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離婚時に公正証書を作成すべき理由と作成方法の手順
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2015.12.10

離婚時に公正証書を作成すべき理由と作成方法の手順

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
Ricon-kouseisyousyo
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離婚する際に作成しておくと後々あなたの身を助けてくれるかもしれない公正証書。


公正証書とは、公正役場の公証人が法律に則って作成する公文書です。公文書には高い証明力があるうえ、通常の合意文書よりも強制力が強いため、離婚の際に取り決めた内容を公正証書として残しておくことをおすすめします。

 

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【目次】
離婚時における公正証書の作成手順
公正役場に持っていくもの
公正証書に絶対に記すべき内容
公正証書作成に必要な書類
公正証書作成にかかる費用
公証人との面談を行う
作成当日の手続き
離婚時に公正証書を残すメリットとデメリット
離婚の公正証書を専門家に依頼するかどうかの判断基準
公正証書による強制執行を行う場合
まとめ

 

 

 


 

 

 

離婚時における公正証書の作成手順

離婚において公正証書を作成する流れは以下の通りです。

  • 1. 夫婦で話し合い離婚の内容を決める

  • 2. 離婚協議書を作成する

  • 3. 離婚協議書を公正証書にする

 
そのため、まずは夫婦間でお互いに合意できるまで離婚内容を協議し、離婚協議書を作成します。
 

1:公正役場に持っていくもの

公正証書は公証役場で作成してもらいます。原則として夫婦一緒に公証役場に行く必要があります。
 

  • 離婚協議書:離婚の内容を明記したメモ

  • 戸籍謄本 :夫婦双方のもの

  • 印鑑証明/実印:夫婦双方のもの

  • 身分証明ができる物:運転免許証・パスポート

  • 不動産の登記簿謄本・物件目録など:財産分与等がある場合、対象財産を特定するために使用

  • 年金手帳と年金分割のための情報通知書:年金分割を行う場合のみ

 

2:公正証書に絶対に記すべき内容

公正証書は夫婦の合意によって決まった離婚の内容が記載されます。この記載内容について後でもめた場合にこの公正証書が証拠となるため、争いの火種になりやすい以下の項目については、公正証書に必ず記載するといいでしょう。
 

  • 1. 離婚を合意した事実

  • 2. 慰謝料(もし一方が有責である場合)

  • 3. 財産分与

  • 4. 婚姻費用(離婚前に別居期間がある場合)

  • 5. 親権者の指定

  • 6. 養育費

  • 7. 子の面会交流

  • 8. 年金分割

 

離婚を合意した事実

夫婦両者が離婚について合意した事実を記載します。離婚届の提出日を記載することもあります。
 

慰謝料

慰謝料は、配偶者の一方に不倫行為やDVなどの離婚原因についての責任がある場合、他方の配偶者がこれにより被った精神的苦痛の補償を求めるための金銭です(離婚をすれば必ず発生するものではありません。)。

一方にそのような有責性がある場合、そのため以下の事項などを記載しましょう。浮気の場合、話し合いの時は認めていてもいざ公正証書に記載する段階になって言い逃れされるケースがかなり多いので、そういう場合に備えて証拠を取っておくことをお勧めします。

浮気の証拠を取る方法としてはプロに浮気調査を依頼するなどがありますが、その場合は事前に浮気調査の相場料金などを調べておくとよいでしょう。
 

財産分与

婚姻期間中に夫婦の協力によって築いた財産を、それぞれの貢献度によって個人財産へと分配することを財産分与といいます。以下の項目のような、どのような財産が分配されるのか記載するといいでしょう。
 

  • ・財産分与対象の財産

  • ・財産分与として譲り渡すもの

  • ・財産分与の支払期限

  • ・財産分与支払い回数

 

婚姻費用

婚姻費用とは、夫婦が婚姻生活を継続するために双方が負担すべき費用です。一番問題となるのは、離婚前に一定期間別居生活が続いていたものの、夫から妻(妻のほうが収入があれば妻から夫)に対する生活援助が一切なされなかったというケースです。

別居期間中でも、夫婦間に平等な生活レベルが保障されなければならないことから、夫は妻(妻のほうが収入があれば妻から夫)に対し、ある程度の支援(費用負担)をする必要があります。

