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モラハラとは?言動チェックリストやモラハラから抜け出す流れを詳しく解説

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「お前が悪い」「誰のおかげで生活できているんだ」

上記のようなモラハラ発言を、配偶者や恋人、職場の上司から浴び続けて疲弊している人もいるでしょう。身体的な暴力がなくても、言葉や態度で相手を傷つけ、精神的に追い詰める行為は、モラハラ(モラル・ハラスメント)にあたります。

自分が長年受けてきた苦痛がモラハラに当たるかどうかを、本記事を通して確かめていきましょう。

本記事では、モラハラの定義やほかのハラスメントとの違い、モラハラのチェックリストを解説します。モラハラから抜け出すための手順や、無料で使える相談窓口も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

モラハラとは精神的苦痛を継続的・一方的に与える行為

モラハラとは精神的苦痛を継続的・一方的に与える行為

モラハラ(モラル・ハラスメント)とは、言葉や態度で相手の尊厳を傷つけ、精神的な苦痛を与え続ける行為を指します。簡単にいうと、暴力を使わない継続的な嫌がらせです。

身体的な暴力がなくても、暴言や無視、威圧的な態度が長期間くり返されれば、モラハラにあたります。具体的には、人格を否定する発言や、相手を見下す言葉などです。

否定や無視が積み重なると、被害者は「自分が悪いからだ」と思い込まされるものです。気づかないうちに、加害者の支配下に追い込まれるケースも少なくありません。夫婦や恋人、職場などの閉鎖的な関係ほど起こりやすいのも特徴です。

モラハラは被害に気づきにくいため深刻化しやすい

モラハラは、被害者本人も周囲も被害に気づきにくく、知らないうちに深刻化しやすい点が問題です。

殴る蹴るといった身体的暴力と違い、モラハラには目に見える傷が残りません。あざや診断書といった証拠が出ないため、被害を受けている本人ですら「自分が我慢すればいい」と問題を見過ごしがちです。

加害者が外では穏やかにふるまう例も多く、周囲もなかなか異変に気づけません。友人や家族に相談しても、「考えすぎではないか」と軽く受け止められるケースもあります。

被害が長引くほど、心身への負担は重くなっていきます。気分の落ち込みや不眠が続くなど、自分の状態に違和感を覚えたら、早めに専門の相談窓口を頼ってみましょう。

モラハラ被害を受けていると自覚しても離れられない理由

モラハラだと自覚しても離れられないのは、加害者から心理的にも経済的にも支配されているからです。

モラハラ加害者は、激しく責めたあとに急に優しくなる傾向があります。優しい一面を見せられると、被害者は「本当はいい人だ」「自分さえ我慢すれば」と期待し、関係を断ち切れなくなりがちです。

しかし、長く否定されると被害者の自己肯定感は下がり続けるため、加害者から逃げる気力もなくなります。専業主婦やパート勤務で収入が少ない場合、経済的な不安から別れを切り出せないケースも多いです。

一人で抜け出すのが難しいと感じたら、弁護士や公的な相談窓口に状況を打ち明けてみましょう。第三者の視点が入ると、現状を客観的に見つめ直すきっかけになります。

モラハラとほかのハラスメントとの違い

モラハラは、セクハラやパワハラ、DVと混同されやすいハラスメントです。自分が受けている苦痛がモラハラに該当するかを把握するために、それぞれの違いを整理しておきましょう。

ハラスメント 主な特徴
モラハラ 言葉や態度による精神的な嫌がらせ全般
セクハラ 性的な言動による嫌がらせ
パワハラ 職務上の地位や優位性を利用した嫌がらせ
DV 嫌がらせを超えた、配偶者や恋人からふるわれる暴力

モラハラとセクハラの違い

モラハラとセクハラの違いは、嫌がらせの手段にあります。セクハラ(セクシュアル・ハラスメント)は性的な言動により相手に不快感を与える嫌がらせを指し、モラハラは精神的な嫌がらせ全般を指します。

両方が複合的に起こるケースも少なくありません。性的な発言と人格否定が同時にあるなら、両方のハラスメントを受けていることになります。

モラハラとパワハラの違い

モラハラとパワハラの違いは、立場の優位性を使うかどうかです。

パワハラ(パワー・ハラスメント)は、職務上の地位や優位性を利用して身体的・精神的な嫌がらせを被害者に与えます。つまり、上司から部下に対して向けられるものです。

モラハラは、優位性を利用するとは限らず、同僚間や夫婦間などの対等な関係でも起こりえます

業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動はパワハラ、日常的な人格否定はモラハラに分類されると考えてよいでしょう。

