離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
弁護士費用が払えなくて泣き寝入りすることも…。
- 相手に親権を渡したくない
- 養育費を払ってもらえなくなった
- 不倫相手に慰謝料を請求したい
弁護士保険は、法律トラブルで弁護士に依頼したときの費用が補償されます。
離婚トラブルだけでなく、子供のいじめ、労働問題等でも利用することができます。
弁護士保険で法律トラブルに備える
夫婦関係の破たんで離婚する場合、離婚条件などの話し合いが必要です。
十分な話し合いをしないまま離婚すると、生活費や子どもの養育費が足りなくなる恐れがあるので注意しましょう。
また、相手が話し合いに応じないときは、法的措置も考えておかなければなりません。
本記事では、話し合いで離婚するときの決定事項や、建設的な話し合いにするコツなどをわかりやすく解説します。
夫婦の離婚はトラブルが発生しやすいため、以下の項目を話し合っておく必要があります。
子どもがいない夫婦は4~5項目程度を話し合いますが、子どもがいる場合は7項目を決める必要があるので、ノートなどにリスト化しておくとよいでしょう。
各項目を決めるときは、以下の内容を参考にしてください。
夫婦が離婚する場合、お互いの合意が必要です。
話し合いによる離婚を「協議離婚」といい、お互いの合意があれば離婚が成立するので、別れたくなった理由を十分に話し合ってください。
協議がまとまらないときは調停や裁判で離婚しなければなりませんが、調停成立や判決までには数ヵ月~1年程度かかる可能性があります。
双方の合意があれば裁判所を介して離婚をする必要はありません。
相手と話し合って離婚に合意できそうであれば、話し合いをしてみましょう。
離婚時の財産分与は基本的に2分の1ずつですが、双方の合意があれば割合を変えても構いません。
夫が会社員など働いており、妻が専業主婦の場合、「夫が多くもらうべきだ」と考える方もいらっしゃいますが、家事労働にも対価が生じるため、妻も2分の1をもらう権利があります。
また、婚姻生活中に取得した財産は夫婦共有になるため、自宅を住宅ローンで購入しているときは以下のように財産分与します。
オーバーローンの場合は自宅を売却しても完済できないため、ローン契約者が引き続き残債を支払います。
相手の不法行為によって精神的苦痛を受けたときは、慰謝料を請求できます。
不法行為には浮気や不倫、モラハラやDVなどがあり、精神的苦痛の度合いに応じて100万~300万円程度の慰謝料請求が認められます。
ただし、金額に妥当性がなければ相手も納得しないため、場合によっては調停の申し立てや裁判が必要です。
慰謝料を請求するときは、まず不法行為の証拠を確保しておきましょう。
夫婦に未成年の子どもがいる場合、離婚の話し合いでは親権者を決めなければなりません。
親権者になると、同居する子どもの養育監護や法律行為の代行、財産管理などをおこないます。
離婚の際に親権者を決めていない場合、離婚届が受理されないので注意してください。
なお、2024年時点の民法は子どもの親権を「単独親権」としていますが、同年5月17日の改正案可決により、2026年までに「共同親権」が施行される予定です。
改正民法が施行されると、すでに離婚している夫婦も共同親権を選べるようになるため、細かな法整備にも注目しておく必要があります。
子どもの親権を獲得して監護親になると、相手に養育費を請求できます。
養育費も夫婦の話し合いで決めることになっており、自分が親権者になった場合、基本的には子どもが20歳になるまで養育費を受け取れます。
成人年齢は18歳に引き下げられましたが、養育費の終期は引き続き20歳とするのが実務上は一般的です。
ただし、20歳に達した子どもが大学に進学しているなどの理由で経済的に自立してなければ、引き続き養育費の支払いを請求しても問題はありません。
養育費の額や支払方法などは夫婦間の協議で決めますが、話し合いがまとまらないときは裁判所の「養育費算定表」を目安にしてください。
養育費算定表は双方の年収や子どもの人数が考慮されており、権利者と義務者の年収の交差点が養育費の目安になります。
なお、2024年5月17日に可決された民法改正案では、養育費を決めずに離婚した場合でも、相手に一定額を請求できる「法定養育費」が制度化される予定です。
