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離婚と引っ越しはどっちが先?手続きの順番・費用・子どもへの影響を解説

離婚と引っ越しはどっちが先?手続きの順番・費用・子どもへの影響を解説

離婚を決意したとき、「引っ越しと離婚はどちらを先にすべき?」「手続きの順番を間違えたくない」と悩む方は多いでしょう。

子どもがいる場合は、転校や手当の手続き、費用の工面など、考えることはさらに増えます。

本記事では、離婚と引っ越しの順番の判断基準から、役所手続きの流れ、子ども関連の手続き、費用が払えないときの公的支援まで解説します。

自分の状況に当てはめながら読み進めてみてください。

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目次

離婚と引っ越しはどっちを先にするべき?

離婚と引っ越しは、どちらを先に進めるべきか悩む方も多いでしょう。

ここでは、それぞれのタイミングによる違いや、一般的に推奨される順番について解説します。

基本は離婚成立後の引っ越しがおすすめ

手続き面の負担をできるだけ減らしたい場合は、離婚成立後に引っ越す方法がおすすめです。

離婚後に転居すれば、離婚に伴う氏の変更と住所変更の手続きをまとめて進められます。

運転免許証や銀行口座、健康保険などの名義変更や住所変更も一度で済むため、手続きの手間を抑えやすいでしょう。

一方、離婚前に引っ越す場合は、離婚後に旧姓へ戻すかどうかが決まっていない状態で、賃貸契約や各種登録手続きを進めることになります。

その後、離婚成立に伴って氏名が変更された場合は、契約名義や登録情報をあらためて変更しなければならず、手続きが二重になる可能性があります。

そのため、DVや別居の必要性など、早急に転居しなければならない事情がない場合は、離婚成立後に引っ越しを行うほうがスムーズといえるでしょう。

DV・モラハラがある場合は離婚前の引っ越しも検討する

配偶者からのDVやモラハラ、脅迫などがある場合は、離婚成立を待たずに別居や引っ越しを検討することも大切です。

とくに、同居を続けることで精神的・身体的な負担が大きくなる場合は、安全を確保できる環境へ早めに移ることが、今後の手続きを進めるうえでも重要になります。

一方で、経済的な事情や住まい探しの問題などから、すぐに引っ越すことが難しいケースもあるでしょう。

そのような場合は、配偶者暴力相談支援センターや警察の相談窓口、一時保護施設(シェルター)などの支援を利用することも選択肢のひとつです。

身の危険が迫っている場合は、ためらわず110番通報してください。

また、転居後は、市区町村で「住民基本台帳事務における支援措置」を申し出ることで、相手からの住民票の写しや戸籍の附票の交付請求を制限でき、新住所を知られるリスクを抑えられる場合があります。

