不倫慰謝料は減額できる|減額できる9つのケースと交渉手順を弁護士が解説
配偶者に不倫が発覚し、突然高額な慰謝料を請求されて困っていませんか。
不倫慰謝料は「全額払うしかない」と思われがちですが、実は減額できる可能性があります。
請求された金額は、あくまで相手側の希望額にすぎません。
婚姻期間や不倫の実態、夫婦関係の状況によっては大きく減らせる場合もあり、そもそも支払い義務が生じないケースもあります。
この記事では、慰謝料を減額できる条件から、自分で進める交渉手順、弁護士に依頼するメリットまで詳しく解説します。
まずは落ち着いて、自分の状況に減額の余地がないかを確認していきましょう。
不倫慰謝料を減額できる可能性のある9つのケース
不倫慰謝料の減額が認められやすいのは、次の9つのケースです。
自分の状況に当てはまるものがないか、確認しながら読み進めてください。
| 観点 | 該当するケース |
| 夫婦関係 | 離婚・別居していない/婚姻期間が短い |
| 不倫の実態 | 期間が短い・回数が少ない/誘ったのは相手/W不倫 |
| 請求額の妥当性 | 相場より高い/すでに支払われている/自分だけに請求 |
| 支払側の事情 | 収入・資産が少ない |
1. 不倫が発覚しても夫婦が離婚・別居していない
不倫をきっかけに相手夫婦が離婚や別居に至っていない場合、慰謝料は減額されやすくなります。
慰謝料は、夫婦関係が受けたダメージの大きさに応じて算定されるためです。
離婚に至れば精神的苦痛は大きいと判断されますが、婚姻関係が続いていれば、ダメージは相対的に小さいとみなされます。
実際、慰謝料の相場も、離婚に至った場合に比べて、婚姻関係を継続する場合のほうが低い水準にとどまるケースが多いです。
婚姻関係が現在も継続している事実は、減額交渉の有力な材料になります。
2. 結婚してからの期間が短い
婚姻期間の短さも、慰謝料が減額されやすい要素のひとつです。
一般的には、婚姻期間が3年未満かどうかが目安とされています。
慰謝料額は、不倫によって夫婦関係にどの程度の影響が生じたかを踏まえて判断されるものです。
婚姻期間が長いほど積み重ねた生活の重みがあり、精神的苦痛も大きいと評価されます。
一方、婚姻期間が短い場合は、慰謝料額が比較的低くなるケースも少なくありません。
ただし、3年はあくまで目安であり、最終的には個別の事情を総合的に考慮して判断されます。
3. 不倫期間が短い・肉体関係の回数が少ない
継続的な関係ではなく1度~2度だけの肉体関係だった場合や、不倫期間が1ヵ月程度の短期間だった場合も、減額の根拠になります。
期間や回数が少ないほど、相手の配偶者に与えた精神的ダメージは小さいと評価されるためです。
ポイントは、不倫の事実そのものを立証する責任は、慰謝料を請求する側にある点です。
相手が示せる証拠が一定の期間・回数までしかカバーしていなければ、それ以上の関係を前提とした高額な請求には根拠が乏しい、と指摘できます。
一方で、自分から「短かった・少なかった」と主張する場合は、注意が必要です。
相手の認識と食い違えば水掛け論になりやすいため、相手の主張や証拠がどこまでをカバーしているのかを冷静に見極めましょう。
4. 不倫のきっかけを作ったのは相手だった
不倫相手から積極的に誘われた場合や、職場の上司と部下のように断りにくい力関係があった場合も、減額事由になります。
自分から関係を求めたわけではなく受動的な立場だったと認められれば、不倫における有責性が低いと判断されるためです。
たとえば、相手が上司の立場を利用して関係を迫ってきたケースや、相手から繰り返し交際を求められて関係に至ったケースが該当します。
減額の主張をするには、きっかけが相手側にあった事実を示す客観的な資料が重要です。
具体的には、相手から送られてきた誘いのメッセージや、しつこく連絡が来ていたとわかるLINE・メールの履歴などです。
逆に、自分から積極的に誘っていた履歴が残っていると不利に働くため、やり取りの全体像を冷静に確認しておきましょう。
5. W不倫(既婚者同士)だった
お互いが既婚者であるW不倫(ダブル不倫)の場合、慰謝料の請求が実質的に相殺され、金銭のやり取りなしで解決する可能性があります。
W不倫では、自分の配偶者もまた、不倫相手に対して慰謝料を請求できる立場になるためです。
双方の夫婦が同程度の金額を請求し合っても、世帯全体ではお金が移動するだけになるため、収支がほぼ変わりません。
