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面会交流はしない方がいい?避けるべきケースと対処法、リスクについても解説

面会交流はしない方がいい?避けるべきケースと対処法、リスクについても解説

離婚後の面会交流は、離れて暮らす親と子どもの権利です。

しかし、子どもが父親と会うことを嫌がっている場合や、何らかの事情で子どもと父親を会わせたくないなど、どうにかして面会交流を拒否できないかと考えている方もいるかもしれません。

しかし、子どもの利益を害する恐れがない限り、原則として同居親は面会交流を拒否できません。

とはいえ中には、さまざまな事情で面会交流をしない方がいいケースがあるのも事実です。では、どのような場合に面会交流をしない方がいいのでしょうか。

本記事では、面会交流をしない方がいいケースや、面会交流を拒否したい場合の対処法やリスクなどについて、解説します。

この記事を読んで、子どもの安心につながるベストな方法を選択できるようにしましょう。

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面会交流をしない方がいい4つのケース

民法第766条1項によると、離婚後の面会交流は「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と定められています。

逆にいうと、面会交流は子どもの利益にならないのであれば実施しない方がいいということです。

しかし、具体的にどのようなケースであれば面会交流をしない方がいいのか、判断が難しいのではないでしょうか。

ここからは、面会交流をしない方がいい具体的な4つのケースを紹介します。

1.子どもが嫌がる

面会交流をしない方がいいケース1つ目は、子どもが嫌がっている場合です。

子どもが、離れて暮らす親に会いたくないと明確に自分の意思を表明しているのであれば、面会交流はしない方がいいでしょう。

ただし、子どもの一時の感情や、同居親に気を遣って「会いたくない」と言っている可能性もあります。

子どもが本当に嫌がっているのかは、慎重に見極めなければいけません。

子どもが自分の意思を人に伝えられる年齢の目安は、10歳程度とされています。

そして、15歳以上の子どもであれば、もし相手方から面会交流調停を申し立てられても、子ども自身の意思が尊重されます。

子どもが周りに左右されず、自分の意思で嫌がっているのであれば、面会交流はしない方がいいでしょう。

2.子どもに危害を加える可能性がある

面会交流をしない方がいいケース2つ目は、相手方が子どもに危害を加える可能性がある場合です。

元配偶者が暴言や暴力を振るう恐れがあるなら、子どもを会わせるのは非常に危険だといえます。

本来、面会交流を実施すれば、子どもは離れて暮らす親からの愛情を受けて精神的な安定を得られるはずです。

しかし、そんな面会交流が子どもにとって恐怖の時間になってしまえば、子の利益に反します。

子どもの心に傷を負わせないためにも、相手方が危害を加える可能性がある面会交流はしない方がいいでしょう。

3.子どもを連れ去る可能性がある

面会交流をしない方がいいケース3つ目は、非監護親が子どもを連れ去る可能性がある場合です。

連れ去りは、子どもの生活環境を一方的に変えてしまう行為です。

学校生活や習い事など、子どもにも慣れ親しんだコミュニティや同居親との生活があります。

子どもの生活環境がガラリと変わってしまえば、子どもの精神的にも大きな負担になるでしょう。

非監護親が子どもを連れ去る危険がある場合は、面会交流に第三者を同行させるなどの対策が必要です。?

