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離婚調停とは?期間・手続きの流れ・必要書類・長引かせないための方法を詳しく解説

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離婚したいと考えていても、相手が応じてくれず話が進まないケースは少なくありません。離婚の話が進まない場合は、家庭裁判所で第三者を交えて話し合う離婚調停を検討してください。

ただし、離婚調停の流れやNG行為を把握しておかないと、望む結果を得られない可能性が高まります。本記事を通して、離婚調停の基礎知識や手続きの流れ、必要書類や費用を押さえておきましょう。

また、手続きにかかる期間や離婚調停中にやってはいけないことも解説します。離婚したいと思ったら、まずは本記事で全体像を確認してみてください。

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目次

離婚調停(夫婦関係調整調停)とは家庭裁判所で調停委員を交えた話し合いをすること

離婚調停(夫婦関係調整調停)とは、家庭裁判所で調停委員を交えて離婚条件を話し合う手続きです。

離婚をする・しない以外にも、養育費や慰謝料などの離婚に関するさまざまな問題を話し合います。調停委員は、夫と妻を個別に呼び出して主張を聞き取り、主張の食い違いがある箇所を整理しながら離婚の合意形成をサポートしてくれます。

ただし、調停はあくまで話し合いの場であり、双方が条件に納得しなければ調停離婚は成立しません。合意に至らない場合は不成立となり、裁判へ進むケースもあります。

離婚調停・協議離婚・離婚裁判の違い

離婚調停・協議離婚・離婚裁判は、離婚の仕方が異なります。下表に違いをまとめたので、参考にしてください。

協議離婚 夫婦だけで話し合い、双方が合意して離婚届を提出する手続き
離婚調停 家庭裁判所の調停委員が間に入り、話し合いで離婚を目指す手続き
離婚裁判
(離婚訴訟)
離婚調停が不成立となった場合に、裁判官の判決によって強制的に離婚の可否が決定される手続き

なお、離婚裁判はいきなり申し立てられず、原則として調停を先におこなわなければなりません。ただし下記のようなケースは、例外的に離婚調停を経ずに離婚裁判をおこなえます(家事事件手続法第275条第1・2項)。

  • 配偶者が行方不明の場合
  • 配偶者が調停に応じない場合

自分のケースが例外に該当するかどうか判断に迷う場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。

離婚調停のメリット・デメリット

離婚調停を申し立てる前に、メリットとデメリットの両面を把握しておきましょう。

メリット
  • 第三者を交えて冷静に話し合える
  • 配偶者と顔を合わせずに済む
  • 調停調書に執行力が付与される
デメリット
  • 平日の日中の時間を確保する必要がある
  • 解決までに時間がかかるケースがある

離婚調停のメリット

離婚調停のメリットは、第三者を交えて冷静に話し合いを進められる点です。

夫婦だけで離婚条件を話し合うと、感情的になって合意を得られないケースも珍しくありません。公平・中立の立場である調停委員が間に入ると、お互いの主張が整理されるため、現実的な妥協点を見つけやすくなります。

調停は別室で夫と妻が交互に話す形式のため、配偶者と顔を合わせる必要もありません。配偶者への嫌悪感が強い方や、DV・モラハラなどを受けている方でも、安心して自分の主張を伝えられます。

また、離婚調停で合意を得られた内容がまとめられた調停調書には、執行力が付与されます。離婚後に養育費や慰謝料などの支払いが滞っても、強制執行によって相手の給与や預貯金の差し押さえが可能です。

離婚調停のデメリット

離婚調停のデメリットは、平日の日中に裁判所へ出向く時間を確保しなければならない点です。

調停期日は平日の午前中や昼間に開かれ、1回あたり2時間ほどの拘束時間が発生します。仕事や育児の合間に裁判所へ通う必要があるため、有給休暇の取得や子どもの預け先の手配といった日程調整が欠かせません。

また、解決までに時間がかかるケースが多い点もデメリットです。調停は月1回程度のペースで進むため、解決までに1年以上かかるケースも少なくありません。長期化を防ぐために、争点を事前に整理し、弁護士のサポートを受けながら手続きを進めましょう。

