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離婚コラム
2016.10.31
DV

DVで離婚する場合の慰謝料とできるだけ増額請求する方法

Dv-ricon-isyaryou

配偶者の家庭内暴力(DV)の被害によって離婚する人は、今でも後を絶ちません。DVによって心身に深い傷を負うと、先に離婚したいという気持ちが強く、慰謝料の請求を後回しにしてしまう事がありますが、DVが原因で離婚をする人には、慰謝料を請求することを強くオススメします。
参考:DVの原因|加害者側の原因と被害者の原因とDVへの対処法
 
しかし、そうは言ってもどうやって慰謝料を獲得すればいいのかわからない場合もあると思いますので、今回はDVが原因による離婚の慰謝料獲得方法と、増額させる方法をご紹介します。
 



 
【目次】
DVで離婚した場合の慰謝料の相場
DV被害で離婚した際に請求した慰謝料の判例
50万円のケース|東京地判H18年8月28日
100万円のケース|東京地判18年1月17日
200万円のケース|東京地判H18年7月27日
300万円のケース|東京地判H21年8月28日
400万円のケース|東京地判H17年6月22日
DVの慰謝料が増額・高額となる10の要素
DVの回数が多い
DVの期間が長い
DV被害者の落ち度
DVによる怪我や障害の程度
DV被害によってうつ病になった
DV相手の年収が高いこと
DV相手の職業や地位が高いこと
夫婦の婚姻期間が長い
養育が必要な子供の人数
DV相手の年齢が高い
DVの離婚慰謝料を増額させるには証拠が必要
DVを証明する証拠となるもの
DVの医療記録(診断書)の集め方
警察などの相談履歴
DVで離婚して慰謝料を請求するまでの流れ
話し合い|協議離婚
民事訴訟もしくは離婚調停
離婚裁判を行う
DVの被害者が離婚を切り出す際の効果的な伝え方
2人で進めず第三者を挟む
調停離婚や裁判離婚で決着をつける
裁判中の暴挙を防ぐために保護命令を申立てる
DVの離婚慰謝料が支払われないケースと対策
裁判所による履行勧告と履行命令
強制執行
まとめ
 
 

DVで離婚した場合の慰謝料の相場

DVが原因で離婚した場合の慰謝料金額の相場は、50〜300万円といわれています。また、DV慰謝料の請求が可能となるのは、配偶者の言動によってあなたや子供が肉体的・精神的な苦痛を受けた場合です。
 
身体的暴力のDVだけでなく、言葉による精神的な暴力であるモラハラであってもその程度によっては慰謝料請求が可能です。しかし、慰謝料の金額は法律では明確に決まっておらず当事者間の話し合いによって自由に決めることができます。
 
極端な例では、加害者が大企業の社長など社会的地位が高い人であれば1億円を払ってもらうことも可能なのです。ただ、話し合いの場であってもその相場を元に金額を検討することが一般的です。
参考:暴力(DV):50万~500万円
 
 

DV被害で離婚した際に請求した慰謝料の判例

DV被害者から慰謝料の請求をするに当たり、参考となる判例をご紹介します。
 

50万円のケース|東京地判H18年8月28日

DVの他に性格の不一致や生活費を渡さない(悪意の遺棄)などを算出し慰謝料が認められたケースです。
婚姻期間:5年未満
離婚原因:DV
慰謝料認定額:50万円
 

100万円のケース|東京地判18年1月17日

夫から暴力・暴言を受けるDVのケースです。
婚姻期間:5年未満
離婚原因:DV
慰謝料認定額:100万円
 

200万円のケース|東京地判H18年7月27日

DVを受け、腰の骨にひびと肋骨不全骨折の診断を受けたケースです。
婚姻期間:10年~20年
離婚原因:DV
慰謝料認定額:200万円
 

300万円のケース|東京地判H21年8月28日

首を絞められ、離婚届けを書くように脅迫を受けたケースです。
婚姻期間:30年以上
離婚原因:DV
慰謝料認定額:300万円
 

400万円のケース|東京地判H17年6月22日

妻に対して極端に侮辱、暴行を加えことで婚姻を継続しがたい事由にあたったケースです。
 
婚姻期間:20年~30年
離婚原因:DV
慰謝料認定額:400万円
 
これはあくまで一例ですが、DVの程度等によっても、慰謝料額が高額にならないケースもあります。
 


 

