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公開日:2019.3.27

不妊に悩み離婚を検討中のあなたへ|離婚が成立する例と離婚しない方法

弁護士法人未緒法律事務所
原口未緒 弁護士
監修記事
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不妊に悩み、離婚を検討中の方はこの記事をご覧ください。

国立社会保障・人口問題研究所の調査では、「不妊の心配をしたことがある夫婦が3組に1組超、子どものいない夫婦では55%」という結果が出ています。(参考:出生動向基本調査|夫婦調査の結果概要

女性の社会進出に伴い出産時期が遅くなったことや、生活様式が多様化したことなどが背景と考えられますが、いずれにしても子どもが欲しい夫婦にとって不妊はとてもデリケートな問題です。

不妊治療は精神的に辛く、経済的な負担もあります。「こんな思いをするなら、いっそ離婚を…」と考える方も少なくありません。

あなたも、不妊をきっかけとした夫婦関係に悩み、このページに辿りついたのではないでしょうか。

この記事は、そんな辛い心境の方を少しでもサポートできればという思いで執筆しました。

離婚する前にあなたにもう一度知ってもらいたいこと、不妊を理由とした離婚は認められるのか、離婚したくない場合はどうすべきか、といった点について詳しく解説しています。

不妊が原因で離婚を検討中のあなたに伝えたいこと

不妊治療は辛く苦しいものがあります。しかし、夫婦の絆を断ち切ってしまう前に、あらためて次のことを考えてみましょう。

不妊は夫婦どちらのせいでもない

不妊というと、世間の多くの方が「女性側に原因があるもの」と考えがちです。それは、女性は妊娠適齢期を過ぎると妊娠しづらくなるためでしょう。

つまり、加齢というだけで女性に非があると思われがちなのです。ひどい話ですが、中にはまだ30代半ばだというのに加齢による不妊だと周囲に一方的に思われている方もいます。本当に辛い思いをされていることでしょうね。

そもそも不妊には、

  • 男性側に原因があると考えられる「男性不妊
  • 女性側に原因があると考えられる「女性不妊
  • 原因が特定できない「機能性不妊

があり、何に原因があるかによって治療法も変わってきます。

原因をまず明確にした上で適切な治療を受けることは大前提です。しかし、何が原因であるにせよ、そのせいにしてネガティブな考えを持たないようにすべきです。

例えば、「自分のせいで着床しないのだ」「自分はこんなに頑張っているのにあの人のせいで」などといった考えはナンセンスです。このような考えを持ってしまうと、夫婦で過ごす毎日がより窮屈に感じてしまいます。

不妊は夫婦で乗り越えるべき問題です。そして、夫婦で乗り越えるべき問題は不妊だけではありません。

例えば「セックスの頻度が少なくなったけど浮気されているんじゃないか」とか、「夫の稼ぎが少ないから妻の私もパートに出たほうがいいのかしら」とか、今後も夫婦として生活していく上で、様々な問題と直面することでしょう。

不妊問題も含め、こうした一つ一つの問題を2人で乗り越えられるからこそ、夫婦なのです。まずは、現在抱えている問題の終点はどこで、そのために何をすべきかを夫婦間でよく話し合い、理解を示し、よく価値観を共有するようにしてください。

  • これだけの時間をかけて不妊治療をすることが、本当に今の自分たちにとって有益か?
  • 不妊問題があってもお互いのことを尊重できているのか?

夫婦の時間を多く設けつつ、不妊についてはあらためてこれらのことを考えてみてはいかがでしょうか。夫婦2人が絆を固く結び、同じ方向を見てこそ、適切な判断のもとスムーズな問題解決ができるようになります。

離婚だけが解決策ではない

不妊治療には、下記のように様々な過程・治療法があります。

(引用:厚生労働省|不妊治療をめぐる現状

いずれにしても、妊娠~出産までの道のりが長く、「頑張っても見通しが立たない」という辛さがあります。

「この治療を行えば治る」と聞かされればまだ辛い治療にも耐えられるかもしれませんが、そうではなく、「お金をかけて辛い治療に耐えるか」「諦めるか」という選択肢しかないのは、心へのダメージはもちろん、家計へのダメージが大きいことと思います。