まずは、最寄りの支援センターや自治体の窓口へ相談してみましょう。

正当な理由のない離婚前の引っ越しは不利になる可能性がある

注意したいのは、正当な理由なく一方的に家を出るケースです。

夫婦には同居義務があり(民法第752条)、正当な理由のない一方的な別居は「悪意の遺棄」(民法第770条1項2号)と評価されるリスクがあります。

悪意の遺棄と判断されると、離婚や慰謝料の請求で不利になりかねません。

もっとも、DVからの避難、夫婦関係がすでに破綻している場合、相手の不倫・暴力が原因の別居など、正当な理由があれば問題ありません。

離婚前に引っ越すなら、別居に至る理由と証拠(DVの診断書、不倫の証拠、夫婦関係の記録など)を整理しておきましょう。

判断に迷う場合は、転居前に弁護士へ相談すると安心です。

引っ越し前に決めておくべきこと

引っ越し前に必ず済ませておきたいのが、離婚条件の取り決めと書面化です。

とくに、財産分与・養育費・慰謝料・面会交流(親子交流)の条件は、転居前に話し合っておきましょう。

別居して物理的な距離ができると、相手との連絡や交渉は格段に難しくなります

「引っ越してから決めればいい」と後回しにした結果、話し合いに応じてもらえず、養育費を受け取れないまま生活が始まるケースは少なくありません。

なお、合意した内容は、離婚協議書にまとめ、公正証書にしておくのがおすすめです。

強制執行認諾文言付きの公正証書があれば、養育費などが不払いになった際、裁判をせずに給与や預貯金の差し押さえ(強制執行)を申し立てられます。

条件の相場がわからない場合や、相手が話し合いに応じない場合は、引っ越し準備と並行して弁護士へ相談しておくとスムーズです。

離婚から引っ越しまでの基本的な流れ

離婚に伴う引っ越しは、以下の5ステップで進めるのが基本です。

手順 やること
1.条件の取り決め・書面化 財産分与・養育費などを話し合い、公正証書等に残す
2.新居探し・賃貸契約 収入に見合う物件を探し、契約手続きをする
3.引っ越し業者の手配 複数業者から相見積もりを取り、日程を確定する
4.離婚届・転出届の提出 役所で離婚と転居の手続きをまとめておこなう
5.転入後の各種変更 転入届、マイナンバーカード、免許証などを変更する

注意したいのが、「賃貸契約」です。

引っ越し先の賃貸契約時には収入証明や連帯保証人(または保証会社の利用)を求められるのが一般的で、専業主婦(主夫)の方は審査に時間がかかる場合があります

入居希望日から逆算し、早めに動き出しましょう。

離婚に伴う引っ越しで必要な手続き

離婚と引っ越しが重なると、離婚届・転出届・転入届・各種名義変更など、複数の役所手続きが発生します。

提出する順番を誤ると、氏や住所の変更をやり直す二度手間になりかねません。

ここでは、手続きを効率よく進められる順番で整理し、必要書類・提出先・期限をまとめて解説します。

上から順に進めれば漏れを防げるので、チェックリストとして活用してください。

1.離婚届を提出する

引っ越しを伴う場合は、離婚届を先に提出するのが基本です。

離婚成立後の戸籍・氏を前提に住民票が作成されるため、その後の手続きがスムーズになります。

転居のパターン別の提出順は、以下のとおりです。

パターン おすすめの順番
別の市区町村へ引っ越す 離婚届→転出届→転入届
同じ市区町村内で引っ越す 離婚届→転居届(同日提出も可)

