法定養育費は増額できる?通常の養育費との違いや弁護士に相談するメリットなど
2026年4月1日より「法定養育費制度」という新しい制度の運用が始まりました。
これは養育費の取り決めがない場合に子ども1人あたり2万円を請求できる制度です。
そして、「法定養育費を増額できるのか」などと疑問に思っている方も多くいます。
そこで本記事では、法定養育費の増額に関する基礎知識やポイントなどを紹介します。
法定養育費の増額に関する3つの基礎知識
ここでは、法定養育費の増額に関する基本事項について解説します。
1.法定養育費そのものを増額することはできない
法定養育費そのものを増額することはできません。
法定養育費は、子ども1人あたり月額2万円と定められています。
(子の監護に要する費用の分担の定めがない場合の特例に係る額の算定)
第二条 民法第七百六十六条の三第一項に規定する法務省令で定めるところにより算定した額は、二万円に同項の規定による請求をする父母の一方が離婚の時から引き続き監護を主として行う子の数を乗じて得た額とする。
この法定養育費の金額を任意に増減させることはできないので注意しておきましょう。
2.法定養育費の導入を理由とする養育費の増額はできない
法定養育費の導入を理由にすでに決めた養育費を増額することはできません。
養育費の変更には、扶養家族の増減といった「事情変更」が必要になります。
法定養育費の導入は事情変更に該当しないため、養育費の増額は認められないでしょう。
3.養育費を受け取りつつ、法定養育費を請求することはできない
すでに養育費の取り決めがある場合、追加で法定養育費を請求することはできません。
法定養育費制度は、あくまでも養育費が決まっていない場合の暫定的な制度となります。
養育費と法定養育費の両方を受け取ることはできないので注意する必要があるでしょう。
法定養育費と養育費で実際に受け取れる金額の違い
法定養育費と通常の養育費で受け取れる金額は以下のように異なります。
| 子どもの人数(年齢) | 法定養育費 | 養育費 |
| 1人(14歳未満) | 2万円 | 4万円~6万円 |
| 1人(15歳以上) | 2万円 | 4万円~6万円 |
| 2人(いずれも14歳未満) | 4万円 | 6万円~8万円 |
| 2人(15歳以上・14歳未満) | 4万円 | 6万円~8万円 |
| 2人(いずれも15歳以上) | 4万円 | 6万円~8万円 |
※養育費は、義務者の年収500万円(給与)/権利者の年収300万円(給与)の場合
法定養育費で受け取れる額は子どもの人数×2万円です。
一方、通常の養育費で受け取れる額は子どもの年齢や親の収入などによって変動します。
親の年収によって異なりますが、通常は法定養育費よりも養育費のほうが高額になります。
法定養育費から養育費に切り替えてより多く受け取る方法
法定養育費より多くお金を受け取りたい場合は通常の養育費を請求する必要があります。
【離婚後に養育費を請求する際の大まかな流れ】
- 相手方の連絡先を確認する
- 請求する養育費の額を確認する
- 相手方に内容証明郵便を送付する
- 相手方と養育費について交渉する
- 交渉がまとまったら合意書を作成する
- ※まとまらなかったら調停へと移行する
通常の養育費の額を受け取るには、養育費を請求し合意書を作成することが重要です。
まずは相手方の連絡先を確認して、養育費を請求する旨の内容証明郵便を送りましょう。
法定養育費を受け取っている人が弁護士に相談・依頼するメリット
ここでは、法定養育費を受け取っている人が弁護士に相談するメリットを紹介します。
1.法定養育費に関するアドバイスがもらえる
法定養育費に関して以下のような疑問を持っている方もいるでしょう。
- どのように法定養育費を請求するべきか
- 未払いになっている法定養育費を請求できるのか
- 法定養育費から養育費へと切り替えたほうがよいか など
弁護士に相談すれば、このような疑問・質問についてアドバイスが受けられます。
法定養育費は始まったばかりの新しい制度ですので、疑問などは弁護士に相談しましょう。
2.適正な額の養育費がいくらかを算定してもらえる
弁護士に相談することで、養育費の目安額を把握することが可能です。
養育費の算定では、裁判所の「養育費算定表」を参考にすることが多くなっています。