離婚調停を申し立てるべきケース4つ

離婚調停は、当事者間の話し合いでは解決できない問題を抱えている方に向いています。本章では、離婚調停を申し立てるべき代表的なケースを4つ解説します。

1.離婚を拒否されている場合

「旦那と離婚したいのに拒否されている」など配偶者が離婚に応じず、話にならない場合は調停を申し立てましょう。夫婦の話し合いで折り合いがつかないケースでも、第三者である調停委員が間に入れば、相手の態度が軟化する可能性があります。

調停期日は月1回ほどのペースで進むため、配偶者も気持ちを整理する時間が十分にあります。複数回の期日を重ねるうちに、当初の拒否姿勢が和らいで離婚の合意に至るケースも少なくありません。

2.離婚条件で争っている場合

離婚そのものには合意していても、子どもの親権や慰謝料などの条件で意見が食い違う場合は、離婚調停で解決するべきです。

離婚する際に決める親権や養育費、慰謝料などの条件は、専門的な知識がなければ自分に不利な内容で合意するリスクがあります。しかし、離婚調停では慰謝料の請求根拠や金額の妥当性についても、調停委員を交えて整理できます。

感情的な対立で互いに譲歩できない場合でも、調停委員が間に入れば妥協点を見つけやすくなるでしょう。

3.離婚条件に強制力をもたせたい場合

慰謝料の未払いや子どもとの面会交流における不履行を防ぎたい方も、離婚調停を申し立てましょう。

離婚調停で合意した内容は、調停調書にまとめられます。調書は確定判決と同じ執行力をもつため、離婚後に未払いが発生した時点で強制的に相手の給与や預金などを差し押さえられます。

裁判を改めて起こす必要がないため、口約束だけで済ませた場合と比べ、回収までのスピードも速いです。

4.相手からDVやモラハラなどを受けている場合

DVやモラハラを受けている方は、ただちに離婚調停を申し立ててください。直接の接触が危険な場合や、恐怖で対等に話し合えない状況では、協議離婚は適切ではありません。

DVやモラハラの被害者は、相手と対面すると萎縮して言いくるめられやすい傾向にあります。当事者だけで話し合うと、不利な条件で離婚届に署名させられたり、暴力などで身の危険を感じたりするかもしれません。

離婚調停は、夫婦で顔を合わせる必要がないため、安全に配慮して話し合いを進められます。安全を確保しながら正当な主張を伝える手段として、調停の活用をおすすめします。

離婚調停の手続きの流れ5ステップ

離婚調停の手続きの流れ5ステップ

本章では、離婚調停の一連の流れを5つのステップにわけて解説します。

1.必要書類を準備する

離婚調停を申し立てる前に、申立書や戸籍謄本、財産に関する資料などの書類を準備しましょう。提出書類が多いほど準備にも時間がかかるため、早い段階で取り掛かる必要があります。

詳しくは後述しますが、何を争点にするかによって、用意するべき書類は異なります。書類の不備や記入漏れがあると申立て自体ができないため、提出前に内容を見直し、漏れなく揃っているかを確認してください。

2.調停を申し立てて書類を提出する

書類が揃ったら、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所、または双方が合意した家庭裁判所へ提出して離婚調停を申し立てます。

提出方法は、窓口に持参するほか、郵送でも可能です。家庭裁判所が遠方の場合や仕事の都合がつかない場合は、郵送で済ませる方法がおすすめです。

3.第1回調停期日の決定通知が送付される

離婚調停を申し立てると、約1ヵ月後に第1回目の話し合いの期日が設定されます。期日は、裁判所からの呼出状で把握するか、弁護士に依頼している場合は弁護士に通知が届きます。

日程は家庭裁判所が調整しますが、事前に申立人の都合を聞いてもらえるケースが多いです。仕事の予定等がある場合は、申立て時に希望日を伝えておくとスムーズに進みます。

なお、期日までに自分の主張を整理した陳述書を用意しておくと、当日の進行がスムーズに進む可能性が高まります。離婚を決意した経緯や、慰謝料・親権について希望する条件などを、時系列で書面にまとめておきましょう。

4.調停期日での話し合いをおこなう

離婚調停の期日当日は、約2時間かけて、夫婦が個別に調停委員へ意見を伝え、離婚条件の話し合いをします。

進行は、1回の期日につき各当事者が30分〜1時間ずつ、交代で調停室に入る形式でおこなわれるのが一般的です。話し合いがまとまらない場合は、約1ヵ月後に次回期日が設定されます。

