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浮気のメールだけで慰謝料を得るには?証拠の強さと収集のポイント

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「メールのやり取りを見る限り、夫が浮気をしている可能性が高い」

「でも浮気の証拠がメールしかみつからない」

配偶者の行動が怪しいと感じ、つい相手のスマートフォンを覗き見して浮気を疑わせるメールをみてしまったという方もいるでしょう。

浮気をされたことで精神的に深く傷つき、慰謝料を請求したいと考えても無理はありません。

ただ気になるのはメール以外に証拠が見つからないことです。

本記事では、浮気の証拠がメールだけで慰謝料請求が可能かや、慰謝料請求をするために必要な対応、メールを証拠として利用するための注意点を解説しています。

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目次

メールの証拠としての価値|浮気のメールだけで慰謝料請求はできる?

結論から述べると、メールの内容から浮気や不貞行為の有無が疑われたとしても、メールだけでは慰謝料の請求は難しいです。

ただし、メールの内容によっては、浮気や不貞行為の証拠として有効と考えられます。

以下、どのようなメールであれば証拠として有効かや、慰謝料請求ができる可能性が高くなる条件についてみていきましょう。

日常会話程度のメールのやり取り|浮気の証拠としては弱い

日常会話程度のメールのやり取りでは、証拠としては弱く慰謝料請求は難しいです。

裁判で慰謝料を請求するのであれば、不貞行為があったことがわかる証拠が必要です。

不貞行為とは、配偶者以外の異性と性的関係を結ぶことを指します。

日常会話の延長のようなメールでは、不貞行為があるとは断定できません。

たとえば「愛してる」「早く結婚したい」といった内容でも、肉体関係があることまでは明らかではないため、慰謝料を請求するのは難しいです。

日常会話程度のメールのやりとりしかない場合は、ほかに有効な証拠がないかを探す必要があります。

不貞行為を推測させるメールのやり取り|有効な証拠になる

不貞行為を推測させるメールのやり取りが残っていれば、有効な証拠になります。

不貞行為を推測させるメールのやり取りの例は、以下のようなものです。

  • 「今度このホテルに泊まりに行こう」
  • 「また一緒に旅行したいね」
  • 「あなたとは体の相性がいい」
  • 「昨日のセックスは最高だった」

ただし、これらの内容が記載されたメールだけでは、不倫の証拠として十分でないと判断される可能性が高いです。

実際に裁判で、不貞行為を示唆するメールをやり取りしていたにも関わらず、それだけで不貞行為をしたと断定できないと判断された事例があります。(東京地裁平成25年3月15日判決)

