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離婚後に財産分与の請求ができることは意外と知られていないかもしれません。
離婚後の財産分与は可能ですが、一方で注意すべき点もあります。
本記事では、離婚後の財産分与の請求方法、離婚後の財産分与で注意すべきこと、離婚後の財産分与を弁護士に相談するメリットをわかりやすく解説していきます。
離婚を早急に成立させ、離婚後に財産分与をすることは可能です。
離婚が成立しないと給付金が申請できなかったり、子どもに関する手続きが進められなかったりするため、早く離婚をしたい人にとって、財産分与の話し合いで時間を取られて離婚ができないのは避けたいところでしょう。
しかし、離婚後に財産分与を請求する場合、離婚前の財産分与にはない注意すべき点があります。
離婚後の財産分与を請求するためには、まずは流れをしっかり把握したうえで、注意すべき点を理解しておくことが重要です。
離婚後の財産分与は、離婚前の財産分与とは異なる点がいくつかあります。
以下では、離婚後の財産分与の流れについて詳しく説明します。
まずは離婚後の財産分与の流れについてイメージをつかんでください。
元配偶者となった相手に対し、離婚後に財産分与を請求するためにまずは相手の財産の調査をしましょう。
離婚後、時間が経過してしまうと相手の財産について詳しく把握できなくなります。
離婚後は相手と疎遠になることも多いため、相手が財産を隠してしまうかもしれません。
まずは相手がどのような財産を持っているのかを改めて調査するようにしましょう。
また、不動産や自動車などの財産は、時が経つにつれて価値が変化します。
財産調査によって把握できた財産がどれくらいの価値を持つのかを事前に評価しておきましょう。
元配偶者の財産を調査・評価したうえで、元配偶者と財産分与の協議をします。
協議によって財産分与の合意ができればよいのですが、相手と財産分与について争いが生じた場合には、財産分与調停によって財産分与を進めることになります。
離婚前に財産分与をおこなう場合、離婚調停の中で財産分与についても話し合いをする形で進めますが、離婚後は財産分与のみの調停を申し立てることになる点が異なります。
財産分与について相手と協議がまとまらない場合、相手の住所を管轄する家庭裁判所に対し財産分与調停を申し立てます。
財産分与調停は、民間から選ばれた調停委員を交えて相手と財産分与の方法について話し合います。
調停は1回で終了する場合は少なく、1か月に1回程度のペースで何度か続くことが多いため、終了するまでに時間がかかります。
財産分与調停では、調停委員がお互いの意見を聞いて合意が形成できるように進めてくれます。
調停によって財産分与の条件についてお互い合意が得られた場合には、調停成立となり、調停調書が作成されます。
調停調書は判決と同一の効力を有するため、調停で決まったことは守らなければなりません。
一方、相手が条件に納得しない場合や、そもそも相手が出頭しないような場合、調停は不成立となります。
調停が不成立になった後、さらに争うためには裁判を起こす必要があります。
なお、争いのある点が些細な点の場合、審判に付され、審判で結論が出されることになります。
離婚後の財産分与については、離婚前にはない注意点がいくつかあります。
離婚後に財産分与を請求することを検討している人は、以下の注意点をよく把握した上で進めるようにしましょう。
離婚後に財産分与を請求するためには、離婚が成立した日から2年以内に調停を申し立てる必要があります。
2年を過ぎてしまうと原則として財産分与が請求できなくなってしまうため、注意しなければなりません。
なお、離婚が成立した日から2年以内に調停を申し立てていれば、合意までに2年が経過していても大丈夫です。
よって、2年が経過しそうな場合は早めに調停を申し立てましょう。
離婚後に財産分与の協議、財産分与調停・審判によって財産分与の請求権が確定した場合、請求権は10年間有効です。
財産分与が確定したからといって安心せず、確定した方法に沿って速やかに財産分与の手続きを進めるようにしましょう。
離婚後の財産分与は、元配偶者と別々の生活を送ることになるため、話し合いがうまく進まなかったり、相手が財産を正直に申告しなかったりして、離婚前よりも不利になるケースがあります。
離婚後には相手と連絡が取りづらくなることを考慮して財産分与で不利にならないようにしましょう。
離婚直後に財産分与を請求するのであれば、元配偶者の住所を把握している場合が多いと思います。
