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離婚後に生活保護の申請は可能?基礎知識・流れ・受給額・注意点などをまとめて解説

離婚後に生活保護の申請は可能?基礎知識・流れ・受給額・注意点などをまとめて解説
  • 「離婚後の生活費が不安で、このまま生活していけるのか心配…」
  • 「生活保護を受けたいけれど、本当に申請できるのか分からない…」

このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、離婚後でも一定の条件を満たせば生活保護の申請は可能です。

ただし、収入や資産の状況、就労の可否、親族からの援助の有無など、複数の基準をクリアする必要があります。

そこで本記事では、離婚後に生活保護を申請する際の基礎知識から、具体的な申請の流れ、受給額の目安、注意点までをわかりやすく解説します。

最後まで読むことで、自分が対象になるのか判断でき、今後の生活設計を具体的に考えられるようになるでしょう。

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離婚後に生活保護を申請する際の基礎知識

離婚をしたあとに生活保護を申請する際の基礎知識を3つ紹介します。

  1. 養育費などを受け取っていても生活保護は受給できる可能性がある
  2. 生活保護を受け取っているなかで離婚慰謝料を受け取ったときには報告義務が課される
  3. 再婚をすると生活保護が打ち切られる可能性がある

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

1.養育費などを受け取っている場合でも受給できる

生活保護制度は、資産や能力などを全て活用しても生活に困窮する人に対して必要な保護をおこなうことで、健康で文化的な最低限度の生活を保障することを目的とする制度のことです。

年金や児童扶養手当などの収入だけでは最低生活費に届かないときに、その差額分について、生活保護費が支給されます。

離婚をしたあと、元配偶者から養育費などを受け取っていたとしても、生活保護の基準を満たしていれば、生活保護の受給は可能です。

「養育費だけでは家計を維持するのが難しい。生活保護を受給したいから養育費は受け取らないほうがいい」と考える人もいますが、これは間違いです。

ただし、元配偶者からの養育費などを合わせた結果、最低生活費を超える収入がある場合には、生活保護は受給できなくなります。

あくまでも、最低生活費を超える収入があるかどうかがポイントになることを覚えておきましょう。

なお、生活保護の受給要件を満たすかどうかを判断するときには、実際に受け取った養育費の金額が根拠とされます。

たとえば、離婚時に「毎月5万円の養育費を支払う」と約束をしたものの、元配偶者が養育費を一切支払ってくれないときには、養育費による収入はゼロと扱われます。

2.離婚後に慰謝料などを受け取った場合は報告義務がある

離婚後に慰謝料や養育費などを受け取っている場合は、必ず福祉事務所に申告する必要があります。

生活保護は「最低生活費」と「世帯収入」の差額が支給される仕組みであり、ここでいう収入には給与だけでなく、慰謝料や養育費も含まれます

そのため、これらの収入を申告しないまま生活保護を受給すると、本来より多く支給されてしまう可能性があります。

もし申告を怠り、過大に生活保護費を受け取った場合は、不正受給と判断されるリスクがあります。

その結果、受給した金額の返還を求められるだけでなく、加算金などのペナルティが科されるケースもあるため注意が必要です。

3.再婚した場合には生活保護が打ち切られる可能性がある

再婚によって世帯の収入状況が変わると、生活保護が打ち切られる可能性があります。

生活保護は個人単位ではなく「世帯単位」で受給可否が判断される制度です。

そのため、再婚によって新たな世帯が形成され、配偶者に一定の収入や資産がある場合には、最低生活費を上回ると判断され、受給要件を満たさなくなることがあります。

一方で、再婚したからといって必ず打ち切られるわけではなく、世帯全体の収入や状況によっては引き続き受給できるケースもあります

再婚を検討している場合は、事前に福祉事務所へ相談し、影響を確認しておくと安心でしょう。

離婚後の生活保護の受給可否を左右する最低生活費とは?

離婚後に生活保護を受けられるかどうかは、「最低生活費」を下回っているかどうかが大きな判断基準になります。

最低生活費とは、健康で文化的な最低限度の生活を送るために国が定めた基準額のことです。

たとえば、離婚後の収入(給与や養育費、年金など)が最低生活費に満たない場合、その不足分が支給されます。

一方で、収入が最低生活費以上ある場合は、原則として受給することはできません。

なお、最低生活費は一律ではなく、住んでいる地域や世帯人数、年齢などによって異なります。

都市部は家賃が高いため基準額も高くなりやすく、子どもがいる世帯では教育費が加算されるなど、状況に応じて細かく設定されています。

住んでいる地域の最低生活費がわからない場合は、福祉事務所で具体的な金額を確認してみるとよいでしょう。

離婚後に生活保護の申請をする際の流れ|5ステップ

離婚したあとに生活保護の受給申請をするときの流れを解説します。

  1. 事前に養育費や慰謝料などの請求の検討をする
  2. 地域の福祉事務所に生活保護の相談をする
  3. 生活保護の申請に必要な書類を準備・提出する
  4. 福祉事務所の担当者による調査が実施される
  5. 受給開始決定通知書が届き、生活保護支給がスタートする

