子どもの虐待で離婚慰謝料請求は可能?必要な証拠や相場までわかりやすく解説
- 「子どもへの虐待を理由にして、相手へ離婚慰謝料を請求できる?」
- 「子どもへの虐待で請求できる慰謝料額の相場は?」
子どもへの虐待が理由で離婚をするにあたり、子どもが受けた被害を取り返すためにも慰謝料を請求したいと考えるのは当然です。
慰謝料の請求可否や相場について気になるところでしょう。
本記事では、子どもへの虐待を根拠とした慰謝料請求の可否や必要となる証拠の例、請求可能な慰謝料の相場、慰謝料請求の方法や注意点について解説します。
きちんとポイントをおさえて慰謝料を請求しなければ、望むような結果を出すのが難しいのは言うまでもありません。
本記事を読めば、適切に慰謝料請求の手続きをすすめられるようになり、十分な金額の慰謝料を獲得できる可能性が高まります。
子どもへの虐待で離婚慰謝料を請求できる可能性は高い!
子どもに対する虐待の内容によりますが、相手に離婚慰謝料を請求できる可能性は高いです。
虐待の程度がひどかったり、虐待の期間が長かったりすれば慰謝料が認められるでしょう。
慰謝料は、相手から受けた精神的苦痛に対する賠償金と考えられます。
子どもへの虐待によって、直接自分が被害をこうむるわけではありません。
しかし虐待が原因で婚姻生活が破綻し、そのことが原因で精神的苦痛を受けたとすれば慰謝料を請求できる根拠になるのです。
ただDVをおこなう親はその行為を正当化していることが多く、直接慰謝料を請求しても応じないかもしれません。
一方で調停や訴訟になれば、裁判所が慰謝料の請求を認める可能性が高くなります。
子どもへの虐待で離婚慰謝料を請求するには証拠が重要
子どもへの虐待で離婚慰謝料を請求するにあたって、重要になるのが虐待の内容を立証する証拠です。
慰謝料を請求しても、相手が素直に虐待の事実を認めるとは限りません。
有効な証拠があれば、相手が認めなかったとしても、裁判所が相手への慰謝料請求を認めます。
相手の虐待を立証し慰謝料請求の根拠とするには、証拠をできるだけ多く集めるようにしましょう。
子どもへの虐待を立証する有効な証拠の例として、以下が挙げられます。
- 虐待によって子どもがけがをしたことがわかる病院の診断書
- 虐待による子どものけがを撮影した写真
- 子どもが虐待されている様子を録画・録音した動画・音声データ
- 子どもへの虐待内容を具体的かつ継続的に記載した日記
- 児童相談所などへ子どもの虐待について相談した際の記録
- 子どもへの虐待についてふれているLINEやメールなど
子どもへの虐待で請求できる慰謝料の相場はどのくらい?
子どもへの虐待で、請求可能な慰謝料の相場は50万円~300万円程度です。
慰謝料の金額は、状況によって大きく異なります。
虐待による慰謝料について、金額を決める主な内容は以下のとおりです。
- 行為の内容:身体的暴力や性的虐待など、より悪質と考えられる行為であれば金額が高くなる
- 虐待の期間・回数:虐待の期間が長かったり、回数が多ければ高額になりやすい
- 子どもが受けた被害:けがが重篤だったり、うつ病など精神疾患が残ったりすれば大幅な増額要因となる
- 子どもの年齢:子どもの年齢が低いほど、金額が高くなる
- 相手の態度:反省の態度がみられなかったり、虐待していないと嘘をついたりすれば増額の要因となる
- 相手の収入・地位:相手が高収入だったり社会的地位が高かったりするほど、高額になりやすい
上記のうち、精神的虐待だったり精神疾患などの重篤な後遺症が残ったりするケースでは、特に慰謝料の金額が高くなるでしょう。
また子どもへの虐待のほか、不貞行為やパートナーに対するDVなどほかの要因もあれば、さらに慰謝料が高額化されます。
子どもへの虐待で離婚慰謝料を請求する方法
子どもへの虐待で相手に離婚慰謝料を請求するには、どうすればいいでしょうか。
以下、一般的な慰謝料請求の流れを見ていきましょう。
相手と直接話し合い慰謝料を請求する
慰謝料を請求するために、必ずしも調停や訴訟などの手続きが必要なわけではありません。
まずは夫婦間で話し合い、合意できたのなら慰謝料請求の手続きは完了です。
慰謝料の金額について、互いに合意するのであれば夫婦の任意で構いません。
話し合いで解決すれば、その後の流れが必要なくなるため、互いにとって負担が少ないとも言えます。
内容証明郵便で慰謝料を請求する
