> 
 > 
 > 
離婚調停(夫婦関係調整調停)とは|流れと費用・進め方を徹底解説
キーワードからコラムを探す
Sidebar_writer_recruit
2018.2.16

離婚調停(夫婦関係調整調停)とは|流れと費用・進め方を徹底解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
Casual-suits-for-men

離婚調停(りこんちょうてい)とは、夫婦間の話し合いで進める協議離婚では決着がつかない場合に、調停委員を間に挟む形で進められる離婚方法の一つで、正式には「夫婦関係調整調停」と言います。

 

離婚裁判ほどの強制力はありませんが、離婚調停で離婚は不適切だと判断された場合でも、最終的に夫婦の合意がないと離婚はできないとされています。

 

離婚裁判とは違い勝ち・負けを決めるのではなく、話し合いお互いが合意することで問題を解決します。そのため裁判より自由に取り決めができ、お互いが納得した結果を得ることが可能です。

 

離婚調停で争われることとしては、主に「慰謝料」「親権」「養育費」「財産分与」「面接交流」などになりますが、今回は離婚調停の流れや費用、有利に決着をつけるためにはどんな事を行えば良いかなどを解説していきます。

 

 

離婚調停の申し立てから成立までにかかる期間

離婚調停を申立ててから解決までの期間は約半年ほどをと思って良いでしょう。ただ、短いものだと1カ月、長いものだと1年以上かかる場合もあり、長期戦になることはあらかじめ覚悟しておくと良いかもしれません。

 

申立てから1回目の離婚調停までの期間

申立てからはだいたい1ヶ月になるのが一般的です。この期間を決める要因は、家庭裁判所の混雑具合となるため、大都市圏で調停を申立てると時間がかかってしまうことがあります。
 

2回目以降の調停にかかる期間

調停と調停の間にはおよそ1ヶ月の期間が空けられることが一般的です。しかし、これはあくまで目安であるため家庭裁判所の混雑具合や、もし親権を争っているなら家庭裁判所から実態調査のための調査官が夫婦のもとを訪ねるため、次の調停までに時間がかかってしまいます。
 

調停調書作成から離婚までの期間

この調停調書と離婚届を役所に提出すると、離婚が戸籍に反映されるのですが、これらの提出は期限があり、調停成立から10日以内に申立人が提出しなければなりません。この期限を守らなければ5万円の罰金が課せられるため注意しましょう。

 

 

離婚調停で解決できる4つの問題

離婚には様々なトラブルが起きますが、離婚調停は「夫婦関係調整調停」とも呼ばれており、トラブルの内容や原因に関係なく、離婚に関するすべての問題を解決できるように取り計らってもらうことが可能です。

 

例えば、離婚調停では離婚そのものだけでなく、以下のような内容の解決を行う事もできます。
 

  1. 子どもの親権・面会交流をどうするか
  2. 養育費の支払い額と支払い方法はどうするか
  3. 財産分与や年金分割の割合をどう決める?
  4. 不倫・DVなどの慰謝料請求について など

 
子供の親権だけではなく、財産に関する問題も一緒に話し合うことができます。もう少し詳しく解説しておきますので、参考にしてみてください。
 

子どもの親権・面会交流に関して

子供をどちらが引き取って育てていくかの問題は、離婚について揉めている場合には話し合いでは解決しないケースがほとんどです。法律では「子供の幸せにつながる方に預けるべき」とされています。

 

そのため、夫、妻のいずれを親権者とすることが子供にとって幸せであるのか(健全な育成が期待できるのか)という観点で、客観的に判断する必要があります。

 

しかし、当事者間ではこのような客観的判断が難しい場合が多いのです(これはやむを得ないことと思います)。離婚調停では、調停員がこのような親権の問題も間に入って調整してくれます。

 

【関連記事】
親権者を決める方法
離婚調停で親権獲得を有利に進める6つのコツと判断基準
面会交流調停の流れと面会交流が許可されないケースまとめ

 

養育費に関して

子供を育てていくためのお金のことを養育費と言いますが、支払う者の年収や子供の数、そもそも養育費を支払うべきかどうかまで、金額に関する基準はもちろん、いつまで支払うべきかなど、調停委員の仲介のもとで進められると、早期に解決したりします。

 

しかし、決まった基準がないことから当事者だけでは決められないということも往々にしてあります。民事調停では、調停員が一般的な養育費水準に従って、当事者間の個別具体的な状況を踏まえた柔軟な調整を行ってくれます。


参考「離婚後の養育費の相場と増額させる効果的な話し合いの姿勢

 

財産分与・年金分割に関して

財産分与とは、婚姻期間中に築き上げた共有財産を公平に分配することとされ、対象となる財産、それぞれの割合や、実際の分け方などを正しくする必要があります。通常、夫婦には平等の権利が認められており、それぞれ1/2ずつの財産分与になりますが、それぞれの財産における貢献度(寄与度)を考慮して、分与割合が決定します。