モラハラとDVの違い

モラハラとDVの違いは、暴力の種類にあります。

DV(ドメスティック・バイオレンス)は、嫌がらせの範疇を超えた身体的な暴力を指します。たとえば、殴る・蹴るなどの身体に直接危害を加える行為はDVに該当します。

一方、モラハラは人格を否定したり、無視を続けたりする精神的な暴力です。

ただし、DVとモラハラは明確に区別できるとは限らず、両方が同時におこなわれるケースも多く見られます。暴力の内容にかかわらず、相手の言動によって心身に危険を感じたら、一人で抱え込まずに専門機関や弁護士へ相談しましょう。

モラハラを理由にした離婚や慰謝料請求は可能!

モラハラを理由にした離婚や慰謝料請求は可能です。

継続的な精神的苦痛は、法定離婚事由の1つである「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたる可能性があるためです。法定離婚事由とは、民法770条1項で定められた離婚できる要件を指します。

法定離婚事由

法定離婚事由がなくても、夫婦の合意があれば離婚できる協議離婚や調停離婚なら、離婚は成立します。
しかし離婚裁判になった場合は、裁判官が離婚の可否を決定するため、モラハラが法定離婚事由に該当する旨を客観的な証拠で証明しなければなりません。

また、慰謝料は精神的な苦痛に対する損害賠償のため、モラハラを理由にした慰謝料を請求できます。ただし、離婚請求と同様に、慰謝料請求をするには客観的な証拠が欠かせない点に注意してください。

モラハラの慰謝料相場は50万円〜250万円

モラハラの慰謝料相場は、被害の期間や程度、相手の収入によっても異なりますが、おおむね50万円〜250万円です。長期にわたるモラハラで、証拠がある場合は、相場を上回ることも珍しくありません。

しかし、証拠が乏しいと請求できる金額は下がりやすくなります。録音やメモ、診断書をどれだけ集められるかが、金額を決める要素になります。

ただし、モラハラの慰謝料請求には時効がある点に注意しましょう。
離婚に伴う慰謝料請求は、損害および加害者を知ったときを起算点として3年間、または、不法行為(モラハラ)があった日を起算点として20年間です(民法第724条)。

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あなたは大丈夫?モラハラ被害セルフ診断チェックリスト

自分が受けている言動がモラハラかどうか、判断に迷う方は多いです。モラハラの見分け方として有効なのが、具体的な言動をひとつずつ確認していく方法です。

下記では、家庭内と職場でよくあるモラハラ言動を、チェックリスト形式で紹介します。

家庭内で起こるモラハラ一覧

家庭で起こるモラハラは、夫や妻、恋人から日常的に向けられる暴言や無視、束縛として現れがちです。下記のような言動が日常的にあるなら、モラハラを受けていると考えてください。

  • 「誰のおかげで生活できているんだ」と人格を否定する
  • 「お前はバカだから何もできない」と能力を繰り返し否定する
  • 気に入らないことがあると数日間にわたって無視する
  • 舌打ちやため息で不機嫌さを示し、相手を威圧する
  • 生活費を渡さず、お金の自由を奪う
  • 友人や実家との付き合いを極端に制限する
  • 携帯電話を勝手に見て、交友関係を監視する
  • 感謝や謝罪を一切しない
  • 反論すると、さらに激しく責め立てる

家庭内のモラハラは、自分を大事にしているものと勘違いしやすい点に注意しましょう。上記のような言動は、愛情ではなく支配のサインです。

職場で起こるモラハラ一覧

下記のような行為が続くなら、職場でモラハラを受けている可能性が高いです。

  • ほかの社員の前で「こんなこともできないのか」と大声で怒鳴る
  • 能力を不当にけなし、自信を奪う発言を繰り返す
  • 挨拶をしても無視する
  • 業務に必要な情報を、わざと共有しない
  • 一人だけ会議や連絡から外す
  • プライベートな事柄に過剰に干渉する
  • 飲み会への参加や席での振る舞いを強要する
  • 達成不可能な仕事量を押し付ける
  • 評価や昇進で不当に冷遇する

挨拶の無視や情報共有の遮断は、いじめや嫌がらせ行為です。業務上の必要性がないのに相手を追い詰めるなら、我慢せず社内外の窓口に相談してみましょう。

モラハラが被害者に与える影響

モラハラは、長く受けると被害者自身の健康や周囲の家族にまで深刻な影響が及びます。本章では、精神的な病気のリスクと、子どもへの悪影響の2つに分けて解説します。

精神的な病気を発症する恐れがある

モラハラを受け続けると、うつ病や適応障害、PTSDなどを発症する恐れがあります。日常的なストレスが、心身を少しずつむしばんでいくためです。

「自分が悪い」と思い込まされる状態が続くと、自尊心が壊され、逃げ出す気力まで奪われます。モラハラがストレスの原因となり、不眠や食欲不振、激しい動悸といった不調が現れるケースもあるでしょう。