一方でホテルに宿泊した事実がみつかるなど、ほかの証拠もそろっている場合はメールとあわせ不貞行為が認められる可能性が高くなります。

手元にあるメールのやり取りが証拠となりえるのか、ほかにどんな補強証拠が必要なのかは弁護士に確認することをおすすめします。

肉体関係があったとわかる写真・画像が添付されたメール|有力な証拠として扱われる

より有力な証拠として扱われるのは、肉体関係があったとわかる写真や動画が添付されたメールです。

性行為中の写真や動画、2人の裸の写真などが添付されているメールなら、それを元に慰謝料請求が可能だといえます。

なかでも動画は偽装を疑われる可能性も低いため、特に有効な証拠として扱われるでしょう。

浮気のメールから慰謝料請求が認められた主なケース

浮気のメールから慰謝料請求が認められるのは、具体的にどのようなケースが考えられるのでしょうか。

以下、浮気のメールが有効な証拠として扱われ、慰謝料請求が認められた3つの例を紹介します。

1.肉体関係がわかるメールだったケース

1つ目は肉体関係を推測できるメールがみつかったケースです。

このケースでは夫が不倫相手と海外旅行をし、帰国後に旅行中の肉体関係を推測させるようなメールのやり取りを繰り返していました。

裁判では、これらのメールが不貞証拠を裏付ける証拠として採用されたのです。

さらに実際に夫と浮気相手が同室で宿泊していた事実も認定されていることから、不貞行為の事実も認められました。

このケースでは、証拠がメールのみでは不貞行為の認定まで至らなかった可能性も高いです。

しかしメールとあわせて宿泊の事実も認められていたことから、不貞行為が認定された事例といえます。

2.メールがきっかけで、配偶者が浮気・不倫を認めたケース

2つ目は、メールがきっかけで、配偶者が浮気・不倫を認めたケースです。

確固たる肉体関係の証拠がなくても、親密なメールのやりとりがあるなら、それを元に夫婦で話し合うのも方法のひとつです。

話し合いの結果、配偶者が浮気を認める場合もあるでしょう。

メールだけでは2人の間に肉体関係があるのかまでは断定できなくても、配偶者の自白が証拠となり得ます。

配偶者が浮気を認めたなら、証拠を音声や書面で残しておきましょう

この証拠を元に、慰謝料請求ができる可能性があります。

3.メールのやり取りが原因で婚姻生活に影響が生じたケース

3つ目は、メールのやり取りが原因で、婚姻生活に影響が生じたケースです。

不貞行為がなくても、婚姻生活に支障をきたすような性的親密性の高いメールのやり取りをしていれば慰謝料請求が認められる可能性はあります。

東京地方裁判所の平成24年11月28日に出された判決では、被告が既婚者とやりとりしていた性的な親密性を感じさせるメールが、原告との平穏な婚姻生活を害したとして、30万円の慰謝料請求が認められました。

メールを浮気の証拠として利用するための5つのポイント

配偶者と浮気相手とのメールを目の当たりにすると、落ち着いていられないかもしれません。

しかし慰謝料を請求したい場合は、以下にあげる5つのポイントをおさえ冷静に証拠を集めましょう。

1.自分のスマートフォンなどで撮影する

メールで浮気の証拠を集めるときのポイント1つ目は、自分のスマートフォンなどで撮影することです。

スクリーンショットは手軽に証拠を集められる方法ではありますが、おすすめできません。

スクリーンショットは偽装を疑われやすいためです。

証拠としての効力を高めるため、自分のスマートフォンでやり取りを撮影しましょう。

相手のスマートフォンを机などに置いてメールのやり取りを表示させ、自分のスマートフォンで写真や動画撮影しておくのがおすすめです。

2.メールの前後のやり取りも撮影する

メールを浮気の証拠として利用するときのポイント2つ目は、メールの前後のやり取りも撮影することです。

不貞行為があったとされる一部分のみのやりとりだと、内容によって不貞行為とは断定できない場合もあります。

性的な発言も、「冗談で言っただけ」と言い逃れされてしまうかもしれません。

メールを証拠にする際は、前後のやり取りをしっかり残しておきましょう。

発言に至った経緯がわかれば、不貞行為の信憑性も高まるはずです。

3.配偶者のスマートフォンも撮影しておく

メールを浮気の証拠として利用するときのポイント3つ目は、配偶者のスマートフォンも撮影しておくことです。

慰謝料請求の証拠として残したいのであれば、メールのやり取りがおこなわれたのが配偶者のスマートフォンだということを明らかにする必要があります。

メールの画面だけをアップで撮影してしまうと、誰のスマートフォンなのかがわからず、言い逃れされてしまうかもしれません。

配偶者のスマートフォンに保存されたメールだということを明らかにするためにも、スマートフォンごと撮影するようにしましょう。

4.撮影した日時がわかるようにしておく

メールを浮気の証拠として利用するときのポイント4つ目は、撮影した日時がわかるようにしておくことです。

裁判所に証拠として提出するなら、いつ撮影されたものなのかを明らかにする必要があります。

いつ撮影したものか不明だと、証拠として採用されない可能性があるからです。

撮影するときは、トップ画面の日付が表示されている所から動画も撮っておくとよいでしょう。

5.撮影後は未読状態に戻しておく

メールを浮気の証拠として利用するときのポイント5つ目は、メールを未読状態に戻しておくことです。

メールを開封したことがバレてしまうと、配偶者と揉め事になる可能性があります。

警戒されて、証拠を隠されてしまうかもしれません。

引き続き証拠を集めるためにも、撮影したらメールは未読状態に戻し、疑われないようにしましょう。

浮気の証拠がメールだけしかない場合にできる3つの対応

浮気の証拠がメールしかなくても、なんとか相手に慰謝料を請求したい。

このように考える方もいるのではないでしょうか。

ここからは、浮気の証拠がメールだけしかない場合にできる3つの対応を紹介します。

1.より有力な証拠を自力で手に入れる

1つ目は、より有力な証拠を自力で手に入れることです。

メールだけでは、証拠として弱い可能性もあります。

ほかの証拠も用意して、不倫の事実を立証しましょう。

自分で集められる可能性がある有力な証拠の例は、以下のようなものです。

  • ラブホテルや、旅行先のホテルの領収書
  • ホテルに出入りしている写真や動画
  • 性行為の写真や動画
  • 不倫を自白した音声
  • カーナビの履歴 など