 

年金分割制度というのは、離婚した夫婦の厚生年金・共済年金を払っていない人の年金をサポートする制度のこと。具体的にいうと、結婚していた期間の夫婦の厚生年金・共済年金の保険料を分割する制度です。


【関連記事】
離婚時の財産分与の分け方と財産分与を有利に進める方法まとめ
財産分与請求調停の手順|財産分与の獲得を有利に進める8つのコツ
離婚して年金分割をする時の手続き方法や流れ|回収できる年金相場

 

不倫・DVなどの慰謝料に関して

例えば、夫が浮気や不倫をして妻が慰謝料を請求しているケースが考えられます。他にも「DV」「モラハラ」「悪意の遺棄」などがありますね。

 

特に慰謝料については事実を証明する証拠がないとなかなか決着とはいかないため、相手が事実を認めないと問題がこじれ、なかなか決着とはいきません。

 

離婚調停ではこのようにこじれてしまった慰謝料の問題も調停員を介して協議することができます。

 

ただ、調停の場でも相手の浮気・不倫について何も証拠がないというケースでは、慰謝料請求を認めさせることは困難ですので、その場合はこの点に執拗にこだわることはおすすめしません。

 

【関連記事】
離婚の慰謝料の相場|慰謝料獲得と増額させる完全マニュアル
離婚調停でなるべく高額な慰謝料を勝ち取る方法
DVで離婚する場合の慰謝料とできるだけ増額請求する方法

 

 

離婚調停の手続きを行う際の必要書類と費用

離婚調停の申立書を書く

夫婦関係調停申立書」を書いて、相手方の住所地の家庭裁判所または当事者が合意で決めた家庭裁判所へ提出します。
 

必要書類の用意

  • 夫婦関係調停申立書(離婚調停申立書)
  • 夫婦の戸籍謄本(裁判所によっては住民票も必要)
  • 収入印紙、切手
  • ●離婚原因の証拠となる書類
    • 離婚原因が暴力の場合 → 医師の診断書
    • 離婚原因が不貞行為の場合 → 不貞の証拠書類や証拠品など
  • ●その他
    • 陳述書
    • 照会回答書
    • 事情説明書

 
詳細は「離婚調停に必要な書類」をご確認ください。

 

離婚調停にかかる費用

1:収入印紙代:1,200円

申立てる際には収入印紙を購入し、家庭裁判所に提出する必要があります。

2:戸籍謄本取得費用:450円

離婚調停で戸籍謄本を取得する際に必要な費用です。

3:切手代:800円程度

家庭裁判所によって切手の代金は異なる場合があるので、裁判所に確認を取ると良いでしょう。

4:住民票取得費用:200円

住民票1通分の250円がかかります。

 

 

離婚調停の進め方

主に以下のような流れで進んで行く事になります。
参考:離婚調停の詳細な流れ
 

(1)調停期日の調整

調停を申し立てた家庭裁判所から第一回の調停期日調整の連絡があります。
 

(2)期日通知書(呼出状)による通知

調整期日が決定すると申立先の家庭裁判所から、夫婦それぞれ宛に調停期日の呼出状が届きます。
 

(3)調停期日当日

調停当日の遅刻は厳禁です。遅刻しないように早めに家庭裁判所へ行きましょう。家庭裁判所到着後は、時間まで待合室で待機します。調停期日は夫婦一緒ですが、待合室は別に設けられています。
 

(4)申立人が呼ばれる

待合室で待機していると、調停室へ呼び出されます。まず呼び出されるのは申立人です。調停室には、裁判官1名と調停委員2名が待機しています。基本的に調停委員は男女1人ずつです。
 

(5)相手方が呼び出される

話し合いを済ませた申立人が待合室に戻った後、相手方が待合室へ呼び出されます。相手方も申立人が受けた説明と同様の話を聞きます。
 

(6)第一回の調停期日が終了

相手方が話し合いを行い待合室に戻ると、再度申立人が調停室に呼ばれます。そこで相手方の主張が調停委員から伝えられます。
 

(7)第二回目以降の調停

一般的に離婚調停の話し合いが1回でまとまることはなかなかありません。第二回目の離婚調停も第一回目とほぼ同様の流れと時間配分で開催されます。
 

(8)第二回目の調停終了

残念ながら二回目の期日でも話がまとまらない場合、第三回目の期日が設定されます。調停回数は夫婦の状況によって様々です。一般的に離婚調停にかかる期間は約半年といわれています。
 

(9)離婚調停の終了

調停成立後に調停調書が作成されます。裁判所から郵送で送られてきた場合、1~2週間ほどで郵送されてきますが、離婚届の提出の期限(調停成立から10日以内)との関係で、通常は直接裁判所に受け取りに行くことになるでしょう。
 