5.調停の成立・不成立が決定する

数回の調停期日を経て、双方が全ての離婚条件に納得すれば成立、合意が得られず成立の見込みもないとみなされれば不成立となります。成立した場合は、裁判官立ち会いのもとで合意内容が読み上げられ、執行力をもつ調停調書が作成されます。

不成立となった場合は、その時点で調停手続きは終了です。離婚を諦めるか、離婚裁判を提起するかなどの手段を検討することになります。

離婚調停の申立てに必要な書類

離婚調停の申立てには、必須書類と、話し合う内容に応じて必要になる書類があります。下表を参考にしてください。

必須書類 夫婦関係調停申立書(記入例)
夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
事情説明書
話し合う内容別の必要書類
※各1通・コピー可
【養育費・婚姻費用】
源泉徴収票
給与明細
確定申告書
非課税証明書
家計状況をまとめた資料
【財産分与】
財産目録
預貯金通帳
不動産の登記事項証明書
保険証券
車検証
【年金分割】
年金分割のための情報通知書(発行から1年以内のもの)
【慰謝料】
離婚原因を証明する書類(不倫・DV・モラハラなどの証拠)

必須書類の事情説明書は家庭裁判所ごとに書式が異なるため、管轄の裁判所のWebサイトから確認してください。

離婚調停で話し合いたい争点が多いほど、用意するべき書類も増加します。準備に時間や手間もかかるため、できる限り早く解決したい方は、弁護士に依頼してサポートしてもらいましょう。

離婚調停の申立てにかかる費用

離婚調停の申立てにかかる費用は、下表のとおりです。

  • 収入印紙 1,200円分
  • 連絡用の郵便切手(郵便料は裁判所ごとに異なる)
  • 戸籍謄本 450円

なお、連絡用の郵便切手の金額は、裁判所ごとに異なります。詳細は各裁判所の各地の裁判所の裁判手続利用ページ一覧から「郵便料及び予納金一覧」を確認してください。

離婚調停にかかる期間|3ヵ月〜1年かかるケースが多い

令和6年度の司法統計年報によると、離婚調停にかかる期間は3ヵ月〜1年ほどのケースが多いです。離婚調停で成立・不成立となった事案の、審理期間と件数を下表にまとめました。

審理期間 調停成立 調停不成立
1ヵ月以内 559件 86件
3ヵ月以内 6,015件 2,034件
6ヵ月以内 9,040件 3,943件
1年以内 8,366件 3,285件
2年以内 3,046件 1,245件
2年を超える 289件 118件

成立・不成立いずれの結果を迎えるにしても、最低3ヵ月はかかると考えてください。1年を超えても離婚調停が続いているケースもあるため、長期戦になる可能性も視野に入れて準備を進めましょう。

離婚調停が長期化しやすい4つのケース

離婚調停が長引くかどうかは、争点の数や当事者の姿勢によって大きく左右されます。ここからは、調停が長期化しやすい代表的な4つのケースを解説します。

1.いずれかが離婚を拒否している場合

夫婦の一方が頑なに離婚を拒否している場合、調停は長期化しやすくなります。そもそも離婚の合意ができないと、親権や財産分与などの条件合意にも進めません。離婚するかしないかの議論だけで期日を何度も重ねるため、貴重な時間を消費してしまいます。

なお、相手の拒否姿勢を変えるためには、別居によって婚姻関係の破綻を客観的に示す方法もあります。別居期間が長期化すれば、裁判で離婚を成立できる可能性も高まるため、弁護士に相談しながら対策していきましょう。

2.共同親権か単独親権かで争っている場合

親権を共同にするか単独にするかで双方が一歩も譲らない場合、調停は長期化します。これまでは離婚後の親権は単独親権のみでしたが、2026年4月施行の改正民法により、共同親権も選択できるようになりました(民法819条)。

選択肢が増えたため、子どもとの関わり方をどうするか、という価値観の衝突も生まれやすくなると予想されます。離婚後の生活設計まで含めた話し合いも必要なので、安易に妥協を促されにくく、結果として期日を重ねやすくなるでしょう。