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

1.事前に養育費や慰謝料などの請求の検討をする

生活保護を申請する前に、養育費や慰謝料、親族からの援助などを受けられるか確認しておく必要があります。

生活保護は「他に頼れる手段がない場合に限って支給される制度」です。

そのため、元配偶者に対して養育費や慰謝料の支払いを求めることや、親や兄弟姉妹などから経済的な援助を受けられないかを事前に確認することが求められます。

もし、これらの支援によって最低生活費を維持できると判断された場合は、生活保護の受給は認められません

逆に、あらゆる手段を尽くしても生活が成り立たない場合に限り、生活保護の対象となります。

そのため、申請前の段階で利用できる支援は全て活用しているかを整理しておくことが重要です。

2.地域の福祉事務所に生活保護の相談をする

元配偶者や親族からの援助を受けることができない状況なら、お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当に、生活保護に関する事前相談を受けに行きましょう

福祉事務所では、生活保護制度の説明だけではなく、生活福祉資金貸付制度や各種社会保障施策など、相談者が活用できそうな支援制度についての案内も受けることができます。

事前相談を受けた結果、生活保護の受給が認められそうなケースであれば、その場で生活保護の受給申請書が手渡されます

福祉事務所の連絡先については、以下のリンク先をご確認ください。

3.生活保護の申請に必要な書類を準備・提出する

元配偶者からの養育費だけでは生活を維持できそうにない場合や、活用できる支援制度がない場合には、いよいよ生活保護の受給申請をおこないます

一般的に、生活保護の受給申請をする際には、以下のような書類が必要です。

受給希望者の状況によって提出を求められる書類はさまざまなので、福祉事務所の事前相談の際に確認するとよいでしょう。

  • 印鑑
  • 運転免許証などの身分証明書
  • マイナンバーカード
  • 借家の契約書
  • 家賃の領収書
  • 預貯金通帳(約1年分)
  • 年金手帳、年金定期便、年金証書
  • 生命保険証書
  • 健康保険証
  • 病院の診察券
  • 病状がわかる資料(薬の説明書、診断書など)
  • 自立支援医療等受給者証
  • 障害者手帳
  • 扶養義務者の連絡先
  • 直近3ヵ月の給与明細
  • 公共料金関係の領収書
  • 借入先や借入額がわかるもの
  • 車検証
  • 標識交付証明書 など

なお、これらの必要書類を用意できない特別な事情がある場合には、書類が足りなくても生活保護の受給申請をすることができます

4.福祉事務所の担当者が財産などの調査を実施する

生活保護の受給申請をすると、福祉事務所の担当者によって、以下のような調査が実施されます。

  • 生活状況などを把握するための家庭訪問・実地調査
  • 預貯金、保険、不動産などの資産調査
  • 扶養義務者の仕送りなどの援助の可否に関する調査
  • 年金などの社会保障給付や就労収入、養育費や慰謝料の有無などの調査
  • 就労可能性に関する調査 など

生活保護の審査は、申請者それぞれの具体的な事情が細かくチェックされます。

離婚時の財産分与のことや、養育費・慰謝料に関することも聞かれるので、調査が実施される前に事実関係を整理しておくとスムーズでしょう。

5.2週間程度経つと生活保護の受給開始通知が届く

原則として、申請から2週間以内に、生活保護の保護決定通知書(支給決定通知書)が届きます

生活保護の受給決定が下りると、最低生活費から収入を差し引いた金額が毎月支給されます。

なお、生活保護受給中は、毎月の収入状況を申告しなければいけません

また、生活保護受給世帯の状況次第では、定期的に福祉事務所のケースワーカーによる訪問調査が実施されるので、誠実に対応をしてください。

さらに、就労の可能性があると判断された場合には、福祉事務所の担当者から就労に向けた助言・指導がおこなわれる場合があります。

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離婚後に生活保護申請をした場合はいくら受け取れる?

生活保護費は、最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、その差額分が保護費として支払われます

生活保護費の内訳は、以下のとおりです。

項目 詳細
生活扶助 日常生活に必要な費用に対する扶助。
食費、被服費、光熱水費などが含まれる。
住宅扶助 アパートなどの家賃などに対する扶助。
教育扶助 義務教育を受けるために必要な学用品費などに対する扶助。
医療扶助 医療サービスを受けるための費用。
直接医療機関に支払われるので、本人負担はなし。
介護扶助 介護サービスを受けるための費用。
直接介護事業者に支払われるので、本人負担はなし。
出産扶助 出産費用のための費用。
生業扶助 就労に必要な技能の習得にかかる費用。
高等学校に就学するための費用もここに含まれる。
葬祭扶助 葬祭のための費用。

