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戸籍のバツ(離婚歴)はどう表記されるか見本を紹介 | バツを消す方法の解説も

戸籍のバツ(離婚歴)はどう表記されるか見本を紹介 | バツを消す方法の解説も

離婚した方が「バツイチ」と呼ばれることがありますね。

これは、離婚後の戸籍にバツ印がついていたことが理由のひとつといわれています。

しかし、離婚後の戸籍を見る機会があまりないという方は珍しくなく本当にバツ印がつくのか、つくのであればどのような表記がされるのかなど、気になる方もいるのではないでしょうか。

離婚を考えているけれど、離婚後の戸籍がどのような表記になるのか不安に思う方もいるかもしれません。

本記事では、離婚後の戸籍の表記について、本当にバツがつくのか、再婚予定の相手に戸籍を見られて離婚歴があると知られてしまうのかなどについて解説します。

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離婚したら戸籍謄本にバツ印でなく「除籍」と表記される

現代の戸籍謄本では、離婚してもバツ印がつくことはありません

離婚によって配偶者の戸籍から抜けた人は、バツ印ではなく「除籍」と表記されます。

平成6年に戸籍法が改正されるまで、戸籍は手書きで作成されており、死亡や離婚などで戸籍から抜けた方の名前にバツ印が書かれていました。

しかし平成6年の改正を機に戸籍は全てコンピューターで管理されることとなり、同時に戸籍から抜けた人はバツではなく「除籍」と表記されるようになったのです。

そのため、現代の戸籍謄本にバツ印は存在しません。

しかし、「除籍」と表記はされるので、離婚したという記録は残ります

離婚後の戸籍見本 | バツ印(除籍)や離婚歴はどう表記される?

言葉で説明されても、よくわからないという方のため、ここからは離婚後の戸籍の見本を紹介します。

婚姻時の戸籍に残る筆頭者側の戸籍見本

婚姻時の戸籍に残る筆頭者側とは、たとえば結婚して夫を筆頭者とする戸籍に妻が入り、その後離婚した場合の夫側のことです。

このようなケースだと、夫の戸籍の身分事項は以下のように記載されます。

身分事項
 離婚
【離婚日】:○○○○○
【配偶者氏名】:○○○○○

身分事項とは、出生や婚姻などの履歴が記載される場所のことです。

戸籍の左側が身分事項欄となり、離婚すれば「離婚した日」や「誰と離婚したのか」などが記載されます。

また、妻の欄は以下のように記載されます。

除籍 【名】○○○○○
【生年月日】○○○○○
【父】○○○○○
【母】○○○○○
【続柄】○○○○○

名前の横には戸籍から抜けたことを表す「除籍」の文字が記されます。

そして夫の戸籍と同様、身分事項欄には「離婚した日」や「誰と離婚したのか」のほか、「両親の名」などが記載されます。

自分が筆頭者となる戸籍で離婚した場合は、自身の身分事項欄と元配偶者の身分事項欄に離婚の事実が記載されます。

そして戸籍から抜けた元配偶者は、離婚したからといって戸籍から名前が消えるわけではなく、元配偶者の名前の横に「除籍」と表記され、本籍地を変えない限りは戸籍に残り続けます

婚姻時の戸籍から出る側の戸籍見本

婚姻時の戸籍から出る側の例としては、結婚して夫を筆頭者とする戸籍に妻が入り、その後離婚した場合の妻などが挙げられます。

夫の戸籍から除籍された妻は、新たに妻の戸籍を作成するか、両親の戸籍に戻ることになるでしょう。

そして、妻が婚姻前の姓に戻る場合と婚姻時の姓を名乗り続ける場合とで、戸籍の記載方法は変わります

まずは、婚姻前の姓(旧姓)に戻る場合の戸籍の見本をご紹介します。

【婚姻前の姓に戻る場合】
身分事項
 離婚
【離婚日】:○○○○○
【配偶者氏名】:○○○○○
【従前戸籍】○○○○○(本籍地)○○○(配偶者)