離婚届には、当事者のほかに成人2名の証人の署名が必要です。

提出先は本籍地または所在地の市区町村役場で、記載に不備があると受理されず離婚成立が遅れるため、事前に確認しておきましょう。

2.転出届・転居届を提出する

別の市区町村へ引っ越す場合は、現住所の役所へ「転出届」を提出します。

引っ越しの14日前から提出でき、発行された転出証明書は転入手続きで必要になるため大切に保管してください。

同じ市区町村内の引っ越しなら、転出届は不要で、引っ越し後に「転居届」を提出します。

なお、窓口へ行く時間が取れない方は、マイナンバーカードを使ったオンライン手続きが便利です。

マイナポータルの「引越し手続オンラインサービス」を利用すれば、転出届の提出と転入予約を来庁せずに済ませられます。

手続きには、本人確認書類とマイナンバーカード(オンラインの場合は署名用電子証明書が有効なもの)を準備しておきましょう。

3.転入届とマイナンバーカードの住所変更を行う

新住所地の役所では、引っ越した日から14日以内に「転入届」を提出します。

転出証明書(オンライン手続きの場合は不要)と本人確認書類を持参してください。

転入届とあわせて必ず済ませたいのが、マイナンバーカードの住所変更(継続利用手続き)です。

転出予定日から30日以内に転入届を出さなかった場合や、転入後90日以内に継続利用手続きをしなかった場合、カード自体が失効するおそれがあります。

失効すると再発行の手間と時間がかかるため、転入届と同じ日に済ませるのが確実です。

離婚によって氏が変わった方は、カード券面の氏名変更も同時におこないましょう。

4.免許証・銀行口座・保険などの名義・住所を変更する

役所手続きが済んだら、生活に関わる各種の氏名・住所変更を進めます。

主な変更内容と手続き先は以下のとおりです。

変更するもの 手続き先 優先度
運転免許証 警察署・運転免許センター 高(最初に変更)
国民健康保険・国民年金 市区町村役場(転入から14日以内)
銀行口座・クレジットカード 各金融機関(窓口・オンライン)
生命保険・損害保険 各保険会社
パスポート パスポートセンター(氏名・本籍変更時)

なかでも、運転免許証を最初に変更するのが効率的でおすすめです。

新しい氏名・住所の免許証は、銀行や保険の手続きで本人確認書類として使えるため、その後の変更が一気に楽になります。

なお、国民健康保険・国民年金の切り替えは期限が定められているので、後回しにしないよう注意してください。

子どもと一緒に引っ越す場合に必要な手続き

子どもを連れて引っ越す場合は、大人の手続きに加えて、以下の4つが必要になります。

  • 子どもの氏と戸籍の変更
  • 児童手当・児童扶養手当の受給手続き
  • 転園・転校の手続き
  • 子どもの健康保険の切り替え

いずれも子どもの生活や家計に直結する手続きです。

漏れがないよう、ひとつずつ確認していきましょう。

子どもの氏と戸籍を変更する

離婚して親が旧姓に戻っても、子どもの氏と戸籍は自動では変わりません

母親が旧姓に戻り、子どもを自分と同じ氏・戸籍にしたい場合は、家庭裁判所へ「子の氏の変更許可申立て」をおこないます

申立先は子どもの住所地の家庭裁判所で、費用は子ども1人につき収入印紙800円と連絡用の郵便切手代(郵券代)です。

申立書と子ども・父母の戸籍謄本を提出し、許可の審判が出たら、市区町村役場へ「入籍届」を提出して手続き完了となります。

なお、2026年4月施行の改正民法により、離婚後に共同親権を選択した場合は、子の氏の変更手続きの進め方が単独親権の場合と異なる可能性があります。

単独親権か共同親権かで対応が変わるため、不明点は家庭裁判所や弁護士に確認してください。

児童手当・児童扶養手当の受給手続きをする

児童手当は、離婚により子どもを監護する親が変わる場合、受給者の変更手続きが必要です。

あわせて、転居に伴う住所変更(転出・転入先それぞれ)も忘れずにおこないましょう。

ひとり親になった場合は、児童扶養手当の申請も検討してください。

概要は以下のとおりです。

項目 内容
支給額(児童一人の場合) 月額11,340〜48,040円*児童2人目以降は加算あり
所得制限 本人・同居親族の前年所得に応じて支給可否および支給額が決定
申請先 市区町村の窓口

