介護離婚とは?離婚するか迷った際の3つの判断基準まとめ

~いざという時の備えに~離婚コラム

 > 
 > 
 > 
介護離婚とは?離婚するか迷った際の3つの判断基準まとめ
キーワードからコラムを探す
離婚コラム
2018.5.16
離婚調停 DV その他 弁護士監修記事

介護離婚とは?離婚するか迷った際の3つの判断基準まとめ

%e4%bb%8b%e8%ad%b7%e9%9b%a2%e5%a9%9a

介護離婚(かいごりこん)とは、簡単にまとめると夫の親(義親)の介護に嫌気がさして離婚してしまうことです。

 

離婚を決意するほど疲れる原因として、義親との関係が悪く義親の介護をしたいと思えない・夫や夫の兄弟姉妹が介護にまったく協力してくれない・貢献してもいたわってもらえないなどがあります。

 

第一生命が行った、『介護の際に感じたこと』に関するアンケート調査では、多くの人が以下のようなことを感じているということがわかりました。

 

(参考:『親の介護に関するアンケート調査』|第一生命)

 

アンケート回答者が必ずしも離婚したわけではありませんが、このような気持ちを我慢し、介護し続けるのは精神的にも体力的にも厳しいものがあります。

 

この記事では、「もう義親の介護をしたくないが、離婚もしたくない…」という場合の判断基準、義親の介護を理由に離婚できるのかについてご紹介します。

義両親の介護責任は誰にあるの?

夫が長男であったり義親と同居したりしている場合、義親でも妻が介護しなくてはいけないように感じますよね。しかし、妻が義両親を介護すべき直接的な義務はありません。

 

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。(引用:民法第887条)

 

民法887条の定める扶養義務はその対象を『直系血族』としているため、直系血族ではない妻に同法から直接的な扶養義務は生じません。

 

ただし、夫婦間には夫婦生活について相互に扶助すべき義務があります。なので、夫の両親に対する扶養義務について、妻にも一定の支援をする義務は認められる可能性があります。

 

『妻は義両親の面倒を当然見なくてはならない』ということは誤りですが、『自分の両親ではないから一切面倒を見ない』ということも法的には許されない可能性があるでしょう。

 

正しい理解としては、義両親について直接的な介護責任を負うのは夫であるが、妻にもこれを扶助する責任があるというところでしょう。

 

介護離婚に発展すると考えられる5つの理由

介護離婚の多くは精神的なストレスが根本的な原因。ここでは、一般的にストレスになると考えられる5つの理由を紹介します。

 

1:義親と仲がよくないので介護の意欲がわかないから

精神的にも肉体的にもつらい介護はよほどの恩や愛情がないとできませんよね。優しくされたことがなく、恩や情を感じない相手への介護を苦痛に感じる人は多いかもしれません。

 

義父母は結婚時、何の援助も、お祝いもなし。お互い別世帯だから自分たちでやるようにというスタイルでした。あれから、月日は流れみんな歳を取りました義父母から連絡があれば贈り物の催促に加え、受診時の送迎や付き添い、お遣いなどのお願い事ばかり。正直、なんの恩もないのに、あれほど別世帯だと言っていたのにと思ってしまう自分がいます。(引用:恩はなくても介護しないといけませんか|発言小町)

また、結婚時から嫁いびりをされてきた場合、妻にしてみれば顔を見るのも苦痛でしょう。例え介護していても優しく接することができないかもしれません。

 

数年前から忘れていた暴言(20年以上前の事)がふと甦ってくるようになり。今では、顔を見るのも声を聞くのも苦痛になりました。今では、最低限の会話のみ。なるべく接しない様にしています。最近、軽い認知症の症状がでてきた姑ですが、優しく出来ません。(引用:同居の姑の過去の暴言が忘れられない|発言小町)

 

このように嫁姑間の仲が悪い場合、介護したとしても相当なストレスになってしまいます。はじめは仕方ないと、介護していても我慢の限界を超えてしまえば、介護も放り出して離婚したくなるかもしれません。

 

また、離婚に発展しなくても、うつなどの精神病になってしまったり虐待をしてしまったりする可能性もないとはいえません。

 

2:夫や夫の兄弟姉妹が介護に協力してくれないから

『長男の嫁=義親の介護をしなくてはいけない』という暗黙の了解があることも少なくないでしょう。そうなってしまうと、まだ介護が必要でなくてもプレッシャーになりますし、「他の兄弟姉妹がすればいいのに!」と憤りを感じてしまいますよね。

 