そのため、お互いに請求しない形で決着するケースも珍しくありません。
ただし、W不倫だからといって自動的に慰謝料がゼロになるわけでもない点に注意してください。
双方の不倫の態様や請求額に差がある場合は、その差額分の支払いが必要になるケースもあります。
また、仮に差がない場合であっても、不倫をされた側は、経済的な損得だけではなく感情的な部分も重視するため、お互いの精神的苦痛を主張しあったうえで「お互いに慰謝料請求を行わない(ゼロ和解)」という合意示談を目指す交渉に発展する場合もあります。
6. 請求額が相場より不当に高い
請求された金額が慰謝料の相場を大幅に上回っている場合、減額できる可能性が高くなります。
不倫慰謝料の金額は、夫婦が離婚や別居に至ったかどうかによって、おおよそ次のような幅に収まるのが一般的です。
| 夫婦関係の状況 | 慰謝料の相場 |
| 離婚も別居もしない | 50万~100万円 |
| 別居に至った | 100万~200万円 |
| 離婚に至った | 150万~300万円 |
たとえば、特別な事情もないのに500万円を請求されたようなケースは、相場から大きくかけ離れており、減額交渉が成功する可能性は高いです。
ただし、上記の金額はあくまで目安です。
実際の慰謝料は、不倫の期間や回数、婚姻期間の長さなどの個別事情によって増減します。
まずは自分のケースの適正な金額の見当をつけ、そのうえで冷静に減額を求めましょう。
7. 不倫相手からもすでに慰謝料が支払われている
不倫相手(配偶者)がすでに被害者に慰謝料を支払っている場合、その分を差し引いた金額に減額できる可能性があります。
慰謝料は不倫をした二人が連帯して負担するものですが、損害の二重取りは認められません。
相手がすでに一部を支払っている場合は、残りの損害額を上限として交渉できます。
例えば、適正な慰謝料が200万円で、すでに不倫相手が150万円を支払っている場合、あなたが支払うのは残りの50万円のみです。
8. 不倫した二人のうち自分だけに全額請求されている
自分一人に慰謝料の全額が請求されている場合、求償権(きゅうしょうけん)によって実質的な負担を軽くできる可能性があります。
求償権とは、慰謝料を全額支払った側が、もう一方の不倫当事者に対して、その人が負担すべき分の支払いを求める権利です。
たとえば、自分一人で200万円を支払った場合、不倫相手に対して負担分にあたるおおむね半額程度を請求できます。
実務では、この求償権を交渉材料に使う場合もあります。
請求する側にとっては、慰謝料を受け取ってもあとで自分の配偶者が求償されれば家計から出ていく点は変わりません。
そのため、求償権を行使しない代わりに、はじめから請求額を半額程度に減らしてもらう交渉が成立しやすくなります。
9. 収入や資産が少なく支払いが難しい
収入や資産が少なく、請求された慰謝料を支払う経済的な余裕がない場合も、減額交渉の材料になります。
ただし注意したいのは、経済力がなくても支払い義務そのものがなくなるわけではない点です。
あくまで、金額や支払い方法を調整する交渉材料という位置づけになります。
進め方のポイントは、まず誠実に謝罪したうえで、自分の収入や資産の状況を正直に伝え、上限額を示すことです。
相手も回収できる見込みのない高額を主張し続けるより、確実に支払われる金額で折り合うほうが現実的と考え、減額に応じるケースがあります。
金額面での減額が難しい場合は、分割払いを提案するのも有効です。
合意内容を公正証書に残せば、相手も応じやすくなります。
そもそも不倫慰謝料を払わなくていい可能性のある5つのケース
状況によっては、そもそも慰謝料の支払い義務が生じないケースもあります。
減額交渉を始める前に、まず次の5つに当てはまらないかを確認してください。
1. 夫婦関係が不倫前からすでに壊れていた
不倫が始まる前から相手の夫婦関係がすでに破綻していた場合、慰謝料を支払う義務は生じません。
不倫慰謝料は夫婦の平穏な共同生活を壊した行為に対する損害賠償であり、壊すべき共同生活がもとから失われていたのであれば、損害が発生しないと考えられるためです。
ただし、破綻関係を法的に証明するのはハードルが高く、簡単には認められません。
長期間にわたる別居が続いている、すでに離婚協議が具体的に進んでいる、といった状態が必要です。
単に夫婦仲が悪かった、家庭内別居の状態だった、という程度では破綻とは判断されにくいのが実際のところです。
また、主張するには客観的な裏付けも欠かせません。
