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ナシ婚が増加中!結婚式の離婚率を抑える効果

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
ナシ婚が増加中!結婚式の離婚率を抑える効果

結婚したら結婚式を上げるのが定番の流れですが、近年では「結婚式は絶対にあげたくない」という人も珍しくありません。

特に、最近は新型コロナウイルスの影響などによりフォトウェディングで終わらせることも多いようです。

入籍だけで結婚式を挙げないことを「ナシ婚」と呼びますが、結婚式を挙げる・挙げないは離婚率に影響するのでしょうか?

この記事では、ナシ婚を選択する理由や離婚率について紹介します。

この記事に記載の情報は2021年05月12日時点のものです

ナシ婚とは

ブライダル総研が行った調査では、入籍するカップルの約20%がウェディングに関することを何もを行っておらず、食事会や写真撮影にとどめるケースを含めると、約40%の人が挙式やウェディングパーティーを行っていないことがわかります。

結婚に関する推移

(参考:結婚総合意識調査|ブライダル総研)

このように、結婚式を行わずに婚姻届を提出しただけ、もしくは婚約と合わせて結納だけは行い夫婦生活をスタートさせるカップルを指して、「ナシ婚」という言葉が生まれました。

ナシ婚の主な理由

ナシ婚の主な理由は3つあります。理由を多い順番にならべると「経済的事情」「授かり婚だから」「セレモニー的な行為が好きじゃない」です。

経済的事情

この部分に関しては、結婚式を実施すると大金がかかってしまうというイメージが先行していると考えられます。また結婚式に多額の資金を使うのであれば、その分新婚旅行で贅沢をすることや、なにかと物入りになる新しい住居や家具家電にお金を使いたいという新婚カップルの気持ちがあるようです。

授かり婚

授かり婚のケースでナシ婚を選択する心理としては、まず体調的に結婚式を行える自信が持てないことが要因として挙げられます。経験者しかわかりませんが妊婦のつわりや体調不良はとてもつらいものです。吐き気・心理的不安定・頭痛などを伴うつわりの中、緊張感のある結婚式を挙げるのは、式の主役である新婦にとって決していい条件とは言えません。

安定期に入ってつわりの心配がなくなった時に起こる別の心配事が、周りの反応です。若い世代の中では授かり婚は段々一般的になってきたものの、結婚する夫婦の親世代からするとまだまだ受け入れがたいことである場合も多く、節操が無いという印象を持たれる不安もつきまといます。

さらに、大きくなっていくお腹に合うウェディングドレスが少なく、一生に一度の晴れ舞台になるべく綺麗にかわいい姿で臨みたいという新婦の希望に沿わない可能性が高いことも懸念されます。

セレモニー的な行為が好きじゃない

友人や知人の結婚式に参加して楽しい時間を過ごして幸せな気持ちになれることは、誰にとっても嬉しい経験です。しかし、ナシ婚を選ぶ夫婦はいち参加者としての結婚式は歓迎するものの、自分たちが目立ってしまうことが嫌いで、式の間中ひたすら褒められ祝福され続けることが心地良くないと感じる人もいるようです。

また、一般的にはウェディングドレスへの憧れをすべての女性が持っていると考えられていますが、そうでない人も一定数いることがこのナシ婚を希望する理由から読み取れます。

これらの理由以外にも「準備が大変で気疲れしてしまうから」「お互い再婚だから必要ない」「上司や同僚など参列者を選ぶことが苦痛だから」「呼べる友人があまりいないから」などが、代表的なナシ婚選択の理由として挙げられます。

結婚式の有無が離婚率に影響がある

夫婦となった男女の門出を祝う結婚式。参列者として結婚式に参加するだけでも幸せな気分になれます。最近では結婚シーズンともなると、毎週末SNS上に結婚式での楽しげな写真を目にする方も多いのではないでしょうか。実はある調査によると、結婚式(挙式披露宴)を行ったかどうかによって、離婚率が変わってくることが明らかになりました。