(10)離婚調停が成立した場合

調停が成立すると、合意内容が「調停調書」として作成されます。調停調書は法的な拘束力があり、記載された内容を守らない場合には、法的な手段を可能にする根拠とすることができます。
 
調停調書が作成されたら、10日以内に離婚届とともに調停調書謄本を市区町村役場に提出する必要があることも覚えておきましょう。

 

 

離婚調停が不成立になった場合

通常、審判や裁判であれば控訴などで不服の申し立てが可能ですが、調停においては不服の申し立てが不可能となっています。そのため、離婚調停で一度不成立という結果が出てしまうと、それを取り消すことができません。

 

裁判所から調停の不成立証明が作成されると、申し立てて争ってきた件の調停手続きは完全に終結となるのです。

 

調停が不成立となった場合の選択肢

主に調停が不成立となるパターンは4つあり、「調停不成立の判決をされた」「調停途中で取り下げを行った」「調停に出席しない」「自動的な終了」のいずれかに該当すると調停は不成立になります。

 

通常、審判や裁判であれば控訴などで不服の申し立てが可能ですが、調停においては不服の申し立てが不可能となっています。そのため、離婚調停で一度不成立という結果が出てしまうと、それを取り消すことができません。
 
そのため、不成立となった場合の対策としては、

 

 

  1. 協議離婚をやり直す
  2. 離婚審判を行う
  3. 離婚裁判を申し立てる


このいずれかの対応が必要になります。離婚裁判の期間は1年〜2年程度かかることもあり、長い戦いが続くことになりますが、調停とは違い、裁判での決定ですので強い強制力が発生し、これを守らない場合は何かしらの罰則をかけることもできます。
 
もし、離婚裁判を開きたい場合は「離婚裁判の訴訟から最速決着までのマニュアル」をご覧いただければと思います。

 

離婚調停と離婚裁判との違い

離婚調停と裁判はどちらも家庭裁判所で行う為、同じものと勘違いされていることもありますが、裁判は相手方に責任があることを証拠に基づいて証明していくのに対して、離婚調停は調停委員という第三者を介して、夫婦がどの様にすれば、お互いが納得のできる内容に合意できるのか、その条件を探っていくものになります。

 

そのため、必ずしも証拠や証明が必要になるわけではありませんが、当然調停でも証拠を揃えておくことは有利に働く事は間違いありません。

 

離婚調停ではプライバシーが守られる

調停と裁判の違いの一つに、やりとりが公開されるかどうかがあります。裁判は関係者以外にも公になりますが、調停の場合は自分と調停委員・裁判官だけで話合いを行い、そのやりとりは外部の人には一切公開されません。

 

和解の可能性も探りやすい

先ほど、離婚調停は「夫婦関係調整調停」ともいうと言いましたが、これは円満調停と呼ばれもしており、夫婦関係の修復を求めるため離婚調停を利用する事もできるとされています。
 
たとえば、

  • ・不倫をしたがなんとか関係を戻したい

  • ・夫婦の間に会話がまったくない

  • ・別居状態(家庭内別居)を解消したい

  • ・顔を合わせるといつも喧嘩ばかりしている

  • ・夫が実家にばかり帰るのをやめさせたい

 
こういったことでお困りの場合に、円満な夫婦関係修復の話合いをする場として、家庭裁判所の調停手続を利用することができます。
▶︎お互いで話が出来ない場合は夫婦関係調整調停の利用を検討
 

 

離婚調停中の生活費について

調停中であっても夫婦関係は継続しているため、基本的にお互いを扶養する義務があります。ですので、収入の多い方(主に夫)が生活費を支払う必要があり、これは別居している場合も同じといえます。

 

婚姻費用は収入が少ない方は請求する権利があり、いくら請求できるのかは「養育費・婚姻費用算定表」を参考に話し合いましょう。話し合っても相手が支払いを拒否する場合や支払いがない場合は「婚姻費用の分担請求調停」を申立てることができます。

 

【関連記事】
婚姻費用分担請求で家賃の支払いなどお金の不安を解決する方法

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
 
離婚調停の基本的な知識を解説していきましたが、今後離婚調停を開く機会があった場合に、ぜひ参考にして頂ければと思います。

 

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

弁護士へのご相談で慰謝料などの増額が見込めます


離婚問題に関する専門知識もつ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

・慰謝料を獲得したい
・できるだけ増額請求をしたい
・不倫・浮気の証拠を集めたい
・親権を獲得したい

など、離婚に関わる問題でお困りの事を、【離婚問題を得意とする弁護士】に相談することで、離婚に有利な結果となる可能性が高まります。

お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

Prevent_banner
編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

離婚調停に関する新着コラム

離婚調停に関する人気のコラム


離婚調停コラム一覧へ戻る