離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
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離婚をする場合、子供を育てていくための『養育費』はとても大事になりますよね。
養育費は裁判によって決めることも可能です。ただし、養育費請求を単独で行う裁判を行うのではなく、離婚裁判時に養育費も決める方法が通常です。
すでに離婚していたり、裁判までするつもりがない方でも、裁判以外の話し合いや調停などで養育費を決める方法はありますのでご安心ください。
【参考】厚生労働省|平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告
上のグラフでわかるように、親権を獲得することが多い女性の方であっても半数以上の方が「養育費を全く受けたことがない」と答えています。
しかし、たとえ数万円の養育費でも生活の足しにはなりますし、それが何年も続けばそれこそ何百万円もの差になってきます(養育費は通常子供が成人するまで受けられます)。
子供を引き取って離婚するのであれば、裁判や調停などによってしっかり養育費を決めて離婚するようにしましょう。
この記事では、裁判での養育費の決め方や裁判以外の方法、養育費を決めるときに知っておきたいことなどを解説します。
冒頭でもお伝えしたように、裁判で養育費を決めるとなると、離婚を決める裁判の中で養育費を決めていくのが一般的となります。養育費を決めるためだけの裁判を起こすことはありませんのでご注意ください。
こちらでは、離婚裁判の中で養育費を決めていく流れや方法についてご説明します。離婚裁判の流れについては、以下の記事を参考にしてみてください。
【関連記事】離婚裁判の流れ|離婚裁判を進める際の流れと進め方の全手順
まず、離婚裁判の主な流れは上記のようになります。
離婚裁判では、離婚をするために訴えを提起することがメインとなりますが、それに併せて養育費の請求も行います(親権や慰謝料、財産分与等があればそちらも一緒に)。
裁判所が訴状を受け取ると、第1回目の口頭弁論の日を決めて相手方(被告)に訴状と呼び出し状を送る流れになります。
被告が訴状に対して反論がある場合には、答弁書を作成して提出します。そのまま未提出で第1回口頭弁論期日を迎えるケースもあります。
口頭弁論では、争点を整理し当事者からの証拠を提出してもらいます。その後、約1ヶ月に1回のペースで第2回、3回と争点が詰められ証拠が揃うまで続きます。
争点が詰められ証拠が揃うと、原告と被告それから証人(いれば)が法廷に出廷して「尋問」がされます。尋問では、基本的に原告/被告お互いの弁護士が相手方に質問をします。
尋問の結果、裁判所が和解を進めてくるケースも多いです。離婚の結果や養育費等の金額など、原告/被告お互いが納得できれば和解で解決するケースもあります。
和解と言えども、ここで決まった内容は法的効力を持ちます。
どちらかが和解に応じない場合は、尋問から約1~3ヶ月後に裁判所が判決を出します。判決で決まった内容にも当然法的効力がありますので、被告は判決内容通りに養育費などを払っていく必要があります。
裁判にまでなるとどうしても解決まで長くなる傾向にあり、短くて3ヶ月、長ければ1年以上かかるケースもあります。
裁判はどうしてもお互いの話し合いで解決しなかった場合の最終手段のような位置付けにありますので、まずは後述する『協議(話し合い)』や『調停』で解決を目指していくことをおすすめします。
また、裁判にまで離婚問題が進んでいると、弁護士への依頼は必須とも言えます。
養育費などの請求する金銭の計算や訴状の作成、有効な証拠の用意など、専門知識が必要なケースが多いですし、裁判での尋問で弁護士が付いていないことで不利な状況になることは免れられません。
少なくとも弁護士に1度は相談だけでもするようにしましょう。
【関連記事】離婚裁判に弁護士は必須?依頼すべき4つの理由と費用相場
上記のようにして離婚裁判の中で一緒に養育費を決めていく形となります。しかし、お伝えしたように、離婚問題での裁判は、言わば最終手段のようなもので、いきなり裁判になるケースは少ないです。
まずは、お互いで話し合ったり、調停で決めることが先でしょう。
また、すでに離婚しているという方であっても、話し合いや調停でなら単独で養育費を決めることも可能です。ここでは、裁判以外の養育費の決め方について解説します。
一番迅速に解決できる方法は、当事者同士が話し合いで決めることでしょう。『養育費算定表』という基準がありますので、養育費を決めるだけならば揉めることも少ないはずです。
ただ、他にも慰謝料請求や財産分与なども決める必要があれば、なかなか解決できないこともあります。
もし、当事者同士の話し合いだけで養育費が決まったとしても、必ず『公正証書』に残すことをおすすめします。口頭だけでも決めることができますが、言った言わないの問題になりますし、数年経って養育費の支払いが滞る事態も招きます。
公正証書に残すことで、話し合いで決まった養育費等の内容は高い証拠能力がありますし、仮に相手が養育費を支払わなくなれば、公正証書の内容を基に強制執行(差押え)を行うことも可能です。
【関連記事】養育費の支払いは公正証書に残すべき理由と書き方・作成の流れ
お互いの話し合いだけでは解決しそうにない場合には、まず調停で養育費を決めることを検討しましょう。また、裁判ではできなかった、養育費を決める目的のみの調停も可能です。
調停は裁判所を挟んだ話し合いとはなりますが、第三者を介していることでかなり冷静に話し合いが進められ、離婚相手と顔を合わせる必要もありません。
調停で決まった内容には法的効力があり、養育費の支払いが滞った時にもすぐに『履行勧告(命令)』や『強制執行』に移ることができます。
