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2020.7.20

過去の不倫で慰謝料請求されたら…拒否できる?慰謝料請求権の時効を解説

社内弁護士監修
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過去の不倫に対して慰謝料請求された場合、突然過去を蒸し返されたように感じて強く動揺することが通常でしょう。情報サイトOggiで行われたアンケートによると「浮気に時効はない」と考えている方は男女共に多く存在するようです。過去の不倫だからと全てを水に流せる人は少ないのかもしれません 。

過去の不倫

参考:不倫・浮気の時効ってある? 浮気相手を訴えたら、もらえる慰謝料の相場って?

「とはいえ、もう終わったこと…。」このように感じている方もいるかもしれません。もしも過去の不倫に対して慰謝料を請求された場合には、どのように対処するのが適切なのでしょうか。

この記事では「過去の不倫に対して慰謝料が認められるケース」や「過去の不倫に対して慰謝料を求められた場合の対処法」をご紹介します。

過去の不倫に対する慰謝料請求が認められるケース

過去の不倫の慰謝料

過去の不倫について相手方(慰謝料を請求した側)の慰謝料請求が認められるケースをご紹介します。なお、紹介するケースに当てはまっているからといってご自身の事案についても慰謝料請求が認められるとは必ずしも言い切れません。あくまでも参考程度にしてください。

慰謝料請求が認められるか否かについては、離婚問題を多く取り扱う弁護士に相談してみるとよりスムーズな解決に繋がるでしょう。

不倫関係が事実として存在していた

不倫が事実であり、相手方が不倫の証拠を掴んでいる場合には慰謝料請求が認められるケースが多いでしょう。不倫の慰謝料請求について、そもそも不貞行為がなければ慰謝料請求は認められません。不貞行為とは配偶者以外の者と肉体関係を持ったことをいいます。

裁判においても不貞行為の証拠がなければ慰謝料請求は認められないことがほとんどです。そのため、慰謝料請求を受ける側としては、請求する側が肉体関係を明確に示す不貞の証拠を取得していなければ心配はないかもしれません。

ただし、慰謝料を請求する側は、何か根拠があって慰謝料を請求しているでしょうから、どういった経緯で慰謝料請求に至ったのかなどを確認してみるべきでしょう。

【関連記事】不貞行為とは結局どこから?不貞となる行為と離婚時に立証する証拠

不倫相手が既婚であることを知っていた

こちらは不倫相手に対する慰謝料請求の要件になりますが、不倫相手が既婚であることを知らないまたは知る余地がなかった場合には相手方の慰謝料請求は認められません。不倫の慰謝料請求は「不法行為に基づく損害賠償権」であり、不法行為が成立するには故意(既婚者であることを知っていた)または過失(既婚者であることを知り得た)が必要になります。

そのため、「不倫相手に既婚者であることを隠して交際していた」「不倫相手の両親に会って結婚の話を進めていた」など、ご自身が既婚者であることを具体的な方法をとって隠していた場合には、不倫相手に故意過失なしと認められるかもしれません。

現実にあり得るケースとして「はっきりとは聞かないけれど状況から既婚者であることは想定できる」場合には、不倫相手に過失が認められる可能性があるため、不倫相手は慰謝料請求を免れることができないかもしれません。

【関連記事】奥さんから慰謝料請求された!今すぐすべき対応(ケース別)と減額方法

夫婦関係が成立していた

夫婦関係が成立していた中で不倫をしていた場合、相手方の慰謝料請求が認められるケースが多いようです。一方、不倫が始まった時に既に別居してから長期間経っていた場合など、夫婦関係が破綻していたと認められる場合には慰謝料請求が認められない可能性があります。

不倫が不法行為として認められるためには「不倫によって夫婦関係が破綻して被害者が大きな精神的苦痛を被った」ことが必要です。

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用:民法

不倫関係の前から既に夫婦関係が破綻している場合には、精神的苦痛の程度は過少に評価されることがあるため慰謝料は発生しないまたは少ない金額となるかもしれません。

【関連記事】不倫の慰謝料減額は弁護士へ!依頼すべき3つのメリット

自由意志で不倫していた

ご自身または不倫相手が自らの自由な意思で肉体関係を持った場合には、相手方の慰謝料請求が認められるケースが多いでしょう。

よくある言い訳として「不倫相手の方から迫ってきたから」「不倫相手に泣きつかれたから」などがありますが、ご自身の自由意志で断ることができたはずですから、それらも自由意志で不倫関係に至ったと認定される可能性が高いでしょう。

【関連記事】不倫の慰謝料請求・減額の弁護士費用は?相場と費用のシミュレーション

慰謝料請求の時効期間

慰謝料の時効

不倫の慰謝料請求権は不法行為に基づく損害賠償請求権という民法上の一種です。慰謝料請求するには前提として「慰謝料請求の時効が成立していない」ことが必要です。時効が成立した場合、慰謝料請求は認められません。以下、慰謝料請求に関する時効についてわかりやすく説明します。