モラハラは、被害が深刻になるほど自力での回復は難しくなります。心身に不調を感じたら、モラハラ加害者に気づかれないように心療内科へ受診しましょう。加害者にバレると、より強い束縛や暴言を言われるなどの被害に遭うリスクがあります。

子どもに悪影響を与える可能性がある

モラハラは、やり取りを見聞きして育つ子どもにも深刻なダメージを与えます。親が怒鳴ったり無視したりする姿を日常的に見せる行為は、子どもへの心理的虐待になるためです。

心理的虐待にさらされた子どもは、自己肯定感が下がりやすくなるため、他人の顔色ばかりを気にする性格に育つリスクもあります。集中力が下がったり、うつ病などを発症して自傷行為をするかもしれません。

子どもを守り、健やかな環境を取り戻すためにも、早めにモラハラから離れる決断をしましょう。配偶者からのモラハラにより、子どもの将来に不安を感じる方は、別居や離婚を検討してください。

親権を決めるとき、家庭裁判所は子どもの利益を重視します。
日常的に加害者がモラハラを子どもの前でしていた場合は、子の養育環境にふさわしくないと判断され、親権争いで不利になりやすい傾向があります。
モラハラの事実を示す証拠がそろっていれば、被害者が親権を得られる可能性が高まるため、早めに弁護士へ相談しておきましょう。

モラハラ加害者に多い特徴5つ

モラハラ加害者に多い特徴5つ

モラハラ男やモラハラ女には、共通する思考や行動のパターンがあります。特徴を知っておくと、相手の言動に振り回されにくくなるため、本章で解説する加害者に多い5つの特徴を順に見ていきましょう。

1.自己中心的でプライドが高い

モラハラ加害者の多くは、自分が常に正しいと思い込んでいるため、自らの非を認めて謝るケースはほぼありません。些細なミスも許さず、自分の価値観を一方的に押し付けてきて、相手を自分の思いどおりに従わせようとします。

またプライドが高く、他人の成功や評価を素直に喜べないのも、共通する傾向です。相手を見下す・貶めるなどで、自分のプライドを保とうとします。少しでも反論されると、プライドを傷つけられたと感じて、「口答えするな」と攻撃を強める加害者も少なくありません。

2.他責思考で被害者意識が強い

モラハラ加害者は、問題が起きると責任を相手に押し付けます。「お前が悪い」「周りのせいだ」と、自分の非を認めようとしません。自分が怒って暴言を吐いたときでさえ、「俺を怒らせたお前が悪い」と、責任を転嫁します。

「俺はこんなに頑張っているのに理解されない」という被害者意識も強いです。他人に責任を求める思考が根づいているため、話し合いだけで反省を促すのは困難です。何度伝えても自ら改善する加害者は、ほとんどいないと考えておきましょう。

3.外面がよく家では豹変する

外と家庭で態度を使い分けるモラハラ加害者も多いです。職場や友人の前では愛想がよく、家庭のなかや特定の相手にだけ冷酷になります。

周囲の人には「良い夫」「優しい彼氏」と印象付けるため、被害を相談しても信じてもらいにくいのが実情です。「あんないい人が?」と、かえって被害者が疑われるケースもあります。

モラハラ被害者は孤立感を深めやすく、自分が悪いと思い込んでしまいがちです。周囲から孤立させられて、逃げ場を失う前に離婚や別居を検討しましょう。

4.相手を束縛して行動を制限する

モラハラ加害者は、相手が自由に行動することを極端に嫌がるため、誰とどこへ行くのかを常に把握したがる点が特徴です。

LINEの返信をすぐに求めたり、外出のたびに報告させたりして、相手の時間を奪います。すぐ返信をしないと不機嫌になるため、被害者が常に縛られた状態に置かれます。

また束縛するモラハラ加害者は、よく「お前のために言っている」と愛情や心配を装う発言もしがちです。しかし、人間関係を切り離して自分だけに依存させようと仕向けているだけなので、報告の強要や交友制限が続くなら距離を置きましょう。

5.常に優位に立とうとする

モラハラ加害者は、常に自分が上の立場に立ちたい、相手を支配したいと考えています。相手が経済的に自立したり、新しい知識を得たりするのを嫌がる傾向が強いです。立場が対等になるのを恐れ、就職や勉強を妨害するケースもあります。

