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カサンドラ症候群を理由に離婚できる?進め方や注意点・相談先を解説

カサンドラ症候群を理由に離婚できる?進め方や注意点・相談先を解説

「配偶者との会話がかみ合わず、いつも孤独感や強いストレスを感じる」「カサンドラ症候群がつらく、離婚を考えている」と悩んでいませんか。

カサンドラ症候群そのものは法律上の離婚理由ではありません。

しかし、配偶者との生活が婚姻関係を継続できないほど困難になっている場合は、話し合いや状況によっては離婚に至るケースもあります。

一方で、カサンドラ症候群を理由に離婚を進める際は、相手が離婚に応じないケースや、子どもへの影響、財産分与・慰謝料など、事前に確認しておきたいポイントも少なくありません。

感情だけで話を進めると、離婚協議が長引くおそれもあります。

そこで本記事では、カサンドラ症候群を理由に離婚できるのか、離婚までの進め方や注意点、利用できる相談先についてわかりやすく解説します。

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カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群とは、発達障害の特性があるパートナーとのコミュニケーションが長期間うまくいかず、強いストレスによって心身に不調をきたす状態を指します。

正式な医学的診断名ではありませんが、精神的な負担を表す言葉として広く使われています。

原因として挙げられることが多いのは、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などの特性です。

たとえば、ASDの特性がある人は、相手の気持ちを読み取ったり、暗黙の了解を理解したりすることが苦手な場合があります。

そのため、悩みを相談しても共感が得られず、「話が通じない」と感じる場面が続くことがあります。

一方、ADHDの特性がある人は、不注意や忘れ物、予定管理の苦手さなどから、約束や家事分担を繰り返し忘れてしまうことがあります。

その結果、パートナー側の負担が大きくなり、精神的な疲労につながるケースも少なくありません。

こうしたすれ違いが積み重なることで、一方のパートナーが強い孤独感や無力感を抱え、カサンドラ症候群のような状態に陥ることがあるとされています。

カサンドラ症候群のセルフチェックリスト

以下に、カサンドラ症候群の代表的な特徴をまとめました。

自分がカサンドラ症候群になっていないか、チェックしてみてください。

  • 頭痛や不眠などの不調がなかなか治らない
  • 気分が沈んだりやる気が出ない日が続く
  • パートナーと話しても会話がすれ違う感覚がある
  • パートナーの言動にいら立ちストレスがたまっていく
  • パートナーが不機嫌になる理由が読めず、つい顔色をうかがう
  • 気持ちに共感してもらえず、むなしさや孤独がつのる
  • つらさを打ち明けられる相手がいない、話しても伝わらない
  • 何を伝えても変わらないと感じ、期待するのをやめた
  • うまくいかない原因を、自分のせいだと考えてしまう
  • 自信を失い、自分には価値がないと思えてくる
  • 自分が何を感じているのかわからなくなってきた
  • つい攻撃的になってしまう自分が嫌いになる

当てはまる項目が多いほど、カサンドラ症候群の可能性が高いです。

ただし、リストはあくまで目安です。

気になる症状が続くときは、医療機関に相談してください。

カサンドラ症候群を理由に離婚はできる?

カサンドラ症候群を理由に離婚できるかは、夫婦の合意があるか、法律で定めた離婚原因があるかどうかで決まります。

状況に応じて適切な手続きを進めましょう。

話し合いで合意できれば離婚は可能

夫婦がお互いに離婚に合意すれば、理由を問わず離婚できます

カサンドラ症候群や発達障害を、離婚の理由として証明する必要はありません。

協議によって離婚する場合、裁判のように事情を第三者に証明する手間もかかりません。

離婚理由も問われないため、精神的な負担も軽くなるでしょう。

ただし、合意自体が有効と認められるためには、相手が「意思能力」を有することが前提です(民法第3条の2)。

意思能力とは、行為の意味や影響を理解して自らの意思で判断できる能力を指します。

そのため、発達障害の程度が重く、意思能力を欠くと判断される場合は、当事者だけの話し合いで離婚は成立しません。

対応が複雑になるため、進め方を弁護士に相談しましょう。

裁判では発達障害のみを理由に離婚するのは難しい

夫婦間の話し合いで離婚に合意できず、離婚調停や離婚裁判に進んだ場合、配偶者に発達障害の特性があることや、自分がカサンドラ症候群であることだけを理由に離婚が認められるわけではありません

