妻からいきなり「離婚したい」と、言われてしまった場合、夫のあなたは真っ先にどう思いますか?おそらく「離婚したくない」と思う夫が多いのではないでしょうか。
離婚したいと言われる覚えもなく、何かしでかしたわけでもないなら尚更です。なぜいきなり離婚したいと言われてしまったのか、全く原因がわからない方もいるでしょう。
夫として自分に非がなく、納得できなければ妻と離婚する必要はありません。しかし一度離婚を決意した妻の意思は固く、どんなに話し合ってもその決意は変わらない場合が多いです。
ですが、だからといって必ず妻の離婚の意思が変わらないわけではありません、夫のあなたの行動次第では妻との離婚を回避できるかもしれません。
そこで今回は、妻に離婚を切り出された時に夫が避けるべき行動と夫婦関係を修復させる方法について解説します。
妻とどうしても離婚したくない方へ
「妻に離婚を切り出された。でも、絶対に離婚したくない」と考えていませんか?
結論からいうと、離婚に関する問題は弁護士に相談・依頼しておくと安心です。
弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットを得ることができます。
- 勝手に離婚届を出されないための対応を知れる
- 夫婦関係調整調停手続きの助言がもらえる
- 依頼すると、離婚調停・裁判になったときに手続きを任せられる
- 依頼すると、妻との交渉の代理人になってくれる
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この記事に記載の情報は2023年11月14日時点のものです
離婚したくない夫が避けるべきNG行動5選
妻と離婚したくない夫が避けるべき行動が5つあります。さっそく1つずつ見ていきましょう。
離婚届への記入
妻と離婚したくない場合、絶対に離婚届の記入はしてはいけません。仮に、離婚届に記入してそれが役所に受理されたら「お互い合意の上での協議離婚」と判断されて離婚が成立します。
レアケースですが夫が離婚を拒否している場合、妻が離婚届を偽造して役所に提出しまう可能性もありえます。そういった事態を防ぐために離婚届不受理申出をすれば、予期せぬ離婚を避けられるでしょう。
離婚届不受理申出とは、婚約者が離婚届を偽造して役所に提出するのを防ぐための制度です。申出は役所にて行えます。
※離婚届の偽造は犯罪です。
参考記事:離婚届の記入方法完全マニュアル|4つの注意点と提出手順
妻との別居
距離を取りたいという理由で妻が別居をするケースがあります。しかし別居をするのはおすすめできません。なぜなら別居期間が長期に渡れば、離婚事由に該当してしまうからです。
また、実は離婚の準備をするための別居という可能性もあります。もしも妻が距離を置きたい、一人で冷静になる時間がほしいと別居を提案してきても、安易に別居はしないようにしましょう。
参考記事:別居から離婚へ繋げる際に知っておくべき注意点と別居に関する知識まとめ
妻への暴力や暴言
妻から一方的に離婚を切り出されたら、これまで尽くしてきた思いがこみ上げてつい感情的になるかもしれません。ですがそこで夫のあなたが妻に暴言や暴力をふるってしまうと、離婚を回避するのは絶望的と言えるでしょう。まずは冷静に妻の気持ち受け止めて、考えを聞くようにしましょう。
参考記事:配偶者間で起きる家庭内暴力の実態と家庭内暴力から抜け出す17の方法
妻を全否定する
妻に暴言や暴力をふるわなかったとしても、妻の考えを全否定するのはやめましょう。いきなり離婚を切り出すには何か理由があるはずです。まずはその理由をしっかり受け止め、その原因を解消できるようにしましょう。
離婚原因の追究
上記にも書きましたが、離婚を切り出されるのには相応の理由や原因があるはずです。しかし、妻が理由を言ってくれるとは限りません。そんな時に無理やり聞き出そうとすると、妻に不快な思いをさせてしまうでしょう。離婚への気持ちをさらに加速させてしまうリスクがありますから、妻と話し合える機会を待ちましょう。
参考記事:【令和版】離婚原因ランキングトップ10
妻の離婚したい本気度とは|そもそもなぜ妻は離婚したいのか?