子どものいる夫婦が話し合いで離婚するときは、面会交流のルールも決めてください。
面会交流は子どもと非監護親が触れ合う唯一の機会ですが、以下のようなルールがなければトラブルに発展する可能性があります。
相手が監護親になり、自分が面会交流を求める場合も、話し合いで決めたルールは必ず守ってください。
年金分割とは、夫婦が婚姻期間中に納付した厚生年金保険料の額について、離婚時に分割して双方の年金とする制度です。
分割割合は原則としてそれぞれ2分の1ですが、国民年金や、独身期間に納付した厚生年金保険料は分割対象にならないので注意してください。
また、会社員や公務員の扶養に入っていた配偶者であれば、3号被保険者の年金分割を適用できるため、夫婦間の合意がなくても厚生年金の2分の1をもらえます。
ただし、全期間、配偶者の扶養に入っていたわけではない場合は注意が必要です。
その場合、3号被保険者の年金分割だけでは一部の期間しか分割されないため、夫婦間の合意による分割が必要となりますので、注意してください。
年金分割の請求期限は「離婚日の翌日から2年以内」になっているので、必ず期限内に年金事務所へ請求しておきましょう。
夫婦が離婚する場合、「何から話し合ってよいかわからない」といったケースが少なくありません。
話し合いで離婚を進めるときは、以下の流れを参考にしてください。
夫婦が婚姻関係を解消するときは、まず以下の離婚条件を話し合います。
子どもの親権以外は離婚後に決めても構いませんが、婚姻関係を解消するとお互いの気持ちが離れるため、相手が話し合いに応じてくれない可能性があります。
そのため、できる限り、離婚前に協議をすることをおすすめしています。
夫婦間の話し合いで決まらない項目があるときは、弁護士に相談してみましょう。
離婚条件の話し合いがまとまったら、必ず離婚協議書を作成してください。
離婚協議書は特に様式が決まっていないので、縦書き・横書きや用紙サイズなどは自由に決めて構いません。
夫婦間で話し合った離婚条件をすべて記載し、離婚協議書を2部作成したら、双方で署名捺印しておきましょう。
離婚協議には夫婦2人だけしか関わらないため、協議内容を書面化すると、「話が違う」などの不毛なやりとりを回避できます。
離婚協議書に法的効力を担保したいときは、公正証書の作成をおすすめします。
公証役場の公証人に依頼すると、離婚協議書を公正証書化してもらえるので、離婚後のトラブルに対処できます。
また、公正証書に強制執行認諾文言を記載した場合、相手が慰謝料などを支払わなかったときに給与や預金などの財産を差し押さえられます。
相手が慰謝料や養育費などを支払わない恐れがあるときは、離婚協議書を公正証書にしておきましょう。
夫婦間の話し合いで離婚が決まったら、届出人の住所地または本籍地の市区町村役場に離婚届を提出します。
離婚届の様式は役場の窓口や自治体のホームページで入手できますが、A3サイズで提出するため、ダウンロード様式を印刷できないときは拡大コピーしてください。
必要事項をすべて記入したら役場の窓口に持参、または郵送で離婚届を提出しましょう。
なお、話し合いで離婚が成立した場合、離婚届には証人2名の署名捺印が必要です。
夫婦が別居している場合や、相手からDVの被害をうけているときは、離婚の話し合いが難しくなります。
相手と直接会って話せない状況であれば、電話やメール、LINEや手紙で離婚の話し合いを進めてください。
あとで言った・言わないの水掛け論にならないよう、電話で話し合うときは録音し、メールやLINEの履歴も保存しておきましょう。
また、相手が暴力を振るう恐れがある場合、相手と直接会って話をしたくない場合は、弁護士に代理人を依頼してください。
弁護士が代理人になると、養育費や慰謝料、面会交流などの条件がスムーズに決まるため、離婚のタイミングも早くなります。
離婚は夫婦間の合意がなければ成立しないため、相手が話し合いに応じないときは法的な解決手段が必要です。
協議離婚が難しい場合、以下の調停や裁判を検討してください。
話し合いで離婚できないときは、家庭裁判所に離婚調停を申し立ててみましょう。
調停の申し立て先は相手の住所地を管轄する家庭裁判所ですが、双方の合意があれば、別の家庭裁判所に申し立てても構いません。
