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保護命令とは?要件やメリット・デメリット、認められないケースを解説

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配偶者やパートナーからDVを受けており、身の安全が脅かされている際には保護命令が有効な解決手段となります。

保護命令とは、裁判所が加害者に対して、被害者への接近や連絡を禁じる制度です。

違反すれば刑事罰が科されるため、加害者を遠ざけるための強力な抑止力となります。

ただし、無計画に手続きを進めると必要性が認められなかったり、書類に不備があったりして対処が遅れるリスクがあります。

本記事では、保護命令の類型や認められる要件、メリット・デメリットなどを解説します。

具体的な手続きの流れや費用面なども詳しくまとめているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

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目次

保護命令とは?

保護命令とは、DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)に基づき、DV被害者を加害者から守る手段として定められた制度です。

被害者からの申立てにより、裁判所が加害者に対して、被害者へのつきまといなどを禁止する命令を下します。

警察の警告などとは異なり、極めて強い強制力を持つ点が特徴です。

詳しくは後述しますが、命令に違反した加害者には厳しい刑事罰が科されます。

当事者間で話し合える状態になく、身の危険を感じている方は、保護命令の申立てに踏み切ることも選択肢に入れておきましょう。

保護命令の6つの類型

保護命令は、以下の6つの類型に整理されています。

類型 内容
1.被害者への接近禁止命令 加害者が被害者に近づくことを禁止
2.被害者への電話等禁止命令 加害者が被害者へ電話・メールなどで連絡することを禁止
3.被害者の子への接近禁止命令 加害者が被害者の同居の子に近づくことを禁止
4.被害者の子への電話等禁止命令 加害者が被害者の同居の子へ電話・メールなどで連絡することを禁止
5.被害者の親族等への接近禁止命令 加害者が被害者の親族や支援者に近づくことを禁止
6.退去等命令 加害者を自宅から退去させ、付近の徘徊を禁止

保護命令の基本となるのは、「1.被害者への接近禁止命令」です。

2〜5の命令は1と同時、またはすでに1が発令されている場合に申し立てるのが原則とされています。

なお、「6.退去等命令」は独立して申立てが可能です。

被害者への接近禁止命令

被害者への接近禁止命令とは、被害者へのつきまといや住居・勤務先付近での徘徊を禁じる命令です。

保護命令の中で基本となる類型であり、物理的な接触を断つことで直接的な暴力を防ぎます。

有効期間は、原則として発令から1年間です。

令和6年4月施行の法改正により、従来の6ヵ月から1年へと延長されました。

なお、後述する電話等禁止命令や子・親族への接近禁止命令を申し立てる場合は、被害者への接近禁止命令の発令が前提条件とされています。

被害者への電話等禁止命令

被害者への電話等禁止命令とは、被害者への面会要求や通信機器での連絡などを禁じる命令です。

具体的には、以下の行為が禁止されます。

  • 面会の要求
  • 行動監視の告知
  • 著しく粗野乱暴な言動
  • 無言電話
  • 緊急時以外の連続した電話・文書・FAX・電子メール・SNSなどの送信
  • 緊急時以外の深夜早朝(22時~6時)の電話・FAX・電子メール・SNSなどの送信
  • 汚物などの送付
  • 名誉や性的羞恥心を害する告知・物の送付
  • GPSによる位置情報の取得 など