長期の別居なら住民票の異動記録などが証拠になります。
口頭の主張だけでは夫婦関係の破綻を認められにくいため注意が必要です。
2. 性的な関係が一切なかった
不倫慰謝料の支払い義務が生じるのは、基本的に肉体関係があった場合です。
食事に行ったり手をつないだりした程度で、性的な関係が一切なかったのであれば、支払いを拒否できる可能性があります。
ただし、肉体関係がなくても安心はできません。
頻繁なデートやキスを繰り返すなど、夫婦の平穏な共同生活を侵害したと評価される行為があれば、慰謝料を請求されるケースもあります。
どこまでが慰謝料の対象となる行為にあたるかはケースバイケースです。
まずは相手がどの行為を問題にしているのかを正確に把握し、冷静に事実を確認しましょう。
3. 相手が既婚者と知らなかった
相手が既婚者であることを知らずに交際していた場合、支払いを拒否できる可能性があります。
慰謝料の支払い義務が生じるのは、相手が既婚者だと知っていた場合か、通常の注意を払えば気づけたはずなのに見落とした場合に限られるためです。
知らなかった点に落ち度がなければ、責任は問われません。
たとえば相手が独身だと偽っていて、既婚者をうかがわせる事情も一切なかったようなケースが該当します。
ただし、知らなかったと主張すれば必ず認められるわけではありません。
相手が結婚指輪をしていた・SNSで家族の写真を公開していたなど、少し注意すれば気づけたはずだと判断されると、落ち度があったとみなされ支払い義務が生じます。
4. 相手が不倫の証拠を持っていない
不倫の事実を証明する証拠がなければ、裁判で慰謝料の請求が認められることはありません。
相手が証拠を持っていない場合は、支払いを拒否できる可能性があります。
不倫(肉体関係)の証拠として有効とされるのは、主に次のようなものです。
- ラブホテルや相手の自宅への出入りを記録した写真・動画
- 肉体関係があったと明らかにわかるLINEやメールのやり取り
- 宿泊をともなう旅行の予約履歴やレシート類
証拠が示されないまま金額だけを請求されている場合は、まず「どのような証拠があるのか提示してほしい」と求めるとよいでしょう。
注意したいのは、証拠が薄い段階で焦って不倫を認めることです。
一度認めた事実はあとから覆すのが難しく、相手に有利な材料を自ら与えてしまいます。
5. 慰謝料請求の時効を過ぎている
不倫慰謝料の請求権には時効があり、次のいずれか早いほうの期間を過ぎると、相手の請求権は消滅します。
| 時効の起算点 | 期間 |
| 被害者が不倫の事実と不倫相手を知った日 | 3年 |
| 不倫(不貞行為)があった日 | 20年 |
ただし、時効は期間が過ぎれば自動で成立するわけではありません。
時効を援用する(時効が成立したので支払わない、と相手に伝える)手続きをして、はじめて支払いを免れます。
通知は内容証明郵便で送るのが基本で、いつ何を伝えたかが記録に残り、後のトラブルを防げます。
避けたいのは、時効が完成しているのに「少しなら払う」と答えたり、一部を支払ったりする対応です。
支払い義務を認めたとみなされ、時効を主張できなくなる場合があります。
時効が過ぎている可能性があるなら、相手に支払いの意思を伝える前に、まず時効が成立しているかどうかを確認しましょう。
不倫慰謝料の減額が難しいケース
決定的な証拠が揃っている場合や、すでに支払いに合意してしまった場合は、大幅な減額が難しくなります。
ただし、不利な状況でも交渉の余地が残ることはあるため、自己判断で諦める必要はありません。
自分の状況が有利か不利かを正しく把握したうえで、現実的な落としどころを探りましょう。
明確な証拠がある
不貞行為を裏付ける決定的な証拠が相手に揃っている場合、大幅な減額交渉は難航しやすくなります。
ホテルへの出入りを記録した写真や肉体関係を示すメッセージ、録音データなどがあると、不倫の事実はなかったという主張は通らなくなるためです。
相手も、裁判になれば勝てると考えて強気の姿勢を崩さず、減額に簡単には応じないケースが多いです。
ただし、決定的な証拠で争えなくなるのは不倫があった事実だけであり、いくら支払うかという金額については、まだ交渉の余地が残っている段階です。
慰謝料の金額は個別の事情で増減します。
自分にとって有利な減額要素があれば、請求額を相場の範囲内まで引き下げられる可能性は十分にあります。
たとえば、不倫期間の短さや、夫婦関係が継続している点などです。
