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別居時の生活費を請求しよう|相場を確認した上で婚姻費用を請求する方法
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2016.2.15

別居時の生活費を請求しよう|相場を確認した上で婚姻費用を請求する方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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なにかしらの理由で別居に至った場合、もしあなたが仕事をしておらず頼れる実家もないなら、別居中の生活費に不安を覚えるかもしれません。しかし、基本的に別居中であっても配偶者から生活費を得ることができるのです。
 
ここでは、生活費にあたる「婚姻費用」がいくらもらえるのか、またどのような方法で婚姻費用の請求をするのか詳しくみていきましょう。

別居時の生活費を請求できる婚姻費用分担請求とは?

婚姻費用とは別居中に発生する『生活費』のことをいいます。夫婦には、お互いの生活レベルが同等になるように助け合う生活保持義務が設けられています。よって、生活に必要な費用の分担を行うことを婚姻費用分担といいます。


この、生活に必要な費用というのは具体的に以下のようなものを指します。

・衣食住の費用

・子どもの教育、養育費

・医療費

・交際、娯楽費


もちろん衣食住の費用だけでなく、医療費、子供の教育費、交際費なども計算に含めることが出来ます。収入が多い夫から妻へお金を渡すというのが一般的です。夫婦円満な生活を送っていればこのようなことを考慮する必要はありませんが、以下のような夫婦状況の場合は、婚姻費用分担請求ができます。

 

・夫婦どちらかが家を出たことにより別居をしている

・同居をしているが配偶者から生活費が渡されない

 
この際、別居理由はそれほど重要ではなく夫婦関係が続いている以上、生活に必要な費用を同等程度に分けることが義務付けられているのです。夫婦が一つ屋根の下で一緒に暮らしていないとしても配偶者に生活費を渡さないことは法律違反となってしまいます。

 

別居中の生活費を支払わなくて良いケース

婚姻費用の内訳は、片方の配偶者の生活費と子供の養育費などとなっています。子供の養育費に関しては、子供自身もしくは子供の養育者である片方の配偶者が、別居の 理由とは関係なく請求することができますので、別居の理由を問わず子供の養育を行っている限り認められるものとなります。

 

婚姻費用の金額を決める要素

婚姻費用は話し合いで自由に決められますが、以下の事情を考慮して金額を決めるのが一般的です。

 

●生活費を支払う側の年収

支払う側の年収が多いほど婚姻費用の金額も大きくなります。

 

●生活費を受け取る側の年収

受け取る側の年収が少ないほど婚姻費用の金額も大きくなります。

 

●子どもの人数

子どもの人数が多いほど婚姻費用も高額になる傾向があります。

 

●子どもの年齢

子どもの年齢が高いほど婚姻費用も高額になる傾向があります。

 

婚姻費用がもらえるのはいつからか?

通常、婚姻費用は、調停の申し立てをした時点からもらうことができます。しかし、過去にもらえるはずだった婚姻費用の請求は一般的には認められません。

 

別居中の生活費をもらう為の婚姻費用の相場の調べ方

婚姻費用は夫婦間の話し合いにより自由に決定できるため、一律いくら請求できるとは決まっていません。夫婦の生活レベルが同等になるように分け合うことが大前提なので、各家庭の収入によってその額が異なるのは自然なことと考えられます。
 
しかし、いくら自由に決めることができるとはいえ、ある程度参考になるものがないと金額を決めるときに困ってしまう方もいることでしょう。

 

そこで、「婚姻費用算定表」を参考にしながら話し合いを行うケースが多いです。「婚姻費用算定表」とは、家庭裁判所が夫婦の年収や子供の人数に応じて最適とされる婚姻費用の額をまとめた算定表になります。

 

ここからは、ある家族を例に婚姻費用算定表を使いながら、婚姻費用の相場を確認していきましょう。

 

1. 子供の人数と年齢を元に婚姻費用算定表を選択

婚姻費用算定表は子どもの人数と年齢に合わせたものがいくつか存在します。ご自身の家庭の算定表を確認するためには、こちらの【裁判所|婚姻費用算定表】からご確認ください。

 

今回はこちらの家族を例に相場の確認を行います。

 

  • 年収300万円の夫
  • 年収100万円の妻
  • 子ども:5歳の息子1人

 

2. 義務者の年収を確認

義務者とは、ここでいう年収300万円の夫のことです。生活費を支払う側の人のことをいいます。この項目で注意するポイントは、支払う側が給与所得者か自営業かによって表の見方が変わる点です。

 

給与所得者の場合は源泉徴収票で年収を確認し、縦軸から該当する給与を見るようにしましょう。自営業者の場合は、確定申告書で年収を確認し、縦軸から該当する自営を見てください。

 

3. 権利者の年収を確認

権利者とは、生活費をもらう側のことをいいます。ここでは年収100万円の妻を表します。給与所得者なのか自営業者なのかによって表の見方が異なりますので、給与所得者であれば横軸の給与を、自営業者では横軸の自営を見るようにしましょう。
 