離婚調停では夫婦の間に調停委員が入り、それぞれ別の部屋で離婚理由や離婚条件などを主張できます。
調停開始と終了時以外は相手と会う必要がないので、暴言・暴力などの心配もありません。
また、調停委員は双方の主張を聴き取り、それを伝えてくれるので、相手が離婚に納得し、離婚条件にも合意する可能性があります。
ただし、調停はあくまで話し合いによる手続きになります。
調停委員は公平中立の立場のため、積極的にアドバイスをくれることはありません。
そのときどきで適切な判断をしたり、現実的な和解案を出して調停を進めるには、調停の経験が豊富な弁護士を依頼することが望ましいといえます。
1回の調停で決着するケースはほとんどないため、一般的には1~1ヵ月半に1回程度の調停期日を何度か繰り返します。
調停期日は平日になります。
裁判所に行くことが難しいときは弁護士に代理人を依頼することも検討してください。
相手が和解案に納得せず、調停不成立になったときは離婚訴訟を検討してください。
親権や養育費などを話し合う調停であれば、不成立になると自動的に審判へ移行しますが、離婚調停の場合は審判がないため、裁判を起こさなければなりません。
裁判で離婚を認める判決が下ると、相手の合意がなくても離婚が成立します。
なお、裁判で離婚を争う場合、以下の「法定離婚事由」がなければ離婚が認められないので注意してください。
悪意の遺棄とは、相手が家事や育児に協力してくれない、健康なのに働かないなど、夫婦関係を破たんさせる行為です。
夫婦間の協議で離婚を決める場合、つい感情的になってしまい、話し合いが決裂するケースがあります。
冷静かつ建設的な話し合いを進めたいときは、以下のように対処してください。
相手に離婚の話し合いを切り出すときは、場所や時間などを考慮しておきましょう。
たとえば、DVやモラハラが状態化している場合、自宅で離婚話を切り出すと相手が逆上するかもしれません。
暴言・暴力の恐れがあるときは、昼間のホテルラウンジやオープンカフェなど、人の多い場所で離婚の話し合いを切り出してください。
別居するときは家を出る前に置き手紙を残し、相手に離婚の意思を伝えてみましょう。
すでに別居している場合はメールやLINEなどで離婚の話し合いを進める人が多いようです。
離婚の話し合いでは財産分与を決めますが、相手名義の預金口座や不動産などを知らなかった場合、離婚時にわずかな財産しかもらえない恐れがあります。
すべての財産は把握し切れないかもしれませんが、以下の資料を入手できるときは必ずチェックしてください。
財産の種類 | 関連資料 |
---|---|
預貯金 | 預貯金帳や入出金などの明細書、金融機関のユーザーページ |
相手の退職金 | 勤め先の退職金規定 |
生命保険 | 保険会社が送付した通知書や保険証券 |
不動産 | 登記事項証明書や固定資産税の課税明細書など |
上場株式 | 取引残高報告書など |
車 | 車検証や中古車販売サイトの価格相場 |
負債 | 返済状況や残債などの通知 |
離婚協議書を公正証書にした場合、執行力のある債務名義を得ているため、裁判所を介して財産開示手続きを利用できます。
財産開示手続きでは相手が裁判所に対して財産状況を述べますが、出頭拒否や虚偽の陳述があると、6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金刑に処されることがあります。
話し合いで離婚するときは、離婚後の生活も考えておかなければなりません。
自分が親権者になる場合、子どもが成人するまで監護できるかどうか、生活や教育面で不利益が生じないかどうか、じっくり考える必要があります。
幼い子どもは生活環境や交友関係の変化にストレスを感じてしまい、親の事情を理解できず、非監護親から嫌われているのではないかと悩みを抱え込むケースもあります。
子どもがいない夫婦でも、相手の扶養に入っているときは、経済的に自立できるかどうかが重要です。
離婚成立後は相手から継続的に金銭的な支援を受けることはできなくなる場合があるので、引っ越し代や家賃などの住居費用も計算しておきましょう。
相手の不貞行為やDVが原因で離婚する場合、離婚前に以下の証拠を確保してください。
不貞行為 |
ホテルに出入りする写真、浮気相手とのメールやLINE、ドライブレコーダーの映像、クレジットカードの利用明細など |