【関連記事】離婚後でも慰謝料請求はできる!請求方法と請求された場合の対処法

消滅時効

不法行為に基づく損害賠償請求について、具体的には、不倫が原因となって離婚した場合には「離婚した日から3年間」、離婚後に過去の不倫を知った場合には「不倫を知った日から3年間」で時効成立となります。

(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)

第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

引用:民法

消滅時効とは...
一定期間経過した場合に法的な権利を消滅させる制度のこと。なお、前述した通り民法では不貞行為による損害賠償請求には損害が発生した事実および加害者を知ったときが時効の起算点と定められているため、相手方が不倫相手を特定していない場合、不倫相手に対する慰謝料請求権の消滅時効は進行しませんので注意しておきましょう。

除斥期間

不法行為に基づく損害賠償請求権には前項で説明した消滅時効とは別に除斥期間があります。不倫の慰謝料の除斥期間は不法行為が行われてから20年間とされています。

除斥期間とは...

法律関係の速やかな確定のために一定期間経過することで権利が消滅する制度のこと。除斥期間においては、不法行為の事実や加害者を認知しているかどうかは問われません。そのため、過去の不倫に気がつかなかったり不倫相手を特定できなかったりしたとしても、不倫の事実から20年間経過すると相手方の慰謝料請求は認められなくなります。

過去の不倫に対する慰謝料を請求された場合の対処法

過去の不倫に対して慰謝料請求された場合の対処法をご紹介します。

請求に誠実に対応する

相手方から過去の不倫について慰謝料請求をされた場合に請求を放置・無視することはおすすめできません。慰謝料請求をされても請求に回答する義務自体はありませんので、放置・無視することは可能ですが、調停や裁判に持ち込まれた場合、裁判官や調停人に「不都合な事実があるために回答を避けていたのではないか」と考えられることもあるかもしれませんし、その結果慰謝料が増額するケースもあるかもしれません。

また、相手方が代理人として弁護士を雇っていた場合には、裁判を起こしてくる可能性もあるでしょう。いずれにしろ、相手方の請求を放置・無視することは悪い結果を招く原因となり得ますので避けたほうがよいでしょう。

【関連記事】

不倫慰謝料トラブルを弁護士に相談すべき人は?費用相場と抑えるコツ

不貞行為をした側でも弁護士に依頼できる|弁護士があなたにしてくれること

離婚慰謝料を払わない方法とそのリスク|合法的に減額・分割にする方法

減額交渉に不安があれば弁護士に相談する

慰謝料請求に対して身に覚えがある場合には、相手方に慰謝料の減額交渉を希望する場合がほとんどでしょう。

事案によっては大幅に減額することもできるかもしれません。具体的な金額を決める際には、個人だけで対応するよりも弁護士に一度相談してみるとよいでしょう。慰謝料請求に関する事案を多く扱っている弁護士であれば、慰謝料を希望金額まで減額できるかもしれません。

なお、減額交渉を考えるよりも、まずは相手方にきちんと謝罪を済ませることをおすすめします。減額交渉に強い姿勢で挑んで謝罪をしない場合には、交渉がうまく進まないこともあります。

ご自身の非を認めて誠実に対応することで解決への道筋が見えてくるのではないでしょうか。

弁護士によっては「謝罪をすることで過失を認めることになる」と説明する方もいるかもしれません。ここはケースバイケースですが、ご自身に非があり一定額の慰謝料を支払う意向があるのであれば、不誠実な態度をとることは避けたほうがよいでしょう。

慰謝料請求に対して身に覚えがあった場合にはきちんと誠実に謝罪をすることで、相手方の態度を軟化させ、より早い収束が望める場合もあります。何よりも、誠実な対応が求められるでしょう。

【関連記事】

不倫の慰謝料を請求されたら|減額・請求回避の手順を解説

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合意後に示談書を作成する

相手方とのやりとりは必ず書面で行うようにしましょう。電話や対面でやりとりを進めると、言った・言わないの水掛け論になるケースもあるかもしれません。たとえ電話・対面で慰謝料を請求されたとしても書面で返答することを心がけましょう。

また、交渉を重ねた結果、慰謝料の内容などに合意した場合には示談書を作成して、お互いの署名と捺印を加えておくとよいでしょう。示談書があることで慰謝料に関する問題が後から浮上したとしても「当該の問題は解決された」という証拠となり得ます。慰謝料の支払いは示談書で合意した後に行いましょう。

示談書とは...

