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離婚コラム
2015.11.17

離婚時に親権を獲得したい人が知っておくと有利になる知識

Shinken1

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親権とは、未成年の子供に対する親の責任や義務のことを言います。大きく分けると、子供の身のまわりの世話や教育、しつけを行う権利・義務である「身上監護権」と、子供の名義や財産を管理する権利・義務である「財産管理権」の2つがあります。一般的には未成年の子供に対して親権を行使する者を親権者と呼びます。
 
子供がいる場合、離婚する際は子供の親権を決めない限り離婚することはできませんので、父と母、どちらが親権を獲得するかの話し合いが行われることになりますが、どうしても親権だけは欲しいという方同士ですと、かなりの高確率で親権争いが起きます。
 
夫婦間での話し合いで決着がつかない場合、親権者を決める調停を申立てる必要があります。そこで今回は、親権を獲得するポイントをお伝えいたしますので、どのようなことを行えば有利な結果に持っていくことができるのか、参考にしていただければ幸いです。

 

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【目次】
親権についての基礎知識
離婚時に親権者を決める方法
調停で親権者として判断される為のポイント
親権争いになった場合に有利に進めるには
親権を求める調停の流れ
親権を獲得できなかった場合は面会交流権を主張しよう
親権者の獲得でよくある懸念点
離婚後に親権者の変更をする場合
離婚するときは親権だけでなく養育費にも注意
まとめ

 


 

 

親権についての基礎知識

婚姻中に生まれた子供が成人に達するまで、ご両親はともに親権者となって共同で子供を育てていくことになり、法律上定められている具体的な親権の内容としては、次のようなものがあります。
 

身上監護権

子供の住むところを指定し、身のまわりの世話や教育、しつけなどを行う権利・義務のことです。
 
1.身分行為の代理権
子どもが身分法上の行為を行うにあたっての親の同意・代理権
 
2.居所指定権
親が子どもの居所を指定する権利
 
3.懲戒権
子どもに対して親が懲戒・しつけをする権利
 
4.職業許可権
子どもが職業を営むにあたって親がその職業を許可する権利
 
などが民法で定められています。一般的にイメージする親権とは、こちらの身上監護権のことだとお考えください。
 

財産管理権

子供の財産を管理し、財産に関する法律行為を子供に代わって行う権利・義務のことです。
 
1.包括的な財産の管理権
2.子どもの法律行為に対する同意権


親権の種類 

親権と監護権の違い

親権の中には「身上監護権(居所指定権、懲戒権、職業許可権等)」が含まれます。言い換えると、監護権は子どもの近くにいて、子どもの世話や教育をする親の権利・義務ということになります。
 
通常であれば親権者と監護権者は一致したほうが、子どものためになると考えられますが、親権者が子どもを監護できない場合や、もう片方の方が監護権者としてふさわしい場合には、親権者と監護権者が別々になる可能性もあります。
 
たとえば・・・
・親権者は父親だが、海外出張で子どもの世話や教育が出来ない
・財産管理は父親が適任だが、監護権者は母親の方が都合がいい
・親権者の決定に折り合いがつかない
・そのままの状態では子どもの精神的・肉体的な成長に悪影響がある

 
このように、親権と監護権は原則として同一の親に帰属しますが、例外的に別々に扱うこともできます。
 
 

離婚時に親権者を決める方法

実際に親権者を決めるにあたっては具体的に以下のような流れで進んでいきます。

協議離婚:夫婦間の協議(話し合い)で決める
 ↓
離婚調停:親権・監護権者指定の離婚調停
 ↓
離婚審判:親権・監護権者指定
 ↓
離婚訴訟:親権・監護権者指定、付帯処分・親権者指定

 

原則は夫婦間の協議(話し合い)で決める

親権者の取り決めも、まずは夫婦間の話し合いからスタートするのが原則となります。離婚届に未成年のこどもの親権者を明記する欄がある以上、結論は離婚前にしなくていけませんので、自分は早く離婚したいからと、とりあえずで決めるのだけは絶対にやめましょう。
 
あとから親権者の変更を行うこともできますが、手続きが面倒なうえ、改めて話そうとしても相手が応じない可能性もあるからです。
 

決まらない場合は調停で決める

親権者の決定で夫婦間の同意が得られない場合は、家庭裁判所へ調停の申立てを行う必要があります。親権者の取り決めは子どもにとって将来のかかった重要なものですので、親のエゴや意地の張り合いなどから、お互いに譲らないといった状態にならないように、子どもの利益を最優先に判断されることになります。
 