不倫をしていることが事実であれば、メール以外にも証拠が出てくる可能性が高いでしょう。

2.探偵に依頼し浮気現場の証拠を確保してもらう

2つ目は、探偵に依頼し浮気現場の証拠を確保してもらうことです。

配偶者に見つからないよう証拠を集めるのは、なかなか難しいことです。

また、浮気相手に慰謝料を請求するなら、どこの誰なのかを明らかにする必要もあります。

素人が調べるのは限界があるでしょう。

そこで、探偵の手を借りるのも方法のひとつです。

探偵なら、配偶者や浮気相手を尾行するなどして浮気の決定的瞬間を写真におさめてくれる可能性が高いです。

浮気相手の居住地や職場といった素性も、明らかになるかもしれません。

探偵が作成した調査報告書は、裁判でも有力な証拠となるでしょう。

費用はかかりますが、自力で集めるのが困難な場合は探偵の手を借りるのもおすすめです。

3.弁護士に相談し慰謝料請求できるか判断してもらう

3つ目は、弁護士に相談して慰謝料請求できるか判断してもらうことです。

メールの内容や添付されている写真など今ある証拠が有効なのか、ほかにどんな証拠を集めるとよいか弁護士に相談してみましょう。

弁護士なら、どのくらいの慰謝料が取れそうなのか、どうやって慰謝料請求したらいいのかなど、状況に応じた法律アドバイスもしてくれるはずです。

配偶者の浮気で慰謝料請求をしたいなら、弁護士への相談がおすすめです。

浮気問題・慰謝料請求トラブルが得意な弁護士を探す際は、「ベンナビ離婚」の活用をおすすめします。

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メールを浮気の証拠にする場合に絶対守るべき注意点

メールを浮気の証拠にする場合、注意しないとご自身が不利な状況に陥る可能性もあります。

ここからは、メールを浮気の証拠にする場合に、絶対に守るべき注意点を3つ紹介します。

1.暴力や脅迫などを働いてはいけない

1つ目は、暴力や脅迫などを働いてはいけないことです。

配偶者のスマートフォンの中身を見たいからといって、力づくでスマートフォンを奪ったり、相手を脅したりすることは避けましょう。

相手に暴力をふるったり脅したりすれば、暴行罪や脅迫罪に問われる可能性があります。

また、殴る蹴るなどの暴行で配偶者が怪我をしたら、傷害罪に問われるかもしれません。

自分が不利な立場にならないためにも、暴力や脅迫によって証拠を集めるのは避けましょう。

2.配偶者のSNS等のID・パスワードを勝手に使ってはいけない

2つ目は、配偶者のSNS等のID・パスワードを勝手に使ってはいけないことです。

自分のスマートフォンで、許可なく配偶者のSNS等のID・パスワードを使いログインしたりすれば、不正アクセス禁止法に抵触してしまう可能性があります。

不正アクセスは、犯罪です。

配偶者の浮気によって、大きなショックを受けることでしょう。

しかし、だからといって不正アクセスが正当化されるわけではありません。

3.スクリーンショットはおすすめできない

3つ目は、スクリーンショットで証拠を集めるのは避けることです。

前述したとおり、スクリーンショットは比較的簡単に偽装できる可能性があります。

自分の都合の良いように偽装できてしまうので、証拠としての効力は低いといえるでしょう。

たとえメッセージの内容が本物でも、裁判で有効な証拠にならないかもしれません。

証拠を集めるときはスクリーンショットではなく、メールの画面を表示させ、スマートフォンごと写真におさめるようにしましょう。

浮気の慰謝料請求をする方が知っておくべき基礎知識

慰謝料請求をする際は、わからないことも多いでしょう。

本項では、浮気の慰謝料請求をする際に知っておくべき基礎知識を紹介します。

浮気の慰謝料請求の条件|不法行為に該当するかどうか

不貞行為のような不法行為の事実が認められるかが、慰謝料請求の条件になります。

配偶者が浮気していることがわかったからといって、慰謝料請求の対象になるとは限らないのです。

不法行為とは、故意や過失によって他人の権利や利益を侵害する行為のことです。

既婚者と知りながら不貞行為を続けたり、少し注意すれば既婚者と気付く状況だったのに不貞行為を繰り返したりすれば、不法行為に該当します。