すでに慰謝料の支払いに合意してしまった
すでに示談書に署名・押印してしまった場合、あとから減額を求めるのは非常に難しいです。
一度成立した合意は法的な効力を持つため、「やはり金額を下げてほしい」という主張は原則として認められません。
署名押印した示談書を覆すには、脅されて書かされたなど、ごく限られた特殊な事情を証明する必要があります。
口頭で「全額支払います」と約束した場合も、合意自体は成立し得ます。
書面ほど明確な証拠が残らない分、争う余地はありますが、いずれにせよ一度交わした約束を後から撤回するのは容易ではありません。
請求を受けた段階で、その場の勢いでサインや約束をすると、本来できたはずの減額交渉の機会を自ら手放してしまうため注意しましょう。
自分で慰謝料の減額交渉を進める4つのステップ
弁護士を頼らず、自分で慰謝料の減額交渉を進めることも可能です。
ここでは、具体的な手順を4つのステップで解説します。
当事者同士の交渉は、法的なリスクや感情的な対立が生じやすく、慎重な対応が求められます。
各ステップで、自分で進める際につまずきやすいポイントもあわせて見ていきましょう。
1. 相手の請求内容と証拠を確認する
減額交渉は、まず相手の請求内容を正確に把握するところから始まります。
請求書や内容証明郵便が届いたら、次の点を確認しましょう。
- 請求金額が相場(おおむね50万~300万円程度)の範囲内か
- 支払い期限はいつに設定されているか
- 不倫の証拠として何が提示されているか
- 事実と異なる記述や誇張された内容がないか
- 差出人は相手本人か、代理人の弁護士か
請求額が相場を大幅に超えていたり証拠が乏しかったりすれば、減額の余地は大きくなります。
逆に相手が弁護士を立てているなら、裁判も視野に入れた対応が必要です。
ただし、提示された証拠の強さを正確に見極めるには、過去の裁判例をふまえた専門知識が欠かせません。
判断を誤って事実と異なる点まで認めると、あとから覆すのは困難です。
2. 減額の根拠を整理して交渉する
請求内容を確認したら、自分に有利な事情を整理し、それを根拠に相手へ伝えていきます。
婚姻期間が短い・不倫期間が短い・きっかけは相手からだったなど、前述の減額ケースに当てはまる事情があれば具体的に示しましょう。
交渉の手段は電話・メール・書面のいずれでも構いませんが、言った・言わないを防ぐには記録が残るメールや書面が安心です。
進め方で大切なのは、いきなり金額の話から入らない姿勢です。
相手は強い怒りを抱えている場合が多く、最初から金額交渉を持ちかけると話し合いが決裂しかねません。
まず誠実に謝罪し、相手が話を聞く姿勢になってから、減額の根拠や支払える上限額を冷静に伝えます。
感情的な言い合いは相手を逆上させ、不利な発言を引き出されるおそれがあります。
一度認めた事実は覆せないため、冷静な対応を心がけてください。
3. 合意内容を示談書に残す
金額や支払い条件についてお互いが納得できたら、必ずその内容を示談書(合意書)として残します。
口頭の合意はトラブルになりやすいため、書面化は欠かせません。
特に確認したいのが、清算条項の有無です。
清算条項とは「この件について、今後は互いにこれ以上請求しない」と定める条項です。
清算条項があれば示談後に追加請求される心配がなくなり、支払う側にとってここで終わりという区切りが法的に確定します。
逆にない場合は、あとから蒸し返されるおそれが残ります。
示談書は相手側が作成するケースが多く、自分に不利な条項が紛れていても法律知識がないと見落としてしまいます。
サインする前に内容を精査し、不安があれば、署名前に一度弁護士に目を通してもらうと安全です。
4. 合意できない場合は調停・裁判へ
話し合いで折り合えない場合は、裁判所の手続きである調停や裁判に移行します。
調停は調停委員が当事者の間に入って話し合いを進める手続きです、双方が合意すれば調停調書が作成されます。
調停でも解決しない場合は裁判へ進み、最終的に裁判所が慰謝料額を判断します。
調停や裁判では、主張をまとめた書面の作成・提出が必要になる場面が多く、相手の主張には法律と証拠で反論しなければなりません。
専門知識のないまま臨むと、本来通るはずの減額が認められないおそれがあります。
相手がすでに弁護士を立てている場合は特に、知識や経験の差が交渉の結果に直結します。
調停・裁判が見えてきた段階で、早めに弁護士への依頼を検討しましょう。
慰謝料の減額交渉がうまくいかないときはどうする?