手当は原則として認定請求した月の翌月分からの支給となるため、申請が遅れるほど受け取れない期間が生じます

転入手続きと同じタイミングで申請しましょう。

転園・転校の手続きをする

公立小中学校の転校は、在学中の学校から「在学証明書」「教科用図書給与証明書」を受け取り、転居先で転入届を提出したあと、転入先の学校で手続きをおこなう流れです。

自治体により手順が異なる場合があるため、事前に転居先の教育委員会へ確認しておきましょう。

保育園は、転居先の自治体への利用申し込みが必要です。

地域によっては待機児童の状況からすぐに入園できない場合があり、仕事への影響も大きいため、転居先を決める段階で空き状況を調べておきましょう。

また、学期途中の転校は子どもの心理的な負担になることがあります。

事情が許すなら、学期や学年の切り替わりに合わせて時期を調整することも検討してみてください。

子どもの健康保険を切り替える

子どもが相手(元配偶者)の健康保険の扶養に入っている場合は、保険の切り替えが必要です。

手順としては、まず相手の勤務先を通じて扶養から外す手続きをしてもらい、「資格喪失証明書」を受け取ります。

そのうえで、自分の勤務先の健康保険に扶養として加入させるか、国民健康保険に加入させるかのいずれかを選び、手続きを進めます。

国民健康保険の場合は、資格喪失日から14日以内に市区町村窓口で加入手続きをおこなってください。

切り替えが遅れると無保険期間が生じ、医療費が一時的に全額自己負担になりかねません。

あわせて、子ども医療費助成の住所変更・再申請も忘れずにおこないましょう。

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離婚の引っ越し費用が払えないときの対処法

離婚に伴う引っ越し費用は、基本的には転居する側が負担するケースが一般的です。

一方で、夫婦間の話し合いや離婚条件の内容によっては、配偶者に費用の一部または全額を負担してもらえる場合もあります。

たとえば、財産分与や解決金、婚姻費用などの取り決めの中で、引っ越し費用について合意するケースも少なくありません。

ただし、実際には自分で費用を負担しなければならないケースも多く、事前に資金計画を立てておくことが大切です。

引っ越し費用は、単身であれば数万円程度で済むこともありますが、子どもを伴う転居や3〜4月の繁忙期には10万円以上かかることもあります。

さらに、敷金・礼金や仲介手数料などの初期費用を含めると、負担はさらに大きくなるでしょう。

とはいえ、費用を工面する方法がないわけではありません。

財産分与などの離婚条件を活用する方法に加え、公的支援制度を利用できる場合もあります。

ここでは、引っ越し費用が払えないときの主な対処法を3つ紹介します。

財産分与・婚姻費用・慰謝料で費用をまかなえないか検討する

引っ越し費用そのものを相手に請求できる権利はありませんが、離婚に伴う金銭の支払いによって、実質的に転居費用をまかなえる場合があります。

主なものとして、以下の3つが挙げられます。

  • 財産分与:婚姻期間中に夫婦で築いた共有財産は、原則として2分の1ずつ分けることになります。
  • 婚姻費用:離婚成立前に別居する場合、収入が少ない側は、生活費として婚姻費用を請求できる可能性があります。
  • 慰謝料:DVや不倫など、相手側に離婚原因がある場合は、精神的苦痛に対する慰謝料を請求できることがあります。

とくに、離婚前に別居や引っ越しを予定している場合は、婚姻費用の請求が重要です。

婚姻費用は、原則として請求した時点以降の分しか認められないため、別居開始と同時に手続きを進めることをおすすめします。

なお、実際に受け取れる金額や支払いの時期は、夫婦間の話し合いや交渉によって左右されるケースも少なくありません。

少しでも有利な条件で進めたい場合や、相手との話し合いが難しい場合は、弁護士への相談も検討しましょう。

公的支援制度を利用する|貸付金・給付金・生活保護など

ひとり親家庭や収入が少ない世帯を対象に、引っ越し費用や住まいに関する公的支援制度が設けられています。

主な制度は以下のとおりです。

制度 対象者 支援内容 申請先
母子父子寡婦福祉資金貸付金(転宅資金) ひとり親家庭など 引っ越し費用の貸付(限度額26万円・無利子または低利) 自治体の福祉窓口
住居確保給付金 離職や減収により家賃の支払いが困難な人 家賃相当額を原則3か月間(最長9か月間)支給 自立相談支援機関
生活保護(住宅扶助) 収入が最低生活費を下回る世帯 家賃や転居費用などを扶助 福祉事務所
母子生活支援施設 住まいの確保が難しい母子家庭 母子で入所し、生活支援を受けられる 自治体の福祉窓口

