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公開日:2020.6.30  更新日:2021.1.26

内容証明郵便とは?法的効力や書き方のルール・無視された時の対処法

銀座さいとう法律事務所
齋藤 健博
監修記事
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内容証明郵便とは、郵便物の文書内容、送付先、および送付元を証明してくれる日本郵便のサービスのことです。内容証明郵便自体には特段の法的効力はありませんが、相手方に対する意思表示の証拠として有用なこともあります。また、内容証明郵便を送付することが、相手の心理的圧迫として機能することもあります。

例えば、離婚を巡るトラブルで内容証明郵便が有効に機能することがなくはありません。

この記事では、内容証明郵便とはどのようなサービスなのか、離婚事件等で内容証明郵便がどのように機能することがあるかを解説します。内容証明郵便について知りたいという方はぜひ参考にしてみてください。

内容証明郵便とは

内容証明郵便とは、「いつ、誰が、誰に、どのような内容を送ったのか」を日本郵便が証明してくれるサービスのことです。具体的には、差出人が送った書類の謄本を郵便局が保管するというものが内容証明郵便のサービス内容です。

日本郵便が中身を一つ一つ確認して書類の正当性を保証するサービスではありませんので、差出人が特定の書類を特定の相手に確実に送付したことの証拠を残すサービスと捉えるとよいかもしれません。

内容証明郵便により到達した記録が取れれば、相手から「そのような通知を受け取っていない」という主張がされても、これを明確に否定することができます。

内容証明郵便の機能・役割

内容証明郵便とは

では、離婚事件などの法律的なトラブルの中で内容証明郵便がどのように活用されるかを見ていきます。

消滅時効の停止

債権者(慰謝料請求の場合、慰謝料を請求する側)の債務者(慰謝料の請求を受けた側)に対する権利には消滅時効という制度があり、一定期間の経過により権利が消滅してしまうものとされています。

例えば、離婚事件の場合に不貞行為の当事者に慰謝料を求めるという場合、不貞の事実及びその当事者を知ってから3年、または不貞の事実があってから20年で慰謝料を求める権利は消滅するとされています。

そのため、自身の配偶者が不貞に及んだことやその相手を2年前に知るに至ったという場合、相手に対する慰謝料請求を1年以内に行わなければ、慰謝料を請求することができなくなる可能性が高いです

(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)

第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。

二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

引用:民法

このような消滅時効がかかわる問題についておすすめしたいのが内容証明郵便です。というのも、債権者は債務者に対して権利行使の意思を表明すれば、これが訴訟外でされた場合であっても時効完成を6ヶ月の間停止させることができます(このような意思表明を催告といいます)。ただしこれは暫定的なものであって、正式なものではありません。

この時効完成までの猶予期間に、正式な時効中断の処理(具体的には訴訟提起等)を行うことで時効完成を防止するということが実務的によく行われます。この場合、債権者から債務者に対して確実に催告を行った証拠として、内容証明郵便が有効に機能します。

というのも、債権者が電話やEmailで催告をしても、債務者から「そんな電話知らない」「Emailは受信できていない」と主張されると、債権者は催告の事実を証明することが困難となります。

また、普通郵便で書面を送っても、債務者が「届いていない」と言い張れば、確実に到達したことまでは証明できません。しかし、内容証明郵便を送付すれば、特定の書面を特定の相手に送付した確実な証拠となりますので、催告をした事実を容易に証明できるのです。

心理的圧力を与えることができる

内容証明郵便は一般的に訴訟手続の準備行為として利用されることが多いです。そのため、内容証明郵便を受領した相手は、このあと訴訟を提起されるかもしれないと考えることが多いです。

このような心理的圧迫から、債務者は通知を無視しないできちんとした対応や、場合によっては弁護士に相談して弁護士を通じて相応の対応があるなどが期待できます。

したがって、相手が何度連絡しても梨のつぶてであり、一向に対応してくれないという場合に、内容証明郵便を送付することで事態が打開されることは一定程度期待できると思われます。

無論、相手に心理的圧力をかけたからといって、必ずしも交渉が有利に進むわけではありません。しかし、本気度を示すという意味では内容証明郵便はそれなりに機能をするということです。

内容証明郵便の効力

内容証明郵便の効力

冒頭に記した通り、内容証明郵便それ自体には一切の法的拘束力(相手に従うべき法律上の義務を生じさせる力)はありません。例えば、慰謝料500万円を請求すると記載した文書を内容証明郵便で送付したとしても、相手がこれに直ちに応じる義務はありません。応じるかどうかは相手次第です。