収入や学歴の差を持ち出して、優位性を強調するのも特徴です。「誰が食わせてやっているんだ」と、相手を見下す発言を繰り返します。最終的に、被害者は自信を失い、加害者の顔色を伺いながら生活するようになります。

モラハラ被害者によくある特徴5つ

モラハラ被害者によくある特徴5つ

モラハラ加害者は、被害者の性格や状況につけ込みます。本章で解説するモラハラ被害者によくある傾向を知っておくと、「自分は悪くない」と気づくきっかけになります。

なお、以下で解説する特徴は、あくまで被害に遭いやすい傾向であり、被害者を責めるものではありません。それでは順に見ていきましょう。

1.気が弱く自己主張が苦手

自分の意見を強く言えない人は、モラハラ加害者に付け込まれやすい傾向にあります。反論せずに黙る姿勢が、相手をつけ上がらせるからです。

自己主張が苦手な人は、争いごとを避けたいあまり、理不尽な要求でも断れずに受け入れがちです。モラハラ加害者は「この相手なら反撃してこない」と見下し、攻撃をエスカレートさせます。

しかし自己主張が苦手なのは、優しさや平和主義の裏返しでもあります。被害者自身が「気が弱い自分が悪い」と責める必要は、まったくありません。

2.自己肯定感が低い

自己肯定感が低い人は、加害者の言葉をそのまま真に受けやすい傾向があります。「自分はダメな人間だ」という思いが、相手の暴言を受け入れる下地になっているため、理不尽な扱いを受けても、怒りや違和感を抱きにくいのが特徴です。

自己肯定感の低さは、過去の家庭環境や経験から来る場合も少なくありません。一人で抜け出すのが難しいときは、弁護士などから客観的な視点を聞いてみましょう。

3.他人の意見に流されやすい

自分で決断するのが苦手で、他人に頼りがちな人も、モラハラ関係に陥りがちです。流されやすい性格は、加害者にとって支配しやすい相手だからです。「俺の言うとおりにすればいい」という自信満々な態度に、安心感を覚えているケースもあります。

しかし、最初は頼もしく見えても、判断をゆだねるうちに思考が縛られていく点に注意しなければなりません。気づいたころには、相手の顔色をうかがわないと行動できなくなり、自分の意思で物事を選べなくなります。

「束縛されるのは愛されている証拠」と感じる前に、相手の言動が本当に自分を大切に思ってのものなのか、冷静に見直してみましょう。

4.責任感が強く一人で我慢しがち

真面目で責任感が強い人も、モラハラ関係で疲弊しやすい傾向があります。なんとか関係を修復しようと一人で努力し、限界を超えても我慢を続けるため、SOSを出すのも遅れがちです。精神的な病気を発症してから、ようやく周囲に打ち明ける方も少なくありません。

しかし、自分が我慢しても加害者が変わることは、ほとんどありません。「相手は変わらない」と受け入れたとき、解決への第一歩を踏み出せるでしょう。

5.他人に相談できない

家庭やプライベートの悩みを人に話せず、一人で抱え込むタイプもモラハラ被害に陥りやすい傾向にあります。「相談しても信じてもらえないのでは」「大げさだと思われたくない」と、相談をためらう方は少なくないですが、我慢を続けると状況は悪化する一方です。

友人や家族に話しづらいときは、弁護士や公的窓口などの第三者を頼ってみてください。守秘義務があるため、相談した内容が第三者にバレる心配がありません。

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モラハラから抜け出すための手順4ステップ

モラハラから抜け出すための手順4ステップ

モラハラから抜け出すには、慎重に準備を進めるのが大切です。本章では、証拠集めから離婚までの4つのステップを順に解説します。

1.モラハラの証拠を集める

モラハラから抜け出すなら、同居中や交際中のうちに被害を証明できる証拠を集めておきましょう。別れたあとでは、証拠の確保が一気に難しくなるためです。

有効な証拠は、暴言の録音や動画、威圧的なメッセージのスクリーンショット、医師の診断書などです。日記に「いつ・どこで・何を言われたか」を具体的に記録するだけでも、立派な証拠になります。

どの証拠を優先すべきか迷うときは、早めに弁護士へ相談してみましょう。

「相手に無断で録音しても証拠にできるのか」と心配する方は少なくありません。
自分が当事者として参加している会話であれば、無断で録音しても、原則として離婚や慰謝料請求の証拠に使えます。
隠し撮りに抵抗があっても、身を守るための記録としてためらわず残しておきましょう。