電話等禁止命令は、被害者の生活の平穏や精神的な安寧を守るための重要な措置といえます。

被害者の子への接近禁止命令

被害者の子への接近禁止命令とは、被害者と同居している未成年の子につきまとったり、学校や保育園付近を徘徊したりする行為を禁じる命令です。

子どもを連れ去られるリスクを抑えるとともに、子どもを利用して被害者に近づく行為を防ぐ目的があります。

なお、子どもが15歳以上の場合、子への接近禁止命令を出すには子本人の同意が必要です。

被害者の子への電話等禁止命令

被害者の子への電話等禁止命令とは、被害者の子への連絡を禁じる命令です。

DV防止法の改正により新設されました。

具体的には、以下の行為が禁止されます。

  • 行動監視の告知
  • 著しく粗野乱暴な言動
  • 無言電話
  • 緊急時以外の連続した電話・文書・FAX・電子メール・SNSなどの送信
  • 緊急時以外の深夜早朝(22時~6時)の電話・FAX・電子メール・SNSなどの送信
  • 汚物の送付
  • 名誉を害する告知や性的羞恥心を害する告知・物の送付
  • GPSによる位置情報の取得 など

子への電話等禁止命令は、子どもの連れ去りなどにより、面会を余儀なくされる事態を防ぐ必要がある場合に認められる命令です。

ただし、対象の子どもが15歳以上の場合は、子本人の同意を要します。

被害者の親族等への接近禁止命令

被害者の親族等への接近禁止命令とは、被害者の実親・親族や密接な関係を有する者へのつきまとい、または住居・勤務先付近での徘徊を禁止する命令です。

「密接な関係を有する者」には、通常、友人や会社の同僚などが該当します。

実際、相手方が被害者の実家に押しかけ、面会を要求するようなケースは少なくありません。

家族を利用されると面会を拒否するのが難しくなるので、親族等への接近禁止命令を発令してもらうことは有効な防衛手段のひとつといえます。

なお、接近禁止命令の申立てには、対象となる親族などの同意が必要です。

退去等命令

退去等命令とは、被害者と同居している家からの退去と、周辺を徘徊する行為の禁止を命じるものです。

賃貸や持ち家の名義に関わらず、加害者を強制的に自宅から追い出せる点がメリットといえるでしょう。

退去等命令の有効期間は原則2ヵ月間です。

ただし、住居の所有者または賃借人が被害者のみである場合は、6ヵ月間に延長できる特例もあります。

保護命令が認められる2つの要件

保護命令を発令してもらうには、DV防止法で定められた2つの要件を満たす必要があります。

どちらかひとつでも欠けると申立てが却下されるため、きちんと確認しておきましょう。

暴力や脅迫などを受けたこと

1つ目の要件は、配偶者や同棲している交際相手から暴力や脅迫を受けた事実があることです。

具体的には、以下のような被害が該当します。

  • 殴る、蹴る、物を投げつけるなどの身体に対する暴力
  • 「殺すぞ」「痛い目に遭わせるぞ」などの生命・身体に対する脅迫
  • 「外に出させない」「会社を辞めさせてやる」など自由・名誉・財産に対する脅迫