自分で交渉しても、相手が強硬な姿勢を崩さず平行線になることは珍しくありません。
行き詰まったときの解決策は、主に次の3つです。
-
求償権を交渉材料にする
慰謝料を全額支払えば、一緒に不倫をした相手に負担分を請求できます(求償権)。
前述のとおり、この求償権を放棄する代わりに減額を求める交渉が、打開策になる場合があります。 -
調停を申し立てる
話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所に調停を申し立てるのもひとつの方法です。
中立的な調停委員が間に入るため、感情的な対立で止まっていた交渉が動き出しやすくなります。 -
弁護士に切り替える
自分での対応に限界を感じたら、弁護士に引き継いでもらうのが有力です。
代理人が入るだけで相手の態度が軟化することは多く、調停・裁判が視野に入った段階ではとくに早めの切り替えが効果的です。
慰謝料の減額交渉はどれくらいで終わる?期間の目安
減額交渉にかかる期間は解決方法によって異なり、当事者同士の交渉なら1~3ヵ月、調停や裁判に進むと半年~1年半程度が目安です。
期間は相手の態度や証拠の強さによっても変わります。
| 解決方法 | 期間の目安 |
| 当事者同士の交渉 | 1ヵ月~3ヵ月程度 |
| 裁判所の調停 | 半年~1年程度 |
| 裁判(訴訟) | 1年~1年半程度 |
相手が十分な証拠を持っていて強気な場合は、話し合いを早々に打ち切り、裁判を起こしてくることもあります。
反対に、こちらに減額の根拠が複数あれば、相手にとっても裁判を長引かせるメリットは小さく、数ヵ月以内でまとまるケースも少なくありません。
ただし、こちらの返答を引き延ばしすぎると、相手がしびれを切らして法的手段に出るおそれもあります。
ずるずると先延ばしにするのは避けましょう。
慰謝料の減額交渉で失敗しないためのポイント4つ
慰謝料の交渉では、何をするかと同じくらい何をしないかが重要です。
ここで紹介する4つのポイントを守れば、致命的な失敗を防ぎ、少しでも有利な条件を引き出しやすくなります。
1. 請求を無視・放置してはいけない
内容証明郵便や請求書が届いたのに無視を続けると、状況は悪化する一方です。
放置すれば、相手が弁護士を立てて訴訟を起こす可能性が一気に高まります。
裁判まで進んで敗訴すれば、最終的に給与や預貯金を差し押さえられるおそれもあります。
さらに、無視を続ける態度は反省の色がないと不誠実に受け取られ、慰謝料を増額する要因になりかねません。
減額交渉の観点ではむしろ逆効果です。
対応に困って身動きが取れないときも、放置だけは避けてください。
どう返答すべきか判断がつかない場合は、その時点で弁護士に相談すれば、適切な対応方法を示してもらえます。
2. 払えない金額で合意しない
早く解決したい気持ちや罪悪感から、相手の言い値をそのまま受け入れてしまう人は少なくありません。
しかし、どれだけ自分に非があったとしても、現実的に支払えない金額で合意するのは避けるべきです。
無理な条件で合意して支払いが滞れば、強制執行を申し立てられ、給与や預貯金を差し押さえられるおそれがあります。
これは相手にとっても、合意したのにお金が入ってこない望ましくない結果です。
支払える金額には上限があると誠実に伝え、必要であれば分割払いも視野に入れて、現実的な条件で着地させましょう。
そのほうが、自分にとっても相手にとっても、結局は早い解決につながります。
3. 示談書にサインする前に必ず内容を確認する
示談書に一度署名・押印すると、その内容は原則としてあとから取り消せません。
相手から示談書を渡されても、その場でサインせず、内容をひとつずつ確認してください。
特に次のポイントは必ずチェックしてください。
- 慰謝料の金額・支払い方法・支払い期限が正確に明記されているか
- 清算条項(今後これ以上請求しない旨の取り決め)が入っているか
- 退職や相手への接触禁止など、過剰な付帯条件がつけられていないか
- 支払いが遅れた場合に高額な違約金が発生する条項が紛れていないか
相手が作成した示談書には、自分にとって著しく不利な条件が含まれている場合も少なくありません。
これらの条項の意味やリスクを正確に読み取るには法律の知識が必要です。
