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不倫慰謝料の相場はいくら?増額・減額になるケースや証拠集めの基礎知識を解説

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突然配偶者の不倫が発覚し、このような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

不倫慰謝料は、被害者が離婚するかどうかや婚姻期間、子どもの有無など、状況によって適正な金額が異なるのが特徴です。

本記事では、ケース別の慰謝料相場から増額・減額の要因、証拠の集め方、請求手順、弁護士に依頼するメリットまで詳しく解説します。

最後まで読むことで、不倫慰謝料の相場が把握でき、次にとるべき行動が明確になるでしょう。

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目次

不倫慰謝料の相場は離婚する・しないで大きく異なる

不倫慰謝料の金額は、被害者が離婚するかしないかによって以下のように大きく異なります。

ケース

慰謝料の相場

離婚する場合

100万円〜300万円

離婚はしないが別居に至った場合

100万円〜200万円

夫婦関係を継続する場合

50万円〜100万円

離婚に至った場合は精神的苦痛が大きいとみなされ、慰謝料の相場も高くなる傾向があります。

しかし、離婚せず婚姻関係を継続する場合は、相場が比較的低めになるのが一般的です。

そのほか、婚姻期間や不倫期間、子どもの有無など、個別の事情によっても金額は上下します。具体的な請求額は、弁護士に相談して見極めるのがおすすめです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

離婚する場合の慰謝料相場|100万円〜300万円

不倫が原因で離婚に至った場合の慰謝料相場は、100万円〜300万円程度です。

家庭が壊れるほど大きな精神的ダメージを受けたと考えられるため、その分相場も高くなります。

たとえば過去の裁判例では、妻が職場の上司と不倫し、婚姻関係の破綻を理由に離婚に至ったケースで、不倫相手に対して220万円の慰謝料支払いが命じられた例があります(東京地方裁判所 令和元年10月10日判決)。

離婚しない場合の慰謝料相場|50万円〜200万円

離婚せず夫婦関係の修復を目指す場合の慰謝料相場は、50万円〜100万円程度が目安です。

離婚しなくても、別居に至ったときは100万円〜200万円程度の慰謝料が認められることもあります。

離婚するケースよりも慰謝料金額が低くなる傾向にあるのは、婚姻関係が続いている以上、精神的ダメージは離婚ほど大きくないと判断されやすいためです。

なお、離婚しないケースでは不倫相手のみに慰謝料を請求し、配偶者には請求しないのが一般的です。

理由としては、家計が同一の配偶者に慰謝料を請求しても、家庭内でお金が動くだけで実質的なプラスになりにくいことや、夫婦関係が悪化し修復が難しくなるおそれがある点があげられます。

不倫慰謝料が増額される6つのケース

ここでは、慰謝料が増額されやすい代表的な6つのケースを解説します。

1. 婚姻期間や不倫期間が長期的である

婚姻期間が長いほど、不倫慰謝料は高額になる傾向にあります。

婚姻期間の長さは、不倫によって受けた精神的苦痛の大きさと比例すると考えられるためです。

あくまでも目安ですが、婚姻関係が3年未満の場合は減額されやすい一方で、15年や30年など、婚姻関係が長期にわたったケースでは増額要素として評価される可能性があります。