3つ目の「自由・名誉・財産に対する脅迫」は、令和6年4月施行の法改正により追加された条件です。

本改正により、身体的な暴力がなくても保護命令を申し立てられるようになりました。

ただし単なる暴言や軽い口論レベルでは、申立てが認められにくく、危害をくわえるような脅迫に限られる点に注意してください。

今後も暴力や脅迫などにより危害を受けるおそれがあること

2つ目の要件は、今後も暴力や脅迫により、生命・心身に重大な危害を受けるおそれが大きいことです。

例えば、加害者が異常な執着を見せ、避難先を執拗に探している状況などが該当します。

反対に、別居して長期間が経過し、加害者から一切の接触がない場合は「危害を受けるおそれがない」と判断され、申立てが却下される傾向にあります。

裁判所に将来の危険性を認めてもらうためには、繰り返し暴力を受けている事実や、執拗に連絡を受けている状況などを適切に伝えなければなりません。

証拠の収集をはじめ、法的な判断を要するケースも多いので、早めに弁護士に相談しましょう。

保護命令の申立てができる人物の範囲

保護命令の申立てができるのは、配偶者や生活の本拠をともにする交際相手から、DVを受けた被害者本人です。

具体的には、以下のような関係性が想定されています。

  • 法律上の配偶者
  • 事実婚(内縁関係)のパートナー
  • 同棲相手

すでに離婚や同棲解消を済ませている場合でも、婚姻中・同居中に暴力や脅迫を受けており、今後も危害を受けるおそれがあれば、保護命令の申立てができます。

また、性別は問わないため、男性が保護命令を申立てることも可能です。

なお、被害者の親族や知人による代理申立ては認められていません。

保護命令の期間は原則1年間で延長も可能

保護命令のうち、接近禁止命令と電話等禁止命令の期間は発令から1年間と定められています。

期間満了が迫っても依然として重大な危害を受けるおそれがある場合は、再度の申立てによる延長が可能です。

延長が認められると、再び1年を期限とした保護命令が出されます。

なお、延長の回数制限はなく、要件を満たす限りは期限を延ばし続けられます。

なお、退去等命令の期間は原則2ヵ月です。

住居の所有者または賃借人が被害者のみである場合は、6ヵ月にできる特例措置もあります。

保護命令の違反者は罰則を受ける

加害者が保護命令に違反した場合は、厳しい罰則を受けます。

罰則の内容は「2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金」です。

令和6年4月の改正DV防止法施行により、従来の「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」から大幅に厳罰化されました。

また、被害者が警察に通報すれば、加害者を逮捕してもらえる可能性も十分あります。

万が一、保護命令違反の疑いがある場面に遭遇したら、ためらわずに警察へ連絡してください。

保護命令申立ての基本的な流れ

ここでは、保護命令申立ての基本的な流れを解説します。

スムーズに手続きを進めるためにも、全体の流れを把握しておきましょう。

1.警察または配偶者暴力相談支援センターに相談する

保護命令を申し立てる際は、原則として、警察や配偶者暴力相談支援センターに事前相談しておかなければなりません。

そして、相談した事実と内容を申立書に記載する必要があります。

事前相談ができない事情があった場合は、公証役場で宣誓供述書を作成し、申立書に添付しなければなりません。

ただし、公証役場での手続きは費用や手間がかかるため、できるだけ事前に相談機関を利用するのがおすすめです。

緊急性が高い場合は、DV相談とあわせて安全の確保も要請しましょう。

一時保護施設(シェルター)の案内を受けられるケースもあるため、身の危険を感じたら迷わず連絡してください。

2.申立てに必要な書類を収集・作成する

保護命令の申立てにあたっては、保護命令申立書に関係書類を添付して提出する必要があります。

保護命令申立書に記載する主な項目は以下のとおりです。

  • 当事者の氏名・住所・職業や関係性
  • 申し立てる保護命令の種類
  • 申立理由
  • 暴力や脅迫を受けた事実
  • さらなる暴力や脅迫により危害を受けるおそれがあるという事情

加えて、以下のような書類を必要に応じて添付します。

基本となる添付書類 申立書の写し・戸籍謄本・住民票の写し・陳述書・子や親族などの同意書・相談機関での相談記録(公証人による宣誓供述書) など
被害を裏付ける証拠書類 医師の診断書・けがの写真・LINEやメールの履歴 など