DVの慰謝料が増額・高額となる10の要素

DVによる慰謝料を請求する場合、以下のような要素によってその金額が増減されます。
 

DVの回数が多い

DV加害者が行ったDVの回数が多ければ多いほど、慰謝料が高額となる可能性があります。
 

DVの期間が長い

DV加害者がDVを行っていた期間が長ければ長いほど、慰謝料が高額となる可能性があります。
 

DV被害者の落ち度

DV被害者にDVを受ける落ち度がどの程度あったのか、その原因が少なければ少ないほど慰謝料が高額となる可能性があります。
 

DVによる怪我や障害の程度

DV被害を受けたことによって怪我や障害を受けてしまうことがあります。その程度がひどければひどいほど、慰謝料が高額となる可能性があります
 

DV被害によってうつ病になった

DV被害者がDVによってうつ病を患ってしまったケースでは、慰謝料が高額となる可能性があります。
 

DV相手の年収が高いこと

DVの加害者の年収が高ければ高いほど、慰謝料が高額となる可能性があります。
 

DV相手の職業や地位が高いこと

DV加害者の社会的地位が高いケースや、世間的に収入が高いと認識されている仕事に就いているケースでは比較的慰謝料が高額となる可能性があります
 

夫婦の婚姻期間が長い

DVが原因で離婚した夫婦の婚姻期間が長ければ長いほど、DV被害者の精神的苦痛は大きくなるとされています。そのため婚姻期間が長いほど慰謝料が高額となる可能性があります。
 

養育が必要な子供の人数

DVが原因で離婚した夫婦に養育すべき子供が多ければ多いほど、慰謝料が高額となる可能性があります。
 

DV相手の年齢が高い

DV加害者の年齢が高いほど慰謝料が高額となる可能性があります。
 
 

DVの離婚慰謝料を増額させるには証拠が必要

慰謝料を請求するためには、あなたがDV被害を受けていたことを第三者が見てわかるような証拠が必要不可欠です。DVによる慰謝料を請求するためには以下のような証拠を用意しましょう。
 

DVを証明する証拠となるもの

  • ・暴力をふるわれてケガをしたときに病院でもらった診断書

  • ・DVによってついたあざや傷の写真

  • ・DVを受け始めてからその内容を具体的に記録している日記やメモ

  • ・DV被害について親や知人に助けを求めた内容に関する親や知人からの証言

  • ・警察や公的機関へのDV相談の記録 など

 
こういった証拠があるとDVを受けていたと認定されやすく、慰謝料請求もスムーズに行えます。
 

DVの医療記録(診断書)の集め方

DVの場合、診断書等の客観的な証拠が重要ですから、暴力行為を受けて負傷したときは迷わず病院で受診することが大事です。DV行為の有無・程度について、後々争いとなることが多いため、病院へ行って受診歴を残さないと、あなたが酷い暴力を受けたと主張したとしても、裁判所は暴力行為を認めることができません。
 
また、診断書等の医療記録は、保護命令を申し立てるときにも重要な証拠資料となります。保護命令については後述の「裁判中の暴挙を防ぐために保護命令を申立てる」をご覧ください。
 
したがって、負傷したら、出来るだけ早い時期に受診してようにしましょう。そして、受診に際しては、医師にはパートナーから暴力を受けたということをきちんと伝えるようにしてください。
 

警察などの相談履歴

DV被害者が保護命令を申し立てるような場合、基本的には申立ての前に、警察や配偶者暴力相談支援センターに相談して、援助や保護を求めていることが要件となります。
 
あるいは、公証人面前宣誓供述書を申立書に添付するという方法もありますが、この方法を利用するのは稀ですので、相談時の状況(名前、関係者名、相談内容、措置の内容)などが記載された相談カードを証拠として提出することが多いでしょう。
 

 

 

DVで離婚して慰謝料を請求するまでの流れ

DVが原因で離婚することになった夫婦が慰謝料について検討する場合の流れは以下のような順番で行うといいでしょう。
 

話し合い|協議離婚

夫婦で同居している場合は、慰謝料の相場などを相手に見せながら直接話し合いを行いましょう。別居している場合は、メールやLINEなどでやり取りの履歴が残るような手段で慰謝料の交渉を行うといいでしょう。もし夫婦間の話し合いで両者が納得する結論が出なければ次の手段に移りましょう。
 

民事訴訟もしくは離婚調停

離婚については同意しており慰謝料についてだけ話し合うのであれば、民事訴訟を起こしましょう。慰謝料の争いを民事事件として地方裁判所または簡易裁判所に対して訴えを起こすのです。訴える裁判所は通常であれば相手方の住所地にある裁判所です。
 
離婚についても話がまとまっていないのであれば、離婚問題と合わせて協議するために離婚調停を申し立てましょう。申し立てる裁判所は通常であれば相手方の住所地にある家庭裁判所になります。
 
申し立てる際には、夫婦関係調停申立書を提出することが必要です。この申立書に希望する慰謝料の金額を記載しておくとスムーズです。もしこの段階でも話がまとまらなければ次の手段に移りましょう。
参考:離婚調停|基礎知識と調停離婚を有利に進める手順まとめ
 