制度ごとに収入要件や利用条件が定められているため、実際に利用できるかは自治体の窓口へ確認する必要があります。

また、申請から支給・利用開始まで一定の時間がかかることも少なくありません。

そのため、引っ越しの予定が見えてきた段階で、できるだけ早めに相談を始めることをおすすめします。

荷物を減らす・時期をずらすなどして引っ越し費用を抑える

公的支援制度の利用とあわせて、引っ越し費用そのものを抑える工夫を行うことも大切です。

比較的取り組みやすい方法として、以下のようなものがあります。

  • 不用品を処分・売却して荷物を減らす
  • 繁忙期(3〜4月)や土日・祝日を避けて引っ越し日を調整する
  • 複数の引っ越し業者から相見積もりを取る
  • 荷物が少ない場合は、単身パックや混載便を利用する

とくに、複数社から見積もりを取ることで、同じ条件でも数万円単位の差が生じることがあります。

また、荷物をできるだけ減らせば、大型家具や家電のみを運搬してもらうなど、費用を抑えたプランを選びやすくなるでしょう。

離婚に伴う引っ越しの注意点

離婚に伴う引っ越しでは、費用や手続きだけに気を取られていると、思わぬトラブルを招くことがあります。

とくに、財産・子ども・生活費の取り決めを曖昧にしたまま転居するのは危険です。

以下では、新生活を安心してスタートさせるために、引っ越し前に確認しておきたい3つの注意点を解説します。

財産分与が決まる前に家具・家電を勝手に持ち出さない

婚姻中に購入した家具・家電は、名義にかかわらず夫婦の共有財産として財産分与の対象になる可能性があります。

分け方が決まる前に一方的に持ち出すと、「勝手に財産を持ち去った」とトラブルになりかねません。

一方、独身時代から持っていた物や、親族から贈与された物は「特有財産」であり、原則として自由に持ち出せます。

引っ越しの際は、持ち出したい物をリスト化し、事前に相手と確認しておきましょう。

書面やLINEなどで合意の記録を残しておけば、あとから「言った・言わない」の争いになるのを防げます。

できれば子どもを連れて無断で引っ越しをしない

子どもを連れて相手に無断で引っ越すのは、できれば避けるべきです。

2026年4月施行の改正民法により、父母双方が親権を持つ間(婚姻中や離婚後の共同親権)は、子どもの居所や生活環境に大きな影響を与える転居については、共同親権の場合、父母双方で協議して決めることが求められるケースがあります。

無断で転居した場合、その経緯によっては親権者の指定・変更の審判で不利に考慮されたり、損害賠償の問題が生じたりする可能性があるので注意しましょう。

一方、DVや虐待から避難する場合は「子の利益のため急迫の事情があるとき」に当たり、単独での転居が認められます。

安全確保が必要なときは、ためらわず避難してください。

緊急性がないケースでは、親権や監護者、面会交流の条件を相手と協議し、整理してからの転居が望ましいでしょう。

判断に迷う場合は弁護士に相談してみてください。

引っ越し後の生活費の目処を立てておく

離婚後の生活を安定させるためには、引っ越し後の収入と支出をあらかじめ整理し、無理のない生活設計を立てておくことが大切です。

収入面では、給与や養育費に加え、児童扶養手当などの公的支援を含めて毎月どの程度の収入が見込めるのかを確認しましょう。

一方、支出面では、家賃や食費、教育費、光熱費、保険料などを洗い出し、毎月の収支が成り立つかを試算しておくことが重要です。

試算の結果、収支に余裕がない場合は、家賃予算の見直しや、公営住宅への申し込みを検討するのも選択肢のひとつです。

また、自治体によっては、ひとり親家庭を対象とした就労支援や貸付制度を設けている場合もあるため、必要に応じて活用を検討するとよいでしょう。

引っ越してから生活費について考えるのではなく、まずは収支の見通しを立て、そのうえで住まいを選ぶことが、離婚後の生活を安定させるポイントです。

離婚と引っ越しについてよくある質問

最後に、離婚と引っ越しに関してよくある質問へ回答します。

離婚後も引っ越しまで同居して問題ありませんか?