書類が不十分な場合は、要件を満たさないものとして却下される可能性があります。

申立書の書き方や証拠の取捨選択に不安がある方は、早めに弁護士へ相談するのがおすすめです。

3.管轄の地方裁判所に保護命令を申し立てる

提出書類が用意できたら、以下のいずれかの地方裁判所で申立手続をおこないます。

  1. 相手方の住所地を管轄する地方裁判所
  2. 申立人の住所または居所の所在地を管轄する地方裁判所
  3. 暴力や脅迫がおこなわれた地を管轄する地方裁判所

被害者が避難している場合は、避難先の地域を管轄する裁判所でも申立てが可能です。

加害者に現在の避難先を知られないよう、住所や連絡先を秘匿するための上申書をあわせて提出しましょう。

申立てが受理されると、裁判所で迅速に審査の準備が進められます。

4.申立人(被害者)の審尋がおこなわれる

保護命令の申立て後、申立人(被害者)は裁判所に呼び出され、審尋がおこなわれます。

審尋は、裁判官が被害者から直接事情を聴取する手続きです。

申立書の内容に基づき、暴力・脅迫の内容や現在の恐怖心などについて質問を受けるケースが一般的です。

なお、加害者と被害者の審尋は原則として別日におこなわれるため、安心して臨んでください。

5.相手方(加害者)の審尋がおこなわれる

公平な判断を下すために、原則として、相手方(加害者)に対する審尋も実施されます。

申立人の審尋から約1週間後に実施されるケースが一般的といえるでしょう。

裁判所は加害者を呼び出し、被害者の主張に対する反論や言い分を聞いたうえで、最終的な発令の可否を判断します。

ただし、被害者に急迫した危険が及ぶと判断された場合は、加害者の審尋を経ずに、保護命令が発令される例外措置もあります。

なお、相手方が呼び出しを無視して出頭しなかった場合は、申立人の主張が全面的に認められ、保護命令が発令される可能性が高いです。

6.保護命令が発令される

裁判所が要件を満たしていると判断すれば、保護命令が発令されます。

申立てから発令までにかかる期間は2週間程度です。

そして、保護命令決定書の謄本が加害者に送達された時点、または法廷で直接言い渡された時点から、法的効力が発生します。

被害者にも決定書が送付されるため、大切に保管しておきましょう。

また、発令と同時に裁判所から管轄の警察署にも通知が届くので、相手方が接近禁止命令を無視して近づいてきた場合も速やかな対応が期待できます。

7.却下された場合は即時抗告を申し立てる

申立てが却下され、不服がある場合は高等裁判所への即時抗告も選択肢に入ります。

具体的には、却下された理由を分析し、追加の証拠を提出して上級審での再判断を仰ぎます。

即時抗告の期間は、却下の告知を受けた日から1週間以内です。

一般的な判決の控訴期間が2週間であるのと比べて、短く設定されている点に注意しましょう。

ただし、即時抗告には高度な法的知識が求められるため、却下された段階ですぐに弁護士へ相談してください。

保護命令の申立てにかかる費用は数千円程度

自分で裁判所に保護命令を申し立てる場合、必要となる実費は数千円程度です。

地域によって異なりますが、具体的な費用の内訳は以下のとおりです。

費用項目 金額の目安
申立手数料(収入印紙) 1,000円
予納郵券(郵便切手) 2,000円〜3,000円程度
戸籍謄本・住民票等の取得費 数百円〜1,000円程度

弁護士に依頼する場合は別途、弁護士費用が30万円〜50万円程度かかります。

弁護士費用に不安があるときは無料相談を利用し、見積もりを出してもらうとよいでしょう。

保護命令が認められないケースとは?

保護命令の申立ては認容されるケースがほとんどですが、却下される可能性もゼロではありません。

実際にどのようなケースで却下されているのか、典型的な事例と却下率の統計をみていきましょう。

保護命令が却下された事例

男女共同参画局の公表資料には、保護命令が却下された具体的な事例が掲載されています。

  状況 却下・取下げの理由
事例1 夫から身体的暴力を受けて避難したが、同居を再開。同居後に身体的暴力はなかったが、精神的暴力は継続していた。 再同居後の身体的暴力がなかったため却下
事例2 夫から身体的暴力や暴言・脅迫を受けて避難していた。 暴力の頻度が少なく、再発の可能性が低いと判断されたため却下