2.家族や友人に相談する

証拠が揃ったら、モラハラ被害を一人で抱え込まずに信頼できる人へ打ち明けましょう。客観的な意見は、自分が被害者だと気づく大きな助けになり、味方がいると実感すれば、追い詰められた気持ちが少し軽くなります。

自分がモラハラに耐えなくていいと思えると、加害者から離れる決意も固まりやすくなります。身近に頼れる人がいない場合や、職場のモラハラに悩む場合は、公的窓口や社外窓口を活用してください。第三者が間に入るだけで、解決の糸口が見えてきます。

3.加害者と距離をおく

相手からのモラハラから抜け出すなら、思いきって距離を置くのが効果的です。物理的に離れて別居すると、身の安全を確保できるため、冷静に状況を見つめ直せます。相手からの暴言や人格否定を受ける機会もなくなるため、精神的な負担の軽減にもつながります。

別居期間中は、自分の気持ちや今後の生活について整理しやすくなるでしょう。ただし、無計画に家を出ると離婚や生活費の面で不利になる場合もあるため、事前に弁護士へ相談しておくと安心です。

4.離婚する

安全を確保して証拠もそろったら、いよいよ離婚に向けた話し合いや手続きを始めましょう。準備が整ってから動くと、財産分与や親権などの条件について、有利に進められる可能性が高まります。

ただし、モラハラ加害者に直接離婚の交渉をするのはおすすめできません。丸め込まれたり脅されたりして、不利な離婚条件で合意する恐れもあるため、離婚の話し合いは弁護士を通じて進めましょう。

弁護士に依頼すれば、相手とのやり取りを任せられるだけでなく、法的な観点から適切なアドバイスを受けられます。
精神的負担を軽減しながら離婚の手続きを進めるためにも、弁護士のサポートを活用しましょう。

モラハラ加害者と離婚する流れ3ステップ

モラハラから抜け出す手順を把握したら、離婚の流れも理解しておきましょう。以下では、モラハラ加害者と離婚する流れを3ステップにわけて解説します。

1.夫婦で話し合う

離婚はまず、夫婦の話し合いで合意を目指すところから始まります。話し合いで離婚と財産分与や親権などの条件をまとめることを協議離婚といいます。

ただし、モラハラ加害者は自分が悪いと思っていないケースがほとんどで、協議離婚にすんなり応じるケースは、決して多くないのが実情です。

二人きりの話し合いでは、威圧されて不利な条件を飲まされる恐れもあります。親族に同席してもらう、弁護士に依頼して代理人になってもらうなど、対等に話せる環境を整えましょう

2.離婚調停を申し立てる

協議で離婚の合意を得られなければ、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。離婚調停とは、調停委員という中立な第三者を交えて話し合い、離婚や条件の合意を目指す手続きです。

調停では、基本的に相手と顔を合わせずに進められます。調停委員を通して相手に意見を伝えられるため、モラハラ被害者でも落ち着いて話し合えるでしょう。なお、相手が頑なに離婚を拒む場合は調停が不成立に終わり、次に解説する離婚裁判に移行します。

モラハラの証拠がなくても離婚できる可能性はありますが、証拠があれば被害の実態を客観的に伝えやすくなります。
録音データやLINEのやり取り、日記などの証拠があれば、調停委員の理解を得やすくなり、主張の説得力も高まるでしょう。

3.離婚裁判に移行する

離婚調停が不成立になったら、離婚裁判に移行します。離婚裁判とは、裁判官が離婚の可否や財産分与などの条件を判決で決める手続きです。離婚が認められるには、受けたモラハラ被害が法定離婚事由に該当する旨を裏付ける証拠が必要です。

また、モラハラ加害者は自分の非を認めず、離婚調停の段階で合意しない場合も少くありません。そのため離婚裁判に進む可能性も高いといえます。手続きは複雑で専門知識も必要なので、早い段階で弁護士に相談しておきましょう。

モラハラ被害の相談窓口5選

モラハラに悩んだら、本章で解説する相談窓口に相談しましょう。以下では、代表的な5つの相談窓口を紹介します。

1.弁護士

モラハラ加害者との離婚や慰謝料請求をしたいなら、弁護士へ相談しましょう。

弁護士に依頼すると、加害者との交渉を任せられるため、精神的な負担が大きく軽減されます。自分に有利な条件で離婚できるよう、証拠集めのサポートや離婚調停、裁判までを一貫して対応するのも可能です。

初回無料相談を提供している法律事務所も多いので、費用面で心配がある方も相談しやすいメリットもあります。依頼せず、相談だけでももちろん問題ないので、まずは話を聞いてみてください。