しかし、弁護士であれば算定表に記載されていない場合などの目安額も計算してくれます。
本来受け取れる養育費の額を確認し、法定養育費から切り替えるかどうか判断しましょう。
3.法定養育費から養育費への切り替えを任せられる
弁護士には養育費の交渉や調停などの手続きを任せることも可能です。
これらの手続きを弁護士に任せることで、以下のようなことが期待できるでしょう。
- 適切な額の養育費での合意を目指せる
- 交渉・調停などの手続きの負担を軽減できる
- 元配偶者と顔を合わせずに手続きを進められる
養育費を請求したとしても、相手方が簡単には支払いに応じないことも考えられます。
養育費の請求については、できる限り弁護士に依頼して進めるほうが望ましいでしょう。
法定養育費の増額に関連する2つの注意点
ここでは、法定養育費の増額に関連する注意点について説明します。
1.養育費よりも法定養育費のほうが高額になるケースもまれにある
一般的に、通常の養育費のほうが法定養育費よりも高額になります。
しかし、義務者が無職などの場合は、法定養育費のほうが高額になることがあります。
「養育費をいくら受け取れるのか」をよく確認しておくことが重要といえるでしょう。
2.養育費の取り決めをした場合は法定養育費に戻すことができない
法定養育費は、養育費の取り決めがない場合の暫定的な制度です。
通常の養育費を取り決めた場合、その後、法定養育費に戻すことはできません。
未払いが生じたため「法定養育費分だけでも回収したい」などは認められないので注意しましょう。
さいごに|より多く受け取りたいなら通常の養育費を請求しよう!
法定養育費は、子ども1人あたり月額2万円と決められています。
そのため、法定養育費としてこれ以上のお金を請求することはできません。
もし法定養育費よりも多く受け取りたい場合には通常の養育費を請求するとよいでしょう。
養育費問題が得意な弁護士は「ベンナビ離婚」で簡単に探すことができます。
まずは最寄りの法律事務所を探して、養育費について相談することから始めてみましょう。
●夜間・休日対応●夫婦カウンセラー資格有●キッズルーム有●【30代・40代の離婚案件の実績豊富】離婚する決意をした方、財産分与で揉めている方、不倫の慰謝料請求を検討している方などぜひご相談ください。
事務所詳細を見る
【慶應義塾大学法科大学院名誉教授・関東管区警察学校講師】【離婚を本気で決意したらお問合せを】|別居中|不倫慰謝料|養育費|などの離婚経験がある弁護士が有利な解決に向けてサポート《費用は写真をクリック》
事務所詳細を見る
【初回相談0円!LINE相談可!】※話がしやすい弁護士【超迅速対応|土日深夜電話が弁護士に通じる】不倫問題、離婚問題、男女問題なら相談しやすい弁護士をお勧めいたします
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡
養育費に関する新着コラム
-
本記事では、法定養育費の増額に関する基礎知識やポイントなどを紹介
-
本記事では、祖父母への差し押さえが可能になる条件や差し押さえまでの流れ、差し押さえができない場合に生活費を確保する対処法を解説します。
-
本記事では、共同親権を選択した際の養育費のルールなどについて説明します。
-
本記事では、養育費算定表の基本的な仕組みや限界を踏まえながら、高所得者の養育費算定が難しい理由を解説しました。
-
離婚によって扶養義務がどうなるかは関係性によって異なります。扶養義務は、夫婦間であれば消滅しますが、親子であれば離婚後も継続するものです。本記事では、離婚・別居...
-
令和6年5月17日の民法改正により、法定養育費制度の導入が決まりました。これにより、離婚時に養育費の取り決めをしていなくても一定額の養育費を相手に請求できるよう...
-
令和6年5月17日の民法改正により、養育費債権に先取特権が付与されました。先取特権を行使すれば、養育費の未払いを防げる可能性があります。この記事では、養育費の先...
-
養育費未払いは深刻な問題です。離婚時に強制執行認諾文言付き公正証書があれば簡単な手続きで差し押さえによる未払い金の回収が可能です。本記事では、養育費未払いの対処...
-
子どもの扶養義務が何歳まで続くかは、子どもが未成熟子かどうかで判断されます。合意内容にもよりますが、経済的に自立していなければ扶養義務が継続するのが基本です。本...
