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配偶者間で起きる家庭内暴力の実態と家庭内暴力から抜け出す17の方法
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2016.1.25

配偶者間で起きる家庭内暴力の実態と家庭内暴力から抜け出す17の方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
Kateinai-bouryoku
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家庭内暴力(かていないぼうりょく)とは、一般的には家庭内における子供から親に対して行う暴力行為のことを指し、原則家庭内のみで振るわれる暴力の事とされています。
 

暴力行為が家庭内のみでため行われることが多いことから、その実態は把握しづらく発生理由も事例によってまちまちです。
 

逆に親が子供へ行う暴力は児童虐待、配偶者に行うのはDV・モラハラなどと呼ばれ、一般的にはこの二つの暴力は分けて考えられていますが、全て併せて家庭内暴力と呼ぶこともあります。

 

昔は親が子に対して行う振るう暴力は「しつけ」や「体罰」として正当な行為と考えられることもありましたが、近年は配偶者、恋人、内縁などへの暴力も家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス(DV)・モラハラ)と呼ばれ、その正当性は否定されるのが通常です。
 

今回は、配偶者間で起こる家庭内暴力の実態と、家庭内暴力に遭った場合の対策などをご紹介します。

家庭内暴力の発生と推移

まずは家庭内暴力の件数についてみていきましょう。
 

未成年の少年による家庭内暴力の推移

下記の表は、過去10年間の少年相談や補導活動等を通じて警察が認知した、「少年による家庭内暴力事案の学職別件数の推移」になります。ここでいう少年は20歳未満の未成年の子供のことを言い、少年には少女も含まれています。
 
表:少年による家庭内暴力事案の学職別件数の推移

学年

年度

17年

18年

19年

20年

21年

22年

23年

24年

25年

26年

総 数(件)

1,275

1,294

1,213

1,280

1,181

1,484

1,470

1,625

1,806

2,091

小学生

53

68

67

66

73

87

93

110

122

168

中学生

570

565

534

548

506

684

667

720

805

947

高校生

366

360

363

407

356

436

446

486

579

648

その他の学生

34

36

32

29

26

39

40

44

41

55

有職少年

51

61

53

57

64

50

38

63

83

102

無職少年

201

204

164

173

156

188

186

202

176

171

参考:少年の補導及び保護の概況

※右にスライド可能

表:家庭内暴力の被害にあった対象

年/対象

17年

18年

19年

20年

21年

22年

23年

24年

25年

26年

総数(件)

1,275

1,294

1,213

1,280

1,181

1,484

1,470

1,625

1,806

2,091

母親

773

800

730

766

684

889

913

935

1,066

1,291

父親

111

129

84

115

111

134

115

152

154

172

兄弟姉妹

68

72

86

95

87

96

95

119

154

155

同居の親族

117

130

137

115

121

142

121

122

128

188

物(家財道具等)

188

140

162

189

178

223

215

291

296

281

その他

18

23

14

0

0

0

11

6

8

4

参考:少年の補導及び保護の概況
※右にスライド可能

 

配偶者からの暴力等に関する相談件数は増加傾向

警察庁の発表によると2014年の配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数によれば、DV発生件数は前年より9,539件増加し59,072件となり、過去最多を更新しました。
 
また、2009年に人権相談・人権侵犯・配偶者暴力相談支援センター・男女センターに寄せられたDV相談件数の合計は103,921件でした。つまり、家庭内暴力の相談件数はここ5年足らずで約2倍まで増加していることになります。
 

年度

人権相談

人権侵害相談

配偶者暴力相談件数

男女センターのDV相談件数

合計

15

14,938

4,270

43225

 

62,433

16

13,807

4,221

49329

 

67,357

17

12,425

4,180

52145

 

68,750

18

11,208

3,912

58528

8625

82,273

19

9,759

3,647

62078

16382

91,866

20

9,660

3,696

68196

16276

97,828

21

8,825

3,318

72792

18986

103,921

参考:配偶者からの暴力等に関する相談件数の推移
 ※右にスライド可能


表を見る限り、DVかもしれないという「人権相談」は通り越して、確実にDV(家庭内暴力)だからどうにかしたいという相談が多い傾向が見て取れます。

また、下記の図は「配偶者暴力相談支援センターへの相談件数」を内閣府「男女共同参画白書」を参考に大田区が発表したものですが、平成14年の相談件数と比べてみても約3倍の相談件数の増加が確認できます。