調停が不調の場合は裁判所が親権者を判断する

親権者の決定について調停でも決まらない場合は、裁判所に親権者を指定してもらうことになり、これを親権者指定の審判手続といいます。審判は、当事者による合意を目指す調停とは違い、裁判官が事実の調査を経て判断を下します。
 
ただし、家庭裁判所の裁判に対しては、裁判後一定期間内であれば高等裁判所への不服申立ても可能です。
 


 

調停で親権者として判断される為のポイント

夫婦間の話し合いで決める場合は、特に条件などはありません。「私が(父母)引き取る」と言って、お互いが納得すればそれで完了です。その際には、親権や監護権のことを離婚協議書に明記して作成しておけば安心ですね。
参考▶︎取り決めた内容を残す協議離婚書を作成
 
もし親権者をだれにするかの話し合いで決まらない場合は「調停」へ、それでも決まらない場合は「審判」や「裁判」で決めてもらうという流れになります。もし調停や審判となった場合に、裁判所が定める親権者の条件は下記のとおりです。
 

子供への愛情

子どもに対する愛情が大きい方が、より親権者として適切であると判断されます。調停では客観的事情から判断され、子どもと過ごした時間が長い方が子どもに対する愛情が大きいと判断される傾向にあります。
 
つまり、子どもと現在同居している方が有利なポイントとなります。子どもの養育に適切な環境を整えていることをアピールするのが良いでしょう。
 

経済的安定と親権者の肉体と精神が健康であること

子どもの学費や生活費など、養育していくために必要な収入が定期的に得られる経済力は親権者にとって重要な事柄のひとつです。また、健康状態が良好でない、精神的に不安定な面がある、性格に異常な側面があるといった場合には、親権者としてふさわしくないと判断される傾向にあります。
 
親権を獲得するためには、肉体的・精神的に健康であることを証明しましょう。
 

子どもの年齢と意思

子どもが幼いほど、母親が親権を持つケースが多いです。理由は、乳児や幼児は、母親と暮らすほうが適当と判断されるからです。その傾向は10歳未満程度であればより顕著です。
 
10歳以上になると、子どもの発育度合いに応じて、子どもの意志を尊重するため本人の意志を聞く機会が設けられます。20歳以上を過ぎた子どもには親権者の指定の必要がありません。
 

子育てに十分な時間がさけるか

子どもと一緒に過ごせる時間が多いと、親権者として選ばれやすい傾向にあります。しかし一緒に住むのはあなたの親族では不十分です。可能な限り子ども優先のライフスタイルにした上で、子どもの為ならライフスタイルを変更していく姿勢をアピールしていくと効果的です。
 

子どもへの従来の監護状況

子どもに対する従来の監督状況も親権者としての判断材料のひとつとされています。すなわち、これまでの子どもの育成や教育への関わり方や子どもとの接し方といった客観的な事実から、子どもに対して適切な監護が期待できる親かどうかが判断されます。
 
特に、既に夫婦が別居していて、現在は子どもと同居している親の場合、現在の子どもの監護状況が安定的で適切であるという事情は親権決定に有利に働くことになります。
 

子どもへの将来的な監護状況

これまでの監護状況に加え、離婚が成立した場合に将来的に推測される監護状況も親権決定の考慮要素となります。そのため、親権を勝ち取ることを企図するのであれば、自身の生活スタイルをできるだけ子ども優先のスタイルにした上で、子どものために生活スタイルを変更したことをアピールすることも有益と思われます。
 
なお、子どもが幼年の場合には、子どもと過ごせる時間が多いほうが望ましい傾向にありますし、自身の家族、保育所等代わりに手厚く面倒を見てくれる人の有無も考慮される傾向にあります。
 
このようなものを総合的に判断していきます。ちなみに、子どもが幼ければ幼いほど、親権の争いについては母親が有利といわれています。ただし、これも養育能力の問題ですので、母親だから常に有利というわけでもありません。
 
詳しくは「離婚調停で親権を獲得する為の知識まとめ」をご覧ください。
 

 

 

親権争いになった場合に有利に進めるには

調停や審判にまで親権争が持ち込まれた場合、裁判所はあらゆる事情を優劣だけでは決めず、客観的にみて「子どもが幸せになれるのはどちらか」で判断します。
 
表:裁判所が親権をきめるときのポイント

親側の事情

子ども側の事情

健康状態

子どもの意向

生活態度

年齢・性別・兄弟関係

監護能力と意欲

精神的かつ肉体的発育状況

経済的・精神的家庭環境

父親、母親との結び付き

住居・教育環境

従来の環境への適応状況

子どもに対する愛情の度合い

環境の変化への適応生

親族などの援助・協力の有無

 