3.意見の食い違いが多い場合

慰謝料や財産分与、養育費など、あらゆる項目で意見が対立していると調停は長期化しやすいです。争点が多いほど、双方の言い分を整理して話し合うのに時間がかかります。一回の期日で扱える論点は限られるため、必然的に期日回数も増えるでしょう。

争点が多いほど調停委員も整理が難しくなり、解決の糸口が見えにくくなります。事前に争点を絞り込み、優先順位をつけておくことが、長期化を防ぐポイントです。

4.当事者が断固とした姿勢を崩さない場合

双方が「自分の要求は100%通すべきだ」と譲歩を拒む姿勢を見せると、話し合いは終わりません。感情的な対立があると、合理的な解決案が提示されても意地になって拒否しがちです。

「相手だけは絶対に許せない」という気持ちが先立ち、冷静な判断ができなくなります。妥協のない主張は調停委員を困らせ、解決不可能と判断されやすくなり、不成立で終わるリスクも高まります。

譲歩できる点とできない点を事前に整理しておくと、長期化を防げるでしょう。

離婚調停を長引かせないための方法4つ

離婚調停を長引かせないための方法4つ

準備不足のまま離婚調停を迎えると、成立まで長引く可能性が高まります。本章では、調停をスムーズに進め、できるだけ早く有利な結果を得るための方法を4つ紹介します。

1.証拠資料を用意する

離婚調停を長引かせないためには、自分の主張を裏付ける客観的な証拠の準備が欠かせません。たとえば、不貞行為(不倫)の証拠写真やDVを受けた際の医師の診断書などがあれば、調停委員も相手に離婚の説得がしやすくなります。

相手が不貞行為を認めない場合でも、離婚調停で客観的な証拠を提出できれば言い逃れを防げます。離婚問題は言葉だけの主張だと言った言わないになりがちなため、証拠ベースで話すことが大切です。

2.離婚条件の優先順位を決める

調停を長引かせないために、離婚条件の優先順位を明確にしておきましょう。全ての希望を通そうとすると、相手も意地になって譲歩しなくなり、話し合いは平行線をたどりやすくなります。

たとえば、「慰謝料は絶対に譲らないが、財産分与の割合は譲歩する」など、柔軟な対応ができるようにしておきましょう。なお、妥協案をこちらから提示すれば、調停委員に「話し合いに前向きである」という好印象を与えられます。

誠実な姿勢を見せられるので、結果的に相手から譲歩を引き出しやすくなる場合もあります。

3.調停委員を味方につける

離婚調停を早期に終わらせるなら、調停委員を味方につける必要があります。調停委員は中立の立場ですが、人間である以上、話が通じて誠実なほうの言い分に共感しやすい傾向にあります。

感情的にならず、事実を時系列で整理して冷静に伝える態度を心がけてください。身だしなみや言葉遣いを整え、社会人としての常識と誠実さをアピールするのも大切です。

また、調停委員の質問には嘘をつかず、真摯に答えるようにしましょう。あとから矛盾が発覚すると信用を失い、不利な方向に話が進む恐れがあります。

4.弁護士を代理人として同伴する

離婚調停を早く有利に進めたいなら、弁護士に依頼して、代理人として離婚調停に出頭してもらいましょう。

弁護士は、過去の裁判例や経験をもとに、法的に妥当な着地点を見極めて調停委員に的確な主張をしてくれます。相手方も「弁護士がついたならごまかせない」と観念し、譲歩してくれるかもしれません。

また離婚調停の準備や当日の対応を一貫して任せられるため、精神的な負担を大幅に軽減できるメリットもあります。仕事や育児で忙しい方ほど、費用をかけてでも依頼する価値が高いといえるでしょう。

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離婚調停中にやってはいけないこと

離婚調停中の感情的な行動や不誠実な態度をすると、調停委員の心証を悪化させ、望まない結果になるリスクがあります。離婚調停で不利な発言や行動を避けるためにも、下記のNG行動を把握しておきましょう。

  • 離婚調停の無断欠席
  • 話し合う内容の録音・撮影
  • 相手への誹謗中傷や暴言
  • 虚偽の主張
  • 具体的でない、矛盾する発言

上記以外にも、離婚調停中に不貞行為を疑われるような行為は控えましょう。異性と会い、親密な様子を見られると、まだ離婚していないのに不倫したとみなされる可能性があります。

