学資保険は財産分与の対象?分け方3つと名義変更しないリスクを解説
結婚後に契約した学資保険は、原則として財産分与の対象になります。
また、分け方を工夫すれば、解約せずに子どもの学費の備えとして残すことも可能です。
しかし、解約しない場合は名義変更などが必要になる可能性もあるため注意が必要です。
本記事では、学資保険の財産分与の方法や具体的な手続きの流れなどを詳しく解説します。
学資保険は原則として財産分与の対象になる
学資保険とは、子どもの教育資金を準備しておくための保険の一種です。
子どものための保険ではありますが、学資保険は夫婦の共有財産として扱われます。
そのため、離婚時の財産分与では、学資保険についても分配しなければなりません。
そのほかの財産についても評価し、共有財産については公平に分配するようにしましょう。
学資保険があるケースで財産分与をするときの2つの選択肢
ここでは、学資保険がある場合の財産分与の選択肢について説明します。
1.解約して返戻金を分ける
1つ目は、学資保険を解約し、手元に戻ってきた解約返戻金を分配する方法です。
名義変更の必要がなく、財産を現金化できるため、簡単に分配できることがメリットです。
なお、学資保険を途中解約すると返戻金が少なく、元本割れしてしまうリスクがあります。
「公平に財産を分ける」ということを重視する場合に検討すべき選択肢といえるでしょう。
2.解約せずに現物を分ける
2つ目は、学資保険を解約せずに、親権者が保険を引き継ぐ方法です。
こちらの場合は、これまでどおり学資保険を積み立てておけることがメリットです。
なお、保険を引き継ぐ親権者が、返戻金の半額を相手方に支払うなどの調整が必要です。
また、契約者が相手方になっている場合は保険の名義変更をおこなう必要もあるでしょう。
「子どものために学資保険を残しておきたい」という方は、こちらが選択肢になります。
離婚時に学資保険を財産分与する際の流れ
ここでは、離婚時に学資保険を財産分与する際の大まかな流れについて説明します。
なお、実際には預貯金や不動産など、ほかの財産と一緒に分配することが多いです。
1.学資保険の返戻金の額を確認する
まずは、学資保険の価値を評価する必要があります。
一般的に、学資保険の評価額は「解約返戻金」を基準にすることが多いです。
この解約返戻金は、保険会社に「解約返戻金証明書」を請求することで確認できます。
別居開始時または離婚成立時のいずれか早いほうの日付の証明書を取得しておきましょう。
2.学資保険の分け方について話し合う
学資保険の返戻金が確認できたら、どのように分配するかを夫婦で話し合います。
前述のとおりですが、学資保険の分け方には大きく以下の2パターンが考えられます。
- 解約して返戻金を分ける
- 解約せずに現物を分ける
それぞれにメリット・デメリットがあるため、よく話し合うことがポイントとなります。
無事に分け方が決まった際は離婚協議書や財産分与契約書などを作成しておきましょう。
3.解約や名義人変更の手続きをおこなう
学資保険の分け方に従って、解約手続きや名義人変更手続きなどをおこないます。
解約の場合は、契約者に返戻金が支払われるため相手方にその半額を支払います。
一方、学資保険を解約しない場合は、名義人の変更手続きが必要になることがあります。
通常は離婚協議書に期限が設けられているため、それまでに手続きを終わらせましょう。
財産分与で学資保険を適切に分けるための3つのポイント
ここでは、学資保険を財産分与で適切に分配するためのポイントについて説明します。
1.学資保険の契約内容を控えておく
別居する際は、学資保険の保険会社や保険番号などを控えておくのがおすすめです。
保険番号などを控えておくことで、あとから自分でも返戻金の額を確認しやすくなります。
なお、近年はデジタル証券も増えており、契約内容をすぐに確認できない場合も多いです。
本人に内緒で保険会社のマイページにログインなどをすると別のトラブルが生じるため、この場合は保険会社名を控えておきましょう。
2.財産分与の対象になるか確認する
以下のようなケースでは、学資保険が財産分与の対象にならない可能性があります。
- 結婚前に保険料を払い込んだ場合
- 結婚前に貯めた資金で支払った場合
- 祖父母などが保険料を支払っていた場合
特に注意が必要なのが、再婚相手が子どものために学資保険を積み立てていたケースです。
この場合は、再婚相手の固有の財産である「特有財産」に該当する可能性が高いでしょう。
学資保険が共有財産なのか、特有財産なのかは、事前にしっかりと確認しておくべきです。
3.離婚問題が得意な弁護士に相談・依頼する
学資保険の財産分与については弁護士に相談・依頼するのもおすすめです。
特に離婚問題が得意な弁護士であれば、以下のような対応を任せられます。
- 学資保険が財産分与の対象になるか判断してくれる
- 保険会社や解約返戻金額の調査をしてくれる
- 相手方と財産分与に関する交渉をしてくれる
- 離婚協議書を代理で作成してくれる など
離婚問題・財産分与が得意な弁護士は「ベンナビ離婚」で探すのがおすすめです。
初回無料相談や土日祝日相談などに対応している弁護士なども見つけられるでしょう。
学資保険を財産分与せずに放置した場合の3つのリスク
ここでは、学資保険を財産分与せずに放置した場合のリスクについて説明します。
1.契約者に無断で解約される
契約者である元配偶者に>学資保険を無断で解約されるリスクがあります。
学資保険の解約は、契約者本人だけで手続きをおこなうことが可能です。
一度解約されてしまうと当然、必要なときに保険金を受け取ることができなくなります。
2.満期金などが契約者に振り込まれる
学資保険の保険金の受取人は、一般的に契約者になっていることが多いです。
そのため、学資保険の満期保険金や祝い金などは契約者に振り込まれることになります。
親権者と契約者が異なる場合、保険金の受け取りでトラブルになると予想されるでしょう。
3.時効が成立すると取り戻せなくなる
財産分与には離婚後5年間(2026年3月31日以前の離婚は2年間)という時効があります。
仮に時効を過ぎてしまった場合、学資保険の財産分与を求めることができなくなります。
財産分与の時効については、以下のページで詳しく解説しています。
学資保険の財産分与に関するよくある質問
さいごに、学資保険の財産分与に関するよくある質問に回答します。
Q.財産分与に伴う学資保険の名義変更はどうやる?
