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2020.5.21

養育費はいつまで支払うの?減額が認められる3つのケース

銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士
監修記事
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「養育費」が得意な弁護士に相談して悩みを解決
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養育費の支払い義務を負っている方の中には「養育費をいつまで支払い続ければいいのか」と疑問に思っている方もいるでしょう。特に、養育費の支払いによりご自身の家計が苦しくなっている場合には尚更そういった思いが強くなるでしょう。

 

民法上の原則では、養育費は親の義務とされているため、一方的な意思のみで支払いをやめることはできません。支払をやめてしまうと、債務不履行状態が継続し、遅延損害金が発生します。

 

(令和2年4月1日に改正民事執行法が施行されたことで、強制執行による養育費の回収が容易に行える可能性が高くなったため、ご自身の判断で養育費の支払いを止めてしまうことはなおさら避けるべきと言えるでしょう。)

 

しかし、減額を請求することはできます。この記事では、養育費の支払いに負担を感じている方に向けて「養育費を払い続ける期間」「養育費が高いと感じた場合の対処法」などをご紹介します。

 

養育費を減額できる人って?

養育費の支払いは義務ですが、事情によっては【減額できる】かもしれません。

 

養育費はいつまで支払うのか?

養育費いつまで

まずは、養育費を支払う義務がいつまで続くのかについて、ご紹介します。

 

子供が経済的に自立した場合

裁判所では、子供が20歳(成人)になるまで養育費を支払う義務があると考えるケースがほとんどです。ただ、民法第730条に明記されている『直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。』という一文から、親には『未成熟子の扶養義務』があると考えられています。

 

(親族間のけ合い)

第七百三十条 直系血族及び同居の親族は、互いにけ合わなければならない。

引用:民法

 

未成熟子とは、年齢にかかわらず、経済的な自立ができていない子供のことです。大学生などの学生や、障害を持っている子供が該当します。

 

成人まで支払う約束をしていても、進学などの特別な事情が生じた場合には、別途協議することで養育費の支払いについて話をまとめます。まとまらない場合、調停を申し立てましょう。

 

なお、2022年4月1日より執行の民法改正によって成人年齢が18歳となります。成人までの支払いと決めた場合は、何歳で『成人』とするのかお互いに確認しておくと良いでしょう。

 

【関連記事】

養育費とは|支払い義務や金額・取り決め方法などをカンタン解説

 

再婚して養子縁組した場合

相手方(元配偶者)が再婚したからといって、養育費の支払い義務がなくなるわけではありません

 

そのため、義務自体は続くのですが、再婚したことによって親権を持っている側の経済状況が、新たな配偶者によって変動することになります。

 

これは、一種の事情変更といえます。結果的に、義務者(養育費を支払う側)の養育支払い義務の負担が軽減され、支払いが減額されるでしょう。金額がゼロになるケースもありえます。

 

ただし、相手方の再婚相手に子供を養う経済力がない場合、状況によっては支払いの減額を認めないと判断される可能性も十分に考えられます。

 

また、養子縁組をしていない場合、再婚していても減額が認められないこともあるでしょう。

 

相手方が再婚しても養育費を支払う義務はあるのか

前述した通り、相手方が再婚したとしても養育費の支払い義務は消えません。養育費の減額や打ち切りを希望する場合には、当事者同士の話し合いや調停もしくは審判が必要となります。ちなみに、養子縁組の場合には、離縁すれば扶養義務が外れます。

 

相手方が再婚したからといって自己判断で養育費に支払いを止めてしまうと「養育費の不払い」とみなされることもあるかもしれません。ご自身だけで判断せずに、専門家である弁護士に助言を求めてみましょう。

 

【関連記事】

再婚したら養育費は支払い不要?減額したい人の完全ガイド

再婚を理由にした養育費の打ち切りはできる?不払いや減額交渉に関する知識

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養育費の支払いが減額されるケースは?

養育費減額されるケース

養育費の支払いが減額された場合のシミュレーションを行います。例えば、15歳以上の子供が20歳になるまで毎月6万円の養育費を支払う場合には以下の金額になります。

 

( 6万円 × 12ヶ月 ) × 5年 = 360万円

 

上記の例で養育費減額が成立して毎月4万円の養育費を支払った場合、総支払額は減額前の−120万円となります。

 

( 4万円 × 12ヶ月 ) × 5年 = 240万円

 

単純計算にはなりますが、養育費の支払いが減額された場合の目安として捉えてください。

 

以下、養育費の支払いが減額される可能性があるケースを紹介します。

 

1:義務者の事情が変更した場合

『義務者の事情が変更する』とは、主に給料の減額・扶養家族の増加などです。養育費は、経済的貧困を理由に支払いを拒否できないのが通常ですが、無い袖は振れません。

 

退職などをしてしまい、収入がゼロになってしまった場合、養育費を負担し続けることは、事実上不可能を強いることになってしまいます。

 

なので、義務者の事情が変更した場合は、調停などを通じて相手方に事情を話し、減額を請求することが通常です

 

2:相手方が養子縁組をした場合

相手方の再婚相手と子供が養子縁組をした場合、減額を請求することができます。

 