離婚調停が成立すると、不利な内容であっても覆すことはできません。調停委員から、冷静で誠実な人だと印象付けるようにしてください。

離婚調停が不成立になった場合の主な進行先

離婚調停が不成立でも離婚を強く望んでいる場合は、離婚裁判か審判離婚に移行します。

1.離婚裁判へ移行する

調停不成立のあとは、離婚裁判へ移行するのが一般的です。離婚裁判は、裁判官が夫婦双方の主張や証拠をもとに、判決で離婚の可否を強制的に決定します。ただし、離婚裁判で離婚を認めてもらうには、民法が定める下記の法定離婚事由が必要です(民法770条1項)。

  • 配偶者に不貞行為をされた
  • 配偶者から悪意で遺棄された
  • 配偶者の生死が3年以上わからない
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由がある

調停不成立から2週間以内に裁判を提訴すれば、離婚調停の申立手数料を裁判提起の手数料に充てられます。費用面の負担を抑えるためにも、離婚裁判をするかどうかの判断は早めにおこないましょう。

なお、裁判は厳格な法的手続であり、訴状の作成や証拠の提出、尋問への対応など、自力で対応するのはかなり難しいといえます。弁護士への依頼が事実上必須となるため、調停が難航している場合は、弁護士に相談するのをおすすめします。

2.審判離婚に移行する

審判離婚は、裁判官が一切の事情を考慮し、当事者にとって公平と判断される離婚条件を命じる制度です。調停では合意に至らなかったものの、裁判官が離婚させたほうが夫婦のためになると判断した場合に、審判離婚に移行します。

審判の告知から2週間以内に当事者のどちらからも異議申立てがなければ、審判は確定し離婚が成立します(家事事件手続法286条1項・2項)。ただし、どちらか一方が異議を申し立てると審判は効力を失うため、実際に利用されるケースは多くありません。

確実な解決を目指す場合は、最初から離婚裁判を視野に入れて準備を進めるのがおすすめです。

3.再び当事者間で話し合う

調停不成立後の進行先として、改めて当事者間で話し合う選択肢もあります。

離婚調停での話し合いにより、互いの主張や妥協できるポイントが明確になる場合もあるためです。再度冷静に話し合えば、協議離婚として合意に至り、解決するケースもあるでしょう。

一方で、話し合いの結果として「やはり離婚しない」「期間を区切って別居しながら様子を見る」といった結論を選ぶ夫婦もみられます。離婚以外の道も選択肢として残されているため、調停不成立=離婚裁判という発想にとらわれる必要はありません。

なお、再度の話し合いで合意に至らない場合は、改めて離婚裁判への移行を検討する流れになります。次のステップに迷う場合は、弁護士へ相談して見通しを立てておくのがおすすめです。

離婚調停を弁護士に依頼するメリット4つ

離婚調停は自力でも進められますが、弁護士に依頼することで得られるメリットは多くあります。本章では、弁護士に依頼した際に得られる代表的なメリットを4つ解説します。

1.代理人として調停に出席してもらえる

弁護士に依頼すると、調停期日に代理人として同席してもらえます。一人で調停室に入る孤独感や緊張感が和らぎ、精神的な余裕を持って臨めるのが大きな利点です。相手から理不尽な主張をされても、弁護士が盾となって論理的に反論してくれます。

たとえば「専業主婦だから財産分与は少なくていい」「親権は自分が取って当然」といった相手の主張にも、裁判例や相場をもとに反論してもらえます。また、感情的になりそうな場面でも、弁護士が間に入ってくれるため、不利な失言を防げる点もメリットです。

なお、調停の場以外でも、相手や相手側弁護士とのやり取りの全てを、窓口として引き受けてもらえます。電話やメールの直接連絡から解放されるため、日常生活の平穏も取り戻しやすくなるでしょう。

2.書類作成や申立てなどの手続きを一任できる

弁護士に依頼すると、申立書の作成から証拠の整理、裁判所との連絡などを一任できます。仕事や家事で忙しい方にとって、平日昼間の対応負担がなくなる点は大きなメリットです。