しかし、離婚後に財産分与を請求するまで時間が経過してしまうと元配偶者が引っ越してしまうことがあります。
元配偶者が引っ越したことを伝える義務はないため、元配偶者がどこにいるのかわからなくなってしまうと財産分与の請求ができなくなってしまいます。
離婚後に財産分与を請求する場合、元配偶者の住所については常に把握しておく必要があります。
離婚後は元配偶者と別々の生活を送ることになるため、相手の生活状況を把握しづらくなります。
よって、離婚前と比べて相手が共有財産である預金などを使い込んでしまう可能性が高くなります。
離婚後に財産分与を請求する場合、相手の財産の詳細な調査が必要です。
先ほど説明したとおり、離婚後に財産分与を請求する場合、離婚が成立した日から2年以内に請求する必要があります。
2年が経過してしまうと原則として財産分与を請求することができなくなります。
よって、2年経過後は財産分与が極めて難しくなりますが、請求をする方法がないわけではありません。
以下では、離婚から2年が経過してしまった場合に財産分与を請求する方法を解説します。
離婚後に2年が経過してしまった場合であっても、相手と財産分与の協議をすることは可能です。
相手と協議をした結果、合意をすることができれば財産分与を請求できます。
しかしながら、2年が経過してしまった場合、相手が任意に応じてくれることは難しくなるでしょう。
離婚後2年が経過した場合でも、財産分与調停を申し立てること自体は可能です。
しかし、2年経過後は原則として財産分与の請求をすることはできなくなるため、特別な事情がない限り調停は不成立となってしまいます。
逆に、特別な事情が存在する場合、財産分与の請求ができるかもしれません。
例えば2年以内にした財産分与の合意が無効だった場合や、相手が財産を隠匿していた場合には財産分与の請求ができる余地があるかもしれません。
相手が財産を隠匿していた結果、離婚後2年が経過してしまった場合、相手の故意によって財産分与ができなかったとして、財産分与で得られたはずの額を損害として賠償請求できる可能性があります。
相手のせいで財産分与の請求ができなかった場合は検討してみる余地はあるでしょう。
離婚後の財産分与については離婚前と異なる注意点がいくつかありますので、わからないことも多いと思います。
そこで以下では離婚後の財産分与に関するよくある質問に対する回答をまとめてみました。
自分と似たような質問があればその回答を参考にしてみてください。
離婚後の財産分与については、離婚が成立した日から2年以内に請求する必要があります。
この2年という期間は延長することができません。
よって、期限を無駄にしないよう十分に注意する必要があります。
離婚後2年が経過した場合には原則として財産分与の請求ができませんが、相手が財産を隠匿していた場合などは請求できる余地があると考えられます。
また、財産分与の請求ではなく損害賠償請求という形で請求ができる可能性もあります。
2年が経過してしまったからと諦めるのではなく、弁護士に相談することをおすすめします。
離婚後に元配偶者が共有財産を第三者に譲渡してしまうと、その財産を財産分与の対象とすることは難しくなります。
相手に対し損害賠償請求をすることは可能ですが、財産そのものを第三者から取り戻すことは難しくなるため、それを防止するためには財産を仮差押えしておくとよいでしょう。
仮差押えを検討したい場合、弁護士に相談してみてください。
離婚後に元配偶者が死亡した場合、元配偶者が有していた財産は元配偶者の相続人が相続します。
相続人が共有財産を相続したのであれば、その相続人に対し、財産分与の請求権を行使することができると考えられます。
財産分与の対象となる財産は、婚姻期間中に夫婦が協力することにより築いた財産全てです。
これを共有財産といいます。
例えば、婚姻期間中に夫が稼いだ給料や、購入した不動産などは全て共有財産です。
共有財産は原則としてその半分を財産分与として請求することができます。
離婚後に財産分与を請求する場合、離婚前と異なり注意すべき点があることをお伝えしました。
また、離婚成立の日から2年が経過してしまった場合、財産分与を請求するためには大きなハードルがあります。
離婚後の財産分与については期限があるため、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
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