4. 婚姻費用額の確認

ここまでの作業によって年収300万円の夫と年収100万円の妻の線が2本交差した箇所があるはずです。その場所に記載されている金額があなたの家庭状況で実際に受け取れる婚姻費用額の相場となります。

 

よってこの家族の婚姻費用の相場は月額2万円〜4万円であることがわかりました。
 

婚姻費用分担請求の手順

婚姻費用分担を行うには、まず夫婦で協議をします。合意すればその時点で婚姻費用の請求は完了しますが、もし、お互いが合意できなければ調停へと進みます。

 

夫婦の話し合いによって決まることが望ましいですが、生活がかかった金銭についての話し合いであるためなかなかお互いが納得出来ないケースもあります。


そんな状況で、婚姻費用獲得へ助けになる手段が、婚姻費用の分担請求調停です。
 

婚姻費用分担請求に必要な書類

婚姻費用分担請求調停の申立ての際に提出する書類は以下の3点です。

①婚姻費用分担請求調停の申立書
②夫婦それぞれの戸籍謄本
③夫婦それぞれの収入が分かる資料
※源泉徴収票や確定申告書など
 

申立書の書き方

申立書は裁判所のホームページに載っている【婚姻費用申立書】からダウンロードが可能です。

記入例は【こちら】を参考にしてください。


申立書には以下の項目を記載しましょう。

1. 申立先家庭裁判所と申立日の欄
2. 申立人の記名押印の欄
3. 申立人の氏名・住所の欄
4. 相手方の氏名・住所の欄
5. 未成年の子の欄
6. 申立ての趣旨の欄
※調停の欄にチェックを入れましょう。ここに相手方に支払ってもらいたい婚姻費用の月額を記載しましょう。この金額は特別な事情がない限りは上記した相場内の金額が望ましいです。


7. 申立ての理由の欄
なぜ申し立てるのか、婚姻費用を請求するに至った経緯に関する事実関係について順を追って記しましょう。忘れずに必ず記載しなければいけない項目は、同居と別居の開始日です。正確な日付がわからない場合はだいたいのその日付を分かる範囲で記載しましょう。
 

調停にかかる費用

調停にかかる費用は2,000円ほどです。その内訳は以下の通りです。

1. 収入印紙代 1200円(郵便局などで購入できます)
2. 切手代 800円ほど(家庭裁判所によって異なります)
※切手代は相手側に書類を郵送するために必要となります。

 

相手が別居中の生活費を払わない場合

調停で決定した婚姻費用の額を配偶者が支払わなかった場合、段階に分けていくつか催促する方法があります。
 

履行勧告

履行勧告とは、家庭裁判所から電話や郵便をもって「決まった内容を守りなさい」と勧告をお願いできる制度です。裁判所からの通達は心理的にプレッシャーを与える効果があるでしょう。

 

履行勧告は、調停で両者合意した結果を証明する調停調書があれば依頼することが可能です。履行勧告には費用がかからず、調停を行った裁判所に電話か直接申し出ることで手続きを行えます。
 

履行命令

履行勧告に相手が応じない場合の次の手として履行命令があります。履行命令とは一定期間を定めた上で、決められた義務を実行するよう命令することを指します。履行命令を行うには、履行勧告と同様に調停を行った裁判所へ依頼すれば応じてもらえます。

履行命令をされた者が正当な理由なく履行命令に従わない場合には10万円以下の過料を課せられます。しかし、履行命令には法的強制力はなく、婚姻費用の支払いを強制的に行わせることはできません。

配偶者が履行勧告や履行命令に従わず、養育費や婚姻費用の分担をしない場合は、次の手段として強制執行を行うことができます。強制執行には二種類の方法があります。

支払い義務がある者の財産の差し押さえをする直接強制と、一定期間に支払いがなければ間接強制金を課す警告によって支払いを促す間接強制があります。
 

直接強制

直接強制とは、婚姻費用分担金が得られるように、地方裁判所が支払い義務のある者の財産を差し押さえることをいいます。養育費や婚姻費用分担金は、将来に支払われる金額に対しても差し押さえが可能となります。
 

間接強制

間接強制は財産の差し押さえはしませんが、義務の履行がなければ強制的に間接強制金が課されるため、心理的に義務の履行を強制させます。

 

なお、原則として金銭の支払義務に対して間接強制の方法をとることはできませんが、婚姻費用などの夫婦・親子関係から生じる金銭の支払義務については、例外的に間接強制の方法が認められています。

この間接強制金が膨れ上がると、支払い義務がある者の生活が困窮してしまう恐れもあるため、相手の収入を考慮して適性金額が決定されます。
 

まとめ

別居中でも基本的には婚姻費用(生活費)が受け取れることがわかりましたね。

 

いくら生活費が受け取れるとはいえ、別居前の時点で新しい住まいや仕事探し、離婚後の生活費や金銭面の把握をしておいた方がいいでしょう。
 
これらの準備は、別居生活への不安を減らすことにも繋がりますので、これから別居をしようと考えている方はその前に金銭面や生活の仕方を今一度よくお考えいただければと思います。
 

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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