たとえば、申立書には離婚を求める動機や、財産分与・親権・慰謝料についての希望条件を具体的に記載する必要があります。法律の知識がないと、書き方ひとつで自分に不利な解釈をされるおそれがありますが、プロに任せると安心です。

また、調停委員を説得しやすい陳述書も作成してもらえるため、自分の主張が漏れなく伝わります。離婚に至った経緯や相手の問題行動を時系列で整理し、証拠と紐づけながら主張を組み立ててくれるのが弁護士の強みです。

3.法的根拠に基づいて有利な条件を引き出せる

法律や過去の裁判例に基づいた説得力のある交渉ができるのも、弁護士に依頼すると得られるメリットです。慰謝料の相場や財産分与の計算方法を熟知しているため、本来受け取れるはずだったお金の取りこぼしを防げます。

調停委員にも妥当な主張だ、と認めてもらいやすくなり、自分側に有利な流れを作れます。法的根拠を示しながら話を進められると、調停委員も相手側の説得に動いてくれやすいでしょう。

離婚後の生活設計を守るためにも、弁護士の知見を活用することをおすすめします。

4.調停不成立でも離婚裁判のサポートを受けられる

弁護士に依頼しておくと、万が一調停が不成立に終わっても、同じ弁護士から離婚裁判まで一貫したサポートを受けられます。調停の段階から裁判を見据えた戦略を立ててくれるため、途中で方針が行き詰まる心配がありません。

証拠の収集や主張の組み立ても、裁判で通用するレベルで準備してもらえます。離婚裁判は法律の専門知識と書類作成スキルが必要で、自力での対応は現実的ではありません。あらかじめ弁護士をつけておけば、不成立になっても慌てずに次のステップへ進めるでしょう。

離婚調停を弁護士に依頼した際の費用相場

弁護士費用は項目ごとに細かくわかれており、合計でいくらになるか把握しづらいのが実情です。本章では、離婚調停を弁護士に依頼した場合に発生する費用の内訳を解説します。

項目 費用相場
相談料 5,000円〜1万円/30分
着手金 30万円〜40万円
成功報酬 30万円〜40万円
※経済的利益が得られた場合は、利益の10%〜20%が加算される
日当 3万円〜5万円
実費 数千円程度

相談料|5,000円〜1万円/30分

相談料は、法律相談をした際にかかる費用で、30分あたり5,000円〜1万円が相場です。しかし、初回相談無料や時間無制限で無料としている法律事務所も多いため、費用を気にせず、相性や方針を確認して信頼できる弁護士を選べます。

なお、限られた相談時間を有効に使うためにも、事前の準備が大切です。離婚すると決意した経緯や、聞きたい質問をあらかじめメモにまとめておきましょう。

着手金|30万円〜40万円

着手金は、依頼した時点で弁護士に支払う固定費用です。30万円〜40万円が相場で、離婚調停の結果にかかわらず、必ず支払わなければなりません。金額は事案の複雑さによって変動します。

たとえば、親権争いがあったり財産分与の対象が高額だったりする場合では、相場の上限に近い金額になるケースもあります。経済的に余裕がない場合は、分割払いに対応してくれる事務所もあるため、契約前に支払い方法を相談してみてください。

なお、調停が不成立になり裁判へ移行する際、追加の着手金が発生するケースもあります。裁判に移行した際にいくら追加でかかるのか、事前に確認しておきましょう。

成功報酬|30万円〜40万円

成功報酬は、離婚調停が成立して希望する結果が得られた際に支払う費用です。離婚成立に対する基本報酬として、30万円〜40万円が相場となっています。また、慰謝料や財産分与などを獲得できた場合は、得られた利益の10%〜20%が加算されます。

たとえば、離婚成立に加えて慰謝料300万円と財産分与500万円の合計800万円を獲得できた場合で考えてみましょう。この場合、経済的利益の10%〜20%が報酬に加算されるため、110万円〜200万円が成功報酬になります。

なお、料金体系は事務所によって大きく異なるため、契約前に見積もりを書面で出してもらうのがおすすめです。あとから想定外の請求をされてトラブルにならないよう、納得できるまで説明を求めましょう。