なお、上記の資料は令和3年に作成されたものです。

令和6年4月施行の改正DV防止法により、脅迫をともなう精神的DVも保護命令の対象となったため、現行法で事例1を審査すると要件を満たす可能性があります。

保護命令の却下率は1割未満

裁判所の統計によると、保護命令が却下される割合は全体の1割未満にとどまります。

令和6年に終局した保護命令事件1,516件の内訳は以下のとおりです。

終局区分 件数 割合
認容(保護命令発令) 1,168件 約77.0%
却下 98件 約6.5%
取下げ等 250件 約16.5%

要件を正しく理解し、証拠を揃えて申し立てれば、基本的に保護命令は認容されます。

ただし、却下された場合は加害者を逆上させるおそれもあるため、弁護士のサポートを受けることが大切です。

保護命令のメリット

保護命令が発令されると、加害者の接近を防げるだけでなく、その後の離婚手続や生活再建にもプラスの影響をもたらします。

具体的にどのようなメリットがあるのか、3つの観点からみていきましょう。

身の安全を確保しやすくなる

保護命令の最大のメリットは、加害者の接近を法的に阻止し、身の安全を確保できる点です。

保護命令に違反すれば逮捕されたり、刑罰を受けたりするため、強い抑止力になります。

また、裁判所から警察に発令通知が届くため、自宅周辺のパトロール強化など、具体的な防衛策が講じられやすくなる点もポイントです。

例えば、加害者が自宅付近に現れたとしても、110番通報すれば、警察が事情を把握したうえですぐに対応してくれます。

裁判で離婚が認められやすくなる

保護命令には、裁判での離婚を認められやすくする効果もあります。

保護命令の発令事実は、配偶者からの重大なDVがあったという客観的証拠となるものです。

そのため、離婚裁判になった場合に、「婚姻を継続し難い重大な事由」があると判断されやすくなります。

また、慰謝料を請求したり、親権を争ったりする際にも、保護命令が発令された事実は、被害者に有利に働く可能性が高いといえるでしょう。

離婚前でも児童扶養手当を受給できるようになる

保護命令の発令によって、離婚前から児童扶養手当を受給できるようになります。

児童扶養手当は、父または母と生計を同じくしていない子どもがいる場合などに支給される手当です。

平成24年の児童扶養手当法改正により、DVの保護命令を受けた被害者は支給要件を満たすと規定されました。

例えば、別居中の生活費(婚姻費用)を加害者が支払わない場合でも、児童扶養手当を受け取れば当面の生活費をカバーできます。

経済的な不安が和らげば、自立や離婚に向けた準備も落ち着いて進められるようになるでしょう。

保護命令のデメリット|被害者側

保護命令には大きなメリットがある一方、デメリットも存在します。

ここでは、保護命令の申立てに踏み切る際に注意しておくべき2つのポイントを解説します。

発令までに時間がかかることもある

保護命令を申し立てたからといって、即日発令されるわけではありません。

保護命令は行動の自由を奪う重大な措置であり、必要性が慎重に判断されるためです。

一般的に、申立てから発令までの期間は2週間程度とされています。

証拠の確認や審尋の進捗次第では、さらに時間がかかるケースもあるでしょう。

そのため、申立てと同時に実家やシェルターなどに避難するなど、発令までの安全確保策を講じることが大切です。

加害者が必ずしも保護命令に従うとは限らない

保護命令違反には重い罰則があるものの、加害者が命令を無視して接触してくる可能性も否定できません。

実際、自暴自棄になった加害者が保護命令に反し、傷害事件を起こしている事案も見受けられます。

そのため、保護命令が発令されたからといって安心するのは禁物です。

防犯ブザーの携帯や警備サービスの利用など、自己防衛の意識を持ち続けましょう。

保護命令のデメリット|加害者側

保護命令を受けた加害者は、行動・居住の自由が制限され、子どもとの面会交流も難しくなります。

具体的にどのような不利益が生じるのか、詳しくみていきましょう。

行動・居住の自由が法的に制限される

保護命令を受けると、加害者の行動・居住の自由が法的に大きく制限されます。

まず、接近禁止命令が出された場合、被害者の自宅・職場周辺には近づけなくなります。

通勤ルートを変えたり、普段利用しているお店に通えなくなったりするケースもあるでしょう。