また、不倫期間が長期に及ぶケースや、密会の回数が多い場合なども同様です。

長期間配偶者を裏切り続けた事実は、悪質性が高いと判断される材料になります。

2. 不倫相手が反省しておらず悪質性が高い

不倫の事実があるにもかかわらず関係を否定し続けたり、発覚後も密会を繰り返したりするなど、不倫相手の態度が悪質な場合は慰謝料増額の対象になり得ます。

たとえば、嘘をつき続ける、開き直るといった相手の行動は、被害者をさらに傷つけるものとして裁判でも問題視される傾向にあります。

また、無言電話や被害者に離婚を要求するなど、家庭を壊すことを目的とした嫌がらせがあった場合も同様です。

反対に、相手が自分の非を早期に認め、真摯に謝罪している場合は減額されることもあります。

相手の態度は、裁判官の心証や最終的な金額を左右するうえで重要な要素になります。

3. 夫婦間に幼い子どもがいる、または妊娠中である

被害者が妊娠中の場合や幼い子どもがいる家庭での不倫は、慰謝料が増額される傾向にあります。

妊娠中や産後、子育て中の不倫は、母体へのストレスや精神的ダメージが通常より大きいと判断されやすく、家庭に与えるダメージも深刻であると考えられるためです。

また、幼い子どもがいる家庭を壊す行為は、子どもの養育環境や心理面に悪影響を与えるおそれがあります。

子どもの年齢は、慰謝料金額を左右する要素のひとつとして考慮されます。

4. 不倫が原因でうつ病などの精神疾患を発症した

配偶者の不倫が原因でうつ病や適応障害などの精神疾患を発症した場合、慰謝料が増額される可能性があります。

精神的苦痛が健康被害として表れている分、損害の程度は通常より大きいと評価されるためです。

ただし、精神疾患を患ったからといって、必ずしも慰謝料が増額されるとは限りません。

増額を主張するには、心療内科や精神科で診断書を発行してもらうなど、客観的な証拠が必要です。

また、精神疾患を患ったことと配偶者が不倫したことに因果関係がなければなりません。

たとえば、「つらい」「不倫が原因で眠れなくなった」などと主張するだけでは慰謝料の増額は認められにくいでしょう。

そのほか、発症のタイミングも重要です。不倫発覚前から精神科に通院していた場合は、精神疾患と不倫との因果関係が認められにくい傾向にあります。

5. 不倫相手との間に子どもができた

配偶者と不倫相手の間に子どもができた場合は、慰謝料が増額される傾向にあります。

配偶者以外との間に子どもを作る行為は、重大な裏切りとみなされるためです。この場合、被害者が受ける精神的苦痛の程度も、通常のケースより大きくなりやすいでしょう。

また、離婚しない場合であっても、認知や養育費の支払いなどの問題が発生し、今後の夫婦生活に長期的な影響を及ぼす可能性があるでしょう。

そのため、裁判や示談交渉でも、慰謝料増額の事情として考慮されるケースがあります。

なお、不倫相手が妊娠したものの中絶に至った場合でも、妊娠という事実自体が大きな精神的苦痛につながるため、慰謝料が増額される可能性があります。

6. 不倫相手が不倫を主導していた

相手が既婚者だと知りながら不倫相手が不倫を主導していた場合、悪質性が高いとして慰謝料が増額される可能性があります。

不倫を主導するとは、たとえば以下のような行為をいいます。

  • 強引に交際や性行為を迫る
  • 相手に関係の継続を強要する
  • 上司と部下などの上下関係を利用して肉体関係をもつ
  • 年齢や経験が未熟な相手の弱みにつけ込む