また、以下のような事情がある場合には、通常よりも保護費が加算されます。

加算項目 詳細
妊産婦加算 妊娠中及び産後6ヵ月以内の被保護者については、追加的に必要になる栄養補給などの経費が補填される。
母子加算 ひとり親世帯がふたり親世帯と同等の生活水準を保つために必要な費用が補填される。
障害者加算 被保護者が車椅子生活などを送っている場合に、障害によって必要になる生活費が補填される。
介護施設入所者加算 被保護者が介護施設に入所している場合に、理美容品などの裁量的経費が補填される。
在宅患者加算 被保護者が在宅で療養している場合に、追加的に必要になる栄養補給などのための経費が補填される。
放射線障害者加算 被保護者が原爆放射能によって負傷、疾病状態にある場合に、追加的に必要になる栄養補給などのための経費が補填される。
児童養育加算 被保護者が児童を養育している場合に、子どもの健全育成に必要な学校外活動費用が補填される。
介護保険料加算 被保護者が介護保険の第1号被保険者である場合、納付すべき介護保険料に相当する経費が補填される。
冬季加算 冬場に増加する暖房費などの経費が補填される。

たとえば、単身者なら10万円~13万円、子どもが1人いるなら18万円~20万円、子どもが2人いるなら20万円~26万円程度が目安です。

ただし、生活保護の受給額は、被保護者が居住している地域、世帯を構成する家族の年齢、人数などによって異なります。

実際の支給額の目安額については、福祉事務所まで直接確認してください。

離婚後に生活保護を検討している方が知っておくべき4つの注意点

さいごに、離婚したあとに生活保護の受給を検討している人が押さえておくべき注意点を4つ紹介します。

  1. 生活保護は審査に落ちることがある
  2. 生活保護を受給するまでには一定期間を要する
  3. 生活保護の受給期間中はさまざまな制約を受ける
  4. 生活保護の受給期間中は定期的な報告義務を負う

それぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。

1.生活保護の審査に通らないことがある

生活保護は申請すれば誰でも受給できるというものではありません。

たとえば、以下のようなケースでは、生活保護の審査に落ちる可能性があります。

生活保護の審査に通らない主なケース
  • 自立のための資金など、正当な理由がないのに、高額の預貯金を保有している場合
  • 生活保護費を借金返済に充てていると判断される場合
  • 自動車、不動産、株式、貯蓄型の生命保険など、高価な資産を保有している場合
  • 生活保護受給中に資産性のある生命保険などに加入した場合
  • 住宅扶助の上限額以上の贅沢な賃貸物件に居住している場合
  • 元配偶者からの養育費、慰謝料、再婚などによって世帯の収入が最低生活費を超えた場合 など

これらの事実を隠したまま生活保護費を受給すると、生活保護費の全額返還だけではなく、詐欺罪などの容疑で刑事訴追されるリスクもあります。

2.生活保護を受給するまでに時間がかかる

生活保護は申請をしてから支給通知が届くまでに14日程度の期間を要します。

また、生活保護は申請自体も容易ではなく、福祉事務所で事前相談を受けたり、必要書類を用意したりするのにも時間がかかってしまいます。

離婚したあと、家計がひっ迫している状況では、生活保護が支給されるまでの期間さえ生活を維持するのが難しいというケースも少なくはないでしょう。

このようなケースでは、生活福祉資金貸付制度など、そのほかの支援制度の活用を検討してください。

3.受給している間はさまざまな制限を受ける

生活保護を受給している間は、生活水準や資産の保有などに一定の制限が設けられます

主な制限は以下のとおりです。

  • 高額な資産の保有が制限される
    不動産や自動車などの資産は原則として所有できません。これらを保有している場合は、売却して生活費に充てることが求められます。なお、自動車については通院などやむを得ない事情がある場合に限り、例外的に認められるケースもあります。
  • 借金(新たな債務)が禁止される
    生活保護費は最低限の生活を維持するためのものであり、借金の返済や新たな借入に充てることは想定されていません。そのため、受給中に借金をすることは認められていません。
  • 住居の家賃に上限がある
    生活保護では「住宅扶助」という形で家賃が支給されますが、その金額には上限があります。上限を超える家賃の物件に住んでいる場合は、引っ越しを求められる可能性があります。

受給中はこれらのルールを理解したうえで生活することが求められます。

4.受給している間は定期的な報告義務を負う

生活保護費を受給している期間中は、福祉事務所に対して毎月の家計状況を報告しなければいけません

これは、被保護者が生活保護の受給要件を満たしているかをチェックするためです。

福祉事務所からの求めを無視して報告義務を果たさない場合には、不正受給を疑われて生活保護費を打ち切られるリスクが生じるので注意をしてください。

さいごに|離婚する際はその後の生活のこともよく考えよう!

これから離婚をするときには、離婚後の生活をどのような方法で維持するのかについても考えてください。

仕事や住む場所を自分で確保できるなら問題ありません。

しかし、育児や病気などが原因で自力で収入を得るのが難しいのがわかっているなら、養育費や慰謝料、そして、生活保護などを駆使して、生計を維持する計画を立てましょう

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この記事の監修者
法律事務所Legal Barista
阿部 洋介 (札幌弁護士会)
結婚相談事業所を併設しており、全国的にも珍しい「婚」に注力した法律事務所となっております。ご依頼者様に寄り添った姿勢で最善の解決策をご提案いたします。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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