旧姓に戻る場合の妻の戸籍には「離婚した日」「誰と離婚したのか」「今の戸籍に入る前に、誰が筆頭の誰の戸籍にいたのか」が記載されます。

妻が離婚後も継続して婚姻時の姓を名乗る場合は、以下のようになります。

【婚姻時の姓を名乗る場合】
身分事項
 離婚
【離婚日】:○○○○○
【配偶者氏名】:○○○○○
身分事項
 氏の変更
【氏変更日】○○○○○日
【氏変更の事由】○○○○○
【従前戸籍】○○○○○(本籍地)○○○(配偶者)

婚姻時の姓を名乗る場合は、旧姓に戻る場合と同じ項目に加え、身分事項に「氏の変更」の記載が増えます。

「氏の変更」とは、苗字を変える手続きのことで、離婚後も婚姻時の姓を名乗りたい場合に必要です。

離婚後、自分が筆頭者となる戸籍を新たに作り、市区町村の戸籍課で「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出すると、婚姻時の姓を名乗り続けることができ、戸籍には「氏の変更」の旨が記載されます。

なお、離婚後に旧姓に戻るだけなら、「氏の変更」には該当しません。

戸籍から離婚歴(バツ印や除籍など)を消す方法

離婚した後の戸籍には「バツ」はつかないものの、「除籍」や「離婚日」など離婚歴がわかる記載はされてしまいます

再婚相手に離婚歴を知られたくないなどの理由で、戸籍から離婚歴を消したいと考える方もいるかもしれません。

ここからは、戸籍から離婚歴を消す方法について解説します。

転籍して戸籍から離婚歴(バツ印や除籍など)を消す

転籍とは、本籍地を別の場所に移す手続きのことです。

転籍手続きをすれば、戸籍に記載されている全員の本籍地が別の場所に移ります。

たとえば女性が離婚して、元夫が筆頭者の戸籍から抜けて両親の戸籍に戻ったとします。

この場合、両親の戸籍に戻った時点では、戸籍には離婚歴が記載されます。

しかし、その後別の市区町村へ転籍すれば、新しく作られる戸籍に離婚歴は引き継がれません

ただし転籍は、戸籍の筆頭者もしくは配偶者のみしか手続きできません

また、戸籍に記載されている全員の本籍地が移ってしまうため、家族の理解も必要だといえるでしょう。

女性よりも男性側で、自分が筆頭の戸籍から元配偶者との離婚歴を消したいという方のほうが、転籍手続きを取りやすいかもしれません。

 

分籍して戸籍から離婚歴(バツ印や除籍など)を消す

分籍とは、ひとつの戸籍を分ける手続きのことです。

戸籍の筆頭者や配偶者以外で成年に達している方であれば、分籍により単独で戸籍を作れます。

たとえば女性の場合、離婚後に元夫の戸籍から抜けて両親の戸籍に戻り、その後別の市区町村を本籍地として分籍すれば、新たに作られる戸籍に離婚歴は引き継がれません

ただし一度分籍すると、元いた両親の戸籍には戻れなくなります。

また、戸籍の筆頭者・配偶者以外で成年に達している方ができる手続きなので、元々戸籍の筆頭者である男性は分籍手続きができません。

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戸籍謄本でなく住民票から離婚歴を消すためには?

