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KL2020・OD・039
夫婦別姓の大きなメリットは、氏の変更手続きをしなくて済み、手間が省けるという点ですが、その他にも社会で働いている場合は別姓の方が楽になることもあります。
この記事では、夫婦別姓にした場合の4つのメリットと3つのデメリット、結婚後も旧姓を使用し続ける方法をまとめました。夫婦別姓にするか、同姓にするか選択する場合の参考にしてください。
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夫婦別姓にすることで氏の変更をしなくて済むという大きなメリット以外にもさまざまなメリットがあります。ここでは、夫婦別姓にした場合の4つのメリットについてまとめました。
住民票はもちろん、クレジットカード・銀行・運転免許証などに登録されている氏を、1つずつ変更して行くのはとても面倒くさいし手間ですよね。
しかも、氏を変更するのは大半が女性。結婚は2人のことなのに、女性だけが多くの負担を強いられることになってしまうのが現状です。また、結婚・離婚により氏を変更することでどうしても目立ってしまいます。話題にされたくない方にとっては苦痛でしょう。
しかし、夫婦別姓にすることで、氏の変更手続きをする必要がなくなり、手間を省くことが可能です。また、一方だけが負担を強いられることがなくなります。もちろん、後述しますがこれにはデメリットもあります。
学者などの研究者は、結婚により氏を変更することで今まで作成・発表した論文などの氏名を変える必要が出てくるでしょう。もし、結婚後のものだけ氏を変えた場合、著者の一貫性を保てなくなってしまう可能性があります。
例えば、論文。『姓(旧姓)名前』と記載して、同一性が分かるようにしておくことが往々にしてあります。しかし、そのような表記がされなかった場合、同じ著者だと思われない可能性があるでしょう。その結果、実績を継続できなくなってしまうかもしれません。
これは学者だけの問題ではありません。会社で働いている人も氏の変更をした場合、サインや書類の作成者が同じ人だと思われず混乱し、トラブルに発展する可能性があります。
氏が変更したことにより、結婚の有無が周囲にわかってしまいますよね。そのため、プライバシーを侵害されていると感じる人や、結婚がばれたくないなどの事情がある人もいます。
夫婦別姓にすることで結婚したことを隠しておくことができます。もし調べようと思っても、事実上戸籍を取得するなどの手段しかありません。また、万が一離婚した場合も氏の変更がありませんので周囲が気をつかう必要がなくなります。
生まれて結婚するまで旧姓で生活していますので、急に氏を変更することに対し違和感や嫌悪感を持つ人もいます。
3年前に結婚して、戸籍上は夫の姓になった会社員です。私は姓を変えたくなかったので、結婚後も仕事上は旧姓を名乗っていました。しかし、今更ながら戸籍姓の名字を名乗らなくていけなくなりました。自分でもうまく説明できないのですが、それがすごく嫌です。(引用:仕事上で戸籍姓を名乗るのが憂鬱です。心持ちを教えてください。|発言小町)
今年に入り、いろいろな経緯から外で働くことになり、結婚後はじめて、新しい苗字を名乗る機会が増えています。最初は特に何も考えずに、新しい苗字で仕事を始めましたが、どうにもなんだか違和感を感じるのです。(引用:結婚後も旧姓で仕事をすること|発言小町)
氏はある意味、両親や実家とのつながりになりますので、いくら好きな人の氏になるといっても捨てがたいと感じる人もいます。また、もともと周囲の人が旧姓をニックネームにして呼んでいる場合は、愛着から氏を変更したくないと思う人もいるでしょう。
弁護士へのよくある質問として、相手方配偶者のことは『好き』だけど、苗字は『嫌い』というケース。どうしても嫌いな苗字になりたくないなんて方の相談もあるそうです。
夫婦別姓はメリットばかりではありません。ここでは、夫婦別姓を選んだ場合の3つのデメリットを紹介します。
現在の法律では夫婦同姓を定めていますので(民法第750条)、別姓を選ぶ場合は、法律上の結婚はできません。事実婚(内縁)となり、支援や手当を受けられますが、法律上の結婚をしている人達が受けられる公的な補助を受けられないでしょう。
また、出産しても未婚の母になりますし、認知してもらわない限り子供の戸籍の父親の欄が空白のままになってしまうのです。
夫婦別姓の場合、子供の氏が一方の親と違ってしまいます。子供が幼いときはよいのですが、家族内で氏が違うことに気づいた場合寂しい思いをしてしまうかもしれません。周囲の人に心ない言葉をかけられる可能性もゼロではないでしょう。
別姓を理由に結婚せずに事実婚をしていることに対して周囲から「どうして戸籍を入れないのか。」と、批判的な意見を言われてしまうこともあるでしょう。
また、『旧姓が好き』という理由だけで夫婦同姓を拒否する行為は、周囲から見ると『わがまま』・『実家に依存している』という印象を持たれてしまうかもしれません。
周囲の目が気になってしまう人には、大きなストレスになるかもしれません。
「事実婚は嫌だけど会社では旧姓を使いたい。」という場合、『通称』として旧姓を使用することは可能です。この場合、法律上は結婚していますので各所に氏の変更手続きが必要になりますが、会社で今までどおり旧姓を利用できます。
下の表は実際に『通称』として旧姓を使用しているかどうかについての調査をまとめたものになります。
結婚経験がある人の約半数は旧姓を『通称』として使用している・使用していたことがあるということがわかりました。書類上は戸籍の氏を利用しても呼び名は旧姓のままという人もいるでしょう。
では、企業側も旧姓を『通称』として使用することを認めているのでしょうか。
約半数に近い割合で旧姓の使用が認められています。しかし、検討したことがないという企業もあることがわかります。
芸能界や法曹界、プロの世界の人(アスリートやプロゴルファーなど)にとっては、通称名の使用は当たり前のように感じられることもありますが、わざわざ通称名を利用する理由について、まだ日本企業では十分な理解が得られていないのが実情ではないでしょうか。
手続きといっても会社によってさまざまです。多くの会社は、姓が変わる際に届出を提出したり口頭で旧姓希望を伝えたりすることで旧姓を使用できます。(参考:旧姓使用の手続き|内閣府男女共同参画局)
ただし、旧姓の使用を認めていない会社もありますので、最初に上司や届出の提出先の部署に相談することをおすすめします。
通称にした場合、戸籍名と旧姓両方の印鑑を用意する必要があり不便を感じてしまうかもしれません。
また、戸籍名で作成しなくてはいけない書類と旧姓で作成できる書類に対する使い分けが面倒くさいと感じることもあるでしょう。
メリットもありますがデメリットも多い夫婦別姓。現在別姓でも結婚を可能にする制度、選択的夫婦別氏制度の導入が検討されています。
『同姓にしなくてはいけない』ことが原因で、結婚をためらっていた人も結婚しやすくなるのではないでしょうか。
「先輩が元カレと別れた理由」 pic.twitter.com/isUsSG3GJE
— マルクス (@b_ksou) 2018年5月10日
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