裁判で離婚が認められるためには、民法第770条第1項で定められた以下の法定離婚事由に該当する必要があるからです。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄(正当な理由なく生活費を支払わない、同居を拒否するなど)
  • 3年以上の生死不明
  • 婚姻を継続し難い重大な事由(DV・モラハラ・長期間の別居など)

このうち、発達障害そのものは法定離婚事由には含まれていません。

一方で、発達障害の特性によるコミュニケーション不全や生活上の問題が長期間続き、その結果として夫婦関係が修復できないほど破綻している場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があります。

そのため、カサンドラ症候群を理由に裁判で離婚を求める場合は、「カサンドラ症候群になったこと」自体ではなく、その影響によって婚姻関係が客観的に破綻していることを、証拠をもとに主張・立証することが重要です。

夫婦関係が破綻したことを証明するための証拠の具体例は、「裁判で「婚姻を継続し難い重大な事由」があると主張する」で紹介していますので、あわせて参考にしてください。

カサンドラ症候群を理由に離婚する流れ

カサンドラ症候群をきっかけに離婚を考える場合でも、基本的な手続きの流れは一般的な離婚と変わりません。

まずは夫婦間で離婚について話し合う「協議離婚」を目指し、話し合いで合意できない場合は家庭裁判所での「離婚調停」へ進みます。

それでも合意に至らなかった場合は、最終的に「離婚裁判」で離婚の可否を判断してもらうことになります。

ここでは、それぞれの手続きの流れやポイントについて詳しく解説します。

話し合いで離婚を成立させる

まずは、離婚について夫婦で話し合いましょう。

合意できれば、離婚届を役所の窓口に提出するだけで離婚が成立します。

なお、離婚の際は以下の条件もあわせて決めておきましょう。

条件を決めずに離婚すると、あとでもめる原因になります。

  • 財産分与:夫婦で築いた財産をどのように分けるか
  • 親権:子どもの親権を父母双方とするか、一方とするか
  • 養育費:子どもの生活費を毎月いくら払うか
  • 面会交流:子どもと別居親が会う頻度や方法をどうするか

調停を成立させる

話し合いでまとまらなければ、家庭裁判所に離婚調停を申し立ててください。

離婚調停とは、夫婦が調停委員を通して離婚について話し合う手続きです。

調停では、中立の調停委員が双方の主張を公平に聴きます。

双方の意見が食い違っても、調停委員が歩み寄りを促してくれます。

相手と直接顔を合わせずに進むので、精神的な負担が減るのもメリットです。

調停が成立すると、調停調書が作られ離婚が確定します。

裁判で「婚姻を継続し難い重大な事由」があると主張する

調停でも話し合いがまとまらなければ、離婚裁判に進みましょう。

裁判になると、裁判官が事実関係をもとに離婚の可否を判断します。

裁判では、離婚したい側が「婚姻を継続し難い重大な事由」があると主張する必要があります。

そのため、夫婦関係の破綻を立証する証拠の収集が欠かせません。

具体的には、以下のような証拠を集めましょう。

  • コミュニケーションの拒絶や暴言がわかるメール、LINEのやり取り
  • カサンドラ症候群による心身の不調を証明する診断書
  • 生活の実態や具体的なトラブルを記載した日記やメモ
  • 住民票や賃貸借契約書(長期間の別居の証明のため)