妻が離婚を切り出したとしても、その意思が変わらないわけではありません。夫のあなたの対応次第では離婚の撤回を考える可能性もあります。また、まだ決意していない状態で離婚したいと言っている場合もあるでしょう。いずれにせよ、妻に離婚したいと思う原因があるのは確かです。
夫が諦めれば関係修復の可能性はゼロ
妻の離婚の意思の固さがどうであれ、夫が離婚を回避するのを諦めたら夫婦関係の修復は不可能になります。妻がどれだけ離婚を望んでいても、夫のあなたの行動次第では関係を修復できる可能性が残っているのです。妻からショッキングなことを言われるかもしれません。しかしその時は耐えて、事実を真摯に受け止めるべきです。
妻からの一方的な離婚請求は拒否できる
離婚は基本的に夫婦の合意がないとできません。妻の離婚の意思が強すぎて一方的に離婚を迫ってきても、夫のあなたにはそれは拒否できる権利があります。
先述したように、仮に妻が偽造した離婚届を役所に提出してしまった場合でも無効にするのは可能です。しかし処理をする際に面倒な事態になる可能性が想定されます。
そのためにもやはり離婚届不受理申出の手続きはしたほうが良いでしょう。
離婚裁判になれば離婚は決定的
妻が切り出した離婚の申し出を夫が拒否していると、離婚調停や離婚裁判で決着をつける流れになります。
離婚裁判においては、裁判所が法定離婚事由があると認めたときに離婚が命じられることになります。
5つの法定離婚事由の内容
ある一定の事由がある場合には最終的に裁判によって離婚できると定められています。
その事由とは民法第770条第1項で定められている下記の5つです。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 強度の精神病に罹り、回復の見込みがないこと
- その他婚姻を継続し難い重要な事由があること
これらの事項に該当している場合は、裁判にて離婚できる法律になっています。
民法|e-Gov法令検索
【参考記事】
離婚時に必要な5つの離婚事由|裁判離婚で必要な法的理由
離婚裁判の平均期間は半年から2年以内!長期化してしまうケースとは
離婚判決を出さない場合もある
先ほど紹介した5つの事項に該当しているなら、基本的に離婚は認められます。しかし、必ずしも全てにおいて離婚の判決が出るわけではありません。
なぜなら裁判所があらゆる事情を考慮した上で、婚姻関係を継続させたほうが良いと判断する可能性もあるからです。
ですから離婚の判決が出ないケースもあります。例えば夫に非がある場合でもその非に対し、夫が真摯に反省している気持ちが伝われば離婚判決が出ない可能性もあります。
離婚したくない夫ができる夫婦関係調整調停とは
離婚したくない夫には妻との関係を修復するための手段として、夫婦関係調整調停という調停を家庭裁判所に申し立てができます。
調停は離婚をするために行うイメージが強いと思いますが、実は夫婦関係を修復するためにも行えるのです。
夫婦関係調整調停では裁判所の調停委員を間に入れて、夫婦関係を改善するためのアドバイスをもらえます。
夫婦関係調整調停を申し立てる場所
調停を申し立てる場所は、原則相手方の住所を管轄している家庭裁判所に申し立てることになっています。
調停申し立てに必要な書類
調停の申し立てに必要な書類は次の2点です。
これらの書類を家庭裁判所に提出しましょう。
調停の申立に必要な費用
調停の申し立てに必要な費用は下記の通りです。
郵便切手は各地域の家庭裁判所によって多少金額に差があります。ですから「各地の裁判所の一覧」であなたのお住いの地域の家庭裁判所の金額をご確認ください。
離婚を回避したいなら専門家に相談するのもおすすめ
いくら調整調停とはいえ、調停を起こすのは気が引けるという人もいるでしょう。その場合は離婚問題に詳しい専門家に相談するのも1つの手です。
主に相談できる専門家は次の通りです。
以上の人が挙げられます。それぞれの特徴をざっくり解説します。