相手が話し合いに応じない場合や相手と話したくない場合、話し合っても解決しない場合は内容証明郵便で請求する方法もあります。
内容証明郵便とは、いつ誰が誰にどのような内容の文書を送ったかを郵便局が証明してくれるサービスです。
慰謝料の請求は普通郵便でも可能ですが、内容証明郵便にすることで相手が「そんなもの届いていない」と嘘をつくのを防げます。
また内容証明郵便で請求することで、相手へのプレッシャーにもなるでしょう。
離婚調停で離婚に加え慰謝料を請求する
話し合いで離婚慰謝料について合意できないときは、離婚調停でほかの離婚条件とあわせ慰謝料について協議します。
離婚調停は家庭裁判所の調停委員が介入して、離婚に関する問題の解決を目指す手続きです。
離婚調停では夫婦がそれぞれ別々に調停委員と面談し、調停委員が互いの意見を調整し合意をはかります。
離婚慰謝料も含め離婚条件について合意したら、その内容が調停調書にまとめられるのです。
調停調書は裁判の確定判決と同じ効力を持ち、合意した離婚慰謝料が支払われないときは相手の財産を差し押さえられます。
相手と対面で話すのに不安を感じる場合は、最初から調停での合意を目指すのもひとつの手です。
調停で合意できなかった場合は裁判に訴える
調停でも合意できなかった場合は、最終的に裁判を提起して解決を目指すことになります。
裁判では必ずしも相手と合意する必要はなく、法的に強制力をもつ判決で離婚慰謝料の請求可否や金額が決められるのです。
なお裁判手続きは手間と時間がかかる点は、注意しなくてはなりません。
判決が出るまで早くても半年から1年程度、長い場合は数年という単位で時間がかかることもあります。
また裁判では必ずしも、自分が希望する内容の判決が出るとは限りません。
少しでも有利な判決を目指すのであれば、専門的な知識や交渉力がある弁護士に相談・依頼することが強く推奨されます。
子どもへの虐待で離婚慰謝料を請求する際の注意点
子どもへの虐待で離婚慰謝料を請求する際は、いくつか慎重に注意しなくてはならない点があります。
以下、どのような点に注意すべきか見ていきましょう。
身の安全を守ることを優先する
離婚慰謝料の請求をする前に、自分や子どもの身の安全を守ることが最優先すべきです。
離婚の話を切り出すことで、相手の虐待が悪質化してしまうかもしれません。
少しでも危険を感じるようであれば、あらかじめ身の安全を確保してから離婚や慰謝料の手続きをすすめるようにしましょう。
身の安全を確保する方法として、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」に相談するのもひとつの手です。
また民間シェルターを活用し、一時的に避難させてもらう方法もあります。
民間シェルターは保護している方々の安全を守るため、住所などは公表されていません。
検索サイトで「民間シェルター」をキーワードに検索すれば、民間シェルターを運営するNPO法人の情報を探せます。
慰謝料の請求には時効がある
慰謝料請求には時効がある点も注意してください。
虐待によって慰謝料請求をする場合の時効期間は、虐待などの損害が発生したことを知ってから3年間です。
慰謝料請求を検討しているのであれば、時効がすぎないようになるべく早く行動を開始しましょう。
離婚を優先させることを選択した方がよい場合もある
相手が合意せず調停や裁判へもつれ込むなどすると、離婚までに時間がかかってしまうこともあります。
また児童虐待をおこなうような配偶者は自分勝手にお金を使うため、そもそも慰謝料を払うための資産がないことも少なくありません。
もちろん離婚慰謝料を請求することを目指すべきですが、状況によっては離婚を優先させた方がよいこともあります。
ご自身のケースにあてはめて、時間をかけ慰謝料請求をするべきか検討しましょう。
弁護士に相談すれば、法的な観点も含めてどのような解決が最適かアドバイスしてもらえます。
自分で決められないときは、離婚問題に強い弁護士への相談も検討しましょう。
相手に支払い能力がなく慰謝料を回収できないリスクもある
離婚慰謝料を請求しても、相手に支払い能力がなく回収できないリスクがある点も注意しましょう。
DVを繰り返す相手が無職・低収入だったり、蓄えがほとんどなかったりすることもあります。
こういった場合、仮に慰謝料の支払いに合意したとしても、それを回収できないことがあるのは否めません。
