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DV防止法とは|暴力を防ぐ4つの保護命令と頼れる相談先一覧
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2018.4.9
DV

DV防止法とは|暴力を防ぐ4つの保護命令と頼れる相談先一覧

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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DV防止法(でぃーぶいぼうしほう)とは、配偶者からの暴力(ドメスティック・バイオレンス/DV)に対する通報・相談・保護・自立支援などの体制を国または市区町村で整備することにより、暴力の防止・被害者の保護を図るための法律です。

 

(参考:ストーカー・DV等|警察庁)

 

DV被害は2012年から増加の一途をたどっており、いつ自分が被害に遭ってしまうかわからない状態です。

 

DV被害者の数は4年間で女性が約1万人増加、男性が約5倍となりました。DV防止法を知っておくことで、交際相手・配偶者から暴力を受けたとき、自分や子供をさらなる暴力から守ることができます。

 

この記事では、「DV防止法で何ができる?」「配偶者から暴力を受けたらどこに相談したらいい?」という疑問にお答えします。また、彼氏・彼女から暴力を受けるデートDVの被害に遭った場合の相談先などを紹介します。

 

DV被害に遭っている場合は今すぐ相談ください!

>>警察

#9110では、相談を受け付けており、必要に応じて指導・注意を行います。一時避難に関しての相談も可能です。

>>婦人相談所|内閣府男女共同参画局

相談以外にも一時避難に関しての相談が可能です。また、離婚後の生活について(住居や仕事に関すること)も相談できます。

DV防止法における2つの定義|配偶者と暴力の範囲とは

DV防止法は『配偶者からの暴力』から保護するための法律ですが、この法律で定義されている『配偶者』や『暴力』はどこの範囲まで含まれるのでしょうか。

 

ここでは、DV防止法における『配偶者』と『暴力』の定義について紹介します。

 

配偶者の定義

DV防止法では、DV加害者となる相手とは婚姻関係、内縁関係(事実婚)、同棲関係にあった者で、かつ同関係継続中に暴力等を行っていた者を想定しています。

 

結婚していなくても、同棲している場合は『配偶者』に含まれます。同棲していない交際相手から暴力を受けた場合は保護命令の対象とされるDVには含まれません

 

対処法や相談先については、こちら『配偶者に該当しない人からDV(デートDV等)をされた場合』を参考にしてください。

 

暴力の定義

DV防止法における『暴力』は身体的暴力と生命・身体に関する脅迫に限定されています暴力として以下のようなものが挙げられます。

 

  • 身体的暴力:叩く・蹴るなど身体または、生命に危害を及ぼす不法な攻撃
  • 精神的暴力:殺すなどの生命に対する脅迫など
  • 性的暴力:性行為・中絶の強要などの行為

 

ただし、精神的暴力や性的暴力に関して生命と身体に関する脅迫がない場合、ここでいう『暴力』に該当しないので、保護命令を申請することはできません。

DV防止法で禁止できる4つの行為

DV防止法では、身体的暴力をふるわれた・生命に対する脅迫を受けた被害者が、配偶者と会わないようにするために『保護命令』を申し立てることができます。

 

申立てを受けた裁判所は、被害者が身体または生命に重大な危害を受ける可能性があると判断した場合、『保護命令』を発令。『保護命令』とは下の図にある4つの命令の総称です。

 

 

ここでは、この4つの命令の内容について詳しく紹介します。

 

1:被害者への接近禁止命令

発令された日から6ヶ月間被害者の住居・身辺への付きまとい、勤務先や普段所在する場所(通勤路など)の徘徊を禁止する命令。

 

この命令を行うことで配偶者から離れ、別居後に家に押し掛けてくることを禁止できます。また、このような保護命令がでているにもかかわらず守らなかった場合は、罰則として100万円以下の罰金または1年以下の懲役が科せられる可能性があります。

 

しかし、この命令だけでは、電話やメールでの接触までは禁止されていません。完全に相手からの接触を禁止したい場合は『電話等の禁止命令』も一緒に発令してもらいましょう。

 

申立ては、こちら『保護命令とは|自分と子供を暴力から守る制度・手続きを解説』を参考にしてください。また、接近禁止で離れている間に離婚調停の手続きを進めておくことをおすすめします。

 

【関連記事】▶離婚調停の申し立て方法と短期で離婚を成立させるポイント

 

2:退去命令

発令された日から2ヶ月間被害者と住んでいる家から退去させ、住居付近の徘徊を禁止する命令。

 