離婚裁判を行う

裁判所に対して離婚訴訟を起こして離婚問題と慰謝料について解決できるように裁判をすすめます。DVが原因の離婚であれば法律に定められている離婚の原因である「その他、婚姻を継続しがたい重大な事由」として扱われます。
参考:離婚裁判の期間を短くして有利に離婚する為の9つの手順

離婚裁判では、これまでの夫婦間での話し合いや離婚調停と比較して圧倒的に証拠の重要度が上がります。慰謝料請求に必要な証拠として紹介したような証拠を必ず用意して、あなたが慰謝料を受け取る権利があることを強く主張しましょう。
参考:DVの相談が出来る無料相談先一覧とよくある相談内容まとめ
 
 

DVの被害者が離婚を切り出す際の効果的な伝え方


 

2人で進めず第三者を挟む

DVの被害者が、離婚の話を切り出した際に、相手に何をされるかわからないから怖いと考えている方も多いでしょう。気持ちはわかりますが、今のままの状態では状況を解決する事はできませんので、どうか勇気をもって離婚に踏み出していただきたいと思います。
 
ただ、今まで暴力をしてきた加害者が冷静に話をしてくれるとは限りません。そういった場合は専門家に相談し、第三者を交えて話し合いをするのが一番効果的ですし、あなたも安心できるでしょう。
参考:賢い離婚の仕方|離婚前に考えておくべき5つのこと
 

調停離婚や裁判離婚で決着をつける

民事訴訟もしくは離婚調停」でもお話ししましたが、調停や裁判離婚などの方法も有効です。調停離婚は家庭裁判所に調停に申立てをしますので、原則、顔を直接あわせることはありませんし、裁判離婚でも弁護士などに依頼すれば裁判所に出向く必要はありません。
 

裁判中の暴挙を防ぐために保護命令を申立てる

保護命令とは、裁判所が相手方に申立てした事柄に対して、近寄らないように命令できる制度です。接近禁止令(6ヶ月間接触禁止)や、退去命令(同居の解消)などが代表的ですが、条件が整えば「子への接近禁止」「電話の禁止」「親族への接近禁止」なども命令することができます。
 
これらを違反した場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に科すことができます。ただし、被害者本人しか申立てられませんので注意しましょう。
参考:DVから逃れて離婚する為の方法とやっておくべき事前準備
 

 

 

DVの離婚慰謝料が支払われないケースと対策

調停や裁判によって決定された慰謝料が支払われないといったケースも考えられます。相手が慰謝料の支払いに同意したのにもかかわらず、支払ってもらえない場合には以下のような手段を取りましょう。
 

裁判所による履行勧告と履行命令

調停や審判または裁判の判決によって慰謝料の支払いが決まっているケースでは、裁判所から支払者に催促をしてもらうことが可能です。これを履行勧告といいます。履行勧告は裁判所に相手からの支払が滞っていることを電話報告することで、無料で実行してもらうことができます。
 
その後相手が履行勧告に従わず支払わなければ、裁判所はさらに履行命令を発令します。払えるだけのお金を持っていないなど正当な理由がなく履行命令を無視していると、相手は10万円以下の過料(罰金)を科せられます。
 

強制執行

離婚の際に決定した慰謝料の支払いを相手が守らないケースで、最終的に取ることができる手段は相手方への強制執行です。強制執行を行うことによって以下のような相手方の財産や収入を差し押さえて、その差し押さえた財産から支払うべき慰謝料を回収することが可能となります。
 
◇給与や賞与
◇預貯金
◇会社の売上(相手が自営業者の場合)
◇不動産や土地
◇家財道具や自家用車
 
強制執行を行う前には、差し押さえの対象となる以上のような財産の詳細を把握しておかなければなりません。例えば相手の預貯金を差し押さえる場合は、相手の預貯金を預けている銀行の支店名や口座番号を知っておく必要があります。そのためこのような情報は離婚前にもれなく得ておきましょう。
 

強制執行に必要な書類

強制執行は非常な強力な制度であるため、利用するためには差し押さえを行うものが相手の財産を差し押さえる権利を持っていることを証明しなければなりません。その証明のために「裁判所による判決書」や「和解調書や調停調書」など書類が必要となります。
 
これらの書類があることで、あなたが相手から慰謝料を受け取る権利があることを証明することができるのです。
 
 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
 
DVが原因の慰謝料を獲得するには、証拠を集めて相手と粘り強く交渉していく必要があります。しかし、慰謝料で受け取れる金額の相場を見ると、数ヶ月間〜1年ほどは十分に生活できるまとまったお金になります。
 
DVを受けてしまったのに相手に泣き寝入りするのではなく、慰謝料請求は当然の権利であると主張していくことをオススメします。
 
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編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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