 

引用元:配偶者暴力をめぐる現状:第1章(PDF:996KB)

家庭内暴力が起こるケースと原因

家庭内暴力の件数が年々増えていることがご理解いただけたかと思います。ではなぜ家庭内暴力が発生してしまうのでしょうか?その原因を探ってみましょう。
 

家庭内暴力(DV)の4つの分類

1:身体的暴力

殴る、蹴る、引きずり回す、など身体的にダメージを与える
 

2:精神的暴力

大声でどなる、脅す、無視する、批判しバカにする、など精神的なダメージを与える。最近では精神的暴力を指してモラハラという言葉が一般化してきている。
 

3:経済的暴力

生活費を渡さない、お金を使い込むなど、配偶者の生活が回らなくなり社会的に孤立してしまうダメージを与える。
 

4:性的暴力

避妊を拒否する、性行為を強要する、望まないポルノ鑑賞をさせるなど、性的に相手を苦しめる。
 
DV加害者の特徴は、外では真面目で優しいと見られている人が家庭内など密室環境に置いて暴力性を表す点です。そのため、外傷がない場合はなかなか周りにDVが発覚せず非常にやっかいです。

 

DV加害者の抱えている問題としてよく言われるのは、ストレス・過度の飲酒・性格異常などがありますが、もっとも問題なのは加害者の持つ支配欲です。
 
この支配欲が普段のストレスを増長させてしまい、手段を選ばずに配偶者を自分に従わせ自身が一番偉いという力関係を誇示しなければ気がすまなくなってしまいがちです。詳しくは「加害者側の原因と被害者の原因とDVへの対処法」をご覧ください。
 
表:家庭内暴力事案の原因・動機別件数の推移

原因・動機/年

17年

18年

19年

20年

21年

22年

23年

24年

25年

26年

総  数

1,275

1,294

1,213

1,280

1,181

1,484

1,470

1,625

1,806

2,091

等親の態度に反発して

683

694

644

717

665

904

881

989

1,155

1,304

非行をとがめられて

66

67

73

46

66

46

53

81

89

92

要求が受け入れられず

201

155

145

155

143

175

160

169

168

261

理由もなく

136

114

121

138

138

200

172

200

160

192

勉強等を言われて

30

36

34

36

38

37

29

47

47

67

不   明

159

228

196

188

131

122

175

139

187

175

参考:少年の補導及び保護の概況

※右にスライド可能

 

親子間で起きる場合

家族間の問題や子供から親への暴力が注目されるようになったのは、親子の関係の変化が理由といわれています。戦後の高度経済成長期に社会構造は大きく変化し、現在の親世代の価値観を形成しました。
 

その家族内での価値観は、父親は仕事に身を捧げ家庭を顧みず育児を放棄する、母親は専業主として家を守り子供を育てるという分業制です。
 

近年では共働き家庭の比率が高まってきたとはいえ、まだまだ男が外で働き女が家庭を守るという価値観は根強く存在します。父親のこのような振る舞いにより家庭内での父親の存在感は薄くなります。父親に変わり家庭の主導権は母親に委ねられます。
 

父親不在の寂しさや不安に寄って、幼少期の子供は過剰なまでに保護され、外の世界と関わる学校生活を始めると母親による過度な干渉が始まりがちです。このような母親の過保護が原因で、親に対して家庭内暴力を行う子供は、親の強い意志によって第一次・第二次反抗期で親への反抗をほとんど示さないそうです。
 

男女別の推移

家庭内暴力をふるってしまう子供は総理府の調査によれば男子が女子の4倍以上で、長男長女が全体の80%以上を占め中でも一人っ子が多くを占めます。暴力を振るい始める年齢は、男女共通し13~17歳の思春期に集中しています。
 
