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財産分与で贈与税や譲渡所得税が発生する可能性がある!確定申告の流れと相談窓口3選

板山 翔(税理士)
監修記事
財産分与で贈与税や譲渡所得税が発生する可能性がある!確定申告の流れと相談窓口3選
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離婚で財産分与をした場合、税金についても注意しなければなりません。

ケース次第ではあるものの、財産分与した側・された側ともに税金が発生したり、確定申告が必要となったりしますが、ルールは複雑で理解するのに時間がかかってしまいますよね。

本記事では、財産分与をおこなう際に注意したい税金について詳しく解説します。

どのようなケースで贈与税や譲渡取得税がかかってしまうかや、確定申告をする際の注意ポイントについても説明するので、ぜひ参考にしてください。

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原則として財産分与の際に確定申告をする必要はない

原則として財産分与をおこなったとしても確定申告をする必要はありません

財産分与とは婚姻中に2人で築いた財産を分け合うための手続きであり、財産を分け与えられたとしても一般的には税金がかからないためです。

ただし、あくまで原則としてであり、中には税金がかかったり確定申告が必要になったりするケースも存在します。

財産分与に伴い課税される可能性がある税金と主なケース

財産分与をおこなうことで課税される税金には以下に挙げた4つがあります。

どのような場合に課税されてしまうかとあわせて解説します。

贈与税|多くの財産を受け取った場合など

離婚をして相手から財産を受け取ったとしても、基本的に贈与税の課税はありません。

しかし、以下のケースに当てはまる場合には、贈与税がかかります。

  • 分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他全ての事情を考慮してもなお多過ぎる場合
  • 離婚が贈与税や相続税を免れるためにおこなわれたと認められる場合

財産の額が多すぎて贈与税がかかる場合には、財産全体ではなく多すぎた部分にのみ課税されます。

一方で、贈与税や相続税を逃れるために離婚をおこなったと判断された場合、贈与された財産全体に課税されます。

不動産取得税|不動産が共有名義だった場合など

不動産取得税は不動産の所有権を獲得した際に課せられる税金です。

財産分与で不動産を取得したとしても、不動産取得税の課税は一般的にはありません。

ただし、以下のケースにおいては課税されます。

  • 不動産がもともと共有名義であり、一方の持分を財産分与した場合
  • 離婚の慰謝料として不動産を財産分与した場合

登録免許税|財産分与により不動産登記が必要な場合

登録免許税とは財産分与にあたって新たに不動産の所有者となる人がいて、不動産の名義変更・登記申請をおこなう際に必要となる税金です。

登録免許税は不動産の固定資産評価額の2%発生します。

原則では資産を分与した側と資産を受け取った側が共同で税金を納めるよう定められていますが、どちらかがまとめて納付することも可能です。

のちにトラブルとならないよう、どちらが負担するか話し合っておくことをおすすめします。

譲渡所得税|価値の上がった不動産などを譲渡した場合

譲渡取得税とは、財産分与によって不動産や株式などの資産を与えた際に、資産の取得時より価値が向上した場合に分与する側にかかる税金です。

譲渡取得税の税率は不動産の保有期間によってことなりますが、長期譲渡取得(保有期間が5年以上)であれば15%(住民税も5%かかります)の課税となります。

贈与税と譲渡所得税それぞれの申告手続きの大まかな流れ

財産分与をした際に課税される可能性のある贈与税と譲渡取得税について、それぞれの申告手続きの方法を解説します。

贈与税の申告をする際の流れ

贈与税の申告が必要な場合、以下の流れに沿って手続きをする必要があります。

  1. 必要な書類を集める
  2. 贈与税の申告書を作成する
  3. 申告書などを提出する

1.必要書類を集める

まずは、贈与税の申告に必要な書類を集める必要があります。

贈与税の申告には以下の書類が必要になります。

【贈与税の申告をする際の必要書類】

  • 本人確認書類(マイナンバーカードなど)
  • 財産の評価にあたって必要な書類(評価明細表など)

2.贈与税の申告書を作成する

続いて贈与税の申告書を作成します。

贈与税の申告書のフォーマットは、税務署・国税局のWebサイトからダウンロードできるほか、e-Taxを利用して提出することができます。

贈与税の申告書は、申告の内容によって選択する必要があります。

【第一表(兼贈与税の額の計算明細書)】

第一表は、贈与税の申告をする際に必ず必要になる書類です。

第一表には暦年課税の贈与財産の明細を中心に、受贈者・贈与者の情報、暦年課税分・相続時清算課税分の税額や納税額の記入をおこないます。

3.申告書などを提出する|翌年2月1日~3月15日の間

最後に申告書などの提出をおこないます。

申告書の提出は、原則として財産を受け取った人が受け取った年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告をする必要があります。