学資保険の名義変更の主な流れは、以下のとおりです。
- 契約者が保険会社へ名義変更の申請書を請求する
- 契約者・新契約者の本人確認書類などを準備する
- 必要書類を添付し、申請書を保険会社へ提出する
なお、保険会社によって流れや必要書類などは異なります。
事前に保険会社に対して名義変更のやり方を確認するほうがよいでしょう。
Q.元本割れでも財産分与の対象になる?
元本割れの学資保険であっても財産分与の対象になります。
学資保険の評価額は「解約返戻金」であるため、元本割れかどうかは関係ありません。
もっとも双方の合意があれば、保険金の満額を評価額として扱うことも可能でしょう。
Q.学資保険の財産分与に税金はかかる?
学資保険の財産分与をおこなっても税金は課されません。
財産分与は夫婦の共有財産をそれぞれに分配する手続きなので贈与にはなりません。
財産分与と税金の関係について知りたい場合は、以下のページを参考にしてください。
さいごに|財産分与で学資保険をどのように扱うか慎重に判断しよう
学資保険は、基本的には財産分与の対象になります。
また、その評価額については通常は解約返戻金を参考にすることが多いです。
なお、実際の分け方には「返戻金を分ける方法」と「現物を分ける方法」があります。
将来の子どもの教育のことを考えるなら、現物を分けるというのもひとつの方法です。
離婚問題が得意な弁護士にアドバイスを受けつつ、どうすべきか判断するとよいでしょう。
【初回面談0円】離婚の財産分与など、代理交渉は当事務所へご相談下さい!離婚後に悔いのない結果となるよう弁護士2名体制で最後までサポート。【ベテラン弁護士から女性弁護士まで在籍】ニーズに合わせ対応致します。【ご相談は全て面談形式で丁寧に実施】
事務所詳細を見る
【ご依頼は月3件限定】【離婚・不倫問題に特化!】◆資産家/経営者/医者の配偶者などの不動産や自社株を含む財産分与・不倫慰謝料に注力◆複雑な財産分与もお任せを◎◆メディア出演歴多数◆オンライン面談可●離婚弁護士ランキング全国1位獲得経験あり●
事務所詳細を見る
【渋谷徒歩5分】【土日毎週対応可】【仕事帰りの夜相談可】【初回面談30分無料】不倫・DVの慰謝料請求、複雑な財産分与請求など、離婚トラブルは当事務所へお任せを!費用面も柔軟なプラン有《LINE予約可》
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡
財産分与に関する新着コラム
-
本記事では、学資保険の財産分与の方法や具体的な手続きの流れなどを詳しく解説します。
-
不動産を共有名義にしたまま離婚すると、離婚後も相手との関係が続いたり、維持費や税金で揉めたりする可能性があります。そのため、離婚前に共有状態を解消するのがおすす...
-
離婚時に共有持分放棄とはどんな手続きかや、放棄をするとどうなるか、メリット・デメリットを解説します。共有持分放棄は、正しく理解して実行しないと取り返しのつかない...
-
本記事では、離婚時に共有名義の不動産を売却する具体的な方法や手続きの流れ、失敗しないためのポイントをわかりやすく解説します。
-
共有名義の不動産を解消せずに離婚すると、将来の売却や税金、ローンで大きなリスクを背負う可能性があります。本記事では、放置する7つのリスクと状況に応じた適切な対処...
-
離婚時、夫婦共有名義の不動産は「自分の持分」のみ売却可能ですが、協議中は財産分与に注意が必要です。本記事では持分売却のリスクや、共有物分割請求など売却以外の解決...