表:少年の男女別補導人員の推移

性別/年代

17年

18年

19年

20年

21年

男    子

1,054,825

1,092,996

1,176,417

1,029,445

779,836

女    子

312,526

334,932

375,309

332,324

234,004

性別/年代

22年

23年

24年

25年

26年

男    子

778,438

784,230

711,506

637,317

584,818

女    子

233,526

228,937

206,420

172,335

146,356

参考:「少年補導員及び保護の概要

※右にスライド可能


そして、高校1年生時をピークに急激に減少する傾向にあるそうです。上記したような環境で育った子供は、親の期待があり大切に育てられているため素直な性格で大人の言うことをよく聞き、学校の成績もよく手のかからないいわゆるいい子であることが多いです。
 
しかし、そんな子供に限ってうまく発散できない思いや、思い通りにならないことに対して抱えようのない苛立ちを覚え家庭内で、特に母親に対して暴力を振るってしまいます。暴力を振るう対象として母親が全体の85%を占めるのはうなずける結果ではないでしょうか。

 

夫婦間で起きる場合

夫婦間での暴力はDVと認識されています。DVと夫婦喧嘩の異なる点は、ケンカは日頃からお互いの言いたいことを言い合って揉め事になった場合を指すのに対して、DVは強者が弱者に対して力を持って押さえつけてコントロールすることを目的とされています。
 
つまりDVとは日常的に夫婦の片方が一方的に暴力を振るう関係を指します。DVは身体的暴力以外にも存在します。さらに、一般的には男性から女性へのDVが認められていますが、女性から男性へのDVも年々増えてきています。
 

年齢・年齢別の家庭内暴力(加害者)

年齢(歳)

~19

20~29

30~39

40~49

50~59

60~69

70~

件数(件)

46

940

1,507

1,337

607

305

200

割合(%)

0.9

19.0

30.4

27.0

12.2

6.1

4.0

 参考:「配偶者からの暴力事案の概要

※右にスライド可能


加害者は加害者意識が薄く、罪悪感がないためDVが日常化してしまいます。被害者は加害者の暴力になれてしまい、逆らってもさらに激しい暴力にあってしまうという気持ちや、自分が悪いから相手に暴力を振るわれてしまうと自己無力感にかられて動けなくなってしまう傾向にあります。

 

家庭内暴力を相談できる機関

家庭内暴力について相談できる機関を特徴ごとに挙げます。
 

DV相談窓口

代表的な家庭内暴力の相談機関はDV相談窓口です。冒頭で述べたように、DVは家庭内暴力に含まれています。家庭内暴力の基準がわからず疑わしい場合はまずこのDV相談窓口に問い合わせましょう。この窓口は内閣府男女共同参画局が運営しています。

 

0570-0-55210へ電話すると最寄りの相談機関の紹介や、具体的な支援内容の相談を受けることができます。この相談窓口は全国で205ヶ所に設置されています。ここでいう最寄りの相談窓口とは、女性センター・男女共同参画センターなどですが、その名称は各都道府県や市区町村によって異なるため注意が必要です。

具体的な支援を受けるためには最寄りの窓口を利用する必要があります。その場所を知るためにもまずは電話で問い合わせることをオススメします。DV相談窓口で受けられる支援は主に以下のようなものです。
 

①家庭内暴力の相談とカウンセリング

どんなことでも家庭内暴力に対することは相談できます。
 

②自立した生活を送るための情報提供と支援

家庭内暴力から逃れ、家を出た場合自分の力で生計を立てなければなりません。そのために役立つ支援を受けることができます。
 

③安全確保のための一時保護

相談後そのまま帰宅した場合に家庭内暴力が発生する危険性が高い緊急時には、一定の条件を満たしていることを条件にシェルターで一時的な保護を受けることができます。
 

④保護施設の情報提供と支援

DV相談所のシェルター以外にも家庭内暴力に苦しむ人を保護してもらえる施設があります。その施設に関する情報を得ることができます。
 

⑤保護命令制度の利用について情報提供と援助

逃れる方法で述べた保護命令に対する支援を受けることができます。
 

配偶者暴力支援センター

配偶者からの暴力から身の危険を感じ逃げ出したい時には、配偶者暴力支援センターに頼りましょう。このセンターは公的施設であり都道府県に必ず設置されています。通常はシェルターも完備されており、DVの相談だけでなく一時的な緊急保護が受けられることが魅力的です。