繰り返しますが、内容証明郵便はあくまで特定の文書を特定の相手に送付した事実を証明してくれるに過ぎません。この点について誤解しないよう注意しましょう。

内容証明郵便の作成について|記載内容・書き方・送付方法

内容証明郵便の記載内容、書き方、送付方法について解説します。

記載内容

例えば、不倫問題で配偶者に慰謝料を請求する場合、内容証明郵便には主に以下のようなことを記載します。

  • 不貞行為の証拠や日時
  • 慰謝料の金額や振込先
  • 法的措置の検討 など

内容証明郵便には配偶者の不貞行為(浮気・不倫)の事実を記載するべきでしょう。ただ、あらゆる事情を全て記載すると支離滅裂な内容になりがちですので、対象となる不貞行為について相手、日時等を簡潔に記載すれば十分でしょう。

また、不貞行為が民法上の不貞行為に該当すること、その不貞行為によりご自身が精神的苦痛を被ったこともあわせて記載してもよいかもしれません。

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用:民法

慰謝料に関しては請求金額と支払期日、および支払先(振込先)を明記しましょう。不貞の慰謝料についていくらにしなければならないというルールはありませんが、話合いでの解決も視野にいれるのであれば、常識的範囲で記載するべきかもしれません。もし、どの程度請求すればよいかわからないという場合は、一度、弁護士に相談してみてもよいかもしれません。

なお、内容証明郵便に支払期限を明記しても、支払いもなければ連絡もないといったケースは少なくありません。この場合には次のステップを検討せざるを得ないでしょう。

書き方

内容証明郵便は記載できる文字の種類や書式が限定されています。以下は記載できる文字の種類になります。

(1)仮名

(2)漢字

(3)数字

(4)英字(固有名詞に限ります。)

(5)括弧

(6)句読点

(7)その他一般に記号として使用されるもの

引用:内容証明 ご利用の条件等 - 日本郵便

%など、一般的に使用されている記号も1文字と数えることになっています。括弧については2つで1文字と数えることになっています。また、書式には以下のような指定があります。

縦書き

横書き

1行20字以内・1枚26行以内

1行20字以内・1枚26行以内
1行13字以内・1枚40行以内
1行26字以内・1枚20行以内

文字や書式に従って書類を作成した後に、3部ずつ複写または書き写しをします。この3枚の内訳は郵便局で保管されるもの、送付するもの、ご自身が保管するものとなります。

送付方法

前項の書式で本文が完成したら、封筒に宛名とご自身の名前を書いて封を閉じずに郵便局へ持っていきます。郵便局には作成した内容証明の本文、保管用の謄本2通、郵便料金などを持っていきます。必ず必要ではありませんが、印鑑も念のため持っていくとよいかもしれません。

郵便局でスタッフが文字数などをチェックした上で手続きを行ってくれるでしょう。内容証明にはオプション含め、以下の料金がかかります。

必須でかかる料金

内容証明郵便料金

440円

郵便料金

84円

一般書留の加算料金

435円

付けた方が良いオプション

配達証明料金

320円

速達料金

290円

合計

1,569円

上記の料金の他に、内容証明の枚数が1枚増えるごとに260円かかります。なお、配達証明は配達したことを証明してくれるものですので、必ずつけておくようにしましょう。

内容証明郵便は全ての郵便局で取り扱っているわけではありません。お近くの郵便局で取り扱っていない場合、インターネット経由で内容証明郵便を送付するサービスを利用するとよいかもしれません。

内容証明郵便を無視された場合の対処法

内容証明郵便の対処法

内容証明郵便を無視された場合の次のステップとしては、内容証明郵便を追加で送付するか、別の法的手続を検討するかの二択となります

前者の方法は前回と同様個人名義でやっても結果は同じとなる可能性が高いですが、これを弁護士名義で行うと事態が打開されることは珍しくありません。

また、弁護士に依頼しておけば、追加の内容証明が無視された場合の次の法的手続にもスムーズに移行できます。そのため、自分で内容証明郵便を送っても何ら状況に変化がない場合には、弁護士への相談を積極的に検討しましょう。

e内容証明ならネットで24時間発送できる

e内容証明(電子内容証明)とは、インターネットを通じて内容証明郵便を24時間発送できるサービスです。Wordファイルで作成した内容証明文書をe内容証明の専用webサイト上にアップロードすることで、文書の印刷・照合・封入封かんがなされ内容証明郵便として発送されます。まずはe内容証明を利用した場合、どのようにして内容証明郵便が差出人から受取人に到達するのか、簡単に流れをご説明します。

e内容証明の流れ

  1. e内容証明の専用Webサイトにログインします。
  2. 差出人がwordファイルで作成した内容証明文書を同サイトの指示に従いアップロードし、差出人及び宛先を入力します。
  3. 文書を日本郵便に送信します。
  4. 日本郵便の完全自動化機械により、送信された文書を受け付けた上で印刷・照合・封入封かんを行います。
  5. 受取人宛に一般書留で正本が、差出人宛に簡易書留で謄本が配達されます。