さらに退去等命令が出た場合は、たとえ自己所有の持ち家であっても強制的に追い出されます。

速やかに荷物をまとめて退去しなければならず、ホテルに宿泊する場合は経済的負担も無視できません。

子どもとの面会交流に影響することもある

保護命令が発令されている期間中は、子どもとの面会交流が難しくなります。

子への接近禁止命令が出ている場合、当然面会は認められません。

仮に家庭裁判所で面会交流調停を申し立てても、DVの事実がある以上は認められない可能性が高いです。

また、将来的な親権争いにおいても、保護命令を受けた事実は不利に働きます。

子の福祉に反すると判断され、親権を獲得できない可能性が高くなります。

保護命令の申立ては弁護士に依頼するべき理由

保護命令の申立てを検討しているなら、弁護士に依頼するのがおすすめです。

弁護士に依頼すれば、以下のような幅広いサポートを受けられます。

  • 証拠収集のアドバイス
  • 説得力のある申立書・上申書の作成代行
  • 配偶者暴力相談支援センター・警察との連携
  • 審尋の同席・代弁
  • 加害者との連絡調整
  • 避難先の情報提供
  • 住所秘匿措置の支援(住民票の閲覧制限など)
  • 即時抗告された場合の対応
  • 発令後の離婚手続に関する総合的な支援

保護命令の申立手続を迅速かつ正確に進めるには、弁護士のサポートが欠かせません。

また、慰謝料請求や親権争い、財産分与などの手続きをワンストップで任せられるのも大きな魅力です。

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保護命令に関してよくある質問

最後に、保護命令に関してよくある質問を紹介します。

同様の疑問を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。

精神的暴力も保護命令の対象になる?

精神的暴力も保護命令の対象になる可能性はあります。

従来は、保護命令の対象は「身体的暴力」または「生命・身体に対する脅迫」に限られていました。

しかし、令和6年4月施行の法改正後は、自由・名誉・財産に対する脅迫により、心身に重大な危害を受けるおそれが大きい場合も、保護命令の対象になりました。

ただし、日常的な暴言や夫婦喧嘩レベルでは認められません。

また、精神的DVは外傷が残らないため、立証のハードルが高いのが現実です。

自分のケースが該当するのか判断に迷う場合は、まず弁護士に相談してみましょう。

保護命令の申立ては取り下げできる?

保護命令が発令される前であれば、いつでも被害者側の意思で取り下げできます。

発令後についても、被害者本人が裁判所に取消しを申し立てれば、原則として保護命令は取り消されます。

一方、加害者による取消しの申立ては、接近禁止命令の効力発生から3ヵ月経過後(退去等命令は2週間経過後)にのみ可能です。

また、被害者が異議を唱えれば、保護命令が取り消されることはありません。

保護命令は親子間にも適用される?

親から子、あるいは子から親への暴力・脅迫に関しては、原則として保護命令は適用されません。

保護命令の根拠法であるDV防止法は、パートナーからの暴力・脅迫を対象としているためです。

親からDVを受けている場合は、児童福祉法に基づく児童相談所の一時保護などを利用できる可能性があります。

また、子どもからの暴力・脅迫は、警察に被害届を出したり、シェルターに避難したりといった対策が考えられるでしょう。

まとめ

配偶者や同棲相手からDVを受けている場合は、保護命令の申立てを検討しましょう。

接近や電話連絡などを禁止できるので、身の安全を確保しやすくなります。

ただし、被害事実を適切に主張できなければ、申立てが却下されてしまうリスクもあります。

そのため、保護命令の申立てをおこなう際には、弁護士のサポートが不可欠です。

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この記事の監修者
東京桜の森法律事務所
川越 悠平 (東京弁護士会)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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