そのため、このケースでは妻は夫に対し、支払われるべきであった婚姻費用の分担を求めることができるのです。
 

  • ・婚姻費用の相手負担額

  • ・支払の期限、方法

 

親権者の指定

子供がいる場合は、親権者を決めておかないと離婚ができません。書面には子供の名前とそれぞれの生まれた順番がわかる言葉(長男・長女・次男・次女など)を記載します。養育方針なども記載するといいでしょう。
【参考】
▶︎離婚調停で親権を獲得する為の知識まとめ
▶︎離婚時に親権を獲得したい人が知っておくと有利になる知識
 

養育費

子供を育てる上で必要な費用を養育費といいます。この費用には、衣食住や教育・医療・娯楽・交通費など子供が自立するまでに掛かる全ての費用が含まれます。養育費については以下の項目を記載するといいでしょう。
 

  • ・養育費支払いの有無(以下は支払う場合のみ)

  • ・養育費の金額

  • ・養育費の支払期間

  • ・養育費の支払い方法

 

面会交流

離婚をした場合、子供と離れて暮らしている側が定期的に子供と会うことを面会交流といいます。面会交流については以下の項目を記載するといいでしょう。
 

  • ・面会の頻度

  • ・面会の日時

  • 1回あたりの面会時間

  • ・面会の方法と取り決め

 

年金分割

年金分割は婚姻期間中に納めた年金は夫婦共同で納めたとし、将来の年金分配を行おうとするものです。離婚時に年金分配を取り決めたのであれば、この項目についても記載しておきましょう。
 

3:公正証書作成に必要な書類

(1)夫婦それぞれの印鑑登録証明書
(2)運転免許証又は住民基本台帳カード(顔写真入) 
(3)夫婦の戸籍謄本(全部事項証明) 
(4)離婚事実の記載された戸籍謄本(離婚届提出済みの場合
(5)届出済証明書類 
(6)財産分与の対象財産を特定するための資料(財産分与がある場合
  →1:不動産の登記簿謄本、固定資産評価証明、ローン関係資料 
       2:自動車の車検証  
(7)年金手帳及び年金分割のための情報通知書(年金分割関係の条項を設ける場合
参考:公正証書を作成するにはどんな資料を準備しておく必要がありますか?
 

4:公正証書作成にかかる費用

公正証書作成の費用はその目的価額によって定められています。ここでいう目的価額とは、その行為によって得られる請求側の利益のことをさします。

表:法律行為に係る証書作成の手数料

目的の価額

手数料

100万円以下

5000円

100万円を超え200万円以下

7000円

200万円を超え500万円以下

11000円

500万円を超え1000万円以下

17000円

1000万円を超え3000万円以下

23000円

3000万円を超え5000万円以下

29000円

5000万円を超え1億円以下

43000円

1億円を超え3億円以下

 4万3000円に5000万円までごとに、1万3000円を加算

3億円を超え10億円以下

 9万5000円に5000万円までごとに、1万1000円を加算

10億円を超える場合

24万9000円に5000万円までごとに、8000円を加算

引用元:手数料(公正証書作成等に要する費用)

 

5:公証人との面談を行う

この面談に夫婦の一方が行くだけで問題ありません。その際には、あらかじめ日時を予約した上で「簡単なメモ(お二人の合意内容を記載したもの)」と「必要な書類・資料等」を持参してください。公証人が合意内容に従って公正証書の〝原案″を作成し、後日お二人に公正証書の〝原案″の内容確認をしていただきます。
 

6:作成当日の手続き

公正証書案の内容を最終確認を2人にしてもらいます。持ち物は印鑑、印鑑登録証明書を提出された方は実印、運転免許証の写しを提出された方は認印を持って行きましょう。手数料は作成当日に現金でお支払いをお願いされる場合が多いです。

 

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離婚時に公正証書を残すメリットとデメリット

では、協議離婚の際に公正証書は作成するべきか判断するためにメリットとデメリットを見ながら比較してみましょう。
 

公正証書作成のメリット

①証拠としての価値が高い

一般的に、証拠能力の高い書面のことを公文書といいます。公文書は役所などが作った書類のことを指します。公正証書は公文書のひとつなのです。

そのため、公正証書に財産分与の金額や支払期日について記載があれば、その内容が離婚前に夫婦間で合意があり約束されたものだと、第三者が判断できます。

もし元配偶者が公正証書に記した財産分与の金額を支払わなかったとしても、取り決められている金額を回収することができます。(例外的に相手に支払い能力がない場合は困難となる。)
 