2.配偶者暴力相談支援センター

配偶者暴力相談支援センターは、モラハラやDVの被害者が、相談・カウンセリング・一時保護などをしてもらえる公的機関です。各都道府県に設置されていて、無料で相談できます。

別居後の就労支援や生活保護の手続きなど、自立に向けた情報も得られるため、離婚後の暮らしを立て直すための心強い味方になります。身の安全に不安がある、今後の生活基盤に悩むなどの方は、連絡してみてください。状況に応じて、必要な支援につないでくれます。

詳しくは、各自治体やWebサイトから確認してみてください。最寄りの相談窓口は、下記から調べられます。

3.DV相談+(プラス)

DV相談+は、配偶者からのモラハラやDVについて、電話やチャットで相談できる公的機関です。自分が今受けているのがモラハラかわからない、という状況でも専門の相談員に相談できるため、不安を早期に解消できます。

電話(0120-279-889)は24時間、チャット相談は12時から22時まで可能なので、加害者に相談履歴がバレる心配もありません。また、男性でも相談しやすいように、毎週日曜日の15時から21時は専用回線で相談を受け付けています。

詳しくは下記Webサイトから確認してみてください。

4.心療内科・精神科

不眠や気分の落ち込みなど、心身に不調が出ているときは、心療内科や精神科を頼ってみてください。カウンセリングや服薬による治療で、奪われた気力や判断力を取り戻せます。心が落ち着くと、今後の対応も冷静に考えやすくなるでしょう。

また診断書を発行してもらえば、離婚や慰謝料請求、職場での労災認定などに使える強力な証拠になります。病院に通うのに抵抗がある方もいるでしょうが、心身の健康を取り戻すためにも検討してみてください。

5.警察

モラハラがエスカレートして、殴る・蹴る・ものを壊すなどされて身の危険を感じたら、迷わず警察を頼ってください。

加害者から離れて、身の安全を確保する必要があります。通報を受けた警察官は、現場に駆けつけて加害者を引き離し、必要に応じて警告や指導をおこなってくれます。暴力や脅迫があれば、被害届の提出も可能です。

また警察に相談した記録は、あとで保護命令を申し立てる際の有力な証拠です。相談実績が残っていれば、裁判所も危険性を判断しやすく、離婚が認められやすくなります。

保護命令とは、配偶者や元パートナーからの暴力・脅迫を受けた被害者を守るため、裁判所が加害者に対して出す命令です。
被害者への接近を禁じる接近禁止命令や、電話・メールを禁じる電話等禁止命令などがあります。
加害者が命令に違反した場合は、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金という制裁が加えられます。

モラハラ離婚は「ベンナビ離婚」の弁護士に相談するのがおすすめ

モラハラを理由とする離婚は、相手が話し合いに応じないケースが多く、自力での解決は容易ではありません。早めに弁護士へ相談しましょう。弁護士に依頼すれば、相手との交渉や書類作成などを一任でき、精神的負担を抱えずに離婚の準備を進められます。

どの弁護士に相談すればいいかわからない、という方はベンナビ離婚」の活用がおすすめです。モラハラや離婚問題を得意とする全国の弁護士を、地域はもちろん、初回相談無料・休日相談可能・オンライン相談可などの条件で絞り込めます。

気になる法律事務所のページから電話やLINEなどで直接問い合わせができるので、まずは気軽に検索してみてください。

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モラハラを弁護士に相談するメリット4つ

モラハラを弁護士に相談するメリット4つ

弁護士への相談は、離婚を決めた人だけがするものではありません。証拠集めや別居の進め方など、離婚を決意していなくても相談できます。

本章では、モラハラを弁護士に相談する4つのメリットを順に紹介します。

1.証拠集めのアドバイスをもらえる

モラハラは身体的なDVと違って外傷が残らないため、被害を客観的に示す資料を揃えにくいのが実情です。自己判断で集めた証拠だけでは、調停や裁判で十分に評価されない恐れがあります。

たとえば、暴言を録音した音声データ、日々の言動を時系列で記録した日記、心療内科の診断書などが有効な証拠になり得ます。弁護士の助言を受けながら準備すれば、抜け漏れなく証拠を確保でき、慰謝料請求や離婚協議で主張を裏付けやすくなるでしょう。

何から手をつければよいか迷っている方は、証拠集めの段階から相談してみるのがおすすめです。

2.別居のサポートをしてもらえる

弁護士に相談すれば、別居のタイミングや進め方について法的な観点から助言してもらえます。

モラハラから逃れるためでも、自己判断で家を出ると「悪意の遺棄」だと相手から主張される恐れがあります。悪意の遺棄とは、正当な理由なく同居・協力・扶助といった夫婦の義務を放棄する行為です(民法770条1項2号)。

