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浮気・不倫を許す気はないから離婚!絶対に慰謝料をとってやりたい!でもいくら請求できるの?
弁護士
浮気・不倫による離婚慰謝料の相場は一般的に100万~300万円といわれています。ただ、離婚する・しない、証拠の有無など、さまざまな要因によって金額は変動します。
100万~300万円では金額に大きな差がありますが、浮気された悲しさや悔しさが100万円程度に収まるのは納得いかないという方もいるでしょう。
本記事では、慰謝料の相場と高額になる要因、慰謝料請求の方法などを解説します。
離婚慰謝料の請求を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
配偶者に浮気され、できるだけ多くの慰謝料を請求したい方へ
許しがたい不倫・浮気に対し、絶対に慰謝料を請求してやりたい!と思っていませんか?
浮気の慰謝料に関する問題は弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットがあります。
- 慰謝料請求が可能な浮気の証拠について相談できる
- あなたの状況で請求できる慰謝料額を相談できる
- 依頼すると、財産分与や養育の交渉にも尽力してもらえる
- 依頼すると、脅迫・恐喝のリスクを回避できる
当サイトでは、浮気の慰謝料問題を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。
浮気・不倫で離婚するときの慰謝料の相場と高額になる要因
まずは、浮気の慰謝料相場と、高額になる要因を確認しましょう。
浮気・不倫による離婚慰謝料相場は50万~300万円
浮気の慰謝料相場は、一般的に50万~300万円程度です。
ただ、それぞれの夫婦が抱える問題や浮気の程度によって、金額は大きく変動します。
慰謝料が50万円以下になってしまったり、逆に300万円を超えたりすることもあります。
慰謝料が高額になる11の要因
慰謝料は、これから紹介するような要因を考慮したうえで、算定されます。
より多くの要因が認められると、慰謝料も高額になる傾向です。
夫婦間の要因
- 婚姻期間が長く、不貞期間が長期だった
- 子供に悪影響が生じた
- 浮気前の夫婦関係が良好であった
- 誓約書などを反故にした
- 浮気が決定的な理由となり離婚に至った
請求される側の要因
- 浮気の期間の証拠がある
- 頻繁に接触している
- 浮気が意図的である
- 支払い能力がある
- 浮気による被害が大きい(証拠が豊富である)
- 証拠があるにもかかわらず、真摯な謝罪を怠っている
実際に高額な浮気・不倫の慰謝料を獲得できた3つの判例
ここでは、実際に高額な慰謝料が認められた判例3つと、高額になったポイントを紹介します。
- 夫の浮気(不貞行為)に加え交渉時に妻へ暴力を振るう
- 浮気相手との子供を出産し妻に内緒で離婚届を提出した夫
- 妻が浮気をしており浮気相手の子供まで出産
慰謝料1,000万円|夫の浮気(不貞行為)に加え交渉時に妻へ暴力を振るう
事件概要 |
長年、夫の浮気に悩んでいた妻が、「浮気をやめてほしい」と本人に話したところ、夫が怒り妻に暴力を振るった事件です。
裁判では、婚姻期間が30年と長く、夫の浮気と暴力によって受けた妻の精神的苦痛は大きいとして1,000万円の慰謝料支払いが命じられました。
【参考元】東京地判 平成17年5月30日 判例秘書06032059
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- 婚姻期間:30年間
- 浮気をしていた期間:不明
- 原因:夫の浮気と暴力
- 離婚有無:不明
- 慰謝料獲得額:1,000万円
この事案は主に、有形力の行使、DVも合わせて主張されています。
不貞だけではなく、けがなどの慰謝料も加味されています。
慰謝料500万円|浮気相手との子どもを出産し妻に内緒で離婚届を提出した夫
事件概要 |
夫は浮気相手に子どもを出産させて認知をし、そのうえ浮気相手と結婚するため、妻に内緒で離婚届を提出し浮気相手との婚姻届を提出した事件です。