離婚カウンセラー
離婚カウンセラーとは、精神医学的見地から離婚問題に悩む人達にカウンセリングを行い、問題解決のサポートをしてくれる存在です。離婚問題は精神的な負担がかなり大きなものになってしまいますから、専門家によるカウンセリングは有効でしょう。
行政書士
行政書士は、国家資格の1つです。公的な書類の作成や各種手続きをすることを国から認められています。離婚問題で言うと、離婚協議書や内容証明郵便、その他役所に提出する書類の作成を行えます。
司法書士
司法書士も法律に関する国家資格の1つとなっています。登記手続きや裁判所に提出する書類の作成ができます。
離婚問題でいうと、書類作成から財産分与に関する自宅の名義変更登記、調停等で裁判所に提出する書類の作成のサポートができます。書類作成はあくまでサポートだけであり、依頼者の代理人になることはできません。
弁護士
弁護士は、法律に関する国家資格の代表で、あらゆる法律問題への対応が認められている唯一の存在となります。
行政書士や司法書士はあくまで依頼書の作成などサポートまでしかできず代理人にはなれませんが、弁護士は依頼者の代理人になることができます。そのため書類作成から相手方との交渉など制限なく行動できます。
【関連記事】離婚問題を弁護士に無料相談できる窓口|相談すべきケースやタイミング、選び方を解説
調整調停に弁護士を介入させる必要性の判断基準
離婚調停も調整調停も必ず弁護士に依頼する必要はありません。特に、調整調停の場合には弁護士を依頼する人はあまりいませんし、あまりオススメもできません。
調整調停では弁護士に依頼ではなく相談だけにしておくほうが良い
弁護士に依頼した場合は、あなたの代理人になり書類作成や裁判所に代わりに出頭してくれる等のメリットがあります。しかし調整調停ではデメリットが際立ってしまう可能性があります。
その1番のデメリットが、こちらに弁護士がついた結果相手に圧力をかける可能性があることです。妻からすればよい思いはせず、対決姿勢になった印象を受けるかもしれません。
「調整調停なのに弁護士をつけてくるなんて、そのまま有利に離婚に持っていくつもりでは?」と、思われるでしょう。
弁護士をつけてもしも相手にそう思われてしまったら最後、夫婦関係の修復が絶望的になってしまう可能性もあります。
ですから調整調停の段階では弁護士に依頼をせずに、相談するだけでとどめておく方が賢明かもしれません。
離婚になりそうなら弁護士に依頼すべき
夫婦関係調整調停を進めていく上で、関係の修復が見込めず離婚する方向性になりそうであれば弁護士へ依頼しましょう。
離婚をするとなると親権や養育費、財産分与や慰謝料等の条件について交渉しなければいけません。少しでもあなたに有利な結果が出てほしいなら、弁護士の存在は必要不可欠ともいえます。
参考記事:離婚に必要な弁護士費用はいくら?支払う際の3つの注意
まとめ
本当にあなたが妻と離婚したくないと考えているのであれば、早急に行動に移しましょう。まずは離婚届不受理申出を役所に提出するのが望ましいです。
そうしたら妻と向き合い、考えをしっかり受け止めましょう。妻が離婚したいと言う理由は突発的なものではなく、何かが積み重なって出てきた感情の可能性があります。その離婚の原因を解消し、あなたが本気でやり直したいという誠意を妻に見せない限り離婚は免れないでしょう。
離婚を回避する方法としては、夫婦関係調整調停などを利用して改善を目指すと良いでしょう。
あなた1人では書類の作成や手続きも難しいと思います。ですから法律の専門家である弁護士等の力も借りて、関係の修復を試みてください。
妻とどうしても離婚したくない方へ
「妻に離婚を切り出された。でも、絶対に離婚したくない」と考えていませんか?
結論からいうと、離婚に関する問題は弁護士に相談・依頼しておくと安心です。
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