離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
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離婚前に別居をすることは、決してマイナスではありません。
抱えている問題によっては、離婚が確定する前にすぐにでも離れて暮らしたいと考える方もいるでしょう。
しかし、いくつかの注意点を守らなければ、離婚調停で不利になる可能性があります。
離婚調停とは、夫婦間での話し合いがまとまらない場合などに、家庭裁判所を通じておこなう離婚手続きです。
調停では、調停委員という専門家が間に入り、離婚そのもののほか、財産分与や慰謝料・親権・面会交流・養育費などの条件について話し合います。
本記事で離婚調停前~離婚調停中の別居についてのメリットや注意点について解説します。
別居をしたとしても、原則として離婚調停には影響しません。
実際に、別居しながら離婚調停手続きを進めている夫婦も多くいます。
基本的には別居が原因で調停委員の印象が悪くなったり、不利になったりすることはないと考えてよいでしょう。
ただし、離婚調停は当事者の話し合いが前提となる手続きであるため、別居している事実が特別有利になるわけではない点も理解しておく必要があります。
離婚調停において、別居自体は必ずしも不利になるわけではありませんが、特定のケースでは調停委員に悪い印象を与える可能性があります。
調停委員の印象が悪くなる別居のケースとして挙げられるのは、主に次の3つです。
どのような別居のケースが問題となるのか、以下でひとつずつ確認していきましょう。
離婚調停において、調停委員に悪い印象を与える別居のケースのひとつが「悪意の遺棄」に該当している場合です。
悪意の遺棄とは、婚姻関係が破綻するとわかっていながら、正当な理由なく、夫婦の本質的義務である同居・協力・扶助義務に違反する行為です。
たとえば、収入があるのに生活費をまったく渡さなかったり、無断で家を出たまま戻らなかったりすると、悪意の遺棄に該当する可能性があります。
悪意の遺棄は民法で定められている法定離婚事由のひとつであり、悪意の遺棄が認められた配偶者は「有責配偶者」となります。
有責配偶者とは離婚の原因を作った配偶者を指し、原則として有責配偶者からの離婚請求は認められていません。
慰謝料請求をされる可能性もあるため、別居に至った理由や経緯が悪意の遺棄にあたらないかどうかは慎重に検討する必要があります。
別居期間中に不倫をしている場合、離婚調停において調停委員の印象を悪くする可能性が高いです。
別居が続いていたとしても、婚姻関係は継続しているため、ほかの異性との交際や同棲は不貞行為にあたる可能性があります。
不貞行為は婚姻関係を破綻させる行為であり、悪意の遺棄と同様に、民法で定められている法定離婚事由に該当します。
調停委員に対して不倫をほのめかす発言をしてしまうと、婚姻関係を破綻させた有責配偶者なのではないかと疑われる原因となり、悪い印象を与えるでしょう。
離婚を有利に進めたいと考えているならば、別居中に新たな恋愛関係を構築するのは避けるべきです。
一方的な子どもの連れ去りは、調停委員の印象を大きく損ねる行動です。
子どもを連れて別居生活を始めた場合、より長い期間子どもと暮らせるため、監護実績の主張においては有利に働く可能性があります。
しかし、子どもの意思を無視して強引に連れ去ったり、親権を争っている最中に配偶者を騙して連れ去ったりした場合は、離婚調停で不利になる可能性が高いです。
また、子どもの連れ去りをしている場合、相手から子の引渡し調停や子の監護者の指定調停を申し立てられるケースもあります。
子の引渡し調停や子の監護者の指定調停が申し立てられた際は、子どもを不当に連れ去ったほうが不利な状況になる場合も少なくありません。
調停委員の印象だけでなく、子どもの生活にも影響が及ぶリスクのある行為のため、子どもを連れていくときの判断は慎重におこないましょう。
別居によって離婚調停で不利にならないために押さえておくべきポイントは、次の3つです。
これらのポイントを押さえておけば、離婚調停が不利に進むのを防げます。
どのような点に気をつけるべきか、以下で各ポイントを具体的に見ていきましょう。
別居することを配偶者に伝えるようにしましょう。
家を出て行って別居したあとに伝えるのでも大丈夫です。
一方的に別居を始めて連絡を絶ったりすると、配偶者に対する悪意の遺棄とみなされ、離婚調停で不利になってしまう可能性があります。
悪意の遺棄であるといった主張をされないためには、別居することをちゃんと伝えるのが重要です。
とくに子どもがいる場合は、子どもの意思も尊重したうえで、別居するようにしてください。
別居の理由に不倫やDVなどの問題がある場合、その証拠を集めておきましょう。
離婚調停時に証拠が揃っていれば、正当な理由で別居をしたと立証できます。
また、不貞行為やDVは民法上の不法行為であるため、離婚請求や慰謝料請求が認められやすく、離婚手続きを有利に進められる可能性があります。
具体的な証拠としては、写真・メール・SNSのメッセージ履歴・病院の診断書などが有効です。
ただし、証拠集めによって状況が悪化したり、別の問題が生じたりするリスクもある点は理解しておく必要があります。
適切な証拠の判断や集め方について悩んだら、専門家である弁護士のアドバイスを受けるのが望ましいです。
離婚調停を有利に進めるためには、離婚問題を得意としている弁護士にサポートしてもらうのがおすすめです。
弁護士に相談すると、以下のようなメリットを得られます。