夫が勝手に離婚届を出していたことを妻が知り、裁判へと発展しました。裁判では、合意のない離婚が取り消され、浮気相手との婚姻も取り消されました。
また、夫の非が認められ500万円の慰謝料支払いが命じられました。しかし、実際には夫から1,000万円の慰謝料が支払われたそうです。
【参考元】東京地判 平成14年10月21日 判例秘書05730382
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- 婚姻期間:35年11ヵ月
- 浮気をしていた期間:14年
- 原因:夫の浮気
- 離婚有無:婚姻関係継続(別居のみ)
- 慰謝料獲得額:500万円(実際には1,000万円支払ったとのこと)
認知にまで至り、戸籍にも明確に記載されている以上は、慰謝料を請求するのに確たる証拠が十分にそろっていることを意味します。
慰謝料400万円|妻が浮気をしており浮気相手の子どもまで出産
事件概要 |
妻が、浮気相手との子どもを妊娠・出産したことにより、離婚に至った事件です。
離婚に至る前の夫婦関係は良好でした。妻の浮気や浮気相手の子を妊娠・出産して離婚に至った事実は、夫に対する精神的苦痛が大きいと判断され400万円の慰謝料支払いが命じられました。
【参考元】東京地判 平成18年8月31日 判例秘書06133459
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- 婚姻期間:8年
- 浮気をしていた期間:1年以上
- 原因:妻の浮気
- 離婚有無:離婚
- 慰謝料獲得額:400万円
この解決事例は、「妊娠の事実=不貞の事実」ということと、これが原因で離婚にまで至ってしまった事実とが合わさって考慮されています。
浮気・不倫による離婚慰謝料が請求できる4つの条件とは
配偶者が異性と会っていたからといって、必ずしも慰謝料を請求できるわけではありません。
ここでは、慰謝料を請求できる4つの条件について紹介します。
- 浮気相手と肉体関係がある(貞操権の侵害)
- 浮気が原因で夫婦関係が破綻したことが立証できる
- 証拠がある
- 最終的な浮気行為の時点からの時効が成立していない
条件1:浮気相手と肉体関係がある(貞操権の侵害)
慰謝料を請求するにあたり、「浮気相手と肉体関係の有無」はとても重要です。
肉体関係を証明できない場合、慰謝料請求が認められないこともあります。
仮に慰謝料請求が認められたとしても、高額にはならないでしょう。
条件2:浮気が原因で夫婦関係が破綻したことが立証できる
元々夫婦関係が破綻していた場合(長期の別居、深刻な家庭内別居など)、浮気によって精神的な損害をともない苦痛を負ったとは判断されず、慰謝料請求が認められない可能性があります。
ただ、「夫婦関係の破綻」はさまざまな観点から、客観的に判断されます。
単にケンカが多い夫婦だからといって、ただちに夫婦関係が破綻しているとはいえません。
条件3:証拠がある
クレジットカードの使用履歴(ラブホテル)、探偵の調査報告書など、裁判で有効となる証拠を集めましょう。
自身のなかでは、浮気は揺るがない事実であったとしても、証拠として認められなければ、慰謝料の請求は難しいです。
何が証拠になり得るのかも、事前に弁護士に相談しておくことをおすすめします。
条件4:最終的な浮気行為の時点からの時効が成立していない
浮気の時効は、発覚した時点から3年となっています。
また、過去の浮気でも、20年以上経っていないのであれば、離婚後に発覚した場合でも慰謝料を請求する権利があります。
慰謝料請求前に知っておくべき5つのこと
ここでは、慰謝料請求を成功させるためにも、知っておいてほしい5つのことを紹介します。
- 浮気で慰謝料請求をする場合に有効な証拠
- ダブル不倫だと浮気相手への慰謝料請求が難しい
- 請求された側に支払い能力がない場合の対処法
- 1回や2回の不貞行為で慰謝料の請求は難しい
- 婚姻関係が破綻している場合は請求できない
浮気で慰謝料請求をする場合に有効な証拠
浮気を理由に慰謝料請求する際は、以下のような証拠を集めましょう。
最も有効な証拠は写真
夫や妻が浮気相手とセックスしている写真を撮らないといけないわけではありません。
以下のような写真は、浮気の証拠として有効です。
