離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
弁護士費用が払えなくて泣き寝入りすることも…。
- 相手に親権を渡したくない
- 養育費を払ってもらえなくなった
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離婚トラブルだけでなく、子供のいじめ、労働問題等でも利用することができます。
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離婚するときに養育費の取り決めをしても、その後「不払い」にされてしまう事例はとても多いです。元夫が養育費を支払ってくれなくなったとき、約束通りに支払いをしてもらう方法はあるのでしょうか?
今回は、養育費を不払いにされたときの対処方法をご説明します。
離婚するとき、夫婦の間に未成年の子供がいたら、子供の親権者になる親は相手に「養育費」を請求できます。
養育費は、親が子供の養育のために負担すべき費用です。離婚していても親子の関係が切れるわけではないので、親は子供に対する責任を負います。親権者にならず、実際には子供の監護をすることができなくても、子供の養育にはお金がかかるので、金銭的な負担をする義務を負うのです。
養育費を取り決めるとき、一般的には、離婚時に夫婦が話し合って月額や支払い方法について定めることが多いです。
平成28年度の厚生労働省の調査によると、母親が親権者となった事例で養育費の取り決めをしている割合は、42.9%となっており、そのうち文書で取り決めている人が73.3%、文書なしで取り決めをしているケースが26.3%となっています。
ただ、こうして取り決められた養育費が、すべてのケースできちんと払われているわけではありません。
上記の調査結果によると、離婚後「養育費を今でも受け取っている」という人は24.3%、「養育費を過去に受け取ったことがある(今は受け取っていない)」人が15.5%、「養育費を受け取ったことがない」人が56.0%にも及んでいます。
つまり、いったんは養育費を取り決めても、その後不払いが起きて支払ってもらえなくなるケースが非常に多いことがわかります。
参考:養育費の状況(平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告-厚生労働省)
それでは、離婚した相手が養育費の不払いを起こしたとき、どのように対応するのがよいのでしょうか?
この場合、状況に応じて2種類の対応方法が考えられます。
1つは、離婚時に養育費の支払いを取り決めた「離婚公正証書」や「調停調書」「和解調書」「判決書」などの「債務名義」がある場合です。これらの書類がある場合には、調停をせずに、すぐに相手の財産や給料を差し押さえることができます。
債務名義になるのは、以下の書類です。
協議離婚したときに、話し合って合意した内容を公証役場で公正証書にしたものです。
調停で離婚したときに、養育費の取り決めをしていたら、そのときの調停調書を使って強制執行ができます。
離婚調停をしたけれども最終的に「審判」になって離婚問題を解決した場合、審判書に養育費についての規定が入っていれば強制執行できます。
離婚訴訟をしたけれども、途中で和解によって解決した場合、和解時に養育費の取り決めをしていれば、和解調書によって差し押さえができます。
離婚訴訟に至り、判決によって離婚した場合には、判決書によって強制執行することが可能です。
上記のような債務名義がない場合には、いったん家庭裁判所で「養育費調停」を申し立てる必要があります。例えば、協議離婚で口頭のみで養育費の合意をし、書面にしなかった場合や、書面を作成しても公正証書にしなかった場合などが考えられます。
養育費の調停では、調停委員を介して養育費の金額や支払い方法について話し合いを進めます。このとき、基本的に家庭裁判所の定める養育費の算定基準に沿って、養育費の金額を決定します。調停がまとまったら「調停調書」が作成されて、それを使うと強制執行できます。
調停で合意できない場合には、養育費調停は「不成立」となり、「審判」に移行します。
審判になると、裁判官が妥当な養育費の金額を決めて、相手方に支払い命令を下します。そのときの審判書があると、強制執行できます。
離婚後、相手が養育費の不払いを起こしたとき、こちらに債務名義があれば相手の資産や給料を強制執行(差し押さえ)することにより、養育費を強制的に支払わせることができます。
以下では、差し押さえの対象や流れをご説明します。
養育費が不払いになったときの差し押さえの対象は、基本的に「相手の財産」です。具体的には以下のようなものです。
上記の財産の中でも、養育費の回収において特に有効なものは、給料です。
相手が正社員でも契約社員でも、あるいはアルバイト・パートでも派遣労働者でも日雇いでも、給料を差し押さえることができます。公務員の給料も差し押さえ対象です。