弁護士は法律の専門知識をもっており、別居や離婚手続きをスムーズに進めるためのアドバイスを提供してくれます。
別居を始める行為自体が問題となるケースも考えられるため、リスクを回避するためにもできるだけ早いタイミングで弁護士に相談しておくとよいでしょう。
別居をする際は、事前に次のような準備を整えておくのをおすすめします。
準備を整えてから別居することで、別居後に不都合が出るリスクを軽減できるでしょう。
それぞれの準備の内容について、以下で詳しく解説していきます。
別居を開始する前にやっておくべき準備のひとつは、婚姻費用(生活費)の請求準備です。
婚姻費用とは、夫婦や未成年の子どもが、社会的地位や収入に見合った生活を送るにあたって必要となる生活費を指します。
夫婦には協力義務や扶助義務があり、別居した際は、収入が低い配偶者から収入が高い配偶者への婚姻費用請求が認められています。
しかし、婚姻費用は基本的に相手に請求した時点からしか受け取れません。
別居中の生活に悩まないためには、事前に婚姻費用請求の準備を始め、別居がはじまってからすぐに請求するのが望ましいです。
別居を始める前に、まず別居中の住まいを見つけておく必要があります。
住まいの準備が整っていない状態で別居を始めると、生活が不安定になり、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。
事前に適切な住まいを見つけておけば、別居生活をスムーズに開始できるでしょう。
住まいを見つける際には、不動産会社やインターネットの物件情報を活用し、複数の物件を比較検討します。
気になる物件があれば実際に見学し、自分や子どもにとって住みやすい環境であるか確認するのも重要です。
なお、もし実家を頼れる状況であれば、親へ事情を説明し、実家に帰らせてもらうのもひとつの選択肢となります。
専業主婦(夫)である場合は、別居後の生活費を確保するために仕事を探しておくのが望ましいです。
婚姻費用が支払われるとしても、予定通りに支払われない場合や、それだけで生活を維持するのが難しい場合もあるでしょう。
経済的な自立を目指し、別居前に仕事を探しておくと、安定した生活を送る準備を整えられます。
まずはインターネットの求人サイトや地元の求人情報誌などを活用し、自分の条件に合った仕事を探してみるとよいでしょう。
履歴書の書き方や面接対策も含めて相談しながら仕事を探したい場合には、ハローワークを利用するのがおすすめです。
離婚を前提に別居する場合は、別居前に配偶者の財産や収入に関する資料を確保しておきましょう。
資料が揃っていれば、配偶者の財産が把握でき、離婚時の財産分与を決める際に役立ちます。
財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に形成した財産を、離婚の際に分配する制度です。
基本的には夫婦で半分ずつ分配しますが、相手の収入のほうが多い場合、財産を渡すのを不満に感じて少なく申告される可能性が考えられます。
別居中に証拠を集めるのは難しいため、できる限り別居前に以下のような資料を確保しておくとよいでしょう。
これらの資料が見つかったら、コピーを取っておき、保管しておくのをおすすめします。
離婚調停や別居に関する疑問は、多くの方が抱くものです。
ここでは、とくによくある質問を3つ紹介します。
以下で一つひとつ回答しますので、ぜひ参考にしてみてください。
離婚調停を申し立てたあとでも、別居は可能です。
調停を進める中で、お互いにとって最適な解決策を見つけるために、一時的に距離を置いたほうがよいと判断できるケースもあります。
ただし、不適切な理由や一方的な別居は、調停において不利になる可能性があるため、事前に配偶者と話し合い、合意を得られるよう努めましょう。
別居が夫婦の同居義務違反になるかどうかは、ケースバイケースで異なります。
民法では夫婦の同居義務が規定されていますが、あくまでも本質的な義務を定めているに過ぎないため、同居を強制するものではありません。
たとえば、以下のような状況であれば、同居義務違反とは判断されないのが通常です。
正当な理由がなく無断で別居を始めた場合には、同居義務違反が認められる可能性があるため注意が必要です。
別居を開始した際に、住民票を異動させるべきかどうかは、状況に応じて判断する必要があります。
夫婦関係を見直すために冷却期間を置く場合や、単身赴任でしばらく別居する場合など、一時的な別居であれば住民票を異動させなくてもよいでしょう。
しかし、住民票を異動させない場合、公的書類を受け取れなかったり、子どもの転園・転校の手続きが困難になったりするデメリットがあります。
そのため、離婚を前提に別居する場合や、別居先での生活が長期間にわたる場合は、住民票を異動したほうがよいといえます。
住民票を異動させるか迷ったら、別居に至った理由や期間、デメリットなども考慮したうえで検討してみてください。
離婚を考える際は、さまざまな問題に直面することが予想されます。
とくに、別居や離婚調停に関する手続きは、ひとりで対処するのが困難となるケースも多いでしょう。
もし不安や疑問があれば、離婚を真剣に検討し始めた段階で、早めに弁護士に相談するのをおすすめします。
離婚問題に注力している弁護士は、離婚や別居に関する法律知識や豊富な経験をもっており、状況に応じた適切なアドバイスを提供してくれます。
より有利に離婚を進めるためにも、信頼できる弁護士への相談を検討してみてください。
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