-
「認知はするけど結婚はしない」という選択も可能です。認知しない場合、子どもの将来や権利に悪影響を与える可能性があるため、パートナーと話し合い慎重に検討する必要が...
養育費に関する人気コラム
-
養育費については、減額が認められるケースもあります。離婚後に再婚した場合や、収入が変動した場合などは、減額条件に該当するのかどうか確認しておきましょう。この記事...
-
養育が支払われないという問題を解決する最も手っ取り早い方法は、養育費の支払いに関する取り決めを公正証書に残しておくことです。
-
養育費を獲得したいと思っても、回収できないケースもあります。この記事では、養育費の概要から養育費の相場と計算方法、請求方法と手続き、養育費の支払いの知識、支払い...
-
一方が再婚したとしても、養育費が必ず減額されるわけではありません。しかし場合によっては、減額が認められることもあります。本記事では、再婚した際に養育費がどうなる...
-
子供の養育費を適切に示すために使用されている養育費算定表ですが、最高裁判所内司法研修所によって16年ぶりに改定が行われます。こちらでは、改訂版の養育費算定表の見...
-
養育費はいつまで支払い続けなくてはいけないのでしょうか。相手が再婚しても支払い義務があるのか、成人年齢の引き下げにより18歳まで払えばいいのか、養育費の支払い期...
-
養育費の金額は、養育費の内訳に計上できるものを基準に決定します。ただし、入学金や高額治療費などについては「特別費用」として養育費に算入することも可能です。少しで...
-
離婚後に養育費が支払われないことに悩んでいませんか。差し押さえ(強制執行)を行うことで、強制的に養育費を確保できるかもしれません。この記事では、差し押さえをする...
-
養育費を支払わなくていい方法を知りたい。生活が苦しいため、離れて暮らすわが子の養育費を支払いたくないと考えている方もいるのではないでしょうか。本記事では、養育費...
-
養育費が支払われなくなった時の対処法として強制執行が効果的です。強制執行は、給料や預金口座を差し押えられますし、給料の差し押さえに関しては今後も効力を発揮するた...
養育費の関連コラム
-
令和6年5月17日の民法改正により、養育費債権に先取特権が付与されました。先取特権を行使すれば、養育費の未払いを防げる可能性があります。この記事では、養育費の先...
-
親には子どもの扶養義務があるため、離婚しても養育費を払わなければなりません。しかし、離婚後の状況によっては減額や免除も可能です。本記事では、養育費と法律の関係や...
-
本記事では、養育費算定表の基本的な仕組みや限界を踏まえながら、高所得者の養育費算定が難しい理由を解説しました。
-
養育費については、減額が認められるケースもあります。離婚後に再婚した場合や、収入が変動した場合などは、減額条件に該当するのかどうか確認しておきましょう。この記事...
-
元嫁が再婚したと知ったら男性はどう感じるのでしょうか。この記事で詳しくご紹介するとともに、子供に払っている養育費は免除されるのか、減額されるのかについても解説し...
-
養育費の未払いで悩んでいる方は多いものです。しかし、子どものためにもきちんと支払ってもらわねばならず、諦めてはいけません。本記事では、養育費が支払われないときの...
-
令和6年5月17日の民法改正により、法定養育費制度の導入が決まりました。これにより、離婚時に養育費の取り決めをしていなくても一定額の養育費を相手に請求できるよう...
-
養育費の未払分に関する時効は、話し合いによって決めたのか、裁判所の手続きで決めたのかなどによって異なります。 本記事では、手続き方法ごとの養育費の時効について...
-
法律上は不倫した配偶者でも養育費を請求できるため、非監護親は支払いに応じる必要があります。 本記事では、不倫した配偶者に養育費を支払わなければならない理由や、...
-
本記事では、養育費の強制執行にかかる弁護士費用の相場や、養育費を獲得する流れ、養育費に関する問題を弁護士に相談するメリットをわかりやすく解説していきます。
-
本記事では、共同親権を選択した際の養育費のルールなどについて説明します。
-
今まで元配偶者から養育費をもらっていたのに、再婚を理由に一方的に養育費が打ち切られた…という悩みが法律事務所に寄せられることがあります。本記事では、再婚による養...
養育費コラム一覧へ戻る