退去命令を行うことで、配偶者を家から追い出すことが可能です。ただし、警察や弁護士の付き添いの元、荷物を取りに来る可能性がありますので、持って行かれたくないものは隠しておくとよいでしょう。

 

3:被害者の子または親族等への接近禁止命令

配偶者が被害者の子を連れ戻す・被害者が子に関して、または親族(社会的に密接な関係がある人)の住居への押しかけなどを禁止する命令。

 

命令が有効な期間は6ヶ月ですが、接近禁止命令が出ている間のみ有効になります。また、子供が15歳以上である場合は、子供の同意が必要です。親族に関しても、命令を発令する際は、同意が必要になります。

 

この命令により、「会わないなら、両親(友人)のもとに押しかけるぞ!」などと脅され、会わざるを得ない状況に陥ることを防止できます。

 

4:電話等禁止命令

この命令は、発令から6ヶ月間以下の行為を禁止する命令。

 

  • 被害者へ面会を要求
  • 被害者が行動を監視されていると思わせるようなこと(今日は●●にいた・今日は●色の服を着ているなど)を告知
  • 乱暴な言動(脅迫や物にあたることも含まれます)
  • 無言電話・緊急の用がないのに、連続での電話やメール(ファックス)の送信
  • 緊急時以外の夜間(午後10時~午前6時)の電話かけや、メール(ファックス)の送信
  • 汚物・動物の死体など不快や嫌悪を感じるようなものの送付
  • 名誉を侵害する行為
  • 性的羞恥心を侵害することの告知や、文書・写真などの送付

 

命令が有効な期間は6ヶ月ですが、接近禁止命令が出ている間のみ有効になります。

配偶者から暴力をふるわれた場合に相談・一時保護できる施設

配偶者から暴力をふるわれた場合、我慢していては身体的にも精神的にもよくありません。ここでは、相談や一時保護してくれる施設について紹介します。

 

【関連記事】
DVされた場合の相談先一覧
DV(ドメスティックバイオレンス)夫の特徴と相談先まとめ

 

配偶者暴力相談支援センター

配偶者暴力相談支援センターでは、DV防止・被害者保護のために以下のようなことを行っています。

 

  • 相談や相談機関の紹介
  • カウンセリング
  • 自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助
  • 被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助
  • 保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助

(引用:配偶者暴力相談支援センター|内閣府男女共同参画局)

 

相談は電話や来所のどちらでも可能です。まずこちら『配偶者暴力相談支援センター一覧』から最寄りの施設をお探しください。

 

婦人相談所

婦人相談所は、各都道府県に必ず1つ設置されており、相談や一時保護を行っています。また、巡回相談できる可能性がありますので、まずは最寄りの相談所(婦人相談所一覧)を探し、電話で確認してみましょう。

 

警察

配偶者に暴力をふるわれ、身体や生命の危険を感じた場合、迷わず110番に通報しましょう。通報を受けた警察は、被害者の安全を確保してくれます。また、今後の被害防止のために双方警察署への同行を求められるでしょう。

 

緊急以外の場合は『#9110』で電話相談できますし、各警察署の生活安全課相談係で直接相談をすることが可能です。また、必要に応じて配偶者暴力相談支援センターやカウンセリングできる相談先などの紹介も行っています。

 

相談以外にも、被害者に代わって配偶者に暴力をやめるという誓約書の作成を求めたり、暴力被害の証拠の集め方や自分の被害を防止するための具体的な証拠を紹介したりしています。

 

DV防止法の問題点と解消法

DV防止法は2001年に施行されたまだ新しい法律です。また、DVが夫婦間の問題ということから、周囲の人がDVになかなか気づくことができないという理由もあり、問題点がいくつかあります。

 

ここでは、DV防止法の問題点と解消法を紹介します。

 

モラハラでは保護命令を出してもらえない

暴力はなくても、配偶者からの耐えがたい人格否定や、嫌味といったモラハラを受けている人は少なくないでしょう。しかし、申立てができるのは、身体的な暴力や生命・身体への脅迫がある場合のみです。

 

たとえモラハラの証拠があっても、その内容がこのような暴力・脅迫に該当しなければ保護命令で守ってもらうことはできません。このような場合は、婦人相談所などに相談してとりあえず別居することをおすすめします。

 