大まかな流れは以上の通りです。

e内容証明のメリット

e内容証明のメリットは下記の通りです。

1. 価格

  • 内容証明文書の文字数や通数が多い場合、e内容証明の方が郵便局の窓口よりも安価となります。
  • 封筒、用紙を用意する必要がなく、印刷も不要となります。オフィス用品のコストを削減することができます。

2. 時間・手間

  • 郵便局に行く手間、混雑時の窓口での待ち時間がありません。
  • 内容証明文書を外へ持ち出す必要がありません。
  • 24時間受け付けてもらえます。
  • 差込差出し機能を使うと、受取人ごとに内容(氏名・住所・金額等)が異なる文書を100通までまとめて発送することができます。

利用方法

e内容証明(電子内容証明)サービスを利用するには、上記「e内容証明の流れ」にて記載の通り、専用のWebサイトにwordファイルの文書をアップロードして日本郵便にデータを送信する必要があります。

改めて簡単に利用の流れをご説明します。

  1. e内容証明の専用webサイトにログインします(利用に当たっては、無料の利用登録が必要です)。
  2. wordファイルで作成した内容証明文書をアップロードし、差出人及び宛先を入力します。
  3. クレジットカードまたは料金後納で支払いを行います。
  4. 受取人宛には一般書留で正本が郵送され、差出人宛には謄本が郵送されます。謄本を受け取ることで完了となります。

日本郵便のサイトにて、「ご利用の流れ」について案内がなされていますので、必要に応じてあわせてご確認ください。

関連リンク
日本郵便

利用料金

以下の表は、内容証明を郵便局から出す場合と、e内容証明を利用して出す場合における料金目安の比較一覧表です。

郵便局から出す内容証明書の枚数「約3枚分」=e内容証明の枚数「1枚分」

として計算しております(なお、文字の大きさ、余白等によりこの限りでないこともあります)。

そのため、下記表記載の通り、郵便局から出す場合の枚数が3枚までは、e内容証明の料金は変化しません。

   

郵便局から出す場合

e内容証明

1枚(郵便局から内容証明を出す場合の内容証明書が1枚の場合)

①基本料

(通常郵便物料金)84円

84円

②電子郵便料

 

15円

③内容証明料

440円

382円

④謄本送付料金

 

304円

⑤書留料

435円

435円

⑥配達証明料

320円

320円

⑦速達料

290円

290円

合計(①~⑤)

959円

1220円

合計(①~⑥)

1279円

1540円

合計(①~⑦)

1569円

1830円

2枚(郵便局から内容証明を出す場合の内容証明書が2枚の場合)

合計(①~⑤)

1219円

※③に260円が追加されるため。①~⑥、①~⑦の合計も同じ。

1220円

(変更なし)

合計(①~⑥)

1539円

1540円

(変更なし)

合計(①~⑦)

1829円

1830円

(変更なし)

3枚(郵便局から内容証明を出す場合の内容証明書が3枚の場合)

合計(①~⑤)

1479円

※③に260円×2が加わるため。①~⑥、①~⑦の合計も同じ。

1220円

(変更なし)

合計(①~⑥)

1799円

1540円

(変更なし)

合計(①~⑦)

2089円

1830円

(変更なし)

4枚(郵便局から内容証明を出す場合の内容証明書が4枚の場合)

合計(①~⑤)

1739円

※③に260円×3が加わるため。①~⑥、①~⑦の合計も同じ。

1585円

※②に5円、③に360円が加わるため。①~⑥、①~⑦の合計も同様。

合計(①~⑥)

2059円

1905円

合計(①~⑦)

2349円

2195円

内容証明郵便が届いた場合の対処法

内容証明郵便が届いた場合でも、これに対して返信・回答する法的義務はありません

しかし、返信・回答の必要があるのか、何を回答するか等をしっかりと検討する必要はあります。安易に回答をしてしまうと、後に裁判となった場合の重要な証拠となり得ますので慎重な対応が必要です。

内容証明郵便には回答期限が記載されていることも多く、焦ることがあるかもしれませんが、必要に応じて専門家である弁護士に相談をして対応策を検討することをおすすめします。離婚弁護士ナビではお住まいの地域の弁護士を検索できますので、是非ご活用ください。

まとめ

内容証明郵便とは、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰に送ったかを証明してくれる日本郵便のサービスです。離婚問題を初めとする法律問題について内容証明郵便が解決の手段となることもあります。

しかし、内容証明郵便に法的拘束力はないため、送付しても問題解決に至らないことの方が多いです。この場合は速やかに弁護士に相談することをおすすめします。

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離婚トラブルだけでなく、子供のいじめ、労働問題等でも利用することができます。

KL2020・OD・037

この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤 健博 (東京弁護士会)
男女問わず不倫問題全般を得意とし、円満解決の実績もあり。不倫が原因の男女トラブル、離婚慰謝料の請求や親権獲得など、幅広い相談に対応している。

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編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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