この場合、慰謝料の請求が可能だといえるでしょう。

ただし、不貞発覚の前から夫婦関係が破綻していた場合や、既婚者だと知らずに騙されて交際をしていた場合などは、慰謝料請求が認められない可能性があります。

仮に認められたとしても、慰謝料は減額されるでしょう。

不倫慰謝料についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

浮気の慰謝料金額の相場|一般的には50万~300万円程度

浮気の慰謝料の相場は、一般的には50万円~300万円程度です。

浮気の慰謝料の金額は、夫婦の関係性や浮気の悪質性、浮気によって夫婦関係がどう変化したかなどによって変動します。

たとえば浮気によって離婚に至った場合は、そうでない場合に比べ慰謝料が高額になるのです。

婚姻期間や浮気の期間、その後の対応によって金額は変わります。

ただし、裁判をせず交渉のみで慰謝料を請求する場合は、相場通りにならないこともあります。

浮気の慰謝料についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

浮気の慰謝料請求の時効|不貞の事実を知ってから3年以内

浮気の慰謝料請求をしたいなら、時効に気を付けましょう。

浮気の慰謝料請求の時効は、不貞の事実を知ってから3年以内です。

一方、配偶者の不貞に気が付かなかった、もしくは気が付いていたけれど相手をなかなか特定できなかったという方もいるかもしれませんが、不貞の事実及び相手を知ってから3年以内なのでご安心ください。

もっとも、時効とは別に除斥期間というのがあるため注意が必要です。

除斥期間とは、法律上権利を行使することが可能な最大の期間を指します。

慰謝料請求(不法行為)の除斥期間は20年間で、20年間は知ってから3年以内であれば慰謝料請求権があるということになります。

たとえば、不貞行為がおこなわれた5年後にその事実を知った場合、除斥期間である20年が経過していないため慰謝料の請求は可能です。

一方で、不貞行為から30年後に不貞の事実を知った場合は、除斥期間が経過しているため慰謝料請求はできません。

また、いくら時効が成立していないからといって、慰謝料請求を後回しにするのは避けたほうがよいでしょう。

配偶者の浮気が原因で離婚したとしても、時間が経ってから慰謝料を請求すると、離婚との因果関係が疑われてしまう可能性があります。

いずれにせよ、浮気の慰謝料請求をするなら早めに行動しましょう。

不倫慰謝料の時効について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

さいごに|浮気の証拠がメールだけなら一度弁護士に相談を!

浮気や不貞行為の証拠としてメールしか見つからない場合、残念ながら慰謝料を請求するのは困難です。

しかしメールの内容によっては証拠としては有効と考えられ、ほかの証拠とあわせて慰謝料を請求することもできます。

浮気の慰謝料を請求したいときは、なるべく早めに弁護士へ相談するのがおすすめです。

離婚問題を得意とする弁護士であれば、取得したメールが証拠として有効かやほかにどんな証拠が必要か適切にアドバイスしてくれるでしょう。

配偶者の浮気が発覚したら、ショックや怒りの気持ちでパニックになるかもしれません。

しかし、感情に任せて行動してしまうと、後々自分が不利になる可能性もあります。

きちんと慰謝料を請求したいと考えているなら、法律の専門家である弁護士に、早めに相談しましょう。

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この記事の監修者
新日本パートナーズ法律事務所
池田 康太郎 (第二東京弁護士会)
弁護士登録以来一貫して離婚・不倫問題の解決に取り込んでいる。特に『配偶者から不倫慰謝料請求をされた方むけ』の相談に注力しており、多数の解決実績がある。

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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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