こうしたあらゆるダメージが蓄積されていくにつれ、「もう苦しみから解放されたい」「お互いに人生をやり直したほうがいいのでは」という考えが生まれ、いつしか「離婚」の2文字が脳裏を過ぎるようになります。

無理もないことです。「愛する人の子供が欲しい」という気持ちになるのは当然のことで、子どもができることによって夫婦の絆が、家族の絆がより一層固く結ばれるのだということを、誰もがわかっています。

それができないことの歯がゆさ、もどかしさは計り知れません。不妊治療を続ける上で、「離婚」の話まで発展してしまうのは、それだけ夫婦がお互いのことを、家族のことを考えて真剣に取り組んできたからこそのことです。

しかし、不妊で苦しむ人に知ってもらいたいのは、離婚をすることが不妊に悩む全ての人にとっての解決策ではないということです。

確かに、離婚をして新たなパートナーと結ばれれば、子宝に恵まれる可能性もあるでしょう。不妊がきっかけで始まったギスギスした夫婦の時間からも解放されるかもしれません。

ただ、あくまでも離婚は夫婦問題を解決する手段ではなく、夫婦問題もろとも夫婦関係を解消する手段であり、悩みに悩んだ末の最終手段だということを忘れないでください。

次の章でも説明しますが、協議離婚ならば紙切れ1枚、早ければ1日で成立します。いっそ、いつでも離婚できるという心の余裕を持って、自分たち夫婦のあり方についてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。

不妊という同じ悩みを共有し、立ち向かい続けたあなたたち夫婦は強く尊いです。婚姻関係を続けていき、この先どんな問題に直面したとしても、きっと乗り越えていけるのはないでしょうか。

ポイント

不妊は夫婦どちらのせいでもない

離婚だけが解決策ではない

不妊を原因とした離婚が成立するケース・成立しないケース

そもそも不妊を原因とした離婚は認められるのか?という点についても解説します。

互いが合意さえすれば離婚理由に関係なく離婚が成立する

いかなる離婚理由であっても、双方が離婚に同意し、離婚届に署名・捺印を行い役所に提出すれば、その時点で離婚は成立します。これは「協議離婚」と言い、日本でもっとも一般的な離婚の方法です。

「協議離婚」について詳しくは以下の記事もご覧ください

協議離婚とは|後悔しない進め方と離婚条件を有利に決めるポイント

協議離婚の費用は基本0円!費用が発生するケースと相場

協議離婚で弁護士に代理交渉を依頼する3つのメリットと弁護士費用

なかなか話し合いがまとまらない場合は、調停委員を交え、裁判所で話し合いをする方法もあります。ここでお互いに合意できれば離婚が成立します。

調停とは言え法的な強制力はないので、双方が合意するまでは婚姻関係もそのままということになります。

「離婚調停」について詳しくは以下の記事もご覧ください

離婚調停(夫婦関係調整調停)とは|流れと費用・進め方を徹底解説

離婚調停の申し立て方法と短期で離婚を成立させるポイント

離婚調停を弁護士に頼むと最短かつ有利に終わる7つの理由

離婚裁判ならば不妊だけで離婚を成立させることは難しい

裁判で離婚する場合は、不妊だけを原因として離婚を主張しても認められないでしょう。例えば、「僕は子どもが欲しいが不妊の原因が妻にあり、治療を行っても改善しない。だから別れたい。」というような理由で夫が妻に対して訴訟を起こしたとしても、夫の言い分は論理的にも通らないでしょう。

そもそも裁判で離婚が認められるには、離婚原因が以下の法定離婚事由に該当していることが条件になります。

①不貞行為

②悪意の遺棄

③配偶者の生死が3年以上不明

④配偶者が強度の精神病患者で回復の見込みが無い

⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由

ただし、「不妊がきっかけとなり夫婦関係が破たんした」ことを主張すれば、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」として離婚が認められるケースがあります。例えば以下のようなケースです。