もし難しいようであれば、面会交流はしない方がいいといえます。

4.精神的に不安定など相手に大きな問題がある

面会交流をしない方がいいケース4つ目は、相手方に精神的な問題がある場合です。

相手が精神的に不安定な状態では、子どもと満足な交流はできないでしょう。

たとえば、相手方がアルコールや薬物に依存している状態では、子どもに危険が生じます。

相手に大きな問題がある場合は、子どもの身の安全を考えて面会交流をしない方がいいでしょう。

面会交流を拒否したい場合の対処法

子どもに不利益がないのであれば、基本的に面会交流を拒否することはできません。

しかし、何らかの理由で面会交流を拒否したい場合はどうするべきなのでしょうか。

ここでは、理由があって面会交流を拒否したい場合の対処法を紹介します。

相手と直接話し合う

まずは、相手と直接話し合いましょう。

具体的な理由もなく一方的に面会交流を拒否していても、相手は納得できないはずです。

なぜ面会交流をしたくないのか、なぜ子どもが嫌がっているのかなど、具体的な理由を相手にきちんと伝えて、理解してもらう必要があります。

また、円満に話し合いたいなら、こちらの要望を伝えるだけでなく相手の気持ちも考えることが大切です。

面会交流が再開できそうな時期を伝えるなど柔軟に交渉することで、相手も受け入れやすくなるはずです。

面会交流調停を申し立てる

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所へ面会交流調停を申し立てましょう。

当事者同士だと感情的になりやすい子どもの話も、調停で第三者を挟めば冷静に話し合えるかもしれません。

面会交流を拒否したいのであれば、面会交流が子どもの不利益になるということを具体的に調停委員へ伝えましょう。

状況によっては、調査官による家庭訪問や面接などの調査が入ることもあります。

もし調停で決着がつかなければ、審判手続きに進みます。

審判では、これまでの調停での経緯などを踏まえて、裁判官が面会交流実施について判断を下します。

弁護士に依頼する

相手との交渉や手続きに不安がある場合は、弁護士に依頼しましょう。

離婚した元配偶者と顔を合わせたくない、話し合いをしたくないという場合は、弁護士への依頼がおすすめです。

弁護士に依頼すれば、相手方との交渉や調停手続きを一貫して任せることができます。

元配偶者と直接やり取りをするのは、精神的に辛いと感じる方もいるはずです。

ストレスを軽減するためにも、早めに弁護士へ相談しましょう。

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相手に面会交流調停を申し立てられた場合の対処法

面会交流についての話し合いや条件がまとまらない場合は、相手から面会交流調停を申し立てられる可能性があります。

ここからは、相手に面会交流調停を申し立てられた場合の対処法を解説します。

絶対に無視しない

1つ目は、絶対に無視しないということです。

面会交流調停が申し立てられると、裁判所から呼び出し状が届きます。

裁判所からの呼び出しを無視して調停期日を欠席し続けると、調停は不成立になり審判へと移行します。

審判とは、調停での双方の主張を元に、裁判官が判断を下す手続きのことです。

しかし、そもそも調停に一度も出席していないのであれば、自身の意見は全く主張できていないことになります。

審判では申立人側の主張が採用され、申立人に有利な結果が出される可能性もあるしょう。

自身の考えをしっかり主張して納得のいく結果を出したいのであれば、裁判所からの連絡は絶対に無視しないでください。

調停委員に自分の意見を冷静に伝える

2つ目は、調停委員に自分の意見を冷静に伝えることです。

子どもに関する話は、どうしても感情的になりがちです。

だからといって怒りを露わにしたり、調停に関係のない相手の愚痴などを話したりしては、調停委員にあなたの主張は伝わらないでしょう。

また、感情的な言動は調停の進行を妨げる可能性もあります。最悪の場合、あなたに不利な結果となるかもしれません。

調停の場では、冷静に論理的に意見を伝えるようにしましょう。

弁護士に対応を依頼すれば主張が認められる可能性が高まる

3つ目は、弁護士に対応を依頼することです。弁護士に依頼すれば、主張が認められる可能性が高まります。

弁護士は調停の場で、法的観点から冷静にあなたの意見を主張してくれます。

調停委員も状況を理解しやすいですし、最終的な結論にあなたの意見を反映してもらえるかもしれません。

また、弁護士に依頼すれば、調停に必要な証拠や主張書面なども全て作成してもらえます。

交渉の対応や調停への出席も弁護士が対応するため、自身の負担を減らせるでしょう。

面会交流を拒否する4つのリスク

子どもと元配偶者を会わせたくないなど、さまざまな理由で面会交流を拒否したいと考える方もいるでしょう。

ここからは、面会交流を拒否した場合に考えられる4つのリスクについて解説します。

1.裁判所から履行勧告をされる

面会交流を拒否すると、裁判所から履行勧告をされるリスクがあります。

履行勧告とは、調停や審判で決まった内容を実行しない者に対して、裁判所から取り決めを守るように電話や書面で勧告する手続きのことです。

面会交流調停の場合、面会交流を拒否している監護親が、非監護親からの申し出により履行勧告される可能性があります。

履行勧告には強制力はありません。

しかし、裁判所からの連絡が精神的なプレッシャーになる恐れがあります。

2.裁判所から間接強制をされる

面会交流を拒否すると、裁判所から間接強制をされるリスクがあります。