結婚生活が3年以上続いている夫婦の60%が挙式披露宴を行っているのに対して、離婚したカップルの挙式披露宴実施率は40%にとどまります。さらに、ナシ婚で新生活をスタートさせた夫婦の内、のちに離婚をした夫婦は約30%いました。この調査結果により、「結婚式をする夫婦の離婚率は、ナシ婚夫婦の離婚率より低い」という傾向が判明しました。

(参考:みんなのウェディング)

結婚式費用が高いほど離婚率が高まる

結婚式費用と離婚率に関係があるという説がアメリカの大学の研究で明らかになりました。この関係の裏には、新郎新婦が抱える金銭的なストレスと結婚生活への過度な期待が影響していると考えられています。この研究結果では、結婚式を質素に執り行なえば、経済負担が少なく炭、結婚生活に悪影響が及びにくいとされています。

結婚式や婚約指輪のために借金をした場合、そのお金の問題がストレスの原因となり、思い描いていた幸せな生活を送ることができずに、結婚生活への期待が裏切られてしまい不満が溜まりやすく離婚に結びつくケースが増加する傾向にあるそうです。

また、結婚式に出席した友人の人数が多ければ多いほど離婚率が下るということも言われています。友人の参加が、離婚に踏み切らせないストッパーの役目をしているわけです。ちなみに日本の平均的な挙式・披露宴の費用は約350万円とされています。

昔から婚約指輪の値段を表す言葉として「給料の3ヶ月分」という一般的な理解がありましたが、現在では婚約指輪にかける平均的な費用は約30万円です。このデータを裏付けるように、近年では夫婦共に婚約指輪にお金をかけすぎることを良しとしない風潮が生まれています。

ナシ婚を後悔しているなら次の行動を

「結婚した時にはどうしても結婚式の費用が出せなかった」、「妻が妊娠中で生まれてくる子供の生活を考えると結婚式どころではなかった」、「歳を重ねるにつれて結婚式を挙げたい気持ちが高まった」など理由は様々なですが、結婚式をしたくてもなんらかの事情でやむを得ずナシ婚を選択したことを後悔している方も少なからずいらっしゃるでしょう。

女性としての目線では、今は興味がなくとも年をとってからどうして若い内に着られるはずだったウェディングドレスを着なかったのかと考えが変わることもあるはずです。ナシ婚を選択された夫婦であっても、結婚式を挙げたいやウェディングドレスを着たいと感じた時が、その夫婦にとってのベストタイミングなのではないでしょうか。

もし若くして結婚したために経済的に挙げられることができなかった結婚式をある程度稼いでから挙げるのもいいでしょう。ここ数年でウェディング業界は様々な工夫を重ね、結婚式のプラン内容や結婚式場もはるかに多様になりました。
 
入籍し夫婦お互いに協力しながら苦しい時間も乗り越えた結果、二人で用意した結婚式を挙げることは新婚時に行う結婚式とはまたひと味違った喜びがあることでしょう。またマンネリ気味の夫婦生活にもう一度活気をもたらし、夫婦二人で生きていくことを再確認できるような挙式や、授かり婚で泣く泣く断念した結婚式を成長した子供と共に家族一体となってつくり上げる披露宴は、夫婦や家族の絆を再確認するまたは深める絶好の機会になります。
 
欧米では「バウ・リニューアル」と呼ばれる結婚年数に関わらず、幅広い年齢層の夫婦が絆を深めるイベントが行われています。日本ではまだまだ一般的ではないですが、芸能人の間では入籍から時間が経過した後に結婚式を行うケースも増えてきており、ナシ婚を選択した夫婦が一定期間経過した後にこのような意味合いで、結婚式を行うことは選択肢のひとつとしてオススメできます。

さいごに

いかがでしたでしょうか?
結婚式には離婚率を下げる効果があるものの、様々な事情により現在は入籍したカップル約40%がナシ婚を選択しています。しかし、結婚式を行うチャンスは入籍直後だけではありません。夫婦にとって都合が良い時に、夫婦に合った形式で結婚式を挙げることをオススメします。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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