長男の嫁は、義両親の世話をするのが絶対なのでしょうか?イロイロあって嫌いになっても、嫁いだのだから、我慢して会いに行ったり、面倒をみないといけないものですか?(引用:長男の嫁は、義両親の世話をするのが絶対なのでしょうか?|Yahoo!知恵袋)

また、まったく介護に協力してくれないのに「施設に入居させるのはかわいそうだ!」と他の兄弟姉妹がとやかく言ってくる場合もあります。

 

既に介護が始まっていて、田舎なせいか身内が情に厚いのか「施設に入れるのはかわいそう、抵抗がある」と言われ必然的に長男の嫁が見るという暗黙のプレッシャーに毎日押しつぶされています。(引用:義親の介護をしたくないのはワガママですか?|Yahoo!知恵袋)

 

他の兄弟姉妹が協力的で、自分はサポート程度の介護でよいのであれば離婚までは発展しないかもしれません。

 

しかし、『長男の嫁だから』など、一方的な理由で介護をすべて押し付けられてしまうと、「なんで赤の他人の自分がしなくちゃいけないの?」「他の兄弟姉妹を頼ればいいのに…」などと不満がたまってしまうでしょう。

 

何も協力してくれない夫や夫の兄弟姉妹に我慢の限界がきてしまえば、夫と一緒にいたいという気持ちもなくなり、離婚を決意してしまうこともあるかもしれませんね。

 

3:介護をしているのに感謝してもらえないから

一生懸命に介護しているにもかかわらず、義親や夫・夫の兄弟姉妹からまったく感謝されないと、介護を続けようという気持ちにはなりませんよね。

 

義両親の世話をするのもそれは当り前のことなんですが、義両親は、それを感謝するどころか、あまりにも「当たり前」と言う態度をとられ、頭にきます。面と向かって「ありがとう」と言って欲しいわけではないのですが、せめて気遣いくらいして欲しいのです。そして主人も無関心です。それも頭にきます。(引用:義父母に疲れます。|発言小町)

自分の好きなように外出(お買いもの、ランチ)できず、ストレスがたまっております。外出中にもし何か起きたらと考えるとできません。なぜ私ばかり。。。と考えてしまいます。主人と結婚したのに、義父といる時間が長いのも嫌です。夫や、義姉から、一言「ありがとう。」が聞けたら頑張れるのに、支えになるのに。。。と切なくなります。(引用:義父の介護が始まりました。|発言小町)

 

感謝をしろというわけではありませんが、自分の時間を削ったり、したいことを我慢したりしているので感謝や気遣いがほしいですよね。

 

一言感謝されれば報われるものもありますが、無関心だったり介護をするのが当然のような態度を取られてしまったりすると我慢できなくなり離婚に発展してしまいがちです。

 

4:家政婦扱いされていると感じるから

妻として結婚したのに、介護を押し付けられまるで『家政婦』のように扱われてしまうこともあるようです。

 

姑の介護ができないなら離婚と言われた。この際、もう別にそれでいいよって思うw妻というより家政婦扱いだね(笑)(引用:姑の介護ができないなら離婚と言われた。|Yahoo!知恵袋)

問答無用で結婚してすぐ旦那両親と同居でした。家出しました。そしたら義両親、義姉、旦那、血眼になって探してきました。家政婦が逃げ出したから困る!って感じでした。私は介護要員にされたんですよね。(引用:介護要員にされたとしか思えない。|Yahoo!知恵袋)

 

義親や夫の兄弟姉妹だけではなく、夫にまでそのような扱いをされてしまえばもう一緒にいる意味がないと思い、離婚に至ってしまうことは想像に難くありません。

 

5:義親の介護中に旦那が不倫をしたから

義親の介護を妻にさせて、自分は不倫しているという最低のケースもあるようです。

 

夫はご家庭のある女性とW不倫中です。義母が近々退院しますが、うちで引き取り介護生活が始まります。夫は一人っ子なので、他に頼める兄弟はいません。不倫でハッピーライフを送る夫を恨めしく思ったりすることに耐えられるのか・・(引用:親の介護・子どもの進学・夫の不倫が重なって、どう動くことがベストなのかな?|Yahoo!知恵袋)

近居の義母が要介護になり認知症も出てきたので私は仕事をやめお世話をしています。でも夫は家族を養う為に毎日遅くまで仕事を頑張り休日出勤までしているからと思い愚痴は言わないようにしていました。しかし昨年末、浮気が発覚。義母の事は可哀想と思いますが、もう無断で義母の介護は退職していいですよね?(引用:義母の介護と夫の浮気|発言小町)

 

自分が一生懸命に義親の介護をしている間、手伝いもせず不倫をして楽しんでいたと思うと我慢できませんよね。

 