離婚後もしばらく同居を続けること自体が、直ちに違法となるわけではありません

実際に、新居が決まるまでの間や、引っ越し費用を準備するために、一時的に同居を継続するケースは少なくありません。

ただし、元配偶者との同居が長期間に及ぶ場合は、児童扶養手当などの公的支援において、生活実態の判断へ影響する可能性があります。

そのため、同居を続ける場合は、生活費の負担方法や退去予定日などをあらかじめ話し合い、可能であれば書面に残しておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなるでしょう。

荷物の運び出しだけを業者に依頼できますか?

はい、可能です

大型の家具や家電のみの運搬に対応している業者や、少量プラン、単身パックを用意している引っ越し業者もあります。

荷物が少ない場合は、通常の引っ越しプランより費用を抑えられることもあるため、状況に応じて活用を検討するとよいでしょう。

ただし、婚姻中に購入した家具や家電は、財産分与の対象となる可能性があります。

相手の同意を得ないまま持ち出してしまうと、後々のトラブルにつながることもあるため、事前に持ち出す物を整理し、できる限り相手と確認しておくことをおすすめします。

住民票を移すと相手に新住所を知られる可能性はありますか?

状況によっては、新しい住所を知られてしまう可能性があります

例えば、子どもの戸籍の附票や住民票に関する手続きの中で、転居先の情報が確認できるケースもあるためです。

DVやストーカー被害などの事情があり、新住所を知られたくない場合は、「住民基本台帳事務における支援措置」の利用を検討しましょう。

支援措置が認められると、相手方による住民票の写しや戸籍の附票の交付請求が制限される場合があります。

利用要件や必要書類は自治体によって異なるため、転居前の段階で、警察や配偶者暴力相談支援センター、自治体の窓口へ相談しておくと安心です。

離婚前に県外へ引っ越しても大丈夫ですか?

離婚前であっても、県外へ引っ越すこと自体は可能です。

ただし、子どもを伴う転居の場合は、転校や生活環境の変化に加え、面会交流の方法や親権・監護権の判断に影響する可能性があるため、慎重に検討する必要があります。

特に、遠方への転居によって面会交流の実施が難しくなる場合は、後の話し合いや手続きで争点となることもあります。

そのため、DVなどの緊急避難が必要な事情を除き、転居の理由や面会交流の方法について、可能な範囲で事前に話し合っておくことが望ましいでしょう。

判断に迷う場合や、相手との協議が難しい場合は、転居前に弁護士へ相談することをおすすめします。

まとめ|離婚の引っ越しはタイミング・費用・手続きを整理して進めよう

離婚に伴う引っ越しは、手続きの負担を考えると、離婚成立後に進めるのが一般的です。

一方で、DVやモラハラなど、安全面に不安がある場合は、離婚成立を待たずに別居や転居を検討することも大切です。

その際は、シェルターや住民票の閲覧制限などの支援制度を活用しましょう。

また、引っ越しを進める前には、財産分与や養育費、婚姻費用などの条件についてできる限り整理し、必要に応じて公正証書として残しておくことをおすすめします。

費用面に不安がある場合は、公的な貸付制度や給付制度を利用できる可能性もあるため、早めに自治体へ相談してみてください。

特に、子どもを伴う引っ越しでは、氏や戸籍の変更、各種手当の手続き、転校準備など、検討すべき事項が多くあります。

状況によっては、転居のタイミングや方法が親権や面会交流の話し合いに影響することもあるため、慎重に進めることが重要です。

引っ越し費用を少しでも抑えたい場合は、複数の引っ越し業者から相見積もりを取り、条件を比較するとよいでしょう。

また、財産分与や養育費の取り決め、転居をめぐるトラブルなどに不安がある場合は、早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。

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この記事の監修者
東京新生法律事務所
濵門 俊也 (東京弁護士会)
常に依頼者様のお話に耳を傾け、お気持ちに寄り添うよう心がけています。ただの法律相談ではなく、カウンセリングのような面談をするようにしております。法律に関係のないことでもお気軽にお話ください。

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