ただし、配偶者が不倫を主導し、相手が受動的な立場であると認められるときは、不倫相手の過失が小さいと判断されて減額される場合があります。

不倫慰謝料が減額・免除される3つのケース

慰謝料は、増額される要素がある一方で、状況によっては減額・免除されるケースもあります。

ここでは、不倫慰謝料が減額・免除される3つのケースを解説します。

1. 夫婦の婚姻関係がすでに破綻していた

不倫前から婚姻関係が破綻していた場合、原則として不倫慰謝料は発生しません。

不倫慰謝料は、平穏な婚姻生活を守る権利が侵害されたことへの賠償であるためです。守るべき婚姻生活がすでに存在しないのであれば、請求権自体が生じません。

ただし、家庭内別居や一時的な夫婦仲の悪化程度では、婚姻関係が破綻していたとは認められにくいのが実情です。

婚姻関係が破綻していると判断されやすいケース・されにくいケースは、それぞれ以下のとおりです。

破綻が認められやすいケース

破綻していないと判断されやすいケース

・夫婦双方が離婚を望んでいる

・離婚を前提に数年以上別居している

・離婚の話し合いをおこなっている

・離婚調停・裁判が進んでいる

・夫婦間の交流が完全に途絶えている

・同居を継続している

・夫婦間で性的関係が続いている

・家族旅行や行事を計画・実行している

・一方がもう一方を介護・看病している

・別居が短期間で離婚について話し合っていない

なお、請求された側が婚姻関係の破綻を主張する際は、婚姻関係の破綻を客観的に証明する必要があります。

2. 相手が既婚者であることを知らず過失もなかった

不倫相手が交際相手を既婚者だと知らず、知らなかったことに落ち度がない場合、不倫相手に対しては慰謝料を請求できないのが原則です。

不法行為による損害賠償請求には、加害者の故意・過失が必要であるためです(民法第709条)。

たとえば、配偶者が出会い系アプリで独身だと偽わっており、既婚の事実を巧妙に隠していたケースなどが該当します。

ただし、単に「相手が既婚者だと知らなかった」と主張していても、それが認められるとは限りません。

単に指輪をしていなかったから、本人が言わなかったからといった理由では過失があったと判断されるおそれもあります。

3. 不倫慰謝料の消滅時効が成立している

不倫の事実と不倫相手を知ったときから3年、または不倫行為があったときから20年が経過すると、時効によって請求権が消滅します。

時効の起算点は、被害者が損害と加害者の両方を知ったときです。

つまり、配偶者の不倫に気づいていても、不倫相手を特定できていなければ時効のカウントは始まりません。

また、時効のカウントが始まっても、時効の完成は内容証明郵便の送付などで止められます。

そのため、時効期間が迫っている場合は、早めに弁護士に相談するとよいでしょう。

不倫慰謝料の請求を有利に進める証拠集めの基礎知識

慰謝料請求を有利に進めるためには、不貞行為を客観的に証明できる証拠が必要です。

証拠を集める前に相手を問い詰めると、証拠を隠されたり捨てられたりするおそれがあるため、まずは水面下で証拠を集めることが重要です。

以下では、不倫を証明するために有効な証拠や集め方、注意点について見ていきましょう。

不倫を客観的に証明できる証拠の種類と具体例

証拠として有効なのは、不倫を客観的に証明できる写真や音声、メッセージなどです。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

証拠の種類

具体例

写真・動画

・ラブホテルにふたりで出入りする際のもの

・旅行中、裸や下着姿のツーショット

・性的な内容を示すもの

探偵の調査報告書

・尾行、張り込みによる行動記録

・写真つき報告書

自白の音声・念書

・不倫を認める内容の音声データ

・署名、押印入りの文書

LINE・メールなどのメッセージ

宿泊や肉体関係をうかがわせる内容のやり取り

領収書・クレジットカードの利用明細

ラブホテルの利用、避妊具やプレゼントの購入など、不倫を推測させる履歴

通話履歴・カーナビの履歴

・不倫相手との頻繁な通話記録

・ラブホテルや相手の自宅への経路履歴

日記・メモ

・外泊、深夜に帰宅した際の日時

・不審な行動パターンを継続的に記録したもの

ただし、「会いたい」「好き」といった肉体関係があるかどうかまでは推察できないメッセージや、ふたりで食事をしている写真など、単体では証拠として認められにくいものもあります。

そのため、証拠は複数集めることをおすすめします。証明力が弱いものでも、複数組み合わせることで有効な証拠になり得るためです。

また、決定的な証拠がない場合でも、多くの証拠をそろえて配偶者を問い詰めることで、自白につながるケースもあります。

自分で集められない場合は専門家への依頼も視野に入れる

自力での証拠収集に限界を感じたときは、探偵事務所や弁護士への依頼を検討してみてください。

素人が相手を尾行したり、ラブホテルに出入りする瞬間を撮影したりするのは難しく、相手に気づかれるリスクも伴います。

気づかれれば、相手に警戒されて証拠収集がより困難になるでしょう。

その点、探偵に依頼すれば、相手に気づかれずに証拠を集められるうえ、裁判でも通用する調査報告書を作成してもらえます。

写真や動画、詳細な記録がセットになった報告書は、交渉・裁判の両面で強力な武器になります。

ただし、調査費用は決して安くありません。

依頼する前に弁護士に相談し、慰謝料で費用を回収できる見込みがあるかを確認しておくことをおすすめします。

探偵費用を抑える方法や事務所選びのポイントについては、以下の記事を参考にしてください。

やってはいけない違法な証拠収集

証拠を集める際は、違法な手段でおこなわないよう注意する必要があります。

違法な手段で集めた証拠は裁判で無効になる可能性があり、逆に相手から損害賠償を請求されるリスクもあるためです。

たとえば、以下のような手段で証拠を集めるのはやめましょう。

違法になる可能性のある手段

考えられるリスク

配偶者のスマートフォンに無断で監視アプリを入れる

不正指令電磁的記録取得・供用罪

配偶者のスマートフォンのパスワードを解除して勝手にLINEを閲覧する

不正アクセス禁止法違反・プライバシー侵害

配偶者のSNSのアカウントに勝手にログインする

車にGPSを設置する

プライバシー侵害

不倫相手の自宅に侵入して盗聴器・カメラを仕掛ける

住居侵入罪

証拠を捏造・改ざん・加工する

私文書偽造罪

証拠の収集方法に迷ったときは、弁護士に確認してから動きましょう。

証拠がなくても慰謝料は請求できる?