有責性を問われれば、離婚協議で不利に働きかねません。弁護士に依頼しておけば、別居の正当性を裏付ける準備や、持ち出すべき資料の整理を事前に進められます。別居後の生活費として、婚姻費用の分担請求も任せられます。

経済面の不安から別居をためらっている方は、動き出す前に一度相談してみましょう。

別居中の生活費にあたる婚姻費用は、原則として請求したときから支払いの対象になります。
過去の分は認められにくいため、別居したら早めに請求するのがおすすめです。
タイミングを逃さないよう、別居と同時に弁護士へ依頼しておくと安心です。

3.モラハラ加害者と直接接触しなくてすむ

弁護士に依頼すれば、相手とのやり取りを一任でき、加害者と直接顔を合わせずに離婚の話し合いを進められます

モラハラ加害者と当事者同士で交渉すると、高圧的な態度で言いくるめられたり、話し合い自体を拒否されたりするケースが少なくありません。対話のたびに精神的なダメージが蓄積し、冷静な判断が難しくなる恐れもあります。

しかし連絡窓口が弁護士に切り替われば、相手からの威圧的な言動に直接さらされずにすみます。心身の安全を確保しながら、落ち着いて離婚の準備を進められるでしょう。

相手と話すだけで強い苦痛を感じる方こそ、早めに弁護士を間に入れるのがおすすめです。

4.自分に有利な離婚条件を引き出せる

慰謝料や財産分与、親権といった離婚条件を有利に進めやすくなるのも、弁護士に依頼するメリットです。離婚時に取り決める主な条件には、下記のようなものがあります。

  • 慰謝料
  • 財産分与
  • 親権
  • 養育費
  • 面会交流
  • 年金分割

モラハラ加害者は交渉でも支配的に振る舞う傾向にあり、当事者同士の話し合いでは不利な条件をのまされがちです。法的な相場を知らないまま合意すると、本来受け取れるはずの金銭を請求できなくなる恐れがあります。

弁護士であれば、裁判例や慰謝料の相場を踏まえ、根拠を示しながら適正な条件を主張してくれます。離婚後の生活を安定させるためにも、条件交渉は弁護士に任せましょう。

離婚条件を口約束でまとめるのは、あとからトラブルにつながりやすいので注意してください。
慰謝料や養育費などの取り決めは、強制執行認諾文言付きの公正証書に残しましょう。
強制執行が可能な書面にしておけば、相手が支払いを止めても給与や預金を差し押さえられるためです。

「ベンナビ離婚」でモラハラ離婚を弁護士に依頼した解決事例

実際にベンナビ離婚を通じて弁護士に依頼し、モラハラ問題を解決できた事例を紹介します。実例を知ると、自分の状況に重ねて解決のイメージをつかみやすくなります。2つの事例を見ていきましょう。

別居と生活費確保をしてモラハラ夫と離婚できた事例

夫のモラハラに長年耐えてきた、40代の女性(専業主婦)の事例です。婚姻期間は10年で、子どももいるなかでの相談でした。

別居を考えてはいたものの、生活費への不安からなかなか踏み出せずにいました。収入のない専業主婦にとって、別居後の暮らしは大きな心配だったからです。

弁護士は、別居のタイミングを一緒に検討し、別居後に婚姻費用(生活費)の申立てをおこなうことで、当面の生活費を確保。夫との直接交渉も弁護士が代理で進めたため、精神的な負担も抑えられました。

生活費を確保しながら無事に離婚を成立させられた事例です。

モラハラ妻からの根拠のない経済的請求を拒否して適正条件で離婚できた事例

20年以上にわたって妻からモラハラを受けてきた、50代男性の事例です。息子もモラハラの標的になり、苦しい状況が長く続いていました。

依頼者は、妻から離婚を提案されたほか、高額な慰謝料や離婚後の生活費といった、法的根拠の乏しい請求も突きつけられます。相手にも弁護士がついており、交渉は難航していました。

依頼を受けた弁護士は、慰謝料や生活費の請求に法的根拠がないと相手方へ明確に伝えました。調停の申立ても辞さない姿勢で、粘り強く交渉を重ねた結果、3ヵ月後には合意が成立。

妻が自宅を明け渡し、請求額も数百万円減額されるなど、納得のいく条件での離婚に成功しました。

モラハラに関するよくある質問

最後に、モラハラについて多く寄せられる疑問をまとめました。気になる項目をチェックしてみてください。

Q1.モラハラ夫・彼氏に効く言葉は?