婦人相談所では、一時保護なども受け付けていますので、住む場所が決まるまで保護してもらえることもあります。また、モラハラを行われていた証拠がある場合は、慰謝料請求できる可能性がありますので、離婚問題の解決に注力している弁護士に相談しながら離婚の準備を進めましょう。

 

【関連記事】
​モラハラとは|相談先一覧と離婚時の慰謝料相場と高額になる要因まとめ
モラハラで慰謝料を高額請求するための心得

 

無実なのに保護命令がでてしまう可能性がある

男性に多いのが、普段DVを受けているのは自分なのに、保護命令を発令されてしまったというケース。

 

でっちあげDVで保護命令まで出され現在別居中です。過去に何度か口論になった事はありますが、常に私が折れて妻の言い分を聞いてきた

(引用:結婚して1年半も経たないのに、妻が離婚調停|Yahoo!知恵袋)

 

また、勝手に子供を連れ去られてしまい半年間も会わせてもらえないとなると、夫婦関係修復は難しいでしょう。

 

この場合、自分から離婚調停を申し立てたり、子供に会うために面会交流調停を申し立てたりすることは可能です。まずは、離婚問題の解決に注力している弁護士に相談しましょう。

 

内縁関係や同棲関係に該当しない交際相手からDV行為をされた場合

このような場合は、保護命令の申立てはできません。そのような場合はどのようなことができるでしょうか。

 

デートDVの実態

以下のようなことをされた場合、デートDVの被害に遭っていると判断されるかもしれません。

 

身体的暴力

殴る・蹴る・物を投げつけられるなど、直接身体に危害を加えられることをいいます。また、酔った勢いでの暴力もDVに該当します。

 

精神的暴力

人格の否定や身体的特徴をばかにするなどの言葉での攻撃が精神的暴力。また、無視や物に当たり大きな音を出す行為・面倒なことを人の都合も聞かずに押し付ける行為も該当します。

 

性的暴力

性的行為の強要や避妊に協力しない、ポルノビデオや写真などを無理矢理みせることが性的暴力に該当します。

 

経済的暴力

お金を借りたまま返さない・デート費用の全額払いを強要するなどが経済的暴力です。また、無理矢理ものを買わせる行為も該当します。

 

行動の制限

スマホを細かくチェックし気に入らないところがあれば怒ったり、連絡先を勝手に削除したりする行為や人間関係について細かく口を出し、気に入らなければ怒り、周囲から孤立させようとする行為のことをいいます。

 

デートDVをされた場合の相談先

上項で説明したようなことをされた場合、早めに別れることをおすすめします。しかし、「どう別れていいのかわからない。」「今までされてきたことに対し相手を罰したい。」という場合は以下のようなところへ相談してみましょう。

 

婦人相談所

配偶者から暴力をされた場合に相談・一時保護できる施設』でも紹介した婦人相談所ですが、夫婦間のDV以外にも対応してくれます。

 

もちろん年齢の制限もありませんので、まずは電話相談することをおすすめします。

 

精神保健福祉センター

DVをしてくる相手の気持ちが分からない・精神的に疲れてしまった場合に相談することが可能です。特にこの施設は、精神保健の福祉に関する相談や指導を行っていますので、心のケアをすることが可能です。

 

こちら『精神保健福祉センター一覧』から最寄りのセンターをお探しください。

 

警察 

交際相手からの暴行や脅迫は刑事事件になりますので、緊急の場合は警察へ110番通報しましょう。現行犯の場合、必要に応じて逮捕の対応が可能です。

 

また、相手が別れた後にストーカー行為をしてくる場合は『ストーカー規制法』にのっとった対応をしてくれます。#9110への電話相談または最寄りの交番・警察署での来所して相談しましょう。

 

弁護士

交際相手から受けた暴行や脅迫に対して慰謝料請求できるケースがあります。また、暴行で受けたけがや、精神的暴力で心療内科に通った場合の診察料や薬代などを請求できる可能性があります。

 

【関連記事】▶離婚問題の弁護士費用の相場と費用を賢く低料金で抑える手順

 

まとめ

配偶者からの暴力は決してあなたのせいではありません。我慢をしていると心身ともに辛い思いをするだけでしょう。また、子供がいる場合、例え配偶者が子供に手を出していなくても家庭内で暴力が起きていることは悪影響を与えます。

 

DVは立派な不法行為なので証拠がある場合は慰謝料請求できる可能性が高いでしょう。慰謝料請求をする場合は、離婚問題の解決に注力している弁護士に相談ください。

 

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出典元一覧

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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