離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
弁護士費用が払えなくて泣き寝入りすることも…。
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離婚トラブルだけでなく、子供のいじめ、労働問題等でも利用することができます。
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「長年我慢しながら夫婦生活を送ってきて、もう50代になってしまった」
「離婚を考えているけれど、お金の心配は尽きない。慰謝料はどのくらい貰えるのだろうか」
50代までずっと我慢して夫婦生活を送ってきたけれど、そろそろ新しい人生を歩みたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、長年専業主婦やパート勤務をしていたのでお金がなく、離婚後の生活に不安を抱えている方もいるかもしれません。
50代での熟年離婚は、慰謝料の請求が可能です。
また、慰謝料以外にも請求できるお金もあります。
本記事では、50代での熟年離婚で請求できる慰謝料の相場や慰謝料請求できないケース、慰謝料以外にも貰えるお金などについて解説します。
熟年離婚にかかわらず、離婚する際は配偶者への慰謝料請求が可能です。
慰謝料は、肉体的・精神的苦痛の度合いとともに、結婚生活(婚姻期間)の長さによって算定されます。
離婚の慰謝料相場は、一般的に50万円~300万円程度だといわれていますが、熟年離婚は婚姻期間が長いことから、離婚に至った原因によっては、慰謝料が相場よりも高額になる可能性があります。
ここからは、50代での熟年離婚の慰謝料相場をケース別に解説しましょう。
相手の不貞行為が原因で離婚する場合の慰謝料相場は、100万円~300万円程度です。
不貞行為は、民法第770条 に定められている法定離婚事由のひとつで、民法上の不法行為に該当します。
民法第709条には、不法行為による損害賠償について、以下のように定められています。
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用元:民法|e-Gov法令検索
このように、配偶者の不貞行為があれば慰謝料の請求が可能です。
また、より確実に慰謝料請求をするなら、証拠を用意しておく必要があります。
探偵の調査報告書や、ラブホテルを出入りする様子を捉えた写真、LINEやメールのやり取りなど、相手が言い逃れできない証拠を用意しておきましょう。
長期間にわたる不貞行為や、悪質性の高さなどを証明できれば、慰謝料は高額になる可能性があります。
「悪意の遺棄」が原因で離婚する場合の慰謝料相場は、50万円~300万円程度です。
民法第752条には、夫婦は同居し、互いに協力し扶助する義務があると定められています。
この義務に反する行為は「悪意の遺棄」とされ、慰謝料請求できる理由となるのです。
具体的には以下のような行為が、悪意の遺棄に該当します。
悪意の遺棄の慰謝料相場は50万円~300万円ですが、熟年離婚の場合は我慢を強いられた期間が長いため、相場の中でもより高額な慰謝料請求ができるかもしれません。
DVが原因で離婚する場合の慰謝料相場は、50万円〜300万円程度です。
DVの場合、DVを受けていた期間や程度によって慰謝料の額が変動します。
期間が長く、酷い暴力を受けていたなら、慰謝料が高額になるといえるでしょう。
また、DVは暴力に限らず以下のような行為も該当します。
配偶者からのDVで慰謝料請求するなら、病院の診断書やボイスレコーダー、けがをしたときの写真などの証拠を用意しておきましょう。
セックスレスが原因で離婚する場合の慰謝料相場は、0円~100万円程度です。
お互いに健康な状態にもかかわらず、長期にわたって性交渉がないのであれば、セックスレスによる慰謝料請求が可能です。
ただし熟年離婚の場合は、お互いに性交渉を望んでいないことも考えられます。
合意のもとでセックスレスになっているなら、性交渉がないことで精神的苦痛を味わったとはいえないため、慰謝料請求は難しいでしょう。
婚姻期間の長い熟年離婚であれば、必ずしも慰謝料が請求できるというわけではありません。
ここからは、50代の熟年離婚で慰謝料請求するのが難しいケースについて解説します。
性格の不一致のみで離婚する場合、慰謝料の請求は難しいでしょう。
性格の不一致は、最も多い離婚原因でもあります。
お互いに性格が合わなければ共同生活を送るのは難しく、精神的な苦痛を感じる方もいるかもしれません。
しかし、夫婦はこれまで育ってきた環境が異なることから、価値観を完全に一致させるのは難しく、どんな夫婦でも多少の性格の不一致は発生するものです。