当事者間で民事上の紛争を解決し、その後のトラブルを防ぐために作成される示談内容を記載した文書のこと。「不貞の事実がなかった」「相手方の勘違い」など、過去の不倫を否定する要素がある場合には、示談をせず相手方に慰謝料請求は認められないと主張することになるでしょう。

【関連記事】不倫相手と示談交渉を成功させるポイントと流れ | 示談書の作成方法

過去の不倫に対する慰謝料決定要素

過去の不倫慰謝料

過去の不倫の慰謝料金額は主に以下の要素から決定されます。

  • 不倫以前の夫婦関係
  • 不倫が継続していた期間
  • 不倫によってもたらされた影響
  • 不倫をした側の社会的地位や支払い能力 など

不倫が始まった時点で夫婦関係が破綻していた場合には、慰謝料の金額は低くなる傾向にあります。また、不倫関係が継続していた期間の長さも決定要素の一つであり、不倫の期間が長ければ長いほど慰謝料は増額するケースが多いようです。

過去の不倫が原因で別居や離婚に至った場合には、より精神的な負担が大きいと考えられるため慰謝料増額の余地があります。また、不倫した側の収入が高いなど慰謝料の支払い能力があると認められる場合、慰謝料はより高くなる傾向にあるようです。

それぞれのケースによりけりですが、上記要件を全て満たしている場合の慰謝料は高額になるかもしれません。

増額傾向

←   要件  →

減額傾向

長い

婚姻期間

短い

長い

不倫の期間

短い

あり

不倫が原因での離婚・別居

なし

平穏

不倫前の夫婦関係

破綻

あり

子供の有無

なし

なし

謝罪の有無

あり

不倫の慰謝料は法律で金額が定められていませんので、増減の目安として、あくまで参考としてください。

【関連記事】
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過去の不倫に対する慰謝料相場と判例

過去の不倫について慰謝料を請求された場合、慰謝料の相場はどの程度の金額なのでしょうか。不倫の慰謝料の金額は法律で定められていませんので、単純に計算できるものではありません。以下、不倫の慰謝料請求の過去の判例をご紹介します。不倫の慰謝料金額がどのくらいになるのか、ケースごとに相場の目安としてください。

【関連記事】不倫で慰謝料請求された人ができる回避方法と減額成功事例

⑴慰謝料請求の判例

事案

社内不倫に対する慰謝料請求

請求

妻から不倫相手の女性

認められた慰謝料

100万円+遅延損害金

内容

  • 既婚者であることを知りながらの不倫
  • 不倫相手は不倫が原因で退職
  • 上記と慰謝料を請求した側が被った精神的苦痛には相当因果関係が認められた

裁判年月日 令和元年 7月11日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平30(ワ)26406号
事件名 損害賠償請求事件
文献番号 2019WLJPCA07118010

⑵慰謝料請求の判例

事案

離婚しなかった場合の慰謝料請求

請求

妻から不倫相手の女性

認められた慰謝料

125万円+遅延損害金

内容

  • 不倫相手は外国法弁護士
  • 既婚者であることを知りながらの不倫
  • 子どもが2人いる
  • もともと夫婦関係は劣悪だったが不倫発覚によって完全に破綻

裁判年月日 平成31年 1月31日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平29(ワ)9495号
事件名 慰謝料請求事件
文献番号 2019WLJPCA01318019

⑶慰謝料請求の判例

事案

過去の不倫の慰謝料請求

請求

妻から不倫相手の女性

認められた慰謝料

125万円+遅延損害金

内容

  • 亡夫は病気で亡くなっている
  • 原告と亡夫との別れは不倫が原因ではない
  • 既婚者であることを知っていたわけではない
  • 原告の亡夫と不倫相手の共同不法行為であると認められた

裁判年月日 平成30年 1月31日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決
事件番号 平28(ワ)43410号
事件名 慰謝料請求事件
裁判結果 一部認容 文献番号 2018WLJPCA01318032

パートナーが過去に不倫していた場合の対処法

過去の不倫対処法

パートナーの過去の不倫について、「3年」の時効期間経過後に不倫相手に慰謝料請求しようと考える人がいるかもしれません。そもそも時効は、時効期間経過後に「時効援用(時効で利益を直接受ける人がする、時効の利益を受けることについての意思表示のこと)」をすることで効果が発生しますので、仮に不倫相手が慰謝料請求権の消滅時効を援用しないような場合には、時効期間経過後であっても不倫相手が慰謝料を支払ってくれることがあるかもしれません。

なお、時効成立途中の場合には「時効の中断」によって時効の完成を止めることが有効な手段となり得るでしょう。時効を中断することによって、時効の進行を止めて時効期間を元に巻き戻すことができます。時効に関して、詳しくは関連記事を参考にしてください。

【関連記事】
不倫の時効は3年と20年?時効を中断する4つの方法
離婚慰謝料の時効は3年|時効を中断し慰謝料を請求する方法

まとめ

過去の不倫に対して慰謝料を請求された場合、適正な行動を迅速に取る必要があります。そもそも、相手方に慰謝料請求権が発生していない場合もあるでしょう。

ケースによっては法外な額の慰謝料を請求される場合もありますし、一度、慰謝料請求の事案を多く扱う弁護士に相談してみることをおすすめします。

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この記事の監修者
社内弁護士監修
この記事は、株式会社アシロの『離婚弁護士ナビ編集部』が執筆、社内弁護士が監修しました。

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