少しでも不安があれば、サインする前に弁護士にチェックを依頼しましょう。
4. 有利な証拠になりそうなものは消さない
相手とのLINEやメールの履歴は削除しないでください。
突然の慰謝料請求にパニックになり、やり取りを慌てて消す人は少なくありませんが、非常に危険です。
履歴を消すと、不倫の事実を示すものだけでなく、自分にとって有利な情報まで一緒に失います。
たとえば、次のようなやり取りは減額交渉の強力な材料です。
- 相手から執拗に肉体関係を迫られていたとわかる記録
- 相手が「自分は独身だ」と偽っていたやり取り
- 不倫が始まる前から相手の夫婦関係が破綻していたと示すメッセージ
上に挙げたようなやり取りは、きっかけが相手にあった事実や、そもそも支払い義務がない可能性を裏づける証拠になり得ます。
請求を受けた直後は感情が不安定になりがちですが、証拠になりそうなデータは決して消さず、スクリーンショットなどの形で保存しておきましょう。
慰謝料を減額したいなら弁護士への相談が近道
慰謝料を抑えたいなら、弁護士に相談するのが確実です。
とくに次のような状況に当てはまるなら、早めの切り替えを検討してください。
- すでに相手側に弁護士がついている
- 決定的な証拠を握られていて、不倫の事実を争うのが難しい
- 互いに感情的になり、話し合いがまったく進まない
- 請求額が相場(おおむね50万~300万円程度)を大きく超えている
- 不倫期間が長いなど、慰謝料が高額になりやすい事情がある
無理に自分だけで対応を続けると、不利な言質を取られたり裁判に発展したりするリスクが高まります。
抱え込んで疲弊する前に、まずは無料相談で弁護士に状況を話してみましょう。
不倫慰謝料の減額を弁護士に依頼するメリット
弁護士への依頼で、減額交渉の結果は大きく変わる可能性があります。
主なメリットは次の4つです。
-
適正な慰謝料額を判断してもらえる
弁護士は過去の裁判例や個別の事情をふまえて適正額の見通しを示し、自分では気づけない減額要素も探し出してくれる。その結果、不当な払いすぎを防げる。 -
自分の代わりに交渉してもらえる
代理人として相手とのやり取りを一任でき、感情的な対立を避けた冷静な交渉が可能。相手に弁護士がついていても対等に渡り合え、精神的な負担も軽くなる。 -
示談書の内容チェックで不利な合意を防げる
清算条項の漏れや不当な違約金など、見落としがちな条項を法的な視点でチェックしてもらえる。 -
調停・裁判に発展しても任せられる
交渉が決裂しても代理人として対応を一任でき、複雑な書類作成や期日出席も任せられる。

報酬金は減額幅に応じて決まるため、大きく減額できれば、費用を払っても負担を抑えられる場合があります。
まずは初回無料相談で、見積もりを確認しましょう。
慰謝料の減額交渉を弁護士に任せるなら「ベンナビ離婚」
不倫慰謝料の減額交渉は、弁護士の交渉力や経験が結果に直結しやすい分野のため、自分の状況に合った弁護士を見つけられるかどうかが重要です。
そこで役立つのが、離婚・不倫問題に注力する弁護士を探せるポータルサイト「ベンナビ離婚」です。
居住地域と相談内容を選ぶだけで、慰謝料問題を取り扱う弁護士を簡単に探せます。
さらに、次のような条件で絞り込めます。
- 初回の面談相談無料
- 電話相談・オンライン相談に対応
- 休日の相談が可能
慰謝料を請求された側の対応を得意とする事務所も多く登録されています。
着手金無料や分割払いに対応する事務所もあるため、費用面のハードルも高くありません。
請求された金額が適正かどうかは、自分だけでは判断しにくい場合がほとんどです。
まずは話だけ聞いてほしいという段階でも構いません。
減額交渉は早く動くほど選べる手も多く、有利に進めやすくなります。請求を受けたら、できるだけ早めに弁護士へ相談しましょう。
慰謝料の減額について弁護士に相談して解決した事例
「本当に弁護士に依頼するだけで金額が変わるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
ここでは、実際に弁護士が介入して慰謝料が大幅に減額された2つの解決事例を紹介します。
事例1:職場の上司との不倫で500万円請求→70万円に減額した事例