性格が合わないというのは、一概に相手だけが悪いとも言い切れません。
性格の不一致のみでの慰謝料請求は、難しいといえるでしょう。
ただし、性格の不一致から配偶者が浮気や不倫をしていた場合には、慰謝料の請求が可能です。
自分にも離婚原因があると考えられるようなケースの場合、慰謝料の減額や相殺を主張されるほか、むしろ請求をされることも考えられます。
たとえば、夫が妻に対して日常的なモラハラがあった一方で、妻は不貞行為をしていたというケースの場合、妻は夫に対してモラハラによる精神的苦痛に対して慰謝料を請求できるものの、夫も妻の不貞行為に対して慰謝料を請求することができます。
ただし、慰謝料を請求できるかどうかは、どちらにより落ち度があったのかによります。
このとき、両者の責任が同じ程度であれば互いの請求権を取り消し合って、慰謝料の請求はできないことになります(過失相殺)。
このことからも、ご自身に離婚原因があると考えられるようなケースでも、まずは一度弁護士へ相談することをおすすめします。
配偶者の重度の精神障害が原因で離婚する場合は、慰謝料請求することは難しいでしょう。
統合失調症やうつ病など、配偶者の重度の精神障害を理由とした離婚請求は可能です。
民法第770条第1項には、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」には、離婚の訴えを提起できると定められています。
しかし、重度の精神病は配偶者に落ち度があるわけではありません。
精神病に有責性はないことから、慰謝料請求は難しいといえるでしょう。
相手との信仰や宗教の違いによって離婚する場合は、慰謝料請求は難しいでしょう。
日本国憲法第20条には、信教の自由が定められています。
誰がどのような宗教を信仰しても自由ですし、信仰が合わないからといって自分の考えを相手に押し付けてはいけません。
よって、信仰や宗教の違いによる慰謝料請求は難しいといえます。
ただし、婚姻後に配偶者が熱心に宗教活動に取り組み、家庭が崩壊したなどの事情があれば、慰謝料を請求できる可能性も考えられます。
配偶者の過去の不貞行為が原因ではあるものの、時効が成立しているケースでは慰謝料請求は難しいでしょう。
過去に配偶者が不倫しており、長年我慢し続けてきた方もいるかもしれません。
しかし、不貞行為の慰謝料請求には時効があります。
不貞行為が発覚してから、もしくは不貞行為がおこなわれてから3年で時効が成立してしまうため、3年以上経過したあとの慰謝料請求はできません。
配偶者の不貞で離婚を考えているなら、時効が成立する前になるべく早めに慰謝料請求しましょう。
50代の熟年離婚で請求できるのは、慰謝料だけではありません。
慰謝料以外にも相手へ請求できるお金があります。
ここからは、熟年離婚で相手に請求できるお金の種類を解説しましょう。
1つ目は、財産分与です。
財産分与とは、婚姻中から別居に至るまでに夫婦が協力して築いた財産を分け合うことを指します。
基本的には半分ずつ分けますが、財産形成に大きな影響を与えたほうへの分与割合が大きくなる場合もあるようです。
また、妻が専業主婦の場合でも財産分与は半分ずつ分けるべきだとされています。
これは、夫が働ける環境を妻が整えていたからこそ、財産を形成できたと考えられるからです。
財産分与の対象となる財産には、具体的に以下のようなものがあります。
ただし、別居後に築いた財産は財産分与の対象にはならないため注意しましょう。
2つ目は、年金分割です。
年金分割とは、婚姻中に払い込んだ厚生年金を分割する手続きのことです。
会社員や公務員の厚生年金のみが対象で、自営業の方が支払う国民年金は対象外となります。
対象となるのは、婚姻以降に厚生年金を支払った期間です。
年金分割をするには必ず年金事務所での手続きが必要なので、忘れずに対応しましょう。
年金分割の方法には、「合意分割」「3号分割」の2種類があります。
合意分割とは、夫婦の話し合いによって分割割合を決める手続きのことです。
婚姻期間に支払った年金の最大2分の1まで請求できます。
もし話し合いで合意できない場合は、裁判所への年金分割調停の申し立てが必要です。
3号分割とは、専業主婦(主夫)の方が対象の手続きのことです。
相手の合意は不要で、半分ずつ年金を分けることができます。
年金分割の手続きは複雑ですが、申請すれば今後の生活の不安が解消されるかもしれません。
ご自身が受け取れる年金額や手続きの方法など、損をしないためにも弁護士へ相談しましょう。
3つ目は、退職金です。
退職金は給与の後払いという側面があることから財産分与の対象となり、婚姻期間中に相当する分の退職金を夫婦で分けることができます。