給料の場合、相手が仕事を辞めると差し押さえができなくなるので、差し押さえをしても相手が簡単には辞められない職場・立場であれば、なおさら有効です。
例えば、上場会社の会社員や公務員などの場合、簡単には辞められないでしょう。養育費を不払いにされたら、まずは給料を差し押さえるのが効果的です。
いったん給料を差し押さえると、給料だけではなくボーナスも差し押さえの対象になりますし、支払い時期が来たら、毎回会社から直接差し押さえ分の支払いをしてもらえるので、確実に養育費を回収しやすいです。
また、養育費の場合、相手の手取りの2分の1まで差し押さえることが可能ですし、相手の手取り額が66万円を超える場合、33万円を超える部分をすべて差し押さえられます。養育費などの扶養料以外の通常の債権の場合、差し押さえられるのは手取り額の4分の1までなので、養育費の場合には優遇されています。
給料を差し押さえるためには、相手の職場が判明している必要があります。裁判所に申し立てをしても、職場まで探してもらうことはできないからです。勤務先は、法人であっても個人であっても構いません。
養育費を不払いにされたら、まずは相手の職場を突き止めて「債権差押え命令」の申し立てを行いましょう。
相手の勤務先がわからない場合には、預貯金の差し押さえを検討しましょう。
預貯金を差し押さえるときには、相手がお金を預けている金融機関名と支店名の情報が必要です。どこの金融機関かわからない状態では、差し押さえることは不可能です。ただし、預金口座番号や預金の種類(普通預金か定期預金か)などの特定までは不要です。
なお、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行及びゆうちょ銀行に関しては、調停調書や判決書などの債務名義があれば、「弁護士会照会」という制度を利用して、相手がどの支店にどのような口座を持っているかについて回答を得ることができます。
差し押さえをしても、その口座が空であれば、支払いを受けることができません。離婚前から、相手がどこの銀行を主に使っているのか把握しておきましょう。
銀行預金の差し押さえ命令を申し立てると、裁判所が銀行に対して債権差押命令を出してくれるので、銀行から直接預金残高を支払ってもらうことができます。
生命保険も、差し押さえの対象として有効です。
生命保険の中でも「解約返戻金」のあるものは、差し押さえることができます。解約返戻金とは、解約した場合に払い込んだお金の一部が返ってくるものです。積立型の生命保険の場合には、契約年数に応じて解約返戻金が設定されています。毎年、「お知らせ」などの文書で解約返戻金額を知らせてくれる保険会社も多いです。
解約返戻金のある生命保険を差し押さえると、強制的に保険を解約させて解約返戻金から養育費を支払わせることができます。この場合、不払いになっている養育費は、生命保険会社から直接支払われるので、相手が拒否しても回収できます。
生命保険を差し押さえたいときには、相手が加入している生命保険会社名さえわかっていれば手続きできます。また、解約返戻金のある保険であれば、火災保険や学資保険など、生命保険以外の保険も差し押さえの対象になります。
養育費の不払いに対し、給料や預貯金、生命保険などの差し押さえをするためには、相手が居住する地域の地方裁判所において、「債権差押え命令」の申し立てをする必要があります。
差し押さえの申し立てをするときには、以下の書類が必要です。
債務名義 | 公正証書や調停調書、判決書など |
執行文 | 裁判所や公証役場に申請をして取得 |
送達証明書 | 裁判所や公証役場に申請をして取得 |
そして債権差押え命令申立書、当事者目録、請求債権目録、差押え債権目録という書類を作成し、銀行や生命保険会社、勤務先会社の商業登記簿謄本をつけて申し立てをします。
このとき「陳述催告の申立書」をつけておきましょう。これをつけておけば、裁判所が勤務先の会社や銀行などに、債権があるかどうかや、ある場合に支払い意思があるかどうかを照会してくれて、回答をもらえます。
差し押さえの申し立てをすると、裁判所が債権差押命令を出し、照会書面と一緒に銀行などの第三債務者に送達されて、第三債務者から照会への回答が返ってきます。その後、債務者(養育費の不払いを起こしている本人)にも差押命令書が送達されます。
すると、相手の勤務先会社や銀行、生命保険会社などと話をして、給料や預貯金、生命保険などから直接、差押え分を払ってもらうことができます。
相手が養育費を不払いにしたとしても、法律的に回収する手段がいくつもあるので、諦める必要はありません。
困ったときには、一度離婚問題に強い弁護士に相談してみるとよいでしょう。
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