間接強制とは、債務を履行しない者に対し、ペナルティとして制裁金を課す制度のことです。

面会交流の場合は、「面会交流に応じなければ、1回あたりいくら支払え」と命じられる可能性があります。

履行勧告と異なり金銭の支払いが発生するので、より重みのある手続きだといえるでしょう。

3.相手から慰謝料を請求される

面会交流を拒否すると、相手から慰謝料を請求されるリスクがあります。

面会交流は、子どもと非監護親の権利です。正当な理由がない状態で面会交流を拒否する行為は、非監護親の権利を侵害することにつながります。

不法行為を理由に慰謝料を請求されてしまうかもしれません。慰謝料の相場は数十万円程度ですが、状況によってはより高額な慰謝料を請求される可能性もあります。

4.相手から親権者変更の申し立てをされる

面会交流を拒否すると、相手から親権者変更の申し立てをされるリスクがあります。

子どもに会えないのであれば、親権者を変更しようと考える非監護親もいるでしょう。

親権者の変更は子どもの生活にも大きな影響を与えるため、そう簡単に裁判所が認めるものではありません。

しかし、正当な理由なく面会交流を拒否する行為は、子どもの権利を奪うことにもつながります。

拒否し続けている場合、監護親にふさわしくないと裁判所が判断し、親権者変更が認められるかもしれません。

こんな場合は面会交流をしない方がいい?よくある質問

ここからは、面会交流をしない方がいいのでは?と悩むケースについて紹介します。

似たような状況で困っている方は、ぜひ参考にしてください。

相手が養育費を支払ってくれない場合

相手が養育費を支払ってくれない場合、面会交流をしたくないと考える方もいるでしょう。

しかし、養育費を支払ってくれないからといって、面会交流をしなくていいわけではありません。

養育費は監護親から非監護親に求めるもので、面会交流は非監護親が監護親に求めるものです。

養育費と面会交流は交換条件で考えられがちなのですが、法律上は全く別の問題です。

親には未成年の子どもを扶養する義務があるので、離婚したとしても養育費を支払う必要があります。

一方、面会交流は、子どもの利益のためにおこなわれる、子どもが主体の権利です。

養育費と面会交流は、法律上は別問題になります。

交換条件的に捉えるべきではありません。

養育費の支払いがないからといって、面会交流を拒否するのは避けた方がよいでしょう。

相手が子どもにこちらの悪口を言う場合

相手が子どもにこちらの悪口を言っている場合は、面会交流をしない方がいいかもしれません。

子どもが父母の間に挟まれることで、精神的に苦しんでいる可能性があります。

このような状況での面会交流は、子どもの利益になるとはいえないでしょう。

子どもが辛い思いをしないように、面会交流について改めて協議をした方がよいかもしれません。

中学生の子どもが面会交流をしたくないという場合

中学生の子どもが面会交流をしたくないと言っているなら、面会交流をしなくてもいいかもしれません。

一般的に子どもは、10歳程度から自分の意思を人に伝えられるとされています。

さらに15歳以上であれば、本人の意思を尊重して物事を決めるべきだといえるでしょう。

中学生であれば、自分の意思をしっかり持っているはずです。

子どもが面会交流をしたくないといっているなら、拒否できる可能性があります。

再婚したので、新しい配偶者との関係を大切にしてほしい場合

自身が再婚したからといって、面会交流を拒否できるわけではありません。非監護親は、子どもにとっては唯一の肉親です。

再婚をきっかけに、新しい配偶者との関係性を構築してほしいと思う監護親の気持ちも理解できます。

しかし、だからといって子どもから非監護親と交流する権利を奪ってはならないのです。

ただし、再婚後の面会交流で子どもが混乱し精神的に不安定になるようなら、面会交流をしない方がいいかもしれません。

家庭の状況にあわせて、柔軟に対応しましょう。

さいごに|面会交流は誰より子どものためのもの

面会交流をしない方がいいケースは、以下の4つです。

  • 子どもが嫌がっている
  • 相手方が子どもに危害を加える可能性がある
  • 相手方が子どもを連れ去る可能性がある
  • 精神的に不安定など、相手に大きな問題がある

もし面会交流を拒否したいのであれば、以下の対処法を検討しましょう。

  • 相手と直接話し合う
  • 面会交流調停を申し立てる
  • 弁護士に依頼する

しかし、面会交流を拒否することで、裁判所から履行勧告や間接強制をされたり、相手からの慰謝料請求や親権者変更の申し立てをされたりするリスクも生じます。

面会交流は、子どもの利益のために実施されるものです。

子どもが離れて暮らす親に会いたいと望んでいるのに、父母の勝手な都合で面会交流を拒否してはいけません。

子どものことを一番に考えて、子どもが幸せになる方法を慎重に考えるようにしましょう。

どうしても面会交流を拒否したい場合や、面会交流をしない方がいいのでは?と悩んでいるなら、弁護士に相談して対応についてアドバイスをもらいましょう。

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この記事の監修者
高島総合法律事務所
理崎 智英 (東京弁護士会)
豊富な解決実績・メディア出演多数。コミュニケーションを大切にし、培ってきた経験やノウハウを活かし、ひとりひとりに合わせたオーダーメイド型の解決策を提示しています。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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