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モラハラは、後遺症として症状が残るケースがあります。
しかし、モラハラの後遺症は多くの方に知られていないため、自分の症状が後遺症だと気づいている方は少ないでしょう。
また、モラハラの後遺症によって新しい生活のなかで支障が出ている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、どのような症状がモラハラの後遺症なのかについて解説します。
あわせて、モラハラの後遺症で損害賠償請求ができるのかについても解説します。
過去にモラハラを受けていて、そのショックが大きいものだった場合、後遺症になるケースがあります。
しかし、モラハラの後遺症は単に体調不良だと感じてしまうケースがあるため、自分では後遺症だと気づきにくいです。
以下で、モラハラの主な後遺症の症状を解説するので、過去にモラハラを受けていた方は、自分に当てはまるかどうかチェックしてみてください。
食欲不振や不眠は、モラハラの後遺症のひとつです。
たとえば、モラハラから解放されたにも関わらず、食欲が出なかったり、夜にモラハラを思い出して眠れなかったりするのであれば、モラハラの後遺症だと考えてよいでしょう。
また、寝ている間にモラハラの夢を見て起きてしまうのであれば、後遺症と考えられます。
食欲不振も不眠も日常生活に支障をきたしてしまうので、長く続く場合はできるだけ早く医師に相談してください。
人間不信もモラハラ後遺症のひとつです。
モラハラの言動として、信じていたパートナーから冷たい態度や威圧的な態度をとられたりすることもあります。
そのため、パートナーではない友人などに対しても「不快なことをしてしまうことで突き放されてしまうのではないか」「不快なことをしてしまうことで態度が豹変してしまうのではないか」と考えてしまうのです。
どれだけ周りから親切にされても「この人も自分に対してきつくあたる人なのかもしれない」と想像してしまい、自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。
このように、対人関係に支障が出ているのであれば、モラハラの後遺症と考えられます。
モラハラ後遺症のひとつとして、加害者とよりを戻してしまいたくなるケースがあります。
モラハラ被害者には、常に「不安」がつきまとうからです。
たとえば、パートナーから「お前はダメだ」「一人では何もできない」と言われ続けることによって生まれた「自分は何もできない」という不安は、パートナーから離れたあとでも「やはりあの人といたほうがよかったのではないか?」という考えに至ります。
そのため、たとえ離婚をしていても、加害者とのつながりや依存を求めてしまう場合があるのです。
感情が不安定になり、自分の喜怒哀楽をうまくコントロールできない症状も、モラハラ後遺症のひとつです。
日常生活のなかで、急に怒ったり泣き出したりしてしまう症状は、モラハラ後遺症と考えてよいでしょう。
これは、モラハラ状態から脱却し、抑圧されていた感情が表に出てしまうことが原因だと考えられます。
モラハラ後遺症の症状にあてはまる場合は、何かしらの病気になっている可能性があります。
とくに多いのは、うつ病やパニック障害です。
そのほかにもモラハラが原因で身体的・精神的な病気に陥っている可能性があるので、少しでも後遺症の症状が出ている場合は、一度心療内科や精神科を受診し、自分が何らかの病気にかかっていないかを把握しておきましょう。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、主に死の危険に直面したときに、その体験が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出される病気です。
フラッシュバックすることで、不安や緊張が高まってしまいます。
主に「死の危険に直面したとき」に起きるといわれていますが、強い恐怖感を受けるモラハラでも同じような症状が起きます。
具体的な症状は、以下のとおりです。
さらに、モラハラ後遺症の場合は「複雑性PTSD」と呼ばれ、上記の症状のほかに「感情のコントロールができない」「自分を否定したり傷つけたりする」という症状がみられることがあります。
自分に自信をもてなかったり自分を否定してしまったりするような状態は、モラハラ後遺症が原因の「うつ病」の可能性があります。
初期症状としては、ストレスによるイライラ感や倦怠感、不眠、食欲不振程度です。
しかし、症状が進行すると、抑うつ状態となり「自分が全て悪い」「自分は価値のない人間だ」と自分を責めるようになります。
常にやる気が起きない状態であるため、日常生活や仕事にも支障をきたしてしまうでしょう。
パニック障害は、突然理由もなくめまいや動機、呼吸困難の症状におそわれ、激しい不安や恐怖が発作的に起こる病気です。
身体的な症状が先に出るか精神的な症状が先にでるかには、個人差があります。
呼吸困難になってから不安を感じる方もいれば、不安を感じてから呼吸困難になる場合もあります。
発作の症状自体は数十分から1時間で治まるケースがほとんどですが、仮に病院に行ったとしても「どこも悪くない」と診断されてしまうでしょう。
もし、このように明らかに症状が出ているにも関わらず「どこも悪くない」と言われてしまう場合は、パニック障害になっている可能性が高いです。
モラハラによって、摂食障害になるケースもあります。
摂食障害とは、極端な食事制限をしたり体重増加を防ぐための行動を繰り返したりしてしまう病気です。
医療の世界では、極端な食事制限をおこなう摂食障害を「神経性食欲不振症」、体重増加を防ぐための行動を繰り返す摂食障害を「神経性過食症」と呼びます。
摂食障害は、主にパートナーから体型について指摘されたり暴言を浴びせられたりすることで起きる可能性があります。
パートナーと離れたあとも自分の体型に自信をもてず、過剰な行動に走ってしまうのです。
モラハラによって依存症を招く可能性があります。