- ラブホテルに2人で出入りしているところの写真(ビジネスホテルの場合は同じ部屋に出入りしている写真)
- 不倫相手か自宅のどちらかの家に2人で入るところの写真 など
ただし、原則、3回以上同じシーンを写真に収めることが重要となります。
裁判では1回だけの不貞行為では不倫とはみなしてくれないケースが多いです。
また、浮気の現場を押さえるのは至難の業だといえます。
探偵などにお願いするとよいでしょう。
本人の自白書面や録音したもの
夫や妻が不倫していたことを認めた書面や、自白を録音したものも有効な証拠になります。
自白も有効ですが、場合によってはセックス中の情事を録音するのも手段としてアリです。
ただ、あまり気持ちのよい行為ではないと思いますので、写真とセットで自白を促すのがよいでしょう。
LINEなどで不倫相手とやりとりしていた記録
最近はLINEなどのSNSやコミュニケーションツールを利用しているケースも多い傾向です。
不倫相手といかがわしいラインのやり取りをしている画面を保存するというのも有効です。
詳細を記録した日記やメモ
「いつ、誰と誰が、どこで、何をしていた」ということを詳細に記録したメモでも、ないよりはマシです。
細かければ細かいほど、本人が書いたものであってもウソではないだろうという判断になりますので、最後のひと押しで残しておくのがよいでしょう。
電子データの場合、作成日時を変えることもできるので、できれば手書きで残しておくのがよいでしょう。
ダブル不倫だと浮気相手への慰謝料請求が難しい
浮気相手も既婚者の場合、被害者があなたと浮気相手の配偶者の2人になります。
そのため、浮気相手への慰謝料請求が難しくなります。
配偶者との離婚を決めている方は、配偶者へ慰謝料請求したほうが高額な慰謝料を獲得できるかもしれません。
請求された側に支払い能力がない場合の対処法
配偶者や浮気相手の支払い能力がない(収入や財産がない)場合でも、慰謝料の請求自体は可能です。
しかし、そもそも相手が財産を持っていない、生活費もままならないといった状態では、相場以下になる可能性も否めません。
相手に一括では支払う能力がない場合は、分割にすることをおすすめします。
その際、分割を一度でも怠ると、一括請求可能にして、支払いに対するインセンティブをもたせることも検討すべきです。
これを「期限の利益」といいます。
また、保険として保証人をつけるのもよいでしょう。
ただし、その場合は保証人の合意が必要です。
連帯保証人との関係で交渉が必要になるでしょう。
相手を信用できないと思いますので、第三者に保証人になってもらうのも方法のひとつです。
1回や2回の不貞行為で慰謝料の請求は難しい
実は不貞行為に対して慰謝料を請求しようとした場合、1回だけの不貞行為では慰謝料を請求しても高額とならない可能性があります。
裁判所の判断では、それまで円満な夫婦生活を送っていた場合、たった1回の不貞では婚姻関係への影響が少ないという考え方があるからです。
ただ、これも裁判での話ですので、協議のうえで決めるのであれば、この限りではありません。
不倫をされた方にとっては、とんでもない裏切り行為ですので「不貞行為の証拠」を集めて請求することは可能です。
婚姻関係が破綻している場合は請求できない
不貞行為による慰謝料請求の法的根拠は、その行為が夫婦間に認められる貞操義務(配偶者以外の人間と性交渉をおこなわない義務)に違反していることにあります。
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
引用元:民法 | e-Gov法令検索
しかし、同義務は婚姻関係が有効に成立している場合に生じる義務であり、これが破綻していた場合には認められません。
つまり、婚姻関係が破綻していた場合、不倫行為をしていても何らの義務にも違反していないことになり、慰謝料請求の法的根拠を欠くことになります。
浮気を理由に慰謝料請求する3ステップと手続き
浮気による慰謝料を請求する際は、基本的に以下のように進んでいきます。
-
STEP1
話し合い、または内容証明で慰謝料を請求する
- 話がまとまったら、離婚協議書などを書き、証拠として書面に残す。
-
STEP2
話がまとまらない場合、調停を申し立てる
- 配偶者もしくは浮気相手では、申し立てる調停が異なる。