-
離婚時にトラブルになりやすい共有名義の不動産。その解決策である「共有物分割請求」について、手続きの流れや財産分与との違い、離婚前後の可否までわかりやすく解説しま...
-
婚姻期間中の勤務分に応じて積み上がった退職金は、財産分与の対象となります。ただし、退職前か退職後かで計算式が変わるなど、計算方法は複雑です。自動計算ツールで概算...
-
財産分与の対象とならない主な特有財産は、「結婚前から有している財産」・「相続・贈与によって取得した財産」・「私服や私物などそれぞれの個人的な財産」です。特有財産...
-
離婚によって扶養義務がどうなるかは関係性によって異なります。扶養義務は、夫婦間であれば消滅しますが、親子であれば離婚後も継続するものです。本記事では、離婚・別居...
財産分与に関する人気コラム
-
離婚手続きを進めていくうえで、財産分与についても考える必要がありますが、財産を分ける際に税金がかかる場合があるということを知っていますか?本記事では、離婚時の財...
-
離婚の際に年金分割を拒否したいという方もいるでしょう。この記事では、年金分割を拒否できるのか解説しています。年金分割をしない場合の手続きについても、あわせて紹介...
-
共有財産(きょうゆうざいさん)とは、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産のことをいいます。財産の所有名義が一方の配偶者である場合でも、もう一方の貢献があったとみなさ...
-
熟年離婚の財産分与は婚姻期間が長いほど高額になりやすく、1,000万円を超える夫婦も少なくありません。できるだけ多くの財産を受け取り、離婚後も経済的な不安がない...
-
離婚時の財産分与の対象に、結婚前の資産は含まれません。しかし、例外的に財産分与の対象となることもあります。財産分与は、夫婦で揉める問題のひとつです。この記事では...
-
財産分与は2年以内に請求しないと時効(除斥期間)が成立し、請求する権利が完全に消滅してしまいます。この記事では、離婚後に財産分与の請求を時効までにするため、財産...
-
夫婦が婚姻期間中に協力して株式を取得した場合、当該株式は財産分与の対象に含まれます。ただし、預貯金と違って株式は分割するのが困難なので、財産分与の方法などで争い...
-
社長や経営者と離婚すると、多くの場合、生活水準の低下などの事情から後悔する気持ちも出てくるかもしれません。しかし、この記事で紹介する3つの問題を踏まえ、離婚に望...
-
離婚時に財産分与を請求された場合、退職金は原則として財産分与の対象となり得ます。本記事では、離婚時に退職金は財産分与の対象となるのか、離婚時に退職金を取られない...
-
本記事では、まず財産分与の基礎知識について説明したあと、財産分与の対象や流れ、注意点など財産分与について知っておくべきことを解説します。
財産分与の関連コラム
-
財産分与の対象とならない主な特有財産は、「結婚前から有している財産」・「相続・贈与によって取得した財産」・「私服や私物などそれぞれの個人的な財産」です。特有財産...
-
借金しかない場合、財産分与をどうすべきかはケースバイケースで判断が難しいです。本記事では、借金しかないという人が財産分与をする際にとるべき行動や、財産分与に関す...
-
親からの贈与が財産分与の際に問題となることは少なくありません。本記事では、親からの贈与が財産分与の対象にならないケース・対象となるケース、ケースごとの対応方法や...
-
財産分与の放棄は相手方の承諾がなければおこなえません。なぜなら、財産分与請求権は夫婦それぞれの権利だからです。少しでも財産分与の内容を有利にするには、財産調査や...
-
離婚手続きを進めていくうえで、財産分与についても考える必要がありますが、財産を分ける際に税金がかかる場合があるということを知っていますか?本記事では、離婚時の財...
-
離婚で財産分与をした場合、税金についても注意しなければなりません。本記事では、財産分与をおこなう際に注意したい税金について詳しく解説します。どのようなケースで贈...
-
夫婦が離婚するときは財産分与をおこない、預貯金や不動産などを分け合います。本記事では、離婚時の財産分与で通帳開示する方法や、弁護士に請求依頼するメリットを解説し...
-
離婚時の財産分与で不動産がある場合、どのように分ければよいのでしょうか。今後も住み続けたい場合や、ローンがある場合などさまざまなパターンがあるので、悩んでしまい...
-
離婚する際には、お金に関する様々な取り決めが必要になります。そのため、何かトラブルが生じるのではないかと不安に感じている方も多いのではないでしょうか。本記事では...
-
本記事では、離婚時に共有名義の不動産を売却する具体的な方法や手続きの流れ、失敗しないためのポイントをわかりやすく解説します。
-
離婚時の財産分与の対象に、結婚前の資産は含まれません。しかし、例外的に財産分与の対象となることもあります。財産分与は、夫婦で揉める問題のひとつです。この記事では...
-
扶養的財産分与とは、離婚後に元配偶者から生活費を一定期間負担してもらうことです。本記事では、扶養的財産分与の概要、扶養的財産分与が認められやすいケースなどについ...
財産分与コラム一覧へ戻る