②強制力が強い

もし元配偶者が自身の財産が十分にあるにも関わらず、公正証書で決められた養育費の支払いを怠ったなら、あなたは困ってしまうでしょう。

相手が任意で払ってくれない場合、裁判を起こすのが通常です。しかし、公正証書がある場合、裁判所の判決を受けなくとも、相手の財産をいきなり差し止めることができます。

つまり、通常ならば裁判所を通じてしか強制的に給与や預金を差し押さえられないにもかかわらず、公正証書であれば裁判所の判決と同じ効果があるということです。そのため相手が支払いの約束を破った場合、裁判費用と手間暇をかけずに金銭を回収することが可能となります。

養育費を毎月支払ってもらう約束をした場合、養育費支払いの滞りはそのまま生活苦に直結してしまうため、公正証書を作成することは重要となります。
 

③内容が正確

公正証書は夫婦間で合意した離婚の条件を元に、公証人が作成します。公証人は法律のプロです。そのため、素人の目よりも内容が正確で確実性が高まります。
 

公正証書のデメリット

①作成に費用がかかる

公正証書の作成費用は、原則として目的物の価格によって決められています。目的物の価格とはその行為によって受け取るまたは支払わなければばらない金銭的負担のことです。
 

②作成に時間がかかる

公正証書作成には、公証役場によりますが一般的に2~3週間かかるといわれています。また公証役場へは平日の9~17時に夫婦揃って出頭しなければならないため、仕事をしながらでは予定の調整が難しく時間がかかってしまいます。

 

離婚の公正証書を専門家に依頼するかどうかの判断基準

公正証書は、証明力や強制力が強い反面面倒な手続きや費用が必要となります。離婚において公正証書を専門家に依頼するか否かは、離婚の内容によって判断するといいでしょう。

例えば、離婚にあたって、養育費、慰謝料、財産分与、年金分割等、複雑な財産処理を要する場合には、通常、専門家に依頼すべきといえます。

もちろん、夫婦だけでも作成できますが、配偶者に必ず守ってもらいたい項目があり、それが果たされない可能性を感じるのであれば、万が一を想定してきちんとした公正証書を作成するために専門家へ依頼することをおすすめします。
 

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公正証書による強制執行を行う場合

公正証書は相手が書面に記載されている内容を守らない場合、強制的に財産を差し押さえられると行っても以下の条件を満たしていなければ、その効力が発揮されません。

公正証書が金銭支払を目的とする債権について作成されていること
その公正証書に、債務者が直ちに強制執行に従う旨の文言(強制執行受諾文言)が記載されていること
 

強制執行の申立てに必要なもの

公正証書を用いて強制執行を申し立てる場合、まずは公証役場に対して「執行文」の付与、債務者への送達の手続を申し立てなければなりません。つまり、公正証書による強制執行の申し立てには以下の要件が求められます。

執行文の追加
債務者への送達
 

①執行文の追加

執行文とは、債権者(請求する側)と債務者(支払う側)の間に債権が存在し、執行力を有することを証明する文章です。公正証書による強制執行の場合、申し立ては公証証書を作成した公証役場で行います。
 

②送達

債務者に強制執行と行う場合、必ず債務名義(この場合は公正証書正本)を送達する必要があります。当該送達も、執行文と同様、公証証書を作成した公証役場に申し立てる必要があります。
 

③裁判所への強制執行の申立て

①、②が完了した段階で、執行文付きの公正証書正本と債務者への送達証明書を提出して、裁判所に対し強制執行の申立てを行うことで、相手の財産を差し押えることができます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

離婚には通常様々な条件や内容が含まれます。その中には離婚後のあなたの生活に不可欠な約束もあるでしょう。万が一その約束が破られてしまった場合、すぐに対処するためには公正証書を作成することが適切です。

したがって、離婚時に話し合った内容は少なくとも書面に明確な形で記録して双方で署名するようにし、余裕があればこれを公正証書化しておくことをおすすめします。

 

【関連記事】▶離婚時の慰謝料と養育費の請求完全ガイド|増額の条件とは

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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