『義親の介護が苦痛』という理由で離婚は可能か

ここでは、『義親の介護が苦痛』という理由で離婚できるケースと離婚するのが難しいケースについてご紹介します。

 

離婚ができるケース

離婚ができるケースは以下のとおりです。

 

  • 夫婦がお互い離婚に合意している
  • 義親の介護以外にも法定の離婚事由(※)がある
  • 義親の介護が原因で夫婦関係が破綻している(長期間の別居など)

 

※法定事由

法定事由とは、裁判で離婚する際に認められる離婚理由のことです。以下のようなものになります。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。(引用:民法第770条)

 

お互いが離婚することに合意していれば、比較的スムーズに離婚できるでしょう。

 

離婚が難しいケース

以下のようなケースでは離婚が難しくなります。

 

  • 一方が離婚を拒否している
  • 妻が不倫などをしており有責配偶者である

 

このような場合、離婚できないわけではありませんが話し合いがうまく進まなかったり、揉めてしまったりする可能性が高いでしょう。

 

話し合いがまとまらない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に依頼することで仲介役になってくれたり、代理交渉を行ってくれたりします。

 

介護を理由に離婚することをおすすめする3つの判断基準

介護をしたくないという理由だけで離婚すべきか悩む人は少なくありません。特に、夫に愛想をつかしたわけではない場合、離婚の決心はなかなかできませんよね。

 

ここでは、介護を理由に離婚することをおすすめする3つの判断基準を紹介します。離婚するかしないかの参考にしてください。

 

1:ストレスが我慢の限界を超えた場合

義親の介護や周囲の人間関係(義親・夫・夫の兄弟姉妹)に対するストレスで「もう我慢できない!」と感じた場合は、離婚や別居を考えてもよいかもしれません。

 

我慢の限界を超えると『被介護者の虐待をしてしまう』『うつなどの精神的な病気になってしまう』『不眠症や拒食など身体的な異常が出てしまう』可能性もゼロではありません。

 

2:夫や夫の兄弟の協力が受けられない場合

夫や夫の兄弟の協力が得られず、全部押し付けられた場合は離婚を考えてもよいかもしれません。

 

特に、自分が一生懸命に介護しても周囲はそれが当然のように振る舞い、感謝さえもされず『家政婦』のように扱われているようなケースは深刻だと思われます。

 

夫の親を介護したからといって、自分の親が要介護になった場合夫に介護してもらえるとは限りません。介護に見返りを求めるわけではありませんが、周囲が感謝もせず押し付けてくるようであれば離婚して介護から逃げるのも1つの方法です。

 

3:介護以外に離婚したい理由がある場合

義親の介護以外にも離婚したい理由がある場合もあるかもしれません。例えば、不倫やDV・モラハラ・性格の不一致などが考えられます。

 

ただ、いずれも程度問題であり、これらの事由があるから必ず離婚できるというものでもありませんので、介護の問題も含めて弁護士に相談しましょう。

 

介護離婚する前にできること

『義親の介護』を理由に離婚できることは紹介しましたが、介護離婚する前にまだできることはあります。ここでは介護離婚する前できる2つのことを紹介します。

 

親族で話し合う

もちろん何度も話し合ってきたと思いますが、しっかり周囲に「自分はもうこれ以上の介護はできません」と自身の意見を明確に伝えることも大切です。

 

義両親を介護施設に入所させる

兄弟姉妹の協力が得られず、これ以上単独での介護は難しいという場合は、介護施設に入所してもらうことも1つの方法です。

まとめ|離婚後にも介護をしてほしいと連絡があった場合の対処法

妻が介護をすべてしていた場合、介護離婚した後に夫から「親の介護のために戻ってきてほしい」という電話やメッセージが届くことがあるようです。また、夫の兄弟姉妹からも連絡がきたり、会社や家にまで押しかけてきたりすることもないとは言い切れません。

 

このような場合は、まずは弁護士に相談して適切な対応を取ることが重要です。

 

出典一覧

この記事を監修した法律事務所

Thum_umezawa
プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

弁護士へのご相談で慰謝料などの増額が見込めます


離婚問題に関する専門知識もつ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

・慰謝料を獲得したい
・できるだけ増額請求をしたい
・不倫・浮気の証拠を集めたい
・親権を獲得したい

など、離婚に関わる問題でお困りの事を、【離婚問題を得意とする弁護士】に相談することで、離婚に有利な結果となる可能性が高まります。

お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

その他に関する新着コラム

その他に関する人気のコラム


その他コラム一覧へ戻る