実は、不倫の証拠がなくても、慰謝料の請求自体は可能です。相手が任意で慰謝料の支払いに応じてくれるなら、慰謝料を受け取ることもできます。

ただし、相手が不倫を否定している場合、不倫の事実を立証できなければ泣き寝入りになる可能性が高いです。

また、裁判では慰謝料を請求する側が不倫の事実を証明しなければなりません。

そのため、証拠なしで裁判に臨むと、敗訴のリスクが高まる点に注意が必要です。

不倫慰謝料は誰に請求すべき?

不倫慰謝料は、配偶者と不倫相手のどちらか一方、または両方への請求が可能です。

ただし、離婚するかどうかやダブル不倫かどうかなど、誰に請求するのが合理的かは状況によって変わってきます。

ここでは、それぞれのパターンの特徴と注意点を解説します。

配偶者と不倫相手の両方に請求する

離婚を前提とする場合は、配偶者と不倫相手の両方に慰謝料を請求するのが一般的です。

両方に請求すれば、どちらかが支払いを拒否したり支払い能力がなかったりしても、もう一方から回収できます。

回収できないリスクを分散できるのはメリットといえるでしょう。

なお、配偶者と不倫相手はふたりで連帯して責任を負います。

たとえば、200万円の慰謝料が認められた場合、それぞれに100万円ずつ請求しても片方に200万円を請求しても問題ありません。

ただし、どちらか一方が全額を支払った時点でもう一方への請求権は消滅するため、二重取りはできない点を押さえておきましょう。

不倫相手のみに請求する

離婚せず夫婦関係を継続する場合は、不倫相手のみに慰謝料を請求するのが一般的です。ただし、この場合は求償権に注意する必要があります。

求償権とは、自分の責任割合を超えて慰謝料を支払った側が、もう一方の当事者に対して超過分の支払いを請求できる権利です。

たとえば、200万円の慰謝料が認められ、配偶者と不倫相手の責任割合が50%:50%なら、本来はそれぞれが100万円ずつ負担すべきです。

そのため、不倫相手が全額200万円を支払ったときは、不倫相手は配偶者に対して100万円を求償できます。

求償権が行使されると配偶者の財布からお金が出ていくため、家計が同一であれば実質的な慰謝料の手取りが目減りします。

なお、求償権の負担割合は必ずしも50%:50%とは限りません。

不倫相手が既婚者であると知っていたか、積極的に誘ったのはどちらかなど、個別の事情によって変わります。

不倫相手からの求償を回避したい場合は、示談の際に「求償権を放棄する」という条件を合意書に盛り込むことが重要です。

ダブル不倫は互いに請求し合うことになるためゼロ和解するケースが多い

ダブル不倫は互いに請求し合うことになるためゼロ和解するケースが多い

不倫当事者双方に配偶者がいるダブル不倫では、慰謝料を請求し合うと実質的に相殺されるため、あえて双方が慰謝料を請求しない「ゼロ和解」で解決するケースが多い傾向にあります。

たとえば、A家とB家がお互いに100万円を請求し合うクロス請求になると、結果的にお金が行き来するだけでどちらにとってもプラスにはなりません。

この場合、ゼロ和解をすることで調停や裁判に発展するのを回避でき、早期解決につながります。

ただし、ゼロ和解が成立するのは、双方の配偶者が不倫の事実を知っており、かつ双方とも離婚しない場合です。

片方だけ離婚するケースや、相手の配偶者がまだ不倫を知らないケースでは、通常どおり慰謝料を請求して解決を目指すのが一般的です。

なお、自分の配偶者に知られたくない場合は、口外禁止条項を盛り込んだ示談書を交わし、内密に解決することをおすすめします。

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不倫慰謝料を相手方に請求する4つの手順

ここでは、不倫慰謝料を相手方に請求する手順について解説します。

1. 内容証明郵便を送付する

不倫の証拠がそろったら、まずは相手方に対して内容証明郵便を送付します。

内容証明郵便は、誰が・誰に・いつ・どんな内容を送ったかを郵便局が公的に証明してくれるサービスです。

単なる手紙とは異なり、相手に本気度を伝え、心理的なプレッシャーを与える効果があります。

内容証明郵便には、主に以下の項目を記載します。

  • 書類のタイトル
  • 内容証明郵便を発送する日
  • 相手方の住所・氏名
  • 自分の住所・氏名
  • 不倫の事実
  • 精神的苦痛の程度
  • 慰謝料額
  • 支払い方法
  • 支払いに応じない場合の対応(法的措置)

