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公開日:2018.8.28  更新日:2021.4.28

モラハラ夫・妻にできるだけ高額な慰謝料を請求するには?

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
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モラハラの被害を受けた場合、慰謝料の請求をすることができます。

そもそも慰謝料とは精神的苦痛を与えられた分だけ支払われる損害賠償のことを指すため、モラハラにより精神的苦痛を受けていれば慰謝料の請求が可能です。

モラハラ被害者のなかには「どうせ請求するなら少しでも多くの慰謝料をもらいたい」と考えている方も多いでしょう。

この記事では、モラハラ被害を受けた方がより多くの慰謝料をもらうために、心得ておくべき基礎知識を解説します。

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この記事に記載の情報は2021年04月28日時点のものです

モラハラ慰謝料の相場

モラハラによる慰謝料は、モラハラの度合いや被害を受けた人の精神状態によって大きく変わります。

おおよその目安として50万円~300万円程度とされていますが、もちろん場合によっては300万円以上の慰謝料が認められる場合もあります。

モラハラが認められ慰謝料を獲得した裁判例

ここでは、実際にモラハラによる慰謝料請求が認められた事例を紹介します。

モラハラ夫への請求

2004年12月16日、妻への思いやりのなさが理由となり、夫に対して100万円の慰謝料の支払いが命じられました。

2005年3月8日、妻に対する心無い発言をし続けた夫に対して250万円の慰謝料の支払いが命じられました。

モラハラ妻への請求

2005年2月22日、夫に対する自己本位な態度により、妻に対して80万円の慰謝料の支払いが命じられました。

裁判の詳しい背景は分かりかねるため、モラハラ以外にも慰謝料獲得の要因になった出来事があったのかもしれません。

しかし、上記にある「妻へのおもいやりのなさ」「妻に対する心無い発言」「夫に対する自己本位な態度」などは明らかにモラハラ行為といえるでしょう。

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モラハラで慰謝料額を左右するポイント

モラハラを受けたことに対して慰謝料額を左右するポイントは以下のとおりです。

  1. モラハラの内容
  2. モラハラの期間
  3. モラハラを受けた側の非の有無・程度
  4. モラハラが原因の精神病の有無・程度
  5. 相手の経済力

「モラハラを受けたことでどれだけ大きな精神的苦痛を与えられたか」という点に着目しながら慰謝料の金額は決められます。

モラハラの内容が第三者からみても酷く、長期間にわたり精神的苦痛を与えられたことが証明された場合には、より高額の慰謝料が望めるでしょう。

また、モラハラ加害者の社会的地位が高かったり経済力があると判断された場合なども、高額の慰謝料が認められる可能性があります。

モラハラ被害で慰謝料をもらうための手順

モラハラ被害について慰謝料を請求する場合、以下の流れで進めていきます。

モラハラの証拠を集める

まずはモラハラの証拠を集めます。

慰謝料を請求するためにはモラハラされた事実の証明が最も大切でしょう。具体的にどのようなものが証拠になるのかは「証拠集めを徹底する」で後述します。

夫婦で話し合う

次に、モラハラ夫(妻)へ離婚の意思とともに、これまで苦しめられてきた分の慰謝料を請求することをはっきり伝えましょう。

モラハラ夫(妻)は、後先考えず感情で物事を言うタイプや、様々なことを調べつくして理論攻めしてくるタイプなどに分かれます。

特に後者の場合は、あなたを丸め込むために色々なことを反論してくる可能性が高いでしょう。

理論攻めしてくるタイプのモラハラ夫(妻)に負けないためには、あなたが一枚上手になるよう、離婚慰謝料に関する様々な知識を用いて話し合いを行うことが重要です。

話し合いをしたことで、新たなモラハラを受けてしまうことは避けたいところです。このような場合には、次の手順に進みましょう。

別居をする

モラハラを受けながらモラハラ夫(妻)と一緒に暮らすことは、あなたの心を疲れさせるだけです。できるかぎり早い段階で別居してください。

また、モラハラ夫(妻)に別居の事実を伝えるのが怖くて、勝手に出て行くことを考えている方もいるかもしれません。

しかし勝手に家を出てしまうと、あなたにとって後々不利になる可能性がありますので、必ず手紙やメールなどで別居したい意思を伝えて記録として残しておきましょう。

内容証明郵便で慰謝料請求する

慰謝料についての話し合いをしたら、内容証明郵便で慰謝料の請求をしましょう。

内容証明郵便とは、郵便局にて慰謝料を請求する内容の手紙を内容証明郵便として出すことで、「いつ」「どのような内容の手紙を」「誰が誰宛に出したか」などを証明してくれるものになります。

内容証明郵便のメリット・デメリット

内容証明郵便のメリットとして挙げられるのが、普通の手紙に比べて「慰謝料を払わなければ弁護士が出てくるのかもしれない」「裁判になるのかもしれない」と不安にさせる効果が期待できる点です。

しかし内容証明郵便には法的な効力がないため、内容証明郵便を受け取ってそのまま無視しても何の問題にもならないという点がデメリットです。

そのため、普通の人と感覚の違うモラハラ夫(妻)であれば、内容証明郵便が送られてきてもびくともしない可能性もあるでしょう。

これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、内容証明郵便を利用するかどうか一度検討してみてください。