基本的には、「退職金÷勤続年数×婚姻年数」で算出された金額を夫婦で半分ずつ分けることになります。
退職金を受領する前に離婚する場合、退職金想定額を計算式に当てはめて算定します。
しかし、退職金がもらえるかわからないこともあるはずです。
退職金は、在籍している会社の退職金の支払い実績や就業規則から見て、ほぼ確実に支払われる見込みがある場合のみ、財産分与の対象となります。
4つ目は、養育費です。
養育費とは、子の監護や教育のために必要なお金のことです。
50代の夫婦であれば、子供が成人しているケースも多いと考えられますが、もし夫婦に未成年の子どもがいる場合は、養育費の請求もできます。
なお、請求できる金額はお互いの収入状況や子どもの年齢、人数などによって異なります。
家庭裁判所が定めた養育費算定表がありますが、生活状況によっては必ずしも算定表のとおりにならないこともあるでしょう。
いくら養育費を請求できるのか、損をしないためにも弁護士への相談がおすすめです。
では、50代で熟年離婚をする場合、相手にどのように慰謝料を請求すればよいのでしょうか。
ここからは、50代の熟年離婚で相手に慰謝料を請求する手順を解説します。
まずは、相手との話し合いです。
慰謝料を請求する際、必ずしも裁判手続きをしなければならないわけではありません。
お互いに会話ができる状況であれば、まずは話し合いで慰謝料を請求しましょう。
話し合いで決まった内容は、公正証書などの法的に有効な書面にまとめておくと安心です。
のちにトラブルへ発展することを防げるでしょう。
話し合いがまとまらなかった場合、裁判所へ調停を申し立てましょう。
調停手続とは、裁判所を介した話し合いのことです。
調停期日では調停委員が夫婦の間に入り、中立的な立場から話し合いを進めてくれます。
お互いに顔を合わせて協議するわけではないので、冷静になれるかもしれません。
協議がまとまれば調停成立となり、成立調書をもって離婚手続きを進めましょう。
調停でも話し合いがまとまらなければ、裁判手続へ移行します。
裁判で慰謝料請求をするなら、根拠となるような証拠が重要となるため、裁判で有効になる証拠を用意しましょう。
また、裁判手続は複雑で時間もかかるだけでなく、提出する書類や証拠も多くあります。
そのため、離婚問題に注力している弁護士へ依頼することをおすすめします。
50代での離婚の場合、やはりお金のことが心配になるのではないでしょうか。
専業主婦やパートで働いていた場合、お金のことが不安で離婚に踏み出せない方もいるかもしれません。
ここからは、離婚後に1人で生活するためにはどのくらいのお金が必要なのか、総務省の調査に基づいてシミュレーションしてみましょう。
2023年の総務省が実施した家計調査報告によると、単身の勤労者世帯における1ヵ月の消費支出額平均はおよそ16.8万円となっています。
また、2022年の厚生労働省調査によると、男性の平均寿命は81歳、女性は87歳という結果が出ています。
50代で離婚して今後30年生きると想定すると、生活に必要なお金は以下のとおりです。
離婚する年齢やご自身の収入、住んでいる場所によっても金額は増減しますが、一般的な平均値は6,000万円程度のようです。
この金額から財産分与や慰謝料で獲得した金額、将来の年金を差し引けば、自己負担はやや少なくなるといえるでしょう。
2022年の厚生労働省調査によると、年金分割の手続きを経て受給できる年金額の平均値は、月8.8万円となっています。
ちなみに、年金分割をしなかった場合の平均額は約5.5万円です。
年金分割をするのとしないのとでは、月々3万円以上の差額が出る結果となっています。
なお、2022年度の厚生年金保険(第1号)平均受給額は、月々約14万円です。
50代での熟年離婚の場合、今後の生活や金銭的な不安も尽きないことでしょう。
ご自身にとって有利なかたちで慰謝料を請求したいなら、離婚問題に注力している弁護士へ相談しましょう。
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弁護士に相談すれば、これまでの状況を鑑みて、適正な慰謝料額を算定してくれます。
相手方との交渉も代理でおこなってくれるので、精神的な負担も少ないでしょう。
また熟年離婚の場合、決めなければならないことも数多くあります。
財産分与や年金分割などの問題も複雑に絡むため、当事者のみだとなかなか話し合いが進まないかもしれません。
なるべくスムーズに離婚手続きを進めるためにもなるべく早く、離婚や慰謝料請求に慣れている弁護士へ相談してみましょう。
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