残念ながら、モラハラ夫や彼氏を根本から変える魔法の言葉はありません。モラハラは相手の性格や考え方に起因する問題であるため、一言で改善させることは難しいのが実情です。

しかし、状況の悪化を防ぐために、伝え方を工夫することは有効です。例えば「私はその言い方をされると傷つく」と、自分を主語にして伝えてみてください。相手を責めずに気持ちを示す言葉なら、相手も反発しにくくなる場合があります。

一方で、感情的に言い返したり相手を責めたりする対応は、モラハラがエスカレートする恐れがあります。相手を変えようとするよりも、自分の心身を守ることを優先することが大切です。

Q2.夫婦間だけでなく恋人関係でも暴言を吐かれたらモラハラですか?

恋人関係でも、一方的に精神的な苦痛を与えるような暴言や束縛は、立派なモラハラです。

「俺がいないとダメなくせに」といった言葉は、愛情ではなく支配が目的です。

恋愛におけるモラハラは、結婚後にさらに悪化しやすい傾向にあります。結婚前からモラハラ気質が見えている場合は、本当に結婚して良いのかを慎重に見極めましょう。

Q3.モラハラは男女で特徴の違いがありますか?

基本的な仕組みは同じですが、性別によって加害の手口に傾向の違いが見られます。

男性のモラハラは、大声での威圧や経済的な支配など、わかりやすい形で現れる傾向があります。力関係を前面に出した攻撃が多く、被害が周囲にも気づかれやすいのが特徴です。

女性のモラハラは、夫の給料や能力を執拗に貶めるケースが目立ちます。長時間にわたって感情的に説教を続けるパターンも少なくありません。

Q4.モラハラは治りますか?

モラハラは、加害者本人が問題を自覚して長期の治療を受けない限り、自然に治ることはほぼありません。期待だけで状況が変わるケースは、まれだと考えておきましょう。

そもそもモラハラは、病気というより歪んだ思考の癖や強い自己愛から生まれます。性格そのものに根ざすため、モラハラの治療や改善は簡単ではありません。

「私が我慢すれば」「いつか変わってくれる」という期待は、手放しましょう。相手を変えようとするより、自分を守る行動を優先するのが現実的です。

Q5.隠れモラハラとはなんですか?

隠れモラハラとは、周囲には良い夫や妻に見えながら、家庭の密室で巧妙に苦痛を与えるタイプを指します。外面が良い分、被害が見えにくいのが厄介なところです。

はっきりした暴言ではなく、ため息や無視、嫌味といった間接的な攻撃を多用します。わざと大きな音を立てて不機嫌をアピールするのも、典型的な手口です。被害者自身も「モラハラを受けている」と気づきにくく、少しずつ心がすり減る点が、隠れモラハラの怖さです。

攻撃が巧妙な分、証拠も残りにくいため、証拠を集める際は些細な言動でも記録しておきましょう。あとで被害を証明する材料となり、解決への手がかりになります。

Q6.モラハラ夫(妻)はどんな末路を迎えますか?

モラハラ夫や妻の多くは、被害者が去ったあとに孤独な人生を歩みます。支配する相手を失えば、家庭に居場所がなくなるためです。離婚で家族を失えば、慰謝料や養育費の支払いにより、経済的に追い込まれて生活が一変する加害者も少なくありません。

注意したいのは、標的を失った加害者がストーカー化する恐れがある点です。別れる際は弁護士を介して、相手とのつながりをきっぱり断ちましょう。

まとめ|ひとりで抱えず弁護士に相談を

モラハラは、身体的な暴力がなくても、相手の心を確実に傷つける嫌がらせ行為です。長く受け続けると、被害者も「自分が悪い」と思い込まされ、被害に気づきにくくなります。

苦しい状況から抜け出すには、受けている行為をモラハラだと気づかなければなりません。そして証拠を集め、信頼できる家族や弁護士などに相談すると、進む道が見えてくるでしょう。

離婚や別居、慰謝料請求を決意しているなら、弁護士に相談してください。加害者との交渉を任せられるため、精神的な負担を大幅に軽減できます。

どの弁護士に頼めばよいか迷うときは「ベンナビ離婚」を使ってみてください。モラハラ問題に強い弁護士を、希望条件で効率よく探せます。一人で抱え込まず、まずは相談から始めてみましょう。

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この記事の監修者
インテンス法律事務所
原内 直哉 (第二東京弁護士会)
当事務所では、何段階も納得のいく選択を重ねることにより、ご相談者様の将来にとってよりよい結果となるようお力添えすることを心がけています。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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