【関連記事】養育費請求調停を有利に進める方法と弁護士に相談する3つのメリット
調停で解決しなかった場合には、審判へと移ります。調停不成立の場合に自動で移行しますので、調停後に新たに手続きをする必要はありません。
裁判でいう判決のようなもので、調停で話し合った内容をもとに審判がされます。審判で決まった内容にも、当然法的効力があります。
「すでに離婚しているけど養育費を請求したい」「別居中で、その間の養育費を貰いたい」このような状況でも養育費を決めて請求することは可能です。
ここまでで解説したように、裁判やそれ以外の方法で養育費を請求することはできますが、肝心なことは養育費の相場を知っておくことですね。
適正な養育費を請求できれば、裁判に進む前に解決する可能性も高くなります。とは言え、「できる限り高額な養育費を貰っておきたい」のが正直なところでしょう。
ここでは、養育費の相場や金額を上げるポイントを解説します。
養育費は状況によって変わりますので、○○万円と断言することはできません。主に以下の事情を考慮して決められます。
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子供が多いほど毎月の養育費は高くなり、子供が小さいほうが毎月の養育費は低くなる傾向にあります。
また、養育費を受け取る側より支払う側の収入が大きくなればなるほど高額になっていきます。
そのような状況に合わせて養育費を決めるための基準として、全国の裁判所でも使われている『養育費算定表』があります。
【引用】養育費算定表.pdf
一見難しくも思えますが、見方さえ分かればかなり簡単に養育費の目安を知ることができますので、以下の記事も参考にしてみてください。
【関連記事】【実は簡単】養育費算定表とその見方を解説
相手がきちんと払ってくれるかどうかは別にして、養育費を受け取る期間は、子供が成人するまでが基本です。
たとえ月に1万円の違いであっても、10年以上続くことで100万円以上の差になってきますので、養育費を決めることにはしっかりこだわりましょう。
相場はあくまでも相場であって、養育費を増額させることも可能です。ただし、相場以上の養育費を請求すれば、それだけ相手も反論してくる可能性は高くなりますので、しっかり根拠を持って話し合いや調停、裁判に臨むようにしましょう。
お互いの収入によって養育費も大きく左右されます。相手が言い逃れできないように、早い段階から給与明細などを確保しておき、収入(財産)を明確にしておきましょう。
実際には相場の養育費だけでは、子供を育てていくには全然足りないケースも多いでしょう。その場合、「どういう進学をして教育費としていくらかかる」かを具体的にしておき、さらには実際いくら必要かも計算しておきましょう。
ここまでは、養育費を請求する方法についてでした。めでたく養育費が決まったとしても、子供が成人するまでの十数年間ずっと払い続けてくれることも少ないかもしれません。
年数が経ったり、相手の状況が変わることで養育費の支払いが滞ることも考えられます。少し先の話にはなりますが、養育費が支払われない時の対処法についても簡単に知っておきましょう。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
【関連記事】
養育費を不払いにされたときの対処方法
養育費の強制執行|お金が取れない場合にできる2つのこと
履行勧告は、裁判所が養育費の支払い義務者に対して支払うように勧告することです。裁判所からの勧告なので、ご自身で催促するよりも応じてくれやすいでしょう。
履行命令では、支払わなかった場合に10万円以下の罰金を命じることができます。ただしこれは、養育費を受け取るあなたに支払われるものではなく、結果的に養育費を払う相手の財産を圧迫するだけになります。
このことから、金銭請求での履行命令はあまり良い方法ではないと考えられています。
養育費が支払われない場合には、強制執行を取ることも可能です。強制執行では、給与や財産などを差押えて、その中から養育費を受け取る形となります。
養育費の支払い催促をしても応じない相手にはかなり有効な方法ではありますが、上記の履行勧告(命令)を含めたこれらの方法を取るには、以下の準備をしておく必要があります。
養育費を払ってもらうためにこれらの方法を取るには、「債務名義」が必要となります。そして、債務名義を取得するために以下のいずれかの書類が必要となります。
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この記事でお伝えした養育費を決める方法のどの方法でもこれらの書類を用意することが可能です。
調停と裁判であれば、そのまま作成されるので問題ありませんが、話し合いで養育費を決める場合には注意が必要です。公正証書に残しておかないことで、不払いによって強制執行しようとした時に再び養育費調停を行う必要が出てきます。
何年もすれば養育費の支払いが滞ることも十分に予想されますので、必ず「債務名義」が取れる上記の書類を残す形で養育費を決めておくようにしましょう。
養育費を決めることは、離婚裁判で行うことも可能です。ただし、裁判ともなると期間もかかり手続きも大変になるので、どうしても話し合いなどで解決しない場合の最終手段とお考えください。
まずは、話し合いや調停で養育費を決めることをおすすめします。
また、養育費が決まった場合は、必ず債務名義を取るようにしておきましょう。万が一養育費の支払いが滞った場合にも強制執行などの方法を取りやすくなります。
【関連記事】養育費の相談先は内容によって異なる!市役所・弁護士など相談先を紹介
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