DV被害者のための施設であるので、すべての施設で住所は公表されていません。そのため、内閣府もしくや都道府県のホームページから連絡先を探す必要があります。
 

児童相談所

児童相談所児童相談所は児童福祉を専門に扱う公的機関です。すべての都道府県・政令指定都市・中核市に最低1ヶ所以上設置されています。

電話での問い合わせを受け付けており、電話番号819は24時間365日相談を受けてつけています。主に以下のような相談をすることができます。

  • 養護相談
  • 保険相談
  • 心身障害相談
  • 非行相談
  • 育成相談

 
児童相談所には児童心理や児童福祉について専門的に学び実務経験がある専門職員が常駐しているため、子供の家庭内暴力の相談にはうってつけの機関です。
 

離婚弁護士ナビ

家庭内暴力を理由に離婚する場合、一般的な離婚方法である「協議離婚」で夫婦の話し合いを行うのは避けたほうがいいでしょう。離婚を切り出すことであなたの身が危険にさらされるかもしれません。

 

そこで対面での交渉は避けて信頼でき経験豊富な弁護士や専門家に間に入ってもらい、間接的に話を進めるといいでしょう。
 
そのため、家庭内暴力が原因の離婚は「調停離婚」と「裁判離婚」で離婚が決まるケースが多いです。この場合、離婚弁護士ナビなら、家庭内暴力の問題を得意とする弁護士を最寄りの地域から探すことが可能です。
 

家庭内暴力で離婚する際に有効となる証拠

家庭内暴力がひどい場合は離婚を検討するのが賢明な選択です。その際に必要なのが家庭内暴力の証拠です。これまで述べたように家庭内暴力の加害者は外面がよく、証拠がないと周りが家庭内暴力の存在を信じてくれないケースがみられます。

加害者が事実を認めず離婚に応じない場合、証拠はなくてはならないものです。証拠として認められるのは以下のようなものです。
 
・家庭内暴力の様子を綴った日付がわかる日記
・家庭内暴力の様子を録音した音声や映像
・暴力によってできた傷やあざの写真
・暴力による治療の診断書
 
このように証拠集めは日々少しずつコツコツと集めていくことをオススメします。その際は決して相手にバレないように気をつけましょう。
 

DVの慰謝料を請求する場合の金額と請求方法

家庭内暴力があまりにも酷い場合には加害者に対して慰謝料を請求することも可能です。ここでは家庭内暴力による慰謝料の相場と請求方法を簡単にご紹介します。
 

家庭内暴力の慰謝料金額の相場

家庭内暴力ではあなたや子供が肉体的もしくは精神的苦痛を受けた場合に請求が可能です。家庭内暴力で獲得できる慰謝料の相場は一般的に、50~300万円ほどです。その金額は以下の様な項目の状況によって変動します。
 
・家庭内暴力を受けた回数
・家庭内暴力の期間
・家庭内暴力の被害者に非があるかどうか
・家庭内暴力によるケガ・障害・後遺症の程度
・家庭内暴力により精神病を患ったかどうか
参考:DVで離婚する場合の慰謝料とできるだけ増額請求する方法
 

慰謝料の請求方法

一般的には夫婦の話し合いで慰謝料についての話し合いを行います。しかし、家庭内暴力の場合は加害者と顔を合わせる危険性があるため、間接的なやりとりをオススメします。ますは郵便やメールで相手に意思を伝えましょう。
 
その場合に最低限伝えるべき内容は「家庭内暴力で被害を受けたこと」「慰謝料を請求したいこと」「支払った欲しい金額と振込先口座」の3点です。この方法で相手の支払い意志が確認できない場合は内容証明郵便での請求を行いましょう。
 
内容証明郵便とは、「誰に対して、いつ、どんな内容を通知したか」を証明することができる郵便です。法的には同じ郵便物として扱われますが、公的な雰囲気のある通知であるため相手に心理的プレッシャーを与えることが可能です。通知内容は郵便やメールのものと同様です。
 
慰謝料についてより詳細に知りたい方は「離婚の慰謝料|獲得と増額のための完全マニュアル」の記事を参考にしてください。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

家庭内暴力は家庭によって発生原因やどのような暴力が行われているかは異なります。その分、対処法はたくさんあると考えていいでしょう。今回挙げた防止方法や逃れる方法を参考に、家庭内暴力解決の一助になれば幸いです。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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