再婚をしただけでは、扶養義務は発生しませんので注意してください。また、同棲や事実婚の場合も同様です。

 

3:子供が経済的に自立した場合

子供が就職し、経済的に自立した場合は、養育費の支払い義務がなくなります。また、子供が結婚した場合も同様です。

 

子供が専業主婦になったとしても、経済的に自立していると判断されることがあります。

 

養育費はいつまで支払えばいい?|不満を持っている場合の対処法2つ

例えば、子供1人に対し相手方へ毎月10万円を支払っている場合。義務者が高所得であればよいのですが、養育費が生活を圧迫してしまう可能性があります。

 

ここでは、養育費が高すぎると感じた場合にできることを、2つご紹介します。

 

相場を確認する

支払っている金額が相場なのかどうかを確認しましょう。養育費算定表という資料で、簡単に求めることが可能です。

 

実際に裁判所での調停・審判では、養育費算定表に基づき、現在の収入状況を源泉徴収などで明らかにしながら決定していきます。

 

なお、源泉徴収では正確な情報がつかめない場合には、直近の給料明細などで収入を算定することもあります。

 

養育費いつまでか確認引用:養育費算定表

 

算定表は赤枠で囲ってあるところに、子供の年齢と人数が記載されています。まず、複数枚のなかから該当する算定表を選びましょう。その後の使い方は以下のとおりです。

 

  1. 縦軸で義務者の年収を探す
  2. 横軸で権利者の年収を探す
  3. 交差したマスの数字が相場

 

支払っている金額との差が大きすぎる場合、減額できないか相手方と話し合いを設けても良いでしょう。また、算定表には幅がありますから、この幅をめぐって争うことになります。

 

【関連記事】

【令和改定版】養育費算定表と見方をわかりやすく解説

【法改正版】養育費の相場と養育費増額の効果的な方法|養育費計算について解説

 

双方の意見を交換する

話し合いで減額を請求してみましょう。話が進まない場合、相手方が話し合いにすら応じようとしない場合には弁護士へ相談してみましょう。弁護士による交渉は算定表をベースとして議論を行うことになります。

 

とはいえ、当事者の合意がそもそも算定表をベースにできていない場合がありますので、再度合意形成をしなおすことが多くあります。

 

 

調停手続きを利用して請求する

話し合いでまとまらない場合は、調停を申し立てることが可能です。原則、調停は当事者だけが出席するものです。

 

ご自身だけでは不安な場合、弁護士に相談することをおすすめします。調停へ同行し、代理で交渉することを弁護士に依頼できるので、有利に話を進める余地があります。

 

【関連記事】

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改正民事執行法により養育費不払いは高リスク

養育費の支払いに不満を抱えている義務者の方の中には「支払いを止めたい」と考えている方もいるかもしれません。養育費の支払いは親としての義務であると認識していても、子供が成人するまでの長い期間、支払いを続けることに負担を感じることもあるでしょう。

 

しかし、原則として養育費の支払い義務を逃れることはできませんし、支払いを滞納することで強制執行により給与を差し押さえられるケースもあるかもしれません。

 

また、改正民事執行法の改訂で、強制執行による未払い養育費の回収が以前よりも容易に行えると考えられているため、養育費未払いのリスクが上がったと想定されます。

 

養育費の不払いについては法律で罰則が定められているわけではありませんが、養育費を未払いで放置することは差し押さえのリスクとなり得るでしょう。

 

養育費について「どうしても納得がいかない」という場合、専門知識を有する弁護士に相談してみると有益なアドバイスをもらえるかもしれませんね。

 

いつまで払えばいい?と悩まないためにも公正証書に残すのがおすすめ

養育費の支払いについて明確にしておきたい場合には、養育費に関することを公正証書に残しておくと良いでしょう。公正証書は公証人が明確な文言で作成しますので、後日、合意に関する問題が起こりにくくなります。

 

公正証書の作成にはある程度の手間や金銭が必要になりますが、当事者間の合意を確定的にするために有効な手段となるでしょう。公正証書に関する情報を得たい場合には、弁護士に相談してみても良いかもしれません。

 

【関連リンク】

日本公証人連合会

 

まとめ|養育費の支払い拒否をするリスク

養育費の支払いをこちらの都合で急にやめてしまったり、連絡をとれない状況にしたりすると、調停申立にいたってしまいます。それでも無視をしてしまうと、最悪、相手の言い分に基づいて養育費が決定されてしまうケースがあります。

 

また、養育費の支払いを行わず、放置してしまうと、強制執行の対象となるリスクがあります。

 

養育費に関して、強制執行で一番多い回収方法は給料の差押えです。勤務先から払われる給料から養育費を差押えする方法ですので、支払い額以上の悪影響が生じることはいうまでもありません。

 

しっかり話し合った上で、今後どうするのか決めていきましょう。また、減額を請求する場合、あらかじめ弁護士に相談することをおすすめします。

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この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
男女問わず不倫問題全般を得意とし、円満解決の実績もあり。不倫が原因の男女トラブル、離婚慰謝料の請求や親権獲得など、幅広い相談に対応している。

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