上記は必要最低限のものであるとお考えください。いろいろな要素がありますが、まとめてお伝えすると・・・
 
・ちゃんと生活費を稼ぐ労働能力と働く意欲があって
・酒ばかり飲む、ギャンブルばかりやるような生活ではなく
・子どもの教育に意欲的であり、送り迎えの環境なども整えていて
・何より子どもを愛していること
 
このような方は親権を取りやすいでしょう。他には下記のことを意識するとなお良いと思われます。
 

調停委員を味方につける

離婚調停の調停委員も人間ですので、「調停委員の同情を誘う」こともある意味大事な要素となってきます。
 

家庭裁判所の調査の際にアピールする

子どもと過ごした時間が長く、子どもに対する愛情が大きいと親権者とされる傾向にありますので、現段階で子どもと同居している側の監護状況が一つのポイントとなります。
 

親権者としてふさわしいことをアピールする

子どもと一緒に過ごせる時間が多い方が、親権者として選ばれやすい傾向にありますので、できるだけ子ども優先のライフスタイルにしましょう。また、子どもの為にライフスタイルを変更することをアピールしていくと効果的です。
 

子どもの手続き代理人制度を利用する

弁護士が代理人となり、子どもが状況を理解できる手助けをし、こどもの本心を把握するとともに、何が一番良いのかを親や裁判官に提言してくれる制度です。こどもの本心を探る為、自分にとってはあまり喜ばしくないことになる可能性もありますが、親であればこどもの為に愛を持った態度を取ることで、裁判官へのアピールとなる可能性も十分にあります。
 
以上の点を参考に、親権を獲得するために調停を進めていきましょう。
 

 

 

親権を求める調停の流れ

離婚調停で親権を争う場合は以下のような流れで進めていきます。これまでご紹介してきた内容を思い出して取り組んで頂ければと思います。
 

まずは離婚調停の申立てる

調停の申立に必要な書類について
・夫婦関係調整調停申立書
・申立人の印鑑
・申立人の戸籍謄本
・相手方の戸籍謄本
 
具体的な記載方法などは「離婚調停にかかる費用と有利に進めるための方法」をご参照ください。
調停の申し立て場所は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。
 

離婚調停の流れ

1:家庭裁判所へ調停の申立て
2:調停期日の決定
3:第一回の調停
4:第二回以降の調停
5:調停の終了
 

家庭裁判所の調査官による面談

調停が進んでいくと、調停の合間に家庭裁判所の調査官による家庭訪問等が行われます。親権を獲得するにあたっては、家庭裁判所の調査官が持つ影響力は絶大ですので、詳しく知っておきましょう。
 

家庭裁判所調査官とは何者か?

子どもが親権争いに巻き込まれるとストレスを受けたり、無理に努力したりして長期間にわたる深刻な心の傷を受ける場合があります。そこで、子どもの親権や離婚後の親と子どもの交流などについて調停で話し合いを進めるにあたっては、裁判所側が調査をすることが必要になる訳です。家庭裁判所調査官は、親と会うほか、子どもとの面談、家庭訪問、学校訪問などを行います。
 

家庭裁判所調査官が行う事

・子どもとの面談
学校のことや友達のことなどを聞き、子どもが父母と普段はどのように関わり、どんな気持ちを抱いているかなどを自由に話してもらいながら、その子どもの気持ちを把握していきます。
 
・家庭訪問による生活環境の調査
家庭訪問をし、親子関係や子どもの生活環境について調査します。
清潔感や整理整頓の状況など。
 
・学校への訪問
保育園や小学校、児童相談所などを訪問して生活環境を調査します。
 

家庭裁判所の調査官が調査する内容

・適切な親権者であると思われる裏付け
子どもへの愛情や、これまでの養育状況に問題がないことなど。
 
・現在までの子どもの養育環境について
夫婦のどちらがメインに監護養育を担当していたのかなど。
 
・今後の養育方針について
今後はどのように養育していくのか、どこで養育するのかなど。
 
・親権者となるのが不適当だと思われる裏付けなど
以前から看護養育に関与しておらず、今後も養育することが難しいなど
 

 

 

親権を獲得できなかった場合は面会交流権を主張しよう

面会交流権とは、離婚後又は別居中に子どもを養育・監護していない方の親が子どもと面会等を行うことです。離婚するような状況ですので、相手もあなたに対する憎しみや怒りなどが強く、子供に会わせたくないという気持ちを持っているかもしれません。