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カサンドラ症候群を理由に離婚する際の注意点2つ

カサンドラ症候群を理由に離婚を進める場合は、一般的な離婚とは異なる難しさに直面することがあります。

特に、配偶者に発達障害の特性がある場合は、コミュニケーションの行き違いから話し合いが思うように進まないケースも少なくありません。

不要なトラブルを避け、できるだけ円滑に離婚を進めるためにも、事前に押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。

話し合いがかみ合わず長期化する傾向がある

配偶者に発達障害の特性がある場合、離婚を切り出しても、理由や相手の気持ちを十分に理解できず、話し合いが平行線になることがあります。

たとえば、ASDの特性がある人の中には、相手の感情や精神的な負担を読み取ることが苦手な方もいます。

そのため、「なぜ離婚したいのか」が伝わりにくく、「突然離婚を切り出された」と受け止められてしまうケースもあるのです。

その結果、話し合いが長期間に及んだり、感情的な対立に発展したりすることも珍しくありません。

夫婦だけでは解決が難しいと感じた場合は、早めに弁護士や離婚カウンセラーなど第三者に間に入ってもらうことで、冷静に話し合いを進めやすくなります。

相手を一方的に責めない

離婚の意思を伝える際は、相手を責めるような伝え方は避けることが大切です。

発達障害の特性による言動は、本人に悪意があるとは限りません。

「あなたのせいで苦しんだ」「どうして何もわかってくれないのか」と感情をぶつけてしまうと、相手が防御的になり、話し合いがさらに難しくなるおそれがあります。

離婚について話し合う際は、感情論ではなく、どのような出来事があり、それによって自分がどのような負担を抱えてきたのかという事実を整理し、具体的に伝えることが重要です。

あらかじめ伝えたい内容をメモにまとめておけば、感情的になることを防ぎやすく、話し合いもスムーズに進められるでしょう。

カサンドラ症候群で離婚する前にできること4つ

カサンドラ症候群によるつらさから、「もう離婚しかない」と感じてしまうこともあるでしょう。

しかし、心身が疲弊している状態では、冷静な判断が難しくなることがあります。

離婚は一度成立すると簡単に元へ戻すことはできません。

そのため、まずは心身の負担を軽減しながら、自分にとって本当に最善の選択なのかを落ち着いて考えることが大切です。

ここでは、離婚を決断する前に取り組みたい4つの方法を紹介します。

一時的に別居して距離を置く

心身の負担が大きい場合は、まずパートナーと物理的な距離を置くことを検討しましょう。

一時的に別居することで、日々のストレスから解放され、冷静な気持ちで今後の生活や夫婦関係について考えやすくなります。

また、パートナーが現状を見つめ直し、医療機関やカウンセリングなどの支援を受けるきっかけになるケースもあります。

別居期間中は、「関係を修復できそうか」「離婚したほうがお互いのためか」を見極める時間として活用するとよいでしょう。

なお、夫婦関係が長期間回復せず別居が続いている場合は、その期間や事情が裁判で「婚姻を継続し難い重大な事由」の判断材料になることがあります。

ただし、何年別居すれば必ず離婚が認められるという基準はありません。

別居が難しい場合は、寝室を分ける、一人で過ごす時間を増やすなど、生活の中で適度な距離を確保することも有効です。

パートナーの発達障害の特性を理解する

パートナーの発達障害の特性について理解を深めることで、これまでのすれ違いの原因が見えてくることがあります。

たとえば、ASDには相手の気持ちを読み取ることが苦手な特性、ADHDには予定管理や忘れ物が苦手な特性がみられることがあります。

もちろん、すべての行動を特性だけで説明できるわけではありませんが、「悪意ではなく特性によるものだった」と理解できることで、接し方やコミュニケーションの方法を見直せる場合もあります。