日当|3万円〜5万円

日当は、弁護士が裁判所へ出向く際の手当として支払う費用です。1回の期日あたり3万円からである場合が多いです。調停期日は複数回にわたって開かれるため、長引くほど日当が加算されていく点に注意してください。

日当を着手金に含めている法律事務所もあるため、契約前に確認しておきましょう。

実費|数千円程度

実費は、手続きを進める際にかかった費用です。収入印紙代や郵便料、交通費、書類収集費などが含まれます。離婚調停では、数千円の実費が見込まれるでしょう。

実費は、依頼時に預かり金として弁護士に預け、調停終了時に精算する流れが一般的です。

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離婚調停は準備の段階から専門家の助言があるかどうかで、結果が大きく変わります。一人で抱え込まず、まずは無料相談で弁護士の意見を聞いてみましょう。

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「ベンナビ離婚」で離婚調停を依頼した際の実際の解決事例

ベンナビ離婚を通じて弁護士に依頼し、離婚調停で良い結果を得られた事例は数多くあります。ここからは、実際にベンナビ離婚で弁護士を見つけ、調停を有利に解決できた代表的な2つの事例を紹介します。

1.離婚調停の途中から代理人として対応し、望んだ結果を得られた事例

依頼者は、別居中に婚姻費用の支払いと、離婚・親権・養育費の獲得を求めて自力で調停を進めていました。しかし、思うように話が進まずストレスが限界に達したため、弁護士へ依頼されました。

弁護士は調停の途中から代理人として就任し、まず婚姻費用の合意を速やかに取り付けました。約束どおりの入金が始まったことで、ご相談者様は経済的な不安から解放されたとのことです。

その後、依頼者本人の希望に沿って離婚を先行して成立させ、続く調停で養育費と面会交流について協議を進めました。最終的に養育費についても合意に至り、希望どおりの結果で解決へとつながった事例です。

2.離婚調停で相手から不当な要求をされたが短期で決着できた事例

依頼者は、相談前に妻の不貞行為を理由に離婚を切り出しました。しかし、話し合いが進まず同居状態が続いていたところ、妻側から離婚調停を申し立てられたことで、ベンナビ離婚から弁護士に依頼しました。

妻側の主張を見ると、自宅ローンの支払いに加えて高額な養育費の支払いなど、相談者様の収入では到底応じられない条件でした。依頼者の強い希望である早期決着を実現するため、依頼された弁護士は全ての調停期日に同席。

第1回から具体的な争点を整理して話し合いを主導しました。結果、妻側の不当な要求を退けたうえで、全3回の調停で離婚を早期成立させることに成功した事例です。

離婚調停に関するよくある質問

最後に、離婚調停に関するよくある質問とその回答を解説します。離婚を決意している方は、調停を申立てる前に確認しておきましょう。

Q1.離婚調停中や調停前に別居してもよいですか?

別居するのは問題ありません。ただし、相手に無断で家を出る、収入が相手よりも多いのに生活費を一切入れないなどをすると、悪意の遺棄とみなされるおそれがあります。

悪意の遺棄と認定されると、自分が法定離婚事由をつくった有責配偶者とされるため、下記のようなリスクがあるため注意してください。

  • 相手から慰謝料を請求される
  • 自分からの離婚請求が認められにくくなる

なお、相手にDVやモラハラなどがある場合は、悪意の遺棄にあたるとはいえません。身の安全を優先して、別のところに身を隠しましょう。

Q2.離婚調停中の生活費の分担はどうなりますか?

別居中で離婚調停中であっても、収入の多い側から少ない側へ、生活費などの婚姻費用を支払う義務があります(民法760条)。たとえ相手が支払いを拒否しても、請求する権利があります。

請求しても支払ってくれない場合は、離婚調停と併せて婚姻費用分担請求調停を申し立ててください。家庭裁判所が双方の収入をもとに、適正な分担額を算定してくれます。

生活費を確保できれば、経済的な焦りから不利な条件で合意してしまうリスクを避けられます。落ち着いて調停に臨むためにも、婚姻費用の請求は早めに進めておきましょう。

Q3.離婚調停は弁護士なしでも申し立てられますか?