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【相談の背景】 相談者は職場の上司と不倫関係にあり、上司の妻から500万円の慰謝料を請求されていました。
【弁護士の対応】 弁護士は、不貞を誘発したのは上司側だった点や、不貞行為の回数・期間、上司本人には慰謝料が請求されていない点などを根拠に反論。
【解決の結果】 交渉の結果、当初500万円だった請求は70万円まで減額され、解決に至りました。 |
不倫慰謝料の請求では、相手の請求額がそのまま認められるとは限りません。
減額につながる事情が複数あれば、このように大幅な減額が実現する場合もあります。
高額な請求を受けてお困りの方は、一度弁護士にご相談ください。
事例2:突然の330万円請求を80万円まで減額した事例
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【相談の背景】 相談者は不倫をしており、ある日、相手方の弁護士から慰謝料330万円を求める内容証明郵便が届きました。 受け取った日から1週間以内に支払うようにとの記載もあり、慌てて事務所へ相談に訪れました。
【弁護士の対応】 話を聞くと、不貞行為の回数は多くなく、期間も長くありませんでした。 相手方の夫婦ももともと婚姻関係が破綻に近い状態にあったため、弁護士はこれらの事情を根拠に減額を主張。 あわせて、相談者の家族に知られずに進めたい希望にも配慮しました。
【解決の結果】 交渉の結果、330万円の請求は80万円まで減額され、家族に知られることなく解決できました。 |
高額な請求書が届くと、その金額を払うしかないと感じてしまいがちです。
しかし実際には、適切な主張と交渉によって、これらの事例のように請求額を大きく下回る金額で解決できる可能性があります。
不倫慰謝料の減額に関するよくある質問
ここでは、不倫慰謝料の減額について多く寄せられる質問をまとめました。
交渉を進めるうえでの疑問や不安の解消にお役立てください。
Q. 自分が請求した側で相手から減額を求められた場合、応じるべきですか?
A. 相手の主張に、婚姻期間や不貞の回数・期間、夫婦関係の状況といった正当な減額理由があるかどうかが判断の分かれ目です。
理由に妥当性があるなら、交渉が長引いて調停・裁判に進むより、現実的な金額で示談したほうが早期解決につながる場合もあります。
一方、相手が根拠なく払えないと言っているだけなら、安易に応じる必要はありません。
慰謝料の適正額は個別の事情で変わるため、応じるかどうかの判断に迷う場合は、減額に応じる前に弁護士への相談をおすすめします。
Q. 不倫を認めてしまいましたが、今からでも減額交渉はできますか?
A. 不倫の事実を認めていても、支払う金額についての交渉は可能です。
問題になるのはいくら払うかであり、婚姻期間の短さや不貞の回数など減額につながる事情があれば、それを根拠に交渉できます。
ただし、すでに示談書に署名・押印した場合、後から覆すのは困難です。
まだ合意前であれば交渉の余地は十分にあるため、一度弁護士の無料相談を利用してみてください。
Q. 相手に弁護士がついています。自分も依頼すべきですか?
A. 相手に弁護士がついている場合、知識や交渉経験の差がそのまま結果の差につながりやすくなります。
とくに調停や裁判に進む可能性があるなら、自分も弁護士に依頼するよう強くおすすめします。
まとめ
不倫慰謝料を請求されても、その全てを請求どおりに支払わなければならないわけではありません。
婚姻期間や不倫の期間・回数、夫婦関係の状況など減額につながる事情は複数あり、ケースによってはそもそも支払い義務が生じない場合もあります。
まずは、自分のケースに当てはまる減額要素を見極め、正しく主張しましょう。
焦って不利な示談書にサインしたり、請求を無視して放置したりするのは、かえって状況を悪化させるため避けてください。
慰謝料を適正な金額まで引き下げられれば、その後の生活の立て直しもしやすくなります。
一人で抱え込まず、まずは不倫問題に強い弁護士の無料相談を利用し、自分のケースにどれだけ減額の余地があるかを確かめてみましょう。
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