DV |
写真・動画・音声データ、診断書、警察などに相談したときの記録、日記やメモなど |
不貞行為などの証拠を確保すると、離婚裁判に発展しても有利な判決を得られる可能性があります。
なお、浮気や不倫は証拠を押さえにくいため、場合によっては探偵事務所や興信所に調査依頼する必要があるでしょう。
裁判で効果的な証拠を集めるため、弁護士に事前に相談し、調査のポイントを押さえてから調査を依頼することがおすすめです。
相手が逆上しやすい性格であれば、離婚の話し合いに第三者を交えてください。
第三者がいると暴力・暴言が抑制されやすいので、建設的に離婚の話し合いを進められます。
離婚協議に立ち会ってくれる人がいないときは、弁護士に関与してもらいましょう。
弁護士が関わると離婚条件がまとまりやすく、調停や裁判をしなくても離婚できる確率が高くなります。
離婚の話がまとまらない場合、ある程度の譲歩も必要です。
たとえば、自分が親権を獲得したいと思っていても、子どもが相手との同居を望んでいるときは、子どもの利益を最優先に考えるべきでしょう。
また、相手が不貞行為を十分に反省しており、離婚条件にも概ね合意している場合は、慰謝料の引き下げも検討してください。
離婚するかどうかは夫婦間の問題ですが、相手の暴力・暴言で話し合いにならない、または親の関与によって問題が複雑化するケースがあります。
夫婦の話し合いで離婚を進めるときは、以下のQ&Aも参考にしてください。
離婚は夫婦だけの問題ですが、「親として意見したい」「孫が気になる」などの事情から、親が関わってくるケースが少なくありません。
離婚は両家の問題として、親がかかわったほうが良いとの考え方もあり、離婚によってかかる精神的なストレスの強さを考えると、身近で支えてくれる親の助けがあることが望ましい場合もあります。
実際、人生経験が豊富な親からの意見が有用なときもあるでしょう。
とはいえ、夫婦だけで話し合いをしたいと自分が望む場合に、それでも親が出てくるとなるとそれは問題になってきます。
そのようなときは、夫婦の話し合いで離婚できる旨を伝え、親には困ったときのご意見番になってもらいましょう。
それでも親が執拗に関わってくるときは、離婚協議がまとまるまで連絡を取り合わない、結果が出たらその報告を約束するというかたちで待っていてもらうように伝えるというのも一つの方法です。
夫婦間の離婚協議を経ていなくても、離婚調停の申し立ては可能です。
相手が威圧的に離婚条件を押し付けそうなときや、暴力を振るう恐れがあるときは、最初から離婚調停を申し立てても問題はありません。
ただし、離婚裁判は調停前置主義になっており、まずは離婚調停を経る必要があります。
いきなり訴訟は起こせないので注意してください。
夫婦間で離婚を話し合った場合、離婚がまとまったあとでも復縁できます。
一時的な感情で離婚したケースであれば、復縁できる可能性はあるでしょう。
ただし、相手との復縁や別の人と再婚する場合、女性には「再婚禁止期間」があるため、一部の例外を除き、離婚日から100日以内は再婚が認められません。
また、調停や裁判で離婚するケースは夫婦関係が破たんしているため、復縁は難しいでしょう。
話し合いで離婚する場合、相手に切り出すタイミングや離婚後の生活などを考えておく必要があります。
法的にどういう請求ができるのか、将来の見通しを立てるためにも、経験豊富な弁護士の力を借りることをおすすめします。
感情論で話し合うと離婚条件はまとまりません。
また、冷静な判断ができなくなり、後悔することになりかねません。
冷静な対処が難しいとき、相手が感情的になって話し合いにならないときは、弁護士に関わってもらい、客観的な立場から自分にとって最善の選択ができるようにサポートしてもらうとよいでしょう。
弁護士を交えて離婚の話し合いをすると、財産分与や子どもの養育費などがスムーズに決まります。
また、離婚協議書の作成や、公正証書案の作成など、話し合いで決めた内容を文書化し、権利を確保するための手続きもおこなってくれます。
せっかく取り決めた内容を将来にわたって実現していくため、弁護士に依頼することがおすすめです。
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