弁護士なしで離婚調停を進めることは可能です。ただし、不利な結果になるリスクが高い点に注意してください。

書類の作成や証拠の準備、相手の主張への反論など、全てを自力で対応する必要があります。専門知識が不足したまま手続きを進めれば、本来主張すべき権利を見落とす可能性があります。

また相手に弁護士がついた場合、押し切られて不利な条件で同意してしまうかもしれません。複数回の期日を重ねるなかで、精神的な疲労から途中で挫折する方もみられます。

長期戦に耐えるためにも、弁護士のサポートを受けることをおすすめします。

Q4.離婚調停はどんな服装で行けばよいですか?

服装に決まったルールはありませんが、調停委員に好印象を与えるために、清潔感のある格好で行くのをおすすめします。だらしない服装は、真剣に話し合う気がないと受け取られかねないためです。

スーツである必要はないものの、シャツにジャケットを羽織るなど、落ち着いた服装が無難です。

Q5.離婚調停を長引かせるメリットはありますか?

離婚調停を長引かせると、相手と納得できるまで話し合いができ、成立・不成立になるまでは婚姻費用も得られるメリットがあります。しかし、離婚調停で時間稼ぎをしていると判断され、調停委員の心象を悪化させ、結果的に離婚できなくなるリスクがあります。

期日を重ねるほど精神的負担も重なりますし、弁護士に依頼している場合はその費用も増加するでしょう。メリットよりもデメリットのほうが大きいため、早期に解決して新しい生活をスタートさせるほうが建設的な選択です。

Q6.離婚調停の費用はどちらが払うのですか?

離婚調停にかかる費用は、申し立てた本人が支払います。「相手が悪いのだから費用も相手が払うべき」という主張は、調停では基本的に通りません。

ただし、相手の不貞や暴力などの有責行為が認められれば、慰謝料を獲得して実質的に費用をカバーできる場合もあります。獲得した慰謝料の金額次第では、弁護士費用を差し引いてもプラスになるケースも少なくありません。

Q7.離婚調停で復縁することはできますか?

調停で双方が合意すれば、離婚せずに円満解決という形で終了するケースもあります。

しかし、相手が復縁を希望していて自分が拒否したい場合は、きっぱりと離婚意思を調停委員へ伝えましょう。曖昧な態度を取ると、相手に期待を持たせて調停が長引く恐れがあります。

Q8.離婚調停は女性が有利って本当ですか?

離婚調停は、性別だけで有利・不利が決まることはありません。調停委員は公平な立場であるため、男女差はないといえます。

離婚を認めるかどうかは、夫婦関係が破綻している事実や、離婚原因をつくった有責配偶者が誰かといった客観的な事情で判断されます。性別を理由に離婚意思が通りやすくなることはないでしょう。

確実に離婚したい、慰謝料や婚姻費用も請求したい、と考えている方は、弁護士に相談してサポートを受けましょう。

Q9.離婚調停は取り下げることはできますか?

申立人であれば、離婚調停が終了するまでなら、調停の全部または一部をいつでも取り下げられます。一部とは、調停の申立書に記載した内容のうち、慰謝料請求の部分だけを取り下げるなどです。

取下げ後に再度離婚調停を申し立てることもできます。ただし、調停委員を入れ替える目的があるなど、不当な理由がある場合は拒否される可能性がある点を把握しておきましょう。

まとめ|離婚調停で勝つには弁護士に依頼するのがおすすめ

離婚調停は、家庭裁判所の調停委員を交えて話し合い、離婚の合意を目指す手続きです。期間は半年〜1年ほどかかり、争点が多いほど長期化しやすくなります。

調停を有利に進めるなら、客観的な証拠の準備や、譲歩できる・できない条件の整理などをしておきましょう。調停委員からの信頼を築くための誠実な言動を心掛けるのも大切です。

自力で離婚調停の全てに対応するのは負担が大きいため、確実に有利な条件で離婚を成立させたい方は、弁護士に依頼しましょう。ベンナビ離婚」で離婚問題に強い弁護士を探し、無料相談から始めてみてください。

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この記事の監修者
東京新生法律事務所
濵門 俊也 (東京弁護士会)
常に依頼者様のお話に耳を傾け、お気持ちに寄り添うよう心がけています。ただの法律相談ではなく、カウンセリングのような面談をするようにしております。法律に関係のないことでもお気軽にお話ください。

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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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