なお、時効が迫っている場合は、内容証明郵便の送付によって時効の完成を6ヵ月間ストップさせる効果もあります。

内容証明郵便の書き方については、以下の記事を参考にしてください。

2. 当事者間で和解交渉をおこなう

内容証明郵便が相手方に届いたら、慰謝料の金額や支払い方法について話し合います。

実際には、請求した金額を全額すんなり支払ってくれるケースはあまりありません。

減額交渉や分割払いの提案、あるいは無視されるパターンが多いのが現実です。

なお、当事者同士で直接会うと感情的になりやすく、余計なトラブルに発展するリスクがあります。

そのため、電話や書面、メールなどを活用し、冷静にやり取りするのがおすすめです。

また、請求する側もされた側も、この段階での不用意な発言には注意が必要です。

感情的に罵ったり事実と異なる内容を認める発言をしたりすると、交渉や裁判で不利になるおそれがあります。

3. 合意できたら示談書を作成する

慰謝料の金額や支払い条件について合意できた場合は、必ず示談書(合意書)を作成しておきましょう。

口頭だけの約束では、あとから「そのような条件では合意していない」「やはり支払えない」と主張され、トラブルに発展する可能性があるためです。

示談書には、主に以下の内容を記載します。

  • 慰謝料の金額
  • 支払い方法・支払期日
  • 振込先口座
  • 接触禁止条項
  • 求償権を放棄する旨
  • 清算条項(今後追加請求をしない旨)

なかでも、求償権の放棄や清算条項は見落とされやすいポイントです。

これらを定めていない場合、あとから配偶者に対して求償請求をされたり、一度解決した問題を再び蒸し返されたりするリスクがあります。反対に、請求された側にとっても、清算条項がなければ追加で慰謝料を請求される可能性があります。

また、分割払いにする場合は、「強制執行認諾文言付き公正証書」を作成しておくと安心です。

万が一支払いが滞った場合でも、裁判を経ることなく財産の差し押さえが可能になるため、回収不能リスクを抑えやすくなります。

なお、示談書を自分で作成したい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

4. 交渉が決裂した場合は調停や裁判を起こす

相手が内容証明郵便を無視する場合や、慰謝料の金額・条件で合意できない場合は、調停や裁判による解決を検討する必要があります。

調停とは、裁判所で調停委員を介しながら話し合いを進める手続きです。当事者同士で直接やり取りする必要が少ないため、感情的な対立を避けやすい特徴があります。

ただし、不倫相手に対する慰謝料請求では、調停を経ずにそのまま裁判を提起するケースも少なくありません。

一方、配偶者に慰謝料を請求する場合は、離婚問題とあわせて進めることが多く、一般的には「離婚調停→離婚裁判」という流れになります。

とはいえ、離婚をせずに慰謝料のみを請求するのであれば、不倫相手への請求と同様に、最初から裁判を起こすことも可能です。

裁判では、不貞行為の有無や慰謝料額について、提出された証拠をもとに裁判官が判断します。

手続きには厳格なルールがあり、解決まで半年〜1年以上かかるケースも珍しくありません。

証拠整理や書面作成、裁判対応には専門知識が求められるため、不安がある場合は早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