住民票から離婚歴を消すには、別の住所地へ住民票を移す方法と、住民票を改製する方法があります。

戸籍謄本だけでなく、住民票からも離婚歴はわかってしまいます。

たとえば男性で、婚姻中の住民票の世帯主が自身だった場合、世帯全員分の住民票を請求すれば元配偶者の名前がバツで消された住民票が取れるはずです。

元配偶者の名前を住民票から消したいのであれば、別の住所地へ住民票を移しましょう

新しく作成された住民票に前住所は載りますが、世帯全員分の住民票を請求しても元配偶者の名前は記載されません。

また女性が住民票の離婚歴を消す方法としては、離婚後、新たに自分を世帯主とした住民票を作る、もしくは親が世帯主の住民票に移る方法があります。

新しい住民票には「前住所」は載りますが、元配偶者の名前などは載らないため、女性は男性よりも住民票から離婚歴がバレにくいかもしれません。

住民票に離婚歴を載せないもうひとつの方法として、住民票を改製する方法もあります。

住民票の改製とは、住民票の内容に修正が多く発生し、余白がなくなったときなどに新しく住民票を作り直してもらう手続きのことです。

ただし、対応してもらえるかどうかは自治体の判断によるため、改製に応じてもらえない可能性がある点には注意しましょう。

戸籍から離婚歴(バツ印や除籍など)を消す際の注意点

ここからは、戸籍から離婚歴を消すときの注意点を解説します。

親の戸籍に戻ってから転籍する場合、親の本籍も移転することになる

離婚後に親の戸籍に戻ってから転籍する場合、親の本籍も移転するので注意しましょう。

転籍は、戸籍に入っている全員の本籍地を移す手続きであるため、親の戸籍に入ったあと、自分だけが転籍することはできません。

転籍すれば新しい戸籍から離婚歴(バツ印)を消せますが、親を含め戸籍に入っている全員の本籍地が変わる点に注意が必要です。

子どもがいる場合、父母欄には元配偶者の名前が書かれる

元配偶者との間に子供がいる場合は、子どもの父母欄には元配偶者の名前が書かれるので、離婚歴があるとバレる可能性があります。

転籍や分籍の手続きをしたとしても、子どもがいれば父母欄の記載を消せない点にも注意が必要です。

現在の戸籍から離婚歴を消しても、除籍謄本をみれば離婚歴がバレる

転籍や分籍などの手続きをすると、現在の戸籍から離婚歴を消すことは可能ですが、過去の戸籍(除籍謄本)には離婚歴が記載される点に注意しましょう。

これまでの戸籍から、完全に離婚歴を抹消するということはできません

ただし、戸籍や除籍を取得できるのは、原則本人や配偶者、直系血族であり、第三者が勝手に請求することはできないため、誰かに除籍を見られる可能性は低いでしょう。

しかし仮に再婚することになった場合、再婚相手から除籍を見せて欲しいと言われる可能性も考えられます。

そもそも戸籍から離婚歴(バツ印や除籍など)を消すべきかも考えるべき

ここからは、離婚歴を隠す必要性があるのか、隠す際にどのようなデメリットがあるのかなどを紹介します。

戸籍のバツ印にこだわる人は少なくなっている

最近は、戸籍のバツ印にこだわる人は少なくなっているようです。

以前より、離婚する夫婦が増えているため、離婚歴が再婚時に悪い影響を及ぼすとは限りません。

また離婚を経験した方は、結婚生活の難しさをわかっているでしょう。

過去の経験を活かせば、再婚後の生活を穏やかに送れるかもしれません。

バツイチの方に対するイメージは、かつて抱かれていたマイナスなものから変わりつつあります

これらの点をふまえ、戸籍からバツ印を消すべきなのかどうかを考えましょう。

戸籍のバツ印を隠すことで、相手からの信頼を失ってしまうリスクもある

戸籍のバツ印を隠すと、相手を騙すことになり、将来バレてしまったとき、相手はショックを受けるでしょう。

また友人や知人に再婚相手を紹介したくても、彼らの口から再婚相手に離婚歴が伝わるのではないかと不安になり、紹介が難しくなるかもしれません。

いくら気をつけていても、予想外の出来事が生じて離婚歴がバレる可能性もあります。

いつかバレるかもしれないと恐怖を抱きながら生活するより、最初から話しておいたほうが気持ちが楽になるかもしれません。

さいごに

現代の戸籍は、離婚しても戸籍に「バツ印」がつくことはありません

しかし、離婚により戸籍から抜けた方の身分事項には「除籍」という表記がされ、「離婚した日」なども記載されます。

ご自身が婚姻時の戸籍の筆頭者であれば、元配偶者の名前が戸籍に残ってしまうため、離婚歴がバレてしまうでしょう。

また自身が婚姻時の戸籍の筆頭者ではない場合、離婚後は新たに戸籍を作成するか、両親の戸籍に戻ることになるはずです。

この場合も新しい戸籍には「どこの、誰が筆頭者の戸籍から移ってきたのか」という内容が記載されるため、戸籍を見れば離婚歴はバレてしまいます。

戸籍の離婚歴を消したい場合、転籍や分籍をする方法があります。

しかし、過去の戸籍から離婚歴を消すことはできないため、何かのタイミングで再婚相手に離婚歴が知られてしまうかもしれません。

離婚歴を本当に隠す必要があるのか、今一度よく考えて、手続きをとるようにしましょう。

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この記事の監修者
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川越 悠平 (東京弁護士会)
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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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