しかし、裁判所も面会交流は「子供の幸せ」にとって重要であるとしています。万が一親権者となれなかった場合は、面会交流権を主張しましょう。
 

面会交流で決めるべきこと

1:面会場所はどうするか
2:面会場所への移動方法の明記
3:面会開始時刻と終了時刻
5:面会交流の頻度
6:連絡方法 など

 

親権の獲得でよくある懸念点

子供の親権

浮気をしていても親権者になれるのか

なれます。浮気や不倫をして離婚に至ったケースでも、夫婦関係を破綻させた原因は子どもの親権には無関係です。つまり「どちらの親が悪いか」を争うことに意味はないのです。
 

父親も親権者となることはできるのか?

過去の判例を見ると、母親が親権を得て、子供を引き取るケースが全体の9割を超えており、特に子ども幼い場合は、裁判官は母親に親権を与える傾向が鮮明に見られます。
 
一緒にいる時間や、実際に子どもを生んだ母親のほうがより愛情が強いと算段されるのが理由としてありますが、父親が必ずしも親権を取れない訳ではありません。
参考▶離婚の際に親権を獲得したい父親が知っておくべき全知識
 

離婚前に子どもを連れて別居された場合

子どもの連れ去りは別居中や離婚協議中、あるいは調停中に起こりやすくなっています。
 
「妻が勝手に実家へ連れ帰った」
「子どもに会わせてもらえない」
など
 
連れ去る理由は様々ですが、強制的にでも子どもと一緒に住んだことで実績が生まれるため、以外とよくあるケースと言えます。この場合は自力で取り戻すのは難しくなってきますので、「子の引き渡し請求の調停」を家庭裁判所へ別途申立てる必要があります。
 

親権者でなくても子供とは一緒に住みたい

親権者でないと子どもを引き取れないと考えている方も多いと思いますが、決してそんなことはありません。
 
すでにお伝えした、身上監護者と財産管理権に分けて、親権者と監護者を指定することで、役割に制限はありますが法律では認められています。監護者となれれば、子どもを引き取って面倒を見るだけではなく、親権者が子どもを引き取りたいと言った場合でも、これを拒否する権利も与えられています。
 

 

 

離婚後に親権者の変更をする場合

一度決めた親権者を変更する場合、変更には家庭裁判所の許可が必要なので、まずは親権者変更の調停あるいは審判を申立てます。ただし、あくまでも親権者の変更が妥当であると判断された場合のみです。
 

親権者の変更が認められる場合

・親権者の入院
・海外転勤の都合
・教育環境の悪化
・子どもへの暴力や虐待
・子どもへの強制労働
・育児放棄や行方不明
・継父、継母との仲が悪い
・子どもが望んでいる
 

1:親権者変更調停の手続き

申立人:子どもの父また母
申立先:相手がたの住所地の家庭裁判所
    当事者が合意で決める家庭裁判所
 

手続きに必要な書類

・申立書3通
・事情説明書ほか添付書類
・申立人、相手方、子どもの戸籍謄本各1通
・連絡用の郵便切手(裁判所によって異なる)
 

2:親権者変更審判の手続き

申立人:子どもの父また母
申立先:子どもの住所地の家庭裁判所
 

手続きに必要なもの

・申立書3通
・事情説明書ほか添付書類
・申立人、親権者、子どもの戸籍謄本
※親権者が死亡している場合は死亡の記載のあるもの
・収入印紙:1,200円(子ども1人につき)
・連絡用の郵便切手(裁判所によって異なる)
 
 

離婚するときは親権だけでなく養育費にも注意

養育費とは、衣食住にかかる費用のほか、学費、教育費、娯楽費など、未成年の子どもが生活するために必要な費用のことです、これは親権者に関係なく、父母が分担すべき費用であり、収入が多い親から少ない親へ、子どもと離れて暮らす親から養育している親へ、資力に応じて支払うのが一般的です。

養育費の支払いについては、話し合いで決めることができ、養育費の支払い期限としては、「子どもが社会人となって自立するまでが一応の目安」とされています。
参考▶離婚後の養育費の相場と増額させる効果的な話し合いの姿勢
 
 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
 
繰り返しになりますが、親権者は「子どもの幸せを考えた時、どちらがより子どもの為になるか」を重視します。親権獲得のポイントとなることはお伝えしました。

しかし、もし子どもが相手と一緒にいたいという姿勢をとった場合は、面接交流権だけでも欲しいことは伝え、無理に引き下がることをしないようにするのが、ある意味大人の対応であると思います。
 

 

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お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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