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不倫トラブルを弁護士に相談・依頼すべき3つの理由

不倫慰謝料の問題は、早期に弁護士へ依頼することで金銭的・精神的な負担を抑え、有利な解決が期待できます。

請求する側もされた側も、弁護士に依頼することで適正な着地点を見つけやすくなるでしょう。

ここでは、不倫トラブルを弁護士に依頼すべき3つの理由を解説します。

1. 適正な金額での慰謝料獲得や減額が可能になる

弁護士は、過去の判例や法的根拠を熟知しているため、有利な条件での慰謝料獲得や不当な高額請求の減額交渉が可能です。

自分で慰謝料を請求した場合、相手に軽く見られて無視されるおそれがあります。

しかし、弁護士名義で内容証明郵便を送ることで、相手が態度を変えて交渉に応じやすくなることも珍しくありません。

なお、請求された側にとっても、弁護士の介入にはメリットがあります。

たとえば、相場からかけ離れた高額請求を受けた場合でも、弁護士が対応することで現実的な金額まで引き下げられる可能性があるでしょう。

慰謝料の金額だけでなく、求償権の放棄や接触禁止、清算条項などの条件について漏れなく取り決められる点もメリットといえます。

2. 相手方と直接交渉する精神的負担を軽減できる

依頼後は、弁護士が相手方とのやり取りを全て代わりにおこなってくれるため、配偶者や不倫相手と直接連絡を取る必要がなくなります。

相手方と直接話したり、仕事中や休日に相手から連絡が来たりするストレスがなくなれば、日常生活を早期に取り戻しやすくなるでしょう。

また、弁護士が窓口になることで、相手方からの連絡が自宅や職場に直接届きにくくなります。

家族や職場に知られたくない場合も、バレにくいかたちで手続きを進められます。

3. 調停・裁判になっても一貫してサポートしてもらえる

交渉がうまくいかず調停や裁判に発展した場合でも、弁護士に依頼していれば一貫してサポートを受けられます。

また、調停や裁判の際に必要な書類の作成や証拠の整理、提出も、全て弁護士に任せられます。

裁判の期日には代わりに弁護士が出廷してくれるため、仕事を休む必要もありません。

費用はかかりますが、最後まで一緒に戦ってくれる専門家がいることで泣き寝入りするリスクを減らせます。

ひとりで問題を抱え込まずに済む安心感は、弁護士に依頼するメリットのひとつといえるでしょう。

不倫慰謝料に関するよくある質問

ここからは、不倫慰謝料に関するよくある質問に回答します。

どこからが不倫になりますか?

不倫(不貞行為)に該当するかどうかは、原則として肉体関係の有無で判断されます。

そのため、ふたりきりでの食事やLINEでの親密なやり取り、手をつなぐ程度では肉体関係があるといえず、慰謝料の請求は認められにくいです。

ただし、肉体関係がない場合でも、手淫や口淫などの性交類似行為や婚姻関係を破綻させるほどの過度な親密さがあれば、例外的に不法行為と認められるケースもあります。

離婚したあとでも慰謝料を請求できますか?

離婚後でも、消滅時効の期間内であれば慰謝料の請求が可能です。

慰謝料請求権の消滅時効は、不倫と相手を知ってから3年または不倫から20年です。

離婚時に慰謝料の取り決めをしていなかった場合や離婚後に不倫の事実を知った場合でも、時効期間内であれば請求権は消滅しません。

ただし、以下のケースでは請求が難しくなる可能性があります。

  • 離婚時に清算条項を定めた
  • 不倫を証明できる証拠がない

離婚協議書・示談書に清算条項がある場合や有効な証拠がないときは、弁護士への相談をおすすめします。

相手から「お金がない・払えない」と言われたらどうすべきですか?

相手に一括で支払う現金がなくても、請求を諦める必要はありません。分割払いの交渉や、最終的には財産の差し押さえで回収する手段もあります。

ただし、分割払いにする場合は、途中で支払いが滞ったときに備えて強制執行認諾文言付きの公正証書を作成しましょう。

強制執行認諾文言付きの公正証書があれば、裁判を経ることなく相手の給与や預貯金を差し押さえる強制執行の手続きがおこなえます。

さいごに|不倫慰謝料の悩みは弁護士に相談しよう

不倫慰謝料は、離婚するかどうかや婚姻期間、不倫期間、子どもの有無など、さまざまな事情によって適切な金額が変わります。

まずは自分のケースの相場を把握したうえで、証拠を集めながら請求の準備を進めることが重要です。

個人間の交渉は感情的になりやすく、対応を誤ると不利な結果を招くおそれがあります。

適正な慰謝料を獲得したい方も不当な高額請求を減額したい方も、早めに弁護士に相談することで解決の見通しが立てやすくなります。

最近では、初回無料相談を実施している事務所も多いため、まずは気軽に相談してみるとよいでしょう。

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この記事の監修者
東京桜の森法律事務所
川越 悠平 (東京弁護士会)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。

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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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