なぜなら、モラハラは被害者の生きる軸にもなってしまうからです。
モラハラを受けている間は「パートナーのために」という気持ちが働き、常に不安ややらなければいけないことで頭の中が埋め尽くされます。
しかし、パートナーと離れてしまうことによって、自分が何をしたらよいのかわからなくなってしまうのです。
その心の隙間を埋めるために、アルコールやギャンブルなど、さまざまものに依存してしまいます。
カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群をもつパートナーとコミュニケーションを築けないために生じる、身体的・精神的症状を表す言葉です。
カサンドラ症候群による身体的・精神的な症状には個人差があり、少しの体調変化で済むケースもあれば、日常生活を送ることが難しくなるほど重症になる場合もあります。
カサンドラ症候群の代表的な主な症状は、以下のとおりです。
パニック障害やうつも、カサンドラ症候群のひとつです。
ただし、先述したように、カサンドラ症候群は、パートナーがアスペルガー症候群であることが前提になります。
モラハラ後遺症は、日常生活にも支障をきたします。
そのため、できる限りで克服するための行動をとってみてください。
どの程度の期間で回復するかは、モラハラ被害の程度や本人の性格によって異なるため、一概にはいえません。
しかし、何もせずに放置していると、後遺症が続くばかりか悪化してしまう恐れもあります。
以下で3つの克服方法を解説するので、モラハラ後遺症の自覚がある方は、ぜひ参考にしてください。
精神的なモラハラ後遺症の症状に悩まされている場合は、まずはゆっくり休む時間をとりましょう。
弱った心や体を癒すには、何よりも休息が必要です。
今後の行動や後遺症との向き合い方に悩んでしまうかもしれませんが、今の弱っている状態では、冷静な判断ができません。
そのため、焦って答えを見つけようとせず、今は頭をすっきりさせることだけに集中してください。
人によっては、時間が解決してくれるケースもあります。
自分を追い込めば追い込むほど不安は強くなってしまうので、自分のペースで向き合っていきましょう。
モラハラのトラウマを克服するには、気持ちを切り替えて前向きな思考にすることが大事です。
モラハラ加害者と離れた生活であれば、自由な時間を確保しやすく新しいチャレンジもしやすい環境なので、仕事や趣味など、夢中になれるものを探してみましょう。
何か新しいことに打ち込むことで、毎日の生活に張りが出ますし、新しい仲間もできます。
また、夢中になれることがあれば、依存症防止にもなります。
今までできなかったことに挑戦して、少しずつ過去の嫌な記憶を薄れさせていきましょう。
何をしてもモラハラ後遺症のトラウマが克服できない場合は、無理に自分でどうにかしようとせずに、専門家の診察と治療を受けましょう。
大きなトラウマがある場合には、どれだけ休んでも新しい仕事や趣味に没頭しても、克服できない場合があります。
とくに、すでにうつ病を発症している場合は、早めの治療が大切です。
主な受診先は、心療内科や精神科となります。
治療方法は投薬のほか、行動療法などもありますが、どの治療が適切かは人によって異なります。
また、治療を開始してから克服できるまでの期間も人によって異なるので、一概にどれくらいの期間で回復するとはいえません。
しかし、そのまま放置しておくと症状が悪化してしまう恐れがあるので、まずは一度診察してもらいましょう。
元パートナーのモラハラが原因で後遺症になっているのであれば、損害賠償できる可能性はあります。
しかし、難易度は高いです。
以下では、モラハラ後遺症で損害賠償請求をおこなうポイントや注意点について解説します。
モラハラ後遺症で損害賠償請求をおこなうには、証拠と因果関係が必要です。
過去のモラハラによる症状であると断言できる証拠や因果関係がなければ、損害賠償請求を認めさせるのは難しいでしょう。
実際に症状が出ていると主張しても「当時から時間が経過しているのだから因果関係はない」と主張されてしまう可能性もあります。
損害賠償請求ができないわけではありませんが、過去のモラハラが原因となると、難易度はかなり高いです。
元配偶者に対して、モラハラ後遺症で損害賠償をおこなう場合は、離婚から3年以内に請求をおこなわなければいけません。
なぜなら、民法724条により損害賠償請求権の時効は、損害および加害者を知ったときから3年と定められており、離婚慰謝料の請求権は離婚時から3年で消滅するとされているからです。
そのため、たとえモラハラ後遺症があった場合でも、離婚から3年経過しているのであれば損害賠償請求はできません。
ただし、3年の間に裁判を起こせば時効の完成は猶予されます。
後遺症の原因が元配偶者から受けたモラハラだと考えられる場合は、なるべく早めに弁護士に相談しましょう。
元配偶者に対する損害賠償請求の難易度は高いですが、まったく認められないわけではありません。
離婚が成立して比較的間もない時期であったり、モラハラを裏付ける証拠(元配偶者とのメールやSNS等のやり取り、暴言を録音した音声データ、モラハラを受けていた当時につけていた日記やメモまたは友人や家族に相談したメールやSNSのやり取りなど)や現在の症状の原因はモラハラであるとの医師の診断があるケースであったりすれば、損害賠償請求をできる可能性はあります。
しかし、これらの証拠を集め、証拠に基づいて主張を考えるのは被害者一人では難しいです。
弁護士に依頼すれば、損害賠償請求の可否を判断できるうえに、証拠集めのアドバイスなどもおこなってくれます。
モラハラ後遺症による損害賠償請求は難しいですが、ご自身で可否を判断せず、一度相談してみてから決めましょう。
場合によっては、損害賠償請求ができる可能性もあります。
もし今回解説した症状に当てはまっていて、その原因が過去のモラハラだと感じるのであれば、一度弁護士に相談してみてください。
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