ただしすぐに諦めるのでなく、以下の対処法を検討する価値はあります。
【相手が本当に慰謝料を支払えないか調べる】
相手に慰謝料を支払う能力が本当にないのか調べます。
仮に相手が会社員なら給与明細などの資料開示を求めるのもひとつの手です。
今は無職だとしても、病気などで一時的に払えないだけであれば、支払い能力がないとはいえません。
【親族に援助してもらうよう交渉する】
相手が自分で支払う能力がない場合、親や兄弟姉妹など相手の親族から援助してもらえないか交渉する方法もあります。
【分割払いを提案する】
一括での支払いが難しいのであれば、分割払いを提案する方法もあります。
分割払いで合意できた場合は、離婚協議書などに支払い方法・期限などを明記することが必要です。
離婚慰謝料の請求を弁護士に相談・依頼するメリット
離婚慰謝料の請求は自分でもできますが、適切な対応ができず失敗したり希望した額を得られなかったりすることも少なくありません。
離婚慰謝料の請求で後悔しないためには、離婚問題に強い弁護士に頼ることが強く推奨されます。
以下、離婚慰謝料の請求を弁護士に相談・依頼するメリットを見ていきましょう。
慰謝料請求の可否や慰謝料額の目安をおしえてもらえる
そもそも相手へ離婚慰謝料の請求が可能かやどのくらい慰謝料を獲得できるかは、ケースによってそれぞれです。
専門家でなければ、正確に判断するのは難しいでしょう。
専門家である弁護士なら過去の裁判例や手持ちの証拠などを調査し、慰謝料請求可否や請求可能な慰謝料額の目安を判断できます。
弁護士に相談・依頼することで相場より少ない額を請求したり、請求額が高過ぎて合意できなかったりして後悔するのを避けられるのです。
相手と代わりに交渉してもらえる
弁護士へ相談・依頼すれば、相手との交渉を一任できます。
子どもを虐待するような相手と、冷静に交渉するのは難しいかもしれません。
相手が怖かったり、相手への怒りで感情が抑えられなかったりすることもあるでしょう。
弁護士はあなたに代わり、相手と冷静に交渉してくれます。
相手に言いくるめられてしまうこともありませんし、自分で交渉せずにすむことで精神的負担も軽減されるでしょう。
慰謝料請求で不利になるのを回避できる
弁護士は、どうすれば慰謝料請求で有利に立ち回れるか熟知しています。
どのような証拠を集めるべきかや、相手をどう説得すべきかなどを把握しているのです。
自分で慰謝料を請求する場合はこうしたポイントがわからないので、適切に手続きをすすめられない可能性が高いでしょう。
必要な証拠が足りなかったり、調停や裁判で適切に主張できなかったりして、不利な状況に追い込まれることは少なくありません。
相手が虐待を否認したときの適切な対処方法をアドバイスしてもらえる
虐待を理由にした慰謝料の請求をする際は、相手が虐待を否定することもあるでしょう。
その場合、どうやって虐待の事実を立証するか、それが困難な場合はどのような解決策があるか検討しなくてはなりません。
一方で虐待をする相手が親権や面会交流を求めてきた場合は、それを論理的に否定する必要もあります。
弁護士に相談・依頼すれば、こういった場合にどう対処すればよいか適宜アドバイスしてもらえるのです。
もちろん相手との交渉や裁判手続きを弁護士に一任することもできます。
離婚にかかわる慰謝料請求以外の問題についてもアドバイスしてもらえる
離婚をする際は慰謝料請求だけでなく、財産分与や親権、養育費、面会交流などいろいろな条件の交渉が必要です。
弁護士に相談すれば、これら慰謝料請求以外の離婚条件についても適切にアドバイスしてもらえます。
これらの交渉・手続きも弁護士に代行してもらうことも可能です。
さいごに|離婚慰謝料の請求については弁護士に相談を!
虐待の程度や内容によっては、相手へ慰謝料を請求できる可能性は高いです。
ただ相手から十分な金額の慰謝料を獲得するには、有効な証拠をそろえ適切に立証・主張する必要があります。
そのため慰謝料の請求で後悔しないためにも、離婚問題に強い弁護士にあらかじめ相談・依頼することが推奨されるのです。
弁護士は状況にもとづき請求可能な慰謝料額を的確に算出し、面倒な手続きや相手との交渉も代行してくれます。
自分だけでするより、ずっと離婚慰謝料の請求が成功する可能性が高いでしょう。
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