提出方法には、郵送での送付や税務署の時間外収受箱への投函や、e-Taxからの提出などがあります。

譲渡所得税の確定申告をする際の流れ

続いて譲渡取得税の確定申告をする際の流れを解説します。

確定申告の流れは、以下のとおりです。

  1. 必要書類を集める
  2. 所得税の確定申告書を作成する
  3. 確定申告書などを提出する

1.必要書類を集める

譲渡取得税の申告には、以下の書類が必要となります。

【譲渡所得税の確定申告をする際の必要書類】

  • 本人確認書類(マイナンバーカードなど)
  • 譲渡した土地や不動産の評価などが確認できるもの
  • 譲渡時にかかった費用の領収書
  • 譲渡した土地や不動産の購入費用がわかる契約書など
  • 譲渡した土地や不動産の購入時の領収書

2.所得税の確定申告書を作成する

続いて所得税の確定申告書を作成します。

確定申告書のフォーマットは、税務署・国税局のWebサイトからダウンロードできるほか、e-Taxを利用して提出することができます。

3.確定申告書などを提出する|翌年2月16日~3月15日の間

最後に確定申告書などの提出をおこないます。

確定申告書の提出は、資産を譲渡した年の翌年2月16日から3月15日までの間に申告をする必要があります。

提出方法には、税務署への郵送や提出もしくは、e-Taxがあります。

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財産分与に伴う税金・確定申告について相談できる主な窓口

財産分与に伴う税金や確定申告に悩んだら、以下の窓口を利用して相談するようにしましょう。

1.税務署|職員が面接相談などに応じてくれる

税務署では納税に関する相談を受け付けています。

なかでも具体的に書類等の確認を交えながら進める必要がある場合は、面接による相談に対応してもらえます。

ただし、面接相談を利用する場合は事前の予約が必要となるため、あらかじめ確認しておきましょう。

2.税理士会|納税者支援センターなどで無料相談に応じている

日本各地に設置されている税理士会では無料の税務相談会をおこなっている場合があります。

たとえば、東京税理士会の納税者支援センターでは平日10時00分〜12時00分、13時00分〜16時00分の間に税務に関する問題の相談を受け付けています(最終受付は15時30分まで)。

3.市区町村|確定申告や税金などについて税理士と相談できる

各市区町村では、定期的に専門家による相談会を開催している場合があります。

税務相談の窓口を開いていれば、税理士に直接税の相談をすることが可能です。

相談会の開催状況は各市区町村によって異なるため、事前に確認のうえ参加するようにしてください。

離婚に伴うそのほかの金銭と税金の関係

離婚に伴って精算しなければいけない金銭問題について、場合によっては課税の対象となるものがあります。

婚姻費用・養育費|一括請求した場合には課税される可能性がある

離婚に伴って婚姻費用や養育費用の請求をする場面がありますが、一括請求をしてしまうと課税される可能性があります。

理由として、婚姻費用や養育費用は生活や教育のためのお金として非課税となりますが、金額が大きくなると必要以上のお金を得ていると捉えられる可能性があるためです。

婚姻費用や養育費用を一括請求することにはメリットもありますが、税金のことを考えると慎重になる必要があります

慰謝料|社会通念上あまりに高額な場合は課税される可能性がある

離婚時の慰謝料は原則非課税ですが、あまりに高額だった場合は課税の対象となる可能性があります。

理由としては、脱税や資産隠しを疑われるためです。

さいごに|財産分与に伴う確定申告の不安は税理士に相談を

財産分与に関する税金の問題は非常に複雑で、本来であれば手続きが必要なものを見逃してしまったり、勘違いしてしまったりする可能性があります。

そのため、財産分与の税の問題や確定申告の手続きについては、専門家である税理士に相談するのがおすすめです。

本記事を参考に税理士に相談して、財産分与の問題の解決を目指してください。

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この記事の監修者
板山翔税理士事務所
板山 翔(税理士)
平成28年におそらく日本初のオンライン専門の税理士事務所を開業。 自由で自立した小さな会社を増やすことを経営理念とし、5人以下の小さな会社へ向けて、経営に必要な情報を様々なメディアで発信している。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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