるには、弁護士会や地域の関係団体からの推薦を受けたうえで、最高裁判所から任命される必要があります。

一般的な就職活動のように、自分で直接応募して採用されるわけではありません。

主なルートは以下のとおりです。

  • 弁護士・医師・公認会計士などの専門資格を持つ者として、弁護士会や職能団体から推薦を受ける
  • 地域の自治体や商工会議所などの推薦を受け、社会経験豊富な有識者として任命される

年齢要件は原則40歳以上70歳未満とされており、任期は2年(再任あり)です。

調停委員に関心がある方は、家庭裁判所や弁護士会などに問い合わせて、推薦手続の詳細を確認してみましょう。

まとめ

調停委員は、裁判所の調停手続において当事者間の話し合いを中立の立場でサポートする存在です。

全員が法律の専門家とは限らないため「当たり外れ」を感じる場面もありますが、制度上は社会経験豊富な人物が選任される仕組みになっています。

調停を有利に進めるためには、礼儀正しい態度で臨み、主張を簡潔に伝え、証拠を用意しておくことが重要です。

調停への対応に不安がある場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。

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この記事の監修者
しらとり法律事務所
白鳥 剛臣 (仙台弁護士会)
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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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