離婚を判断する前に、まずは相手の特性について正しく知ることも一つの選択肢です。

心療内科や精神科を受診する

不眠や頭痛、強いストレス、気分の落ち込みなどが続いている場合は、心療内科や精神科の受診を検討しましょう。

医師の診察を受けることで、自分の心身の状態を客観的に把握できるほか、必要に応じて薬物療法やカウンセリングなどの治療を受けられます。

また、医療機関への受診記録や診断書は、心身への影響を示す資料となる可能性もあります。

「まだ大丈夫」と我慢を続けるのではなく、症状が長引く前に専門家へ相談することが大切です。

窓口に相談する

ひとりで抱え込まず、相談窓口を頼るのもおすすめです。

まずは誰かに話を聞いてもらうだけでも、気持ちが軽くなるかもしれません。

悩みの内容や、今後どうしたいかに応じて相談先を選んでください。

主な相談先については、以下で紹介します。

カサンドラ症候群や離婚を相談できる窓口3つ

カサンドラ症候群に関して悩んだら相談窓口を頼りましょう。

ここでは、主な窓口を3つ紹介します。

悩みの内容に応じて、相談先を選んでください。

発達障害者支援センター

パートナーとの生活の悩みや接し方については、発達障害者支援センターに無料で相談できます。

発達障害者支援センターは、発達障害者への支援をおこなう専門的機関です。

関係機関と連携しつつ、発達障害者やその家族に対して指導やアドバイスをおこないます。

ただし、人口規模や自治体内の支援体制の整備状況などが異なるため、事業内容は地域によって差があります。

詳しい支援内容は、住んでいる地域のセンターに問い合わせてください。

心療内科・精神科やカウンセラー

心身の不調が続くなら、医療機関やカウンセラーに相談しましょう。

診断や薬の処方を受けたいのであれば、心療内科や精神科が向いています。

診断書をもらえば、離婚手続きで有力な証拠になります。

じっくり話を聞いてほしいときは、カウンセラーに相談しましょう。

夫婦関係の悩みに向き合うカウンセラーであれば、医療機関よりも気軽に相談できるはずです。

無理せず、自分に合う相談先を選んでください。

弁護士

離婚の進め方や手続きについては、離婚を得意とする弁護士に相談しましょう。

弁護士に依頼する主なメリットは、以下のとおりです。

  • 離婚や慰謝料について、的確なアドバイスをもらえる
  • 話がかみ合わない相手にも、粘り強く対応してくれる
  • 相手との直接のやり取りが減り、精神的な負担が軽くなる
  • 慰謝料や財産分与で有利な条件を引き出せる
  • 調停や裁判の書類作成や提出を一任できる

とくにカサンドラ症候群への理解がある弁護士であれば、パートナーの特性を踏まえた適切な対応が期待できます。

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カサンドラ症候群の離婚でよくある質問

さいごに、カサンドラ症候群の離婚でよくある質問に回答します。

カサンドラ症候群で離婚する際に慰謝料は請求できる?

パートナーの発達障害や自分のカサンドラ症候群を理由とする慰謝料は請求できません

慰謝料は、相手の不法行為により精神的苦痛を受けたときに初めて請求できるからです。

ただし、普段の生活で以下の不法行為を受け精神的苦痛を受けた場合、慰謝料を請求できます。

  • 不貞行為
  • モラハラ
  • DV
  • 悪意の遺棄(生活費を渡さないなど)

不法行為を証明するために、録音データ・写真・診断書・日記・メモなどの証拠をできるだけ多く集めましょう。

まとめ|カサンドラ症候群の離婚はひとりで抱え込まず弁護士に相談を

カサンドラ症候群を理由とした離婚は、進め方しだいで実現できます。

相手の特性を理解したうえで、離婚手続きを慎重に進めましょう。

不安があれば、窓口を頼ってください。

相談できる窓口は複数ありますが、離婚を進めるなら弁護士がおすすめです。

弁護士に相談すれば、相手との話し合いを円滑に進められ、離婚裁判に発展した場合でも手続きを任せられます。

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この記事の監修者
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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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