  • 不妊であることがわかってから夫婦間で喧嘩が絶えない
  • 不妊であることが原因で長らく別居をするようになった など

一般的には、DV・モラハラ・親族との不仲・性の不一致などがこの「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当します。

「離婚裁判」について詳しくは以下の記事もご覧ください

離婚裁判の流れ|離婚裁判を進める際の流れと進め方の全手順

離婚裁判の期間を短くして有利に離婚する為の10の手順

離婚裁判に弁護士は必須?依頼すべき4つの理由と費用相場

不妊が原因で離婚を突きつけられても離婚したくなければ同意の必要はない

不妊の原因があなたにあり、それを理由に離婚を突きつけられた場合ですが、あなたが離婚をしたくなければ、同意する必要はありません

仮に訴訟になったとしても、前述したように不妊だけが理由の場合は、離婚が認められる可能性は極めて低いでしょう。

本当に離婚をしたくないのであれば、全力で拒否してください。拒否をする正当な権利があなたにはあるのですから。

離婚をしない方法については「離婚したくないとき絶対に避ける5つの行動と夫婦関係改善への手順7選」の記事でも詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

しかし、不妊で辛い思いをしているにも関わらずこのような主張をしてくるパートナーと婚姻関係を継続していくのも、とても辛いことだと思います。

夫婦間でよく話し合い、理解と尊重をしながら困難に立ち向かいましょうとお伝えしましたが、パートナーの理解が得られないどころかあなたの気持ちをひどく傷つけるような言動をしてくるようであれば、その時にこそ離婚を前向きに考えてみても良いのではないでしょうか。

また、あまりにも暴言が過ぎ、それにより精神的なダメージを負ってしまったような場合は、言動の度合いや証拠の有無にもよりますが、モラハラとして離婚時に慰謝料を請求することも可能になります。

「モラハラ」関連記事

モラハラとは|相談先一覧と離婚時の慰謝料相場と高額になる要因まとめ

モラハラ夫と離婚するための準備を解説|事前入手しておくべき証拠とは

不妊が原因であなたが「離婚したい」と考えている場合は

もしもあなたが「不妊が原因で離婚したい」と感じており、パートナーの同意が得られていないのであれば、下記をテーマとした十分な話し合いを行った上で、誠意を見せながら主張し、パートナーに理解してもらう必要があります。

●離婚する前に必ず話し合っておくべきこと

  • 不妊治療を行うのか
  • いつまで不妊治療を続けるのか
  • 定めた期間内に改善されない場合はどうすべきか など

何の話し合いもなしに、いきなり「子どもができないのだから離婚したい」と一方的な主張をするのはくれぐれも避けるようにしましょう。

不妊だけを原因とした離婚は認められないことはもちろん、あなたとの子どもが欲しいばかりに、辛い思いをしているパートナーをさらに傷つけることになります

まとめ

子どもを授かることは、夫婦にとって幸せなことです。しかし、子どもを授からなければ、あなたたち夫婦は幸せにはなれないというわけではありません。

不妊を乗り越えるには、まずはじっくり夫婦間で話し合いを行い、価値観をすり合わせることが重要です。結婚した当初の気持ちに返り、パートナーを尊重することを忘れないようにしてくださいね。

その上で離婚という結論に至った場合は、「協議離婚」ならばものの1日で離婚を成立させることができるでしょう。

自分が有利に離婚したい場合や、どうしても自分の主張を通したい場合は、離婚届にサインをする前に弁護士へ相談してみることをおすすめします。

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離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
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  • 相手に親権を渡したくない
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離婚トラブルだけでなく、子供のいじめ、労働問題等でも利用することができます。

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この記事の監修者
弁護士法人未緒法律事務所
原口未緒 弁護士 (東京弁護士会)
自身も3回の離婚を経験。その経験を活かし、『円満離婚弁護士』として、数々の離婚問題を解決。『終わり』ではなく、『スタート』としての離婚を目指して、奮闘している。

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