-
STEP3
調停が不成立で終わったら、裁判で慰謝料を請求する
ここでは、各項目でどのようなことをするのか解説します。
1.話し合いで慰謝料を請求する
直接会って話し合えるようであれば、まずは直接請求しましょう(不倫相手にはまず内容証明を送ります)。
メールや電話で話し合いが進むことは、ほとんどありません。
浮気相手、配偶者の3人で話し合うのも有効です。
弁護士に介入を依頼しておけば、中立の立場で話し合いを進めてくれます。
浮気相手と話し合うのであれば、場所は個室や自宅などではなく、オープンスペースや半個室などの他人がいる場所か、法律事務所にしましょう。
これにより、脅迫・恐喝などのリスクを回避できます。
話し合いの際は、ホテルのラウンジなどのオープンスペースを利用すると、事務所などで話し合うより平等といえます。
また、有責配偶者である相手にしらを切られないためにも、浮気の証拠を持参するとよいでしょう。
話がまとまった場合は書面に残す
話がまとまった場合は、書面に残しておきましょう。
記載する内容は以下のとおりです。
浮気相手へ慰謝料請求する場合
- 合意が成立した日時
- 当事者の氏名・住所
- 慰謝料の金額
- 支払い期限(分割にする場合)
- 滞った場合のペナルティ(期限の利益喪失など)
- もう二度と会わない旨(離婚しない場合)
- 清算条項(一切の債権債務関係がない)
配偶者へ請求する場合、慰謝料以外にも養育費や財産分与に関して話し合い、一緒に記載しておきましょう。
別居中の配偶者や浮気相手には内容証明郵便を送る
自分で浮気相手に慰謝料請求する場合や配偶者と別居している場合は、内容証明郵便で請求しましょう。
内容証明郵便には、金銭の支払いを強制する法的効力はありませんが、以下のようなメリットがあります。
内容証明郵便のメリット
- 「配送日時・差出人・受取人・記載内容」が公的に証明されるので、裁判でも有効な証拠となる
- 受け取り確認を依頼できるので「知らなかった」と言わせない
- 内容証明郵便により、相手へのプレッシャーが期待できる
慰謝料の請求を本気で考えていることを相手に示すことで、話し合いの機会を作れる可能性が高まるでしょう。
2.調停で慰謝料を請求する
当事者間の話し合いでも話がまとまらない場合、調停を申し立てることになります。
相手によって申し立てる調停の種類が変わります。
- 配偶者への慰謝料請求と離婚を一緒にする場合:離婚調停
- 浮気相手へ慰謝料請求する場合:民事調停は使えるが、訴訟にすることが多い
どちらの調停であっても、根本的な流れは変わりません。
双方が別室に入り、調停委員2名と裁判官1名に対し、申し立てまでの経緯(事情)や要求を伝え、調停委員を挟み話し合います。
調停は、合意することで成立しますので、交渉次第で相場以上の慰謝料を獲得できます。
ただし、不貞慰謝料請求で話がまとまることは実はほとんどありません。
話し合いをできる限り調停でまとめるためにも、弁護士への相談・依頼をおすすめします。
また、調停で決まった内容は「調停調書」にまとめられます。
調停成立後、金銭の支払いが滞った場合は、強制執行手続により、財産の差し押さえが可能です。
3.裁判で慰謝料を決めてもらう
話がまとまらなかったり、相手が出席しなかったりして、調停が不成立に終わることもあります。
そのような場合、裁判を提起することが可能です。
通常の地方裁判所に民事訴訟を提起することのほうが圧倒的に多いでしょう。
裁判も、配偶者に提起する場合は「離婚裁判」、浮気相手に提起する場合は「民事裁判」と呼び方が変わります。
実は、離婚しない配偶者に対しても裁判手続をとることもできます。
しかし、離婚しないのであれば、お金が循環してしまうだけなのであまり意味はありません。
裁判では、事実証明が重要になります。
そのため裁判までに証拠をそろえておきましょう。
さいごに
浮気の慰謝料は、証拠を持っていても交渉の仕方によって、低額でまとまってしまうこともあります。
できるだけ高額な慰謝料を獲得したい、慰謝料問題をできるだけ早期にまとめたい方は、弁護士への依頼がおすすめです。
また、浮気の慰謝料請求は証拠の有無が重要になってきます。
相手が言い訳できない証拠がほしい方は、探偵への浮気調査の依頼を検討してみてください。