調停を申し立てる

相手が慰謝料の支払いに応じない場合は、調停を申し立てましょう。

調停の流れ

お住まいの地域にある家庭裁判所に申し立てをして、後日指定された日に家庭裁判所に行き、調停委員を交えて離婚に向けた協議を行います。

調停の場では夫婦が直接顔を合わすことはないため、安心してモラハラに対する自身の言い分を述べることができます。必要書類を持って直接家庭裁判所に行くか、郵送で申し立てを行いましょう。

家庭裁判所は【各地の裁判所一覧|裁判所】からお探しください。

費用と必要書類

まとめると以下の通りで、必要書類は追加で請求されることがあります。

  • 1,200円分の収入印紙
  • 連絡用切手
  • 夫婦関係調整調停(離婚)申立書と写し
  • 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)

申立書は【夫婦関係調整調停申立書|裁判所】からダウンロードできます。

記入例は【記入例(夫婦関係調整(離婚)|裁判所】をご覧ください。

最終的には裁判で決着をつける

調停の際、慰謝料の支払いを拒否するモラハラ夫(妻)に対しては、調停委員から慰謝料を支払うよう促すことができます。

しかし最終的に支払いを認めない限り、慰謝料をもらうことは難しいでしょう。

最後まで支払いを拒否された場合には、裁判を起こすことになります。

裁判の流れ

まず裁判所に訴状を提出し、後日モラハラ夫(妻)の元に訴状が届きます。

訴状には裁判の日付が書いてありますので、裁判の日を迎えたら裁判所に出向き、裁判が始まります。

裁判についての詳しい流れは以下をご覧ください。

 慰謝料をできるだけ増額させるためにできること

「モラハラで傷つけられた分、少しでも多くの慰謝料をもらいたい」と考える方が多いでしょう。ここでは、慰謝料増額のためのポイントを解説します。

証拠集めを徹底する

可能な限り、証拠になりそうだと思うものは全て用意しておきましょう。

証拠になりうるものとしては以下の通りです。

  1. モラハラを受けたときの様子がわかる音声
  2. モラハラ夫(妻)とやりとりしたメール
  3. 心療内科の診断書・処方箋
  4. モラハラを受けた日々をつづった記録
  5. モラハラの相談をした人の証言
  6. カウンセラーの証言(カウンセリングを受けていた場合)

①~③についてはモラハラの事実や精神的苦痛を与えられたものとして証明できるものですが、④~⑥は裁判では有力な証拠にはならない場合もあります。

もちろん用意して意味がないことはありませんが、裁判でもっとも重要視されるのは①~③の証拠でしょう。

また上記以外にも証拠になりそうだと思うものがあれば、用意しておいてください。

すでに別居している場合は婚姻費用を請求しよう

すでにモラハラ夫(妻)と別居している場合は、調停申し立ての際に婚姻費用分担請求調停を申し立てましょう。

婚姻費用とは「別居中、夫婦のうち収入の多い方が収入の少ない方に支払う生活費」のことを指します。

夫婦は本来助け合って生きていくものですから、生活を助けてもらうために、収入の少ない方が多い方に対して生活費を要求することができるのです。

なお申し立ての際は、新たに以下の必要書類と費用が発生しますのでご注意ください。

費用と必要書類

まとめると以下の通りで、裁判所から追加書類の提出を求められることもあります。

  • 1,200円分の収入印紙
  • 連絡用切手
  • 婚姻費用の分担請求調停の申立書
  • 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 年収を証明するもの(源泉徴収票など)

申立書は【婚姻費用分担請求申立書|裁判所】からダウンロードできます。

記入例は【記入例(婚姻費用分担) |裁判所】をご覧ください。

モラハラ被害者は心のよりどころを作れていますか?

モラハラ被害者は慰謝料獲得に向けて動くことも必要ですが、なにより大切なのはモラハラ被害を受けたあなたの心の状態を安定させることです

モラハラ夫(妻)と一緒に暮らす中で、毎日心無い言葉をかけられ続け、ずいぶん無理してきたのではないでしょうか?

慰謝料獲得に向けて一生懸命動くことは良いことですが、まずはご自身の心のよりどころを確保してください。

両親や友人に頼れる場合は問題ないかもしれませんが、誰にも頼れないという方は以下の相談機関を利用してみることをおすすめします。

配偶者暴力支援センターは、身体的・精神的暴力などの配偶者に対する悩みを打ち明けられる相談機関です。

モラハラ夫(妻)の暴言や嫌がらせがあまりにも酷い場合には、モラハラ夫(妻)から一時保護してくれる場合もあります。

もしモラハラを受けていることを相談できずに1人で耐えている場合は、ぜひ利用して心の内を明かしてみてください。きっとあなたの力になってくれるでしょう。

まとめ

これまで辛い思いをしてきた分、あなたには慰謝料をもらう資格があると言えるでしょう。

慰謝料獲得に向けて手続きを進めるにあたっては自身の心の状態なども考慮して、もし一人では対応が難しければ弁護士のサポートを得ることをおすすめします。

慰謝料をもらえるその日まで大変に感じることもあるかもしれませんが